Hitachi

VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド


16.1 インタフェースリポジトリとは

IR(インタフェースリポジトリ)は,CORBAオブジェクトのインタフェース情報のデータベースのようなもので,クライアントはこれを使用してランタイム時にインタフェースを調べたり更新したりできます。「13. ロケーションサービスの使用」で説明したオブジェクトのインスタンスを記述するデータを保持するBorland Enterprise Server VisiBrokerロケーションサービスとは対照的に,IRのデータはインタフェース(型)を記述します。IR内に格納されたインタフェースの要求を満たす使用可能なインスタンスが必ず存在するとは限りません。IR内の情報は(一つまたは複数の)IDLファイル(または複数ファイル)内の情報と同じものですが,クライアントがランタイムに使用しやすい方法で実装されています。

IRを使用するクライアントは,「17. 動的起動インタフェースの使用」で説明するDII(動的起動インタフェース)も使用できます。このようなクライアントは,IRを使用して未知のオブジェクトのインタフェースについて照会し,DIIを使用してオブジェクトのメソッドを呼び出します。ただし,IRとDIIの間にコネクションを確立する必要はありません。例えば,IRを使用して開発者向けの「IDLブラウザ」ツールを作成できますが,このツールでは,メソッドの記述をブラウザからエディタにドラッグすると,テンプレートのメソッド呼び出しが開発者のソースコードに挿入されます。この場合,DIIを使用しないでIRだけを使用します。

IRは,IRサーバ(インプリメンテーション)であるBorland Enterprise Server VisiBrokerのirepプログラムを使用して生成します。Borland Enterprise Server VisiBrokerのidl2irプログラムを使用してIRの更新やデータ入力ができるほか,IRの照会や更新,またはその両方を行う独自のIRクライアントを作成することもできます。

〈この節の構成〉