8.6.2 Webフロントシステムでのタイムアウトを設定する
ここでは,Webフロントシステムでのタイムアウトの設定について説明します。
Webフロントシステムのタイムアウトを設定する場合は,システム全体のタイムアウトのうち,次の図に示す,1〜6および13のポイントについて意識する必要があります。この番号は,図8-9または図8-10と対応しています。
- ポイント
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Webサーバを経由しないでJ2EEサーバに直接リクエストを送受信する場合,設定できるのは5〜13のポイントです。1〜4のポイントは該当しません。
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Webサーバでのクライアントからのリクエスト受信,およびクライアントへのデータ送信待ち時間(1のポイント)
Webブラウザからの要求が滞った場合に,タイムアウトによってWebサーバのリソースを解放します。また,Webブラウザへの応答が滞った場合(Webブラウザが受信しない場合)に,タイムアウトによってWebサーバおよびJ2EEサーバ内のWebコンテナのリソースを解放します。
これらの待ち時間には,同じ値が設定されます。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。
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Webサーバに登録したリバースプロキシでのWebコンテナへのリクエスト送信待ち時間(2および3のポイント)
リバースプロキシからWebコンテナへのリクエスト送信時に,Webコンテナ自体のトラブル,またはWebサーバとWebコンテナ間の通信路でのトラブルによって制御が戻らなくなった場合に,タイムアウトによってWebサーバのリソースを解放します。また,同時にWebブラウザにエラーを通知します。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。
ポイント2はWebコンテナとのコネクション確立の待ち時間,ポイント3はWebコンテナへのリクエスト送信処理の待ち時間です。
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Webサーバに登録したリバースプロキシでのWebコンテナからのデータ受信待ち時間(4のポイント)
J2EEアプリケーションで何かのトラブルが発生して制御が戻らなくなった場合に,タイムアウトによってWebサーバのリソースを解放します。また,同時にWebブラウザにエラーを通知します。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。
- ポイント
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設定の単位はリバースプロキシの転送先単位です。このため,業務によって処理に掛かる時間が異なる場合は,業務に対応するWebアプリケーション単位でリバースプロキシの転送先を定義してタイムアウトを設定することをお勧めします。
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WebコンテナでのリバースプロキシまたはWebクライアントからのデータ受信待ち時間(5のポイント)
Webサーバ連携の場合は,リバースプロキシからWebコンテナへのリクエスト送信時に,Webサーバ自体のトラブル,またはWebサーバとWebコンテナ間の通信路でのトラブルによって要求が滞ったときに,J2EEサーバ(Webコンテナ)のリソースを解放します。
Webサーバを経由しないでJ2EEサーバに直接リクエストを送受信する場合は,Webブラウザからの要求が滞ったときに,J2EEサーバ(Webコンテナ)のリソースを解放します。
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Webコンテナ上でのリクエスト処理待ち時間(6のポイント)
J2EEアプリケーションの実行時間監視機能を利用します。
「8.6.7 J2EEアプリケーションのメソッドタイムアウトを設定する」を参照してください。
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WebコンテナからリバースプロキシまたはWebクライアントへのレスポンス送信待ち時間(13のポイント)
Webサーバ連携の場合は,Webコンテナからリバースプロキシへのレスポンス送信時に,Webサーバ自体のトラブル,またはWebサーバとWebコンテナ間の通信路でのトラブルによって制御が戻らなくなった場合に,タイムアウトによってWebコンテナのリソースを解放します。
Webサーバを経由しないでJ2EEサーバに直接リクエストを送受信する場合は,Webブラウザへの通信が滞ったときに,タイムアウトによってWebコンテナのリソースを解放します。