3.1 概要
VisiBroker ORBは,その特徴を定義する特定のプロパティのセットを持ちます。例えば,vbroker.agent.debugは,VisiBrokerアプリケーションとスマートエージェントの間の通信についてのデバッグ情報を出力するようVisiBroker ORBに指示します。VisiBroker ORBの各プロパティはstring,unsigned long,booleanなどのあらかじめ定められたデータ型と値を持ちます。例えば,vbroker.agent.enableLocator=falseはVisiBrokerアプリケーションに対してスマートエージェントとの通信を行わないように指示します。
VisiBroker ORBが初期化処理を開始すると,これらのプロパティの多くが読み込まれます。
VisiBroker ORBプロパティは,アプリケーション起動時にプロパティファイルまたはコマンドライン引数に指定できます。プロパティファイルは次のように記述されています。
- コードサンプル3-1 プロパティファイルの抜粋
vbroker.agent.enableLocator=false
コマンドライン引数にプロパティを指定すると次のようになります。
- コードサンプル3-2 コマンドライン引数によるプロパティ設定例
-
- C++の場合
Server -Dvbroker.agent.port=14999
- Javaの場合
vbj Server -vbroker.agent.port 5024
プロパティの優先順位については,「3.3 WindowsおよびUNIXプラットフォームでのプロパティの優先順位」を参照してください。Javaアプレットに関しては,「3.4 アプレットのプロパティの優先順位」を参照してください。
プロパティは,CORBA::ORB_init()(C++の場合)またはORB.init()(Javaの場合)が呼び出されたときに渡された引数から読み込まれます。プロパティマネージャ内のメモリにプロパティが格納されると,ファイルまたはコマンドライン引数は参照されません。
作成したクライアントアプリケーションをjavaコマンドで起動する場合には,次のプロパティ一覧で示したプロパティ情報を,JavaVMに渡して起動する必要があります。各プロパティ値に指定する値はアプリケーション起動時に-VBJdebugオプションを指定して出力されるデバッグ情報を参考にしてください。
# |
プロパティ名 |
---|---|
1 |
javax.rmi.CORBA.StubClass |
2 |
javax.rmi.CORBA.UtilClass |
3 |
javax.rmi.CORBA.PortableRemoteObjectClass |
4 |
org.omg.CORBA.ORBClass |
5 |
org.omg.CORBA.ORBSingletonClass |
6 |
vbroker.agent.port |
7 |
vbroker.orb.admDir |
8 |
java.endorsed.dirs |
9 |
application.home |
10 |
java.class.path |