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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム設計ガイド


8.3.4 Webアプリケーションの同時実行数を制御する

Webアプリケーションの同時実行数制御では,Webフロントシステムの場合に,WebサーバがWebブラウザなどのクライアントから受け付けたHTTPリクエストの処理を,同時に幾つのスレッドで実行するかを制御します。

〈この項の構成〉

(1) 同時実行スレッド数制御の違い

Webコンテナ単位,Webアプリケーション単位,およびURLグループ単位の同時実行スレッド数制御の違いは次のとおりです。

Webコンテナ単位

Webコンテナ全体で同時にHTTPリクエストを処理するスレッド数を設定できます。

Webアプリケーション単位

Webコンテナ上で動作するWebアプリケーションごとに,同時にHTTPリクエストを処理するスレッド数を設定できます。

URLグループ単位

HTTPリクエストをWebアプリケーション内の特定の業務処理(業務ロジック)に対応するURLに振り分ける場合,振り分け先URLの処理ごとに,同時にHTTPリクエストを処理するスレッド数を設定できます。

Webコンテナ単位,Webアプリケーション単位,およびURLグループ単位の同時実行スレッド数の関係を次の図に示します。

図8‒4 Webコンテナ単位,Webアプリケーション単位,およびURLグループ単位の同時実行スレッド数の関係

[図データ]

注意事項

Webコンテナ単位の最大同時実行スレッド数の制御は,Webアプリケーション単位での同時実行スレッド数の制御を無効にした場合だけ有効になります。

Webアプリケーション単位での同時実行スレッド数の制御を有効にする場合,Webコンテナ単位の最大同時実行スレッド数のチェックは,Webアプリケーション単位での同時実行スレッド数制御で実施されます。詳細はマニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「2.15.6 同時実行スレッド数および実行待ちキューサイズの設定例(Webアプリケーション単位)」を参照してください。

Webアプリケーションに対するリクエストの実行は,Webコンテナ単位,Webアプリケーション単位,およびURLグループ単位に設定した同時実行スレッド数に制限されます。Webコンテナ単位,Webアプリケーション単位およびURLグループ単位に設定した同時実行スレッド数を超えるリクエストは,それぞれの実行待ちキューに入ります。

(2) 選択の指針

同時実行スレッド数制御の単位を選択するときの指針について説明します。

なお,同時実行スレッド数を制御する機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「2.13 同時実行スレッド数の制御の概要」を参照してください。