2.1.4 サービス部品呼び出し処理で与えられる識別情報
HCSCサーバ内のサービス部品呼び出し要求とその流れを区別するために,各要求電文にメッセージ共通IDとサービスリクエストIDが割り当てられます。これらのIDはメッセージログ,リクエストトレース,および性能解析トレースで出力されます。
メッセージ共通IDとサービスリクエストIDをたどることで,サービス部品呼び出しの処理の流れを追跡できます。電文の追跡については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.7 サービス部品呼び出し要求時の障害対策」を参照してください。
なお,HCSCサーバに割り当てられる識別情報のほかに,ユーザが任意の値を設定できるクライアント相関IDがあります。
- 〈この項の構成〉
(1) 識別情報の種類
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メッセージ共通ID
サービスリクエスタからサービス部品呼び出し要求を受け取ったタイミングで自動的に割り当てられます。応答まで同じメッセージ共通IDを使用します。
サービスリクエスタからビジネスプロセスを呼び出す場合でも,ビジネスプロセス内の個々のサービス部品呼び出し処理を同一の処理として識別できます。メッセージ共通IDの形式を次に示します。
CSC_[サーバ名]_[受付時刻(ミリ秒)]_[通番]
- 注 末尾に与えられる通番は,「1」から順番に割り当てられる番号です。
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(例)CSC_CSCServerName_2008-04-20_11:32:18.360_1
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サービスリクエストID
HCSCサーバ内の個別のサービス部品呼び出し処理ごとに割り当てられる識別情報です。
サービスリクエスタからのサービス部品呼び出し要求を受け取ったタイミングだけでなく,ビジネスプロセスからのサービス部品呼び出し処理を実施するタイミングでも割り当てられます。サービスリクエストIDの形式を次に示します。
MSG_[サーバ名]_[受付種別]_[受付時刻(ミリ秒)]_[通番]
- 注 末尾に与えられる通番は,「1」から順番に割り当てられる番号です。
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(例)MSG_CSCServerName_MDBWSR_2008-04-20_11:32:18.360_1
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ビジネスプロセスインスタンスID
ビジネスプロセスの個々のプロセスインスタンスを特定するための識別情報(プロセスインスタンスの識別子)です。サービスリクエスタからビジネスプロセスの再実行を要求する場合や,プロセスインスタンスの実行履歴を削除するときに使用します。
(2) 識別情報が割り当てられるタイミング
標準受付から直接サービスアダプタを呼び出す場合は,メッセージ共通IDおよびサービスリクエストIDは,HCSCサーバ内で識別情報として引き継がれます。標準受付やユーザ定義受付からビジネスプロセスを経由してサービスアダプタを呼び出す場合は,メッセージ共通IDは,HCSCサーバ内で識別情報として引き継がれます。しかし,サービスリクエストIDは,サービス部品呼び出し処理ごとの識別情報として引き継がれます。また,ビジネスプロセスインスタンスIDは,ビジネスプロセスが最初に要求を受け付けるときに割り当てます。
メッセージ共通IDとサービスリクエストIDが割り当てられるタイミングを次の図に示します。