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VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド


21.4.2 起動の順序

ある特定のクラス用に登録されたタイプドオブジェクトラッパーのメソッドは,通常,クライアント側のスタブメソッドに渡されるか,サーバ側のサーバントに渡される引数すべてを受け取ります。各オブジェクトラッパーメソッドは,親クラスのメソッド<interface_name>ObjectWrapper::<method_name>(C++)またはsuper.<method_name>(Java)を起動して,チェーンの中にある次のオブジェクトラッパーメソッドに制御を渡します。オブジェクトラッパーがチェーンの中にある次のオブジェクトラッパーメソッドを呼び出さないで制御を返したい場合は,適切なリターン値とともに返されます。

タイプドオブジェクトラッパーメソッドがチェーンの中にある前のメソッドに制御を返せることで,ユーザはクライアントスタブやオブジェクトインプリメンテーションを起動しないオブジェクトラッパーメソッドを作れます。例えば,頻繁に要求されるオペレーションの結果をキャッシュするオブジェクトラッパーメソッドを作れます。この場合,バインドされたオブジェクトに対するメソッドの最初の呼び出しによって,オペレーション要求がオブジェクトインプリメンテーションに送信されます。制御がオブジェクトラッパーメソッドによって戻る場合,結果は保存されます。同じメソッドの後続の呼び出しでは,オブジェクトラッパーメソッドは,オブジェクトインプリメンテーションにオペレーション要求を実際には発行しないで,キャッシュされた結果を返せます。

タイプドオブジェクトラッパーとアンタイプドオブジェクトラッパーの両方を使う選択をした場合,起動順序については「21.6 タイプドおよびアンタイプドオブジェクトラッパーの混在使用」を参照してください。