7.1 ポータブルオブジェクトアダプタとは
POA(ポータブルオブジェクトアダプタ)は,BOA(基本オブジェクトアダプタ)に代わり,サーバ側のポータビリティを提供します。
POAは,オブジェクトのインプリメンテーションとVisiBroker ORB間の中間アダプタです。中間アダプタの役割として,POAはリクエストをサーバントに転送し,その結果サーバントが動作して,必要に応じて子POAが生成されます。
各サーバは,複数のPOAをサポートできます。少なくとも一つのPOA(rootPOA)がなければなりません。rootPOAは自動的に生成されます。POAのセットは階層型になっており,すべてのPOAにはその親としてrootPOAがあります。
サーバントマネージャは,サーバントを探してPOAのオブジェクトに対応させます。abstractオブジェクトがサーバントに割り当てられると,そのオブジェクトはアクティブなオブジェクトと呼ばれ,そのサーバントはアクティブなオブジェクトをインカネートすると言われます。それぞれのPOAにはアクティブオブジェクトマップが一つずつあり,このマップによって,アクティブなオブジェクトのオブジェクトIDとアクティブなサーバントが対応づけられます。POAの概要を図7-1に示します。
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