2.1.4 組み込みデータベースの構築
Service Architectには,開発したHCSCコンポーネントをテストするためのテスト環境として利用できる,組み込みデータベースとしてHiRDB/Single Serverが用意されています。
開発環境でのテスト用にHCSCサーバを構築する場合,組み込みデータベースを利用すると,別途DBサーバを用意・構築する必要がありません。
- 注意事項
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HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップする場合,以降で説明する組み込みデータベースの設定を行う必要はありません。
HCSC簡易セットアップ機能の詳細については,「2.4 テスト環境の簡易セットアップ」を参照してください。
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テスト用のHCSCサーバと組み込みデータベースは,開発環境の同じマシン上に構築してください。ほかのマシンにDBサーバを構築して組み込みデータベースを利用することはできません。
また,組み込みデータベースはHiRDBを基にしています。ほかのデータベース(Oracle)を使用する場合,ほかのマシンにDBサーバを構築してください。
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HCSC簡易セットアップ機能で組み込みデータベースをセットアップした場合,外部マシンから組み込みデータベースにリモート接続できません。HiRDB SQL Executerを使用して組み込みデータベースを操作する場合は,テスト環境マシンでHiRDB SQL Executerを起動し,[CONNECT]ダイアログのホスト名に「localhost」を指定してください。
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組み込みデータベースを利用する場合に必要な設定について,以降で説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) DBサーバ側の設定
組み込みデータベースを利用するには,次の作業が必要です。
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HiRDB/Single Serverのインストール
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HiRDB SQL Executerのインストールおよび環境変数の設定
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DBサーバの構築および環境設定
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ユーザの設定およびスキーマの定義
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RDエリアの準備
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組み込みデータベースの再起動
各作業について,次に説明します。
(a) HiRDB/Single Serverのインストール
Service Architectに含まれる構成ソフトウェアのHiRDB/Single Serverをインストールします。
Service Architectのインストールの詳細については,「2.1.2 インストール」を参照してください。
(b) HiRDB SQL Executerのインストールおよび環境変数の設定
HiRDB SQL Executerをインストールします。
組み込みデータベースを構築する場合のHiRDB SQL Executerのインストール方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」の「3.2 HiRDB SQL Executerのインストール」を参照してください。
インストールが完了したら,次に示す環境変数PATHを追加・設定します。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\DB\BIN; <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\DB\CLIENT\UTL;
(c) DBサーバの構築および環境設定
組み込みデータベースのDBサーバの構築・環境設定には,Developerが提供するコマンドとHiRDB SQL Executerを利用します。
DBサーバの構築および環境設定の方法については,HiRDBのマニュアルを参照してください。
(d) ユーザの設定およびスキーマの定義
データベースを利用するユーザとスキーマを定義します。
組み込みデータベースのユーザの設定およびスキーマの定義の方法については,HiRDBのマニュアルを参照してください。
(e) RDエリアの準備
HCSC Messagingの管理情報テーブルを格納するために,必要に応じてRDエリアを作成,追加または拡張します。また,RDエリアを作成,追加または拡張した場合に,正しく処理されたかどうか確認します。
RDエリアを作成,追加または拡張する手順について,次に示します。
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OSのシステム環境変数(PDHOST,PDNAMEPORT,PDUSER)に,組み込みデータベースとは異なるHiRDBサーバの接続情報を設定している場合,setコマンドで削除します。
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Windowsの[スタート]メニューの[プログラム]から,[HiRDBSingleServer_CS0]−[HiRDBコマンドプロンプト]を選択します。
組み込みデータベースを操作する環境変数が設定されます。
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作業に応じて,次のコマンドを実行します。
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pdfmkfsコマンド(RDエリアを作成する場合)
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pdmodコマンド(RDエリアを追加,拡張する場合)
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pddblsコマンド(RDエリアの状態を表示する場合)
上記のコマンドについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
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RDエリアを追加・拡張した場合,必要に応じて組み込みデータベースのDB定義ファイル(HiRDBシステム定義ファイル)のpdbufferオペランドを追加して,組み込みデータベースのグローバルバッファを拡張します。
組み込みデータベースのDB定義ファイルは,DBサーバの構築時に指定したDB定義ファイルディレクトリの配下にあります。
(2) DBクライアント(HCSCサーバ)側の設定
組み込みデータベースを利用する場合,DBクライアント(HCSCサーバ)の設定として,次の作業が必要です。
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DBクライアントの環境変数の設定
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環境変数グループの設定
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組み込みデータベースの同時接続数の設定
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Reliable Messaging用のユーザ権限の設定およびRDエリアの準備
各作業について,次に説明します。
(b) 環境変数グループの設定
次に示すパスの「クライアント環境変数登録ツール」で環境変数のグループを登録します。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\DB\CLIENT\UTL
クライアント環境変数登録ツールで環境変数グループを登録する方法の詳細については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
なお,登録した環境変数グループ名は,DB ConnectorのプロパティのXA_OPEN文字列で指定します。DB ConnectorのプロパティのXA_OPEN文字列(XAOpenString)については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2.2 DB Connectorのプロパティ定義」を参照してください。
(c) 組み込みデータベースの同時接続数の設定
必要に応じて,組み込みデータベースの同時接続数を増やします。組み込みデータベースのDB定義ファイルのオペランドを変更します。DB定義ファイルは,「(1)(c) DBサーバの構築および環境設定」の作業を行うときに,DBサーバ構築の設定画面で設定するディレクトリにあります。
DB定義ファイルで変更するオペランドを次に示します。
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pd_max_users(最大同時接続数)
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pd_max_server_process(最大同時起動サーバプロセス数)
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pd_process_count(常駐プロセス数)
あわせて,環境変数PDTXACANUMの値は,pd_max_usersの指定値以上に設定します。
(d) Reliable Messaging用のユーザ権限の設定およびRDエリアの準備
必要に応じて,Reliable Messaging用のユーザ権限の設定およびRDエリアの準備を行います。
ユーザ権限の設定方法は,「(1)(d) ユーザの設定およびスキーマの定義」に示す方法と同じです。
RDエリアの準備の方法は「(1)(e) RDエリアの準備」に示す方法と同じです。