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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム設計ガイド


2.4.1 プロセス構成

バッチアプリケーションを実行するアプリケーションサーバは,次の図に示すプロセスで構成されます。

図2‒6 バッチアプリケーションを実行するアプリケーションサーバを構成するプロセス

[図データ]

参考

システムを構築する場合は,これらのプロセスをシステムの要件に合わせて,システム内の各マシンに一つまたは複数配置します。

それぞれのプロセスについて説明します。なお,図中の番号は,(1)〜(5)に対応します。

〈この項の構成〉

(1) バッチサーバ

バッチサーバは,バッチアプリケーションの実行基盤となるプロセスです。バッチサーバは,バッチアプリケーション,バッチサービス,J2EEサービス,J2EEリソースなど,複数のプログラムモジュールで構成されます。バッチサーバを構成するプログラムモジュールについては,「2.4.2 バッチサーバの構成」で説明します。

(2) CTM

CTMは,バッチアプリケーションの実行をスケジューリングするためのプロセス群です。CTMを使用することで,バッチアプリケーションの実行を適切に分散,スケジューリングできます。これによって,バッチサーバの数を意識することなく,複数のバッチアプリケーションを同時に実行できます。

CTMとしての機能は,CTMデーモン,CTMレギュレータ,CTMドメインマネジャなどの,複数のプロセスを使用して実現します。また,ネーミングサービスとして,CORBAネーミングサービスを使用します。

CTMの機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「3. CTMによるリクエストのスケジューリングと負荷分散」を参照してください。

ポイント

CTMは,構成ソフトウェアにComponent Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説」の「2.2 構成ソフトウェア」を参照してください。

(3) PRFデーモン(パフォーマンストレーサ)

アプリケーションサーバは,トレース情報をバッファに出力します。また,トレースの対象を拡張して,アプリケーションでもトレース情報をバッファに出力できます。PRFデーモン(パフォーマンストレーサ)は,バッファに出力されたトレース情報をファイルに出力するためのI/Oプロセスです。PRFデーモンが出力するトレース情報ファイルは,システムのボトルネックを検証したり,トラブルシュートの効率向上を図ったりするために役立ちます。

PRFデーモンの機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(4) 運用管理エージェント

運用管理者の代わりに,それぞれのホスト上の論理サーバを起動したり,設定ファイルを更新したりするエージェント機能を持つプロセスです。なお,論理サーバとは,Management Serverの運用管理の対象になる,サーバまたはクラスタです。

(5) Management Server

運用管理ドメイン内の各ホストに配置した運用管理エージェントに指示を出して,運用管理ドメイン全体の運用管理を実行するためのプロセスです。

参考

バッチ処理を実行する場合,(1)〜(5)で示したプロセス以外に,システムの目的に応じてユーザサーバというプロセスを使用できます。ユーザサーバとは,ユーザが定義する任意のサービスやプロセスです。ユーザサーバは論理サーバ(論理ユーザサーバ)として定義できます。論理ユーザサーバとして定義することで,特定のサービスやプロセスがManagement Serverの管理対象となります。これによって,ほかの論理サーバと同様に,Management Serverで一括管理できるようになります。