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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説


1.2 アプリケーションサーバとBPM/ESB基盤との関係

この節では,アプリケーションサーバとBPM/ESB基盤との関係について説明します。

アプリケーションサーバは,業務内容に応じたサービスを実現するためのアプリケーションを開発するためのアプリケーション開発環境と,開発したアプリケーションを実行してユーザにサービスを提供するためのアプリケーション実行環境から構成されています。

BPM/ESB基盤であるサービスプラットフォームは,BPEL準拠のビジネスプロセス管理を実現する機能と,サービスの統合を実現するエンタープライズサービスバスの機能を持つ製品です。

ESBでは,業務に必要なアプリケーションをサービスとして利用します。既存のサービスや新規に作成したサービスを組み合わせて,新しいサービスの迅速な提供を実現します。複数のサービスを組み合わせる場合の実行順序は,ビジネスプロセスで定義します。

これらの機能によって,新規アプリケーションと既存アプリケーションを組み合わせた,ワンストップサービスを実現できます。

アプリケーションサーバとサービスプラットフォームを組み合わせた例を次の図に示します。

図1‒3 アプリケーションサーバとサービスプラットフォームを組み合わせた例

[図データ]

アプリケーション実行環境では,性能と信頼性を確保しながら,ユーザからのリクエストを迅速に処理して,ユーザにサービスを提供します。また,バッチジョブを効率良く実行します。可用性や耐障害性の高い実行基盤として,24時間連続稼働が必要なサービス,停止することが許されない重要な業務,バッチジョブとして実行される基幹業務など,さまざまな要件のアプリケーションを実行するための環境になります。また,セキュリティに配慮したシステムや,内部統制に対応したシステムを実現します。可用性を確保するために,1つのアプリケーションを複数の実行環境で実行することもあります。

業務内容の変更や組織の組み替えなどが発生した場合に,新しいアプリケーションを開発したり,既存のアプリケーションを変更したりするためには,アプリケーション開発環境を使用できます。アプリケーション開発環境では,画面設計から,バックエンドシステムと連携する業務処理の実装まで,シームレスに効率良く実行できます。

業務内容の変更や組織の組み替えなどに対して,既存のアプリケーションや他システムが提供するサービスの再利用で対応する場合は,サービスプラットフォームを使用します。サービスプラットフォームでは,アプリケーション実行環境が提供するサービスやアプリケーションサーバ以外が提供するサービスを統合して,新しいサービスとしてユーザに提供できます。また,サービスプラットフォームは,複数のアプリケーションやシステムから提供される既存のサービスを,統一されたインタフェースで提供するための基盤としても使用できます。