4.1.1 HCSCサーバで設定できるタイマ
HCSCサーバで設定できるタイマについて次の図に示します。
「図4-1 設定できるタイマ」の各項番は次のタイマを示しています。
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サービス部品に接続するときのタイマ(Webサービス)
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サービス部品に接続するときのタイマ(SessionBean)
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HCSCサーバに接続するときのタイマ(Webサービス)
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HCSCサーバに接続するときのタイマ(SessionBean)
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HCSCサーバ内のトランザクションのタイマ
タイマは接続先やプロトコルによって設定方法が異なります。
- 〈この項の構成〉
(1) サービス部品に接続するときのタイマ(Webサービス)
サービス部品(Webサービス)に接続する場合,書き込み,読み込み,および接続時のタイマを設定できます。
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書き込み時のタイマ
HTTPおよびHTTPS(TCP/IP通信)で使用するソケットに対するwrite(データ送信)処理でのタイムアウト値を設定します。接続確立後のデータ送信が完了しない場合などで有効となります。
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読み込み時のタイマ
HTTPおよびHTTPS(TCP/IP通信)で使用するソケットに対するread(データ受信)処理でのタイムアウト値を設定します。接続確立後のデータ受信が完了しない場合などで有効となります。
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接続時のタイマ
HTTPおよびHTTPS(TCP/IP通信)で使用するソケットに対するconnect(ソケット接続)処理でのタイムアウト値を設定します。接続確立時の要求に対する応答がない場合などで有効となります。
タイムアウト値の設定は,SOAP通信基盤を利用する場合と,JAX-WSエンジンを利用する場合で異なります。それぞれの場合の設定方法を説明します。
(a) タイムアウト値の設定(SOAP通信基盤)
SOAP通信基盤(SOAP1.1モード)を利用する場合のタイムアウト値の設定方法について説明します。タイムアウト値は,HCSCサーバ全体またはサービスアダプタ個別に設定できます。
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HCSCサーバ全体の設定
タイムアウト値は,HCSCサーバ稼働マシンのSOAP通信基盤のサーバ定義ファイルで定義します。サーバ定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。
表4‒1 HCSCサーバ全体のタイマ(Webサービス)の設定(SOAP通信基盤) 値
キー名称
デフォルト値(秒)
サーバ兼クライアントのソケットの書き込みタイムアウト値
c4web.application.<識別子>.socket_write_timeout
60
サーバ兼クライアントのソケットの読み込みタイムアウト値
c4web.application.<識別子>.socket_read_timeout
300
サーバ兼クライアントのソケットの接続タイムアウト値
c4web.application.<識別子>.socket_connect_timeout
60
-
サービスアダプタ個別の設定
開発環境で設定する場合,サービスアダプタ定義画面のクライアント定義ファイルに指定します。クライアント定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.3 クライアント定義ファイルの設定」を参照してください。
表4‒2 サービスアダプタ個別のタイマ(Webサービス)の設定(SOAP通信基盤) 値
キー名称
デフォルト値(秒)
クライアントのソケットの書き込みタイムアウト値
c4web.application.socket_write_timeout
60
クライアントのソケットの読み込みタイムアウト値
c4web.application.socket_read_timeout
300
クライアントのソケットの接続タイムアウト値
c4web.application.socket_connect_timeout
60
(b) タイムアウト値の変更(SOAP通信基盤)
すでにHCSCサーバに配備しているサービスアダプタに対して運用環境で定義する場合は,cscsvcctlコマンドを使用して,サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更します。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「5.3.26 サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更する」を参照してください。cscsvcctlコマンドの使い方については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvcctl(サービス情報の管理)」を参照してください。
値 |
キー名称 |
---|---|
書き込みタイムアウト値 |
<クラスタ名>.<サービスID>.WebService.c4web.application.socket_write_timeout |
読み込みタイムアウト値 |
<クラスタ名>.<サービスID>.WebService.c4web.application.socket_read_timeout |
接続タイムアウト値 |
<クラスタ名>.<サービスID>.WebService.c4web.application.socket_connect_timeout |
(c) タイムアウト値の設定(JAX-WSエンジン)
JAX-WSエンジン(SOAP1.1/1.2併用モード)を利用する場合のタイムアウト値の設定方法について説明します。タイムアウト値は,HCSCサーバ全体またはサービスアダプタ個別に設定できます。
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HCSCサーバ全体の設定
HCSCサーバ稼働マシンのJAX-WSエンジンの共通定義ファイルで定義します。共通定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。
表4‒4 HCSCサーバ全体のタイマ(Webサービス)の設定(JAX-WSエンジン) 値
キー名称
デフォルト値(ミリ秒)
サーバ兼クライアントのソケットの読み込みタイムアウト値
com.cosminexus.jaxws.request.timeout
300000
サーバ兼クライアントのソケットの接続タイムアウト値
com.cosminexus.jaxws.connect.timeout
60000
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サービスアダプタ個別の設定
開発環境で設定する場合,サービスアダプタ定義画面のクライアント定義ファイルに指定します。クライアント定義ファイルの設定については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「3.6.2 クライアント定義ファイル」を参照してください。
表4‒5 サービスアダプタ個別のタイマ(Webサービス)の設定(JAX-WSエンジン) 値
キー名称
デフォルト値(秒)
クライアントのソケットの読み込みタイムアウト値
com.cosminexus.csc.request.timeout
300
クライアントのソケットの接続タイムアウト値
com.cosminexus.csc.connect.timeout
60
(d) タイムアウト値の変更(JAX-WSエンジン)
すでにHCSCサーバに配備しているサービスアダプタに対して運用環境で定義する場合は,cscsvcctlコマンドを使用して,サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更します。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「5.3.26 サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更する」を参照してください。cscsvcctlコマンドの使い方については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvcctl(サービス情報の管理)」を参照してください。
値 |
キー名称 |
---|---|
読み込みタイムアウト値 |
<クラスタ名>.<サービスID>.WebService.com.cosminexus.csc.request.timeout |
接続タイムアウト値 |
<クラスタ名>.<サービスID>.WebService.com.cosminexus.csc.connect.timeout |
(2) サービス部品に接続するときのタイマ(SessionBean)
(a) タイムアウト値の設定
サービス部品に接続するときのタイマ(SessionBean)は,HCSCサーバ全体に設定したり,サービスアダプタ個別に設定したりできます。設定方法を次に示します。
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HCSCサーバ全体の設定
HCSCサーバ稼働マシンのアプリケーションサーバのEJBコンテナでタイムアウトを設定します。RMI-IIOP通信のタイムアウトの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「2.11.5 RMI-IIOP通信のタイムアウト」を参照してください。
また,設定するパラメタの詳細については,次に示すマニュアルを参照してください。
-
J2EEサーバの互換モードが推奨モードの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.3 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」
-
J2EEサーバの互換モードがV9互換モードの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「10.1.1 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」
表4‒7 HCSCサーバ全体のタイマ(SessionBean)の設定 値
設定するファイル
キー名称
デフォルト値(秒)
RMI-IIOP通信すべてに有効となるタイムアウト値
J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)
ejbserver.rmi.request.timeout
0
(タイムアウトしません)
CORBAネーミングサービス部品との通信でのタイムアウト値
ejbserver.jndi.request.timeout
0
(タイムアウトしません)
-
-
サービスアダプタ個別の設定
開発環境で定義する場合,サービスアダプタ定義画面のクライアント定義ファイルに指定するファイルで設定します。クライアント定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.3 クライアント定義ファイルの設定」を参照してください。
表4‒8 サービスアダプタ個別のタイマ(SessionBean)の設定 値
キー名称
デフォルト値(秒)
呼び出しタイムアウト値
c4web.application.ejb_timeout
0
(タイムアウトしません)
(b) タイムアウト値の変更
すでにHCSCサーバに配備しているサービスアダプタに対して運用環境で定義する場合は,cscsvcctlコマンドを使用して,サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更します。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「5.3.26 サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更する」を参照してください。cscsvcctlコマンドの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvcctl(サービス情報の管理)」を参照してください。
値 |
キー名称 |
---|---|
呼び出しタイムアウト値 |
<クラスタ名>.<サービスID>.SessionBean.c4web.application.ejb_timeout |
(3) HCSCサーバに接続するときのタイマ(Webサービス)
HCSCサーバに接続するときのタイマ(Webサービス)は,サービスリクエスタ稼働マシン側で設定します。サービスリクエスタの稼働しているマシン全体に設定したり,サービスリクエスタ個別に設定したりできます。
SOAP通信基盤およびJAX-WSエンジンを使用する場合に分けて,設定方法を示します。
(a) タイムアウト値の設定(SOAP通信基盤)
SOAP通信基盤を利用する場合のタイムアウト値の設定方法について説明します。タイムアウト値は,サービスリクエスタ稼働マシン全体またはサービスリクエスタ個別に設定できます。
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サービスリクエスタ稼働マシン全体の設定
サービスリクエスタ稼働マシンでのSOAP通信基盤のサーバ定義ファイルで定義します。設定内容は「4.1.1(1)(a) タイムアウト値の設定(SOAP通信基盤)」の場合と同様です。サーバ定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。
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サービスリクエスタ個別の設定
作成するサービスリクエスタごとに個別に設定する場合,サービスリクエスタを実行するときに指定するクライアント定義ファイルで設定します。設定内容は「4.1.1(1)(a) タイムアウト値の設定(SOAP通信基盤)」の場合と同様です。クライアント定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.3 クライアント定義ファイルの設定」を参照してください。
(b) タイムアウト値の設定(JAX-WSエンジン)
JAX-WSエンジンを利用する場合のタイムアウト値の設定方法について説明します。タイムアウト値は,サービスリクエスタ稼働マシン全体またはサービスリクエスタ個別に設定できます。
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サービスリクエスタ稼働マシン全体の設定
サービスリクエスタ稼働マシンでのJAX-WSエンジンの共通定義ファイルで定義します。設定内容は「4.1.1(1)(c) タイムアウト値の設定(JAX-WSエンジン)」の場合と同様です。共通定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。
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サービスリクエスタ個別の設定
作成するサービスリクエスタごとに個別に設定する場合,プロセス別の定義ファイルで設定します。プロセス別の定義ファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1.3 プロセス別の定義ファイルの設定」を参照してください。
(4) HCSCサーバに接続するときのタイマ(SessionBean)
HCSCサーバに接続するときのタイマ(SessionBean)は,サービスリクエスタの稼働しているマシン全体に設定したり,サービスリクエスタ個別に設定したりできます。設定方法を次に示します。
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サービスリクエスタ稼働マシン全体の設定
サービスリクエスタ稼働マシンのアプリケーションサーバで,EJBコンテナでタイムアウトを設定します。設定内容は「(2) サービス部品に接続するときのタイマ(SessionBean)」の場合と同様です。RMI-IIOP通信のタイムアウトの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「2.11.5 RMI-IIOP通信のタイムアウト」を参照してください。設定するパラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「12.2.2 usrconf.properties(Javaアプリケーション用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
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サービスリクエスタ個別の設定
作成するサービスリクエスタごとに個別に,createからremoveまでのAPI通信のタイムアウト値を設定する場合,サービスリクエスタのアプリケーション開発時にAPI(RequestTimeoutConfigFactoryクラスおよびRequestTimeoutConfigクラスのメソッド)で設定します。
(5) HCSCサーバ内のトランザクションのタイマ
HCSCサーバ内のトランザクションのタイマは,HCSCサーバ全体で設定します。HCSCサーバ稼働マシンのアプリケーションサーバのEJBコンテナでタイムアウトを設定します。設定するパラメタの詳細については,次に示すマニュアルを参照してください。
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J2EEサーバの互換モードが推奨モードの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.3 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」
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J2EEサーバの互換モードがV9互換モードの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「10.1.1 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」
表4‒10 HCSCサーバ内のトランザクションのタイマの設定 値
設定するファイル
キー名称
デフォルト値(秒)
J2EEサーバ上で開始されるトランザクションのトランザクションタイムアウト値
J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)
ejbserver.jta.TransactionManager.defaultTimeOut
180