付録H.4 ローリングアップデートで運用環境のリポジトリを移行する手順
ローリングアップデートとは,システムを全面停止しないで,更新インストールで移行する方法です。
ローリングアップデートで移行する場合,2台以上のHCSCサーバでロードバランスクラスタを構成している必要があります。
次の図に示す「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」〜「(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)」の手順に従って,サービスプラットフォームを旧バージョンから11-10へ移行してください。
図H-3の「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」〜「(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)」の手順の詳細と,2台目以降のHCSCサーバ(実行環境)に対して実施する作業を次に示します。
なお,手順内で使用するコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「5. コマンド(運用環境・実行環境)」を参照してください。
- 注意事項
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ローリングアップデートでの移行が完了するまで,旧バージョンのシステムに対して,次の操作はできません。
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cscsvsetupコマンドで,新規にHCSCサーバをセットアップする
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csccompodeployコマンドで,新規にHCSCコンポーネントを配備する
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- 〈この項の構成〉
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(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)
バージョンアップ前の運用環境のリポジトリをエクスポートして,いったん退避します。複数のリポジトリを使用している場合は,すべてのリポジトリをエクスポートして退避します。
cscrepctlコマンド(-exportオプション)を運用環境で実行して,バージョンアップ前のリポジトリをエクスポートしてください。
リポジトリのエクスポート方法の詳細については,「4.2 リポジトリのエクスポート」を参照してください。
(2) 運用環境のインストール
運用環境で11-10のサービスプラットフォームをインストールしてバージョンアップします。運用環境は,新規インストールまたは更新インストールでインストールします。
- 新規にインストールする場合
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「付録H.2 新規にインストールして運用環境のリポジトリを移行する手順」の「(2) HCSCコンポーネントの削除(運用環境)」〜「(5) 各環境のインストール」の作業を実施します。
- 更新インストールする場合
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「付録H.3 更新インストールして運用環境のリポジトリを移行する手順」の「(1) 各環境の更新インストール」の作業を実施します。
- 注意
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更新インストールする場合,インストールする環境で,J2EEサーバ,Management Server,PRFなどのサービスプラットフォーム実行環境が稼働中の場合は,すべていったん停止してから更新インストールしてください。
インストールするときの前提条件を次に示します。
- 前提条件
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HCSCサーバがセットアップ済みであること
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サービスプラットフォームおよびReliable Messagingが停止していること
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組み込みデータベースを使用している場合,組み込みデータベースを停止していること
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HCSCサーバ,J2EEサーバ,およびHCSCコンポーネントが停止していること
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(3) 製品のアンインストール(運用環境)
09-00より前のバージョンから移行する場合,次の製品をアンインストールします。これらは09-00以降でサービスプラットフォームに同梱されるため,アンインストールすることをお勧めします。
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Service Adapter for Flat Files
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Service Adapter Architect for Flat Files
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Service Adapter for FTP
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Service Adapter Architect for FTP
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Service Adapter for Message Queue
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Service Adapter Architect for Message Queue
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Service Adapter for Object Access
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Service Adapter Architect for Object Access
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Service Adapter for TP1
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Service Adapter Architect for TP1
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コード変換 - Development Kit
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コード変換 - Server Runtime
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コード変換 - Runtime
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TP1/Client/J
(4) リクエストの送信制御(ロードバランサ)
バージョンアップするHCSCサーバに対してリクエストを送信しないように,ロードバランサを設定します。その際,仕掛かり中のリクエストがないことを確認してください。なお,設定方法は各ロードバランサの仕様によって異なります。
(5) 実行環境のインストール(実行環境)
実行環境で,11-10のサービスプラットフォームをインストールしてバージョンアップします。
実行環境は,新規インストールまたは更新インストールのどちらかの方法でインストールします。
- 新規にインストールする場合
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「付録H.2 新規にインストールして運用環境のリポジトリを移行する手順」の「(2) HCSCコンポーネントの削除(運用環境)」〜「(6) HCSCサーバの構築(運用環境)」の作業を実施します。
- 更新インストールする場合
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「付録H.3 更新インストールして運用環境のリポジトリを移行する手順」の「(1) 各環境の更新インストール」の作業を実施します。
(6) J2EEサーバのクラスパスの変更(実行環境)
09-00より前のバージョンから移行する場合,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に次に示す定義があれば削除してください。定義の変更はSmart Composer機能または運用管理ポータルの使用をお勧めします。
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add.class.path=<TP1アダプタのインストールディレクトリ>\lib\adptp1rt.jar
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add.class.path=<ファイルアダプタのインストールディレクトリ>\lib\adpffrt.jar
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add.class.path=<Object Accessアダプタのインストールディレクトリ>\lib\adpoart.jar
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add.class.path=<Object Accessアダプタのインストールディレクトリ>\usrlib\adpoaow.jar
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add.class.path=<Message Queueアダプタのインストールディレクトリ>\lib\adpmqrt.jar
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add.class.path=<FTPアダプタのインストールディレクトリ>\lib\adpftprt.jar
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add.class.path=<FTPアダプタのインストールディレクトリ>\lib\ftp_common.jar
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add.class.path=<コード変換ライブラリのインストールディレクトリ>\java\codeconv.jar
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add.class.path=<TP1/Client/Jのインストールディレクトリ>\LIB\TP1Client.jar
(7) 旧オプションアダプタの定義ファイルの移行(実行環境)
09-00より前で使用していたオプションアダプタを移行する場合,次の作業を実施してください。
(a) TP1アダプタの定義ファイルの移行
TP1アダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<TP1アダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\TP1\config\
(b) ファイルアダプタの定義ファイルの移行
ファイルアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<ファイルアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\File\config\
(c) Object Accessアダプタの定義ファイルの移行
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<Object Accessアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\OA\config\
(d) Message Queueアダプタの定義ファイルの移行
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<Message Queueアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\MQ\config\
(e) FTPアダプタの定義ファイルの移行
FTPアダプタコマンド定義ファイルとFTPアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<FTPアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\FTP\config\
(8) 製品のアンインストール(実行環境)
09-00より前のバージョンから移行する場合,次の製品をアンインストールします。これらは09-00以降でサービスプラットフォームに同梱されるため,アンインストールすることをお勧めします。
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Service Adapter for Flat Files
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Service Adapter Architect for Flat Files
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Service Adapter for FTP
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Service Adapter Architect for FTP
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Service Adapter for Message Queue
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Service Adapter Architect for Message Queue
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Service Adapter for Object Access
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Service Adapter Architect for Object Access
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Service Adapter for TP1
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Service Adapter Architect for TP1
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コード変換 - Development Kit
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コード変換 - Server Runtime
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コード変換 - Runtime
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TP1/Client/J
(9) サービスプラットフォームおよびReliable Messagingの移行(実行環境)
次の手順でサービスプラットフォームおよびReliable Messagingを移行してください。09-00より前のバージョンから移行する場合は,次の作業も必要です。
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移行コマンド(mngenvupdateコマンド)の実行
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mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)へのプロパティの追加
次のプロパティを追加してください。追加しないでManagement Serverを起動すると,cscで始まるコマンドがエラーになる場合があります。プロパティの追加方法については,「2.1.6(1) mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)の設定」を参照してください。
ejbserver.naming.port ejbserver.server.edition.settingforce
サービスプラットフォームの移行方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10. 旧バージョンのアプリケーションサーバからの移行(J2EEサーバモードの場合)」を参照してください。
(10) 実行環境のバージョンアップ(運用環境)
運用環境から実行環境のバージョンアップを実施します。
(a) 前提条件
実行環境をバージョンアップするには,次の条件を満たしている必要があります。
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Management Serverが起動していること
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組み込みデータベースを使用している場合,組み込みデータベースが起動していること
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リポジトリのバージョンがインストールバージョンより古いか,一致していること
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リポジトリのバージョンがインストールバージョンより古い場合,リポジトリのバージョンが08-00以降であること
前提条件を満たしていない場合,上記の順番で起動,停止,およびバージョンアップを実施してください。
(b) バージョンアップ方法
cscenvupdateコマンドを実行して,リポジトリとHCSCサーバをバージョンアップします。
cscenvupdate -csc <バージョンアップするHCSCサーバ名>
(11) HCSCサーバの起動(運用環境)
バージョンアップしたHCSCサーバを起動します。
(12) HCSCコンポーネントの開始(運用環境)
「(10) 実行環境のバージョンアップ(運用環境)」で起動したHCSCサーバに配備されているHCSCコンポーネントを開始します。
(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)
バージョンアップしたHCSCサーバに対してリクエストを送信するように,ロードバランサを設定します。なお,設定方法は各ロードバランサの仕様によって異なります。
(14) 2台目以降のHCSCサーバ(実行環境)に対しての作業
ロードバランスクラスタを構成しているすべてのHCSCサーバに対して,「(4) リクエストの送信制御(ロードバランサ)」〜「(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)」の作業を実施します。
なお,旧バージョンで使用していたリポジトリ情報を開発環境でバージョンアップ前後に変更し,そのリポジトリ情報を使用して運用する場合のバージョンアップ方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「付録A 旧バージョンからの移行」を参照してください。
(15) ローリングアップデートで移行する場合の注意事項
ローリングアップデートで移行する場合の注意事項は,開発環境,運用環境および実行環境のバージョンアップ時と同じです。ローリングアップデートで移行する場合の注意事項については,「付録G.4(15) ローリングアップデートで移行する場合の注意事項」を参照してください。