Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム設計ガイド


3.5.2 CTM経由でStateless Session Beanを呼び出すサーバ間連携

CTMを使用する場合に,ほかのアプリケーションサーバ上のJ2EEサーバからCTM経由でStateless Session Beanを呼び出すときの構成について説明します。

〈この項の構成〉

(1) システム構成の特徴

クライアント側のアプリケーションサーバから,CTM経由でサーバ側のアプリケーションサーバを呼び出す構成です。クライアント側のアプリケーションサーバでは,サーブレット,JSP,Entity Bean,Session BeanまたはMessage-driven Beanで構成されるアプリケーションが動作します。サーバ側のアクセスポイントになるコンポーネントは,Stateless Session Beanです。クライアント側のアプリケーションからの呼び出しは,RMI-IIOPで実行されます。

CTM経由でStateless Session Beanを呼び出すサーバ間連携の構成の例を次の図に示します。

図3‒33 Stateless Session Beanを呼び出すサーバ間連携の構成の例

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • アプリケーション間連携で使用できる構成です。複数のクライアントアプリケーションから,サーバアプリケーションを呼び出す場合などに適用できます。

  • システム間連携の場合にも使用できます。すでに構築されたクライアント側システムとサーバ側システムをこのシステム構成にすることで,アプリケーションをシステム間で呼び出せます。

リクエストの流れ

サーバ側のアクセスポイントであるStateless Session Beanへのリクエストは,クライアント側のJ2EEサーバからCTM経由で送られます。

このとき,クライアント側では,サーバ側のアプリケーションサーバのグローバルCORBAネーミングサービスから名前をルックアップして,CTM経由でStateless Session Beanにアクセスします。

CTMを経由したリクエストは,CTMによってJ2EEサーバ上で動作するStateless Session Beanに適切に振り分けられます。

(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

CTM経由でStateless Session Beanを呼び出すサーバ間連携の場合に,それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセスについて説明します。なお,リソースと接続するために必要なプロセスについては,「3.6 トランザクションの種類を検討する」を参照してください。

(a) クライアント側のアプリケーションサーバマシン(サーブレット/JSPの実行環境)

サーブレットおよびJSPを動作させるクライアント側のアプリケーションサーバマシンには,Application Serverをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

  • Webサーバ

  • J2EEサーバ

  • 運用管理エージェント

  • PRFデーモン

(b) クライアント側のアプリケーションサーバマシン(Session Beanの実行環境)

Session Beanを動作させるクライアント側のアプリケーションサーバマシンには,Application Serverをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

  • J2EEサーバ

  • 運用管理エージェント

  • PRFデーモン

(c) サーバ側のアプリケーションサーバマシン

サーバ側のアプリケーションサーバマシンには,Application Serverをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

  • J2EEサーバ

  • 運用管理エージェント

  • PRFデーモン

  • グローバルCORBAネーミングサービス

  • CTMのプロセス群(CTMデーモンおよびCTMレギュレータ)

  • CTMドメインマネジャ

  • スマートエージェント

(d) 運用管理サーバマシン

運用管理サーバマシンには,Application Serverをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

  • Management Server