7.10.1 メッセージトラッキング機能の適用例
メッセージトラッキングは,障害発生時の性能解析トレースファイルがあれば,Service Architect,Service Platformがインストールされているマシンならどこでも利用できます。そのため,障害発生時の性能解析トレースファイルがあれば,障害が発生したHCSCサーバ稼働マシンだけでなく,障害が発生したHCSCサーバとは別のリモート環境でも障害を解析できます。
メッセージトラッキングの適用例を次に示します。
(1) サービス部品への接続で障害が発生した場合
サービス部品への接続で障害が発生した場合,性能解析トレースファイルを解析して,障害個所の特定および障害原因の切り分けをします。サービス部品への接続で障害が発生した場合の障害解析の流れを次の図に示します。
-
障害が発生したHCSCサーバ稼働マシンにアクセスし,性能解析トレースファイルを取得します。
-
J2EEサーバ稼働ログの障害情報を確認し,ログに出力されているエラーメッセージから次の情報を取得します。
-
障害発生時刻
-
ルートアプリケーション情報
-
メッセージ共通ID
「RootApInfo = 」に続いて出力されている文字列がルートアプリケーション情報です。ルートアプリケーション情報は,「IPアドレス/プロセスID/通信番号」の形式で出力されます。
J2EEサーバ稼働ログの出力例を次に示します。
-
-
メッセージトラッキングを起動します。
障害発生時刻で読み込む性能解析トレースファイルを絞り込んで,メッセージトラッキングを起動します。メッセージトラッキングの起動については,「7.10.2 メッセージトラッキングの起動」を参照してください。
-
ルートアプリケーション情報に一致する性能解析トレースを表示して障害を解析します。
ルートアプリケーション情報に一致する性能解析トレースの表示については,「7.10.3 性能解析トレースの表示」を参照してください。
(2) システム全体の障害を調査する場合
プロセスのハングアップ,スローダウン,タイムアウトなどによってリクエストに遅延が発生した場合,性能解析トレースファイルのルートアプリケーション情報から,遅延しているリクエストの情報を確認します。遅延しているリクエストの情報から,障害個所を特定し,システム全体の障害を調査します。システム全体の障害を調査する場合の障害解析の流れを次の図に示します。
-
障害が発生したHCSCサーバ稼働マシンにアクセスし,性能解析トレースファイルを取得します。
-
メッセージトラッキングを起動します。
メッセージトラッキングの起動については,「7.10.2 メッセージトラッキングの起動」を参照してください。
-
性能解析トレースファイルのルートアプリケーション情報一覧を表示して,遅延しているリクエストの情報を確認します。
性能解析トレースファイルのルートアプリケーション情報一覧の表示については,「7.10.4 ルートアプリケーション情報の一覧表示」を参照してください。
-
3.で確認したルートアプリケーション情報に一致する性能解析トレースを表示し,遅延個所を特定します。
(3) 送信したリクエストの状況を確認する場合
送信したリクエストが返ってこない場合や,リクエストがどこまで進んだのかを確認したい場合,リクエスト送信時刻で解析対象の性能解析トレースを絞り込んで,送信したリクエストの状況を確認します。
送信したリクエストの状況を確認する場合の障害解析の流れを次の図に示します。
-
障害が発生したHCSCサーバ稼働マシンにアクセスし,性能解析トレースファイルを取得します。
-
メッセージトラッキングを起動します。
メッセージトラッキングの起動については,「7.10.2 メッセージトラッキングの起動」を参照してください。
-
リクエスト送信時刻で解析対象の性能解析トレースを絞り込みます。
解析対象の性能解析トレースの絞り込みについては,「7.10.5 性能解析トレースの絞り込み」を参照してください。
-
絞り込んだ性能解析トレースを解析して,送信したリクエストの状況を確認します。