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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説


7.1 SOAとは

ビジネスを取り巻く環境は,グローバル化,規制緩和,M&A,TOBなど,常にダイナミックに変化しています。そして,企業はこのような環境の変化に対して,迅速かつ柔軟に対応する必要があり,それに合わせて,情報システムの変更を必要とする機会が多くなっています。しかし,このような状況のもと,ITインフラがビジネス環境の変化に追従できないといった悩みを抱える企業が増えています。

このように,ビジネスに対してITは,より深く関係してきており,そのためには,情報システムに対して,ビジネス環境の変化に即応でき,柔軟に対応できるアーキテクチャが必要となります。そこで登場したのが,SOA(Service Oriented Architecture(サービス指向アーキテクチャ))です。

SOAとは,業務に必要な機能を再利用できる「サービス」として作成し,サービスの組み合わせでシステムを構築しよう,という考え方および技術です。また,業務を実現するために,呼び出すサービスの種類や順序を規定した「ビジネスプロセス」を用いることで,サービスの追加・変更・並び替えが容易になります。

SOAのねらいとして,次のものが挙げられます。

●サービスの再利用

サービスを再利用することによって,重複開発を無くし,生産性を向上させたり,開発単位を局所化したりできます。

●業務プロセスの自動化

業務プロセスを自動化することによって,人の介在を減らし,ミスや不正が混入する可能性を排除したり,ターンアラウンドタイムを短縮したりできます。

●業務プロセスの可視化

業務プロセスを可視化することによって,タイムリーな状況を把握したり,継続的なプロセスを改善したりできます。