2.3.3 コンテキストの設定
XML Security - Coreでは,実行環境に固有の情報のうち,XML構文に明示的に現れない情報をコンテキストとして処理します。コンテキストとして処理される情報を次に示します。
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実行中の処理のモードを表します。署名に関する処理モードには,署名生成モードと署名検証モードの2種類があります。また,暗号に関する処理モードには,暗号化モードと復号化モードの2種類があります。
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署名文書(Signature要素が置かれるXML文書),または暗号文書(EncryptedData要素またはEncryptedKey要素が置かれるXML文書)を表すDocumentオブジェクトです。
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相対URIで外部リソースを取得する場合に使用するURIです。署名対象または暗号化対象を取得する場合に,署名文書または暗号文書から外部ファイルを相対パスで参照するときに必要になります。
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署名対象または暗号化対象を指定する場合のURI参照を,ファイルなどの具体的なデータに結び付けるためのコールバックです。利用環境に応じてカスタマイズできます。URI参照解決のカスタマイズについては,「4.3.1 URI参照解決」を参照してください。
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URI参照のうち,署名文書または暗号文書内の要素を識別する場合に,IDとXML要素をマッピングするためのコールバックです。利用環境に応じてカスタマイズできます。ID解決のカスタマイズについては,「4.3.2 ID解決」を参照してください。
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署名の生成・検証,またはデータの暗号化・復号化に必要な鍵を取得するためのコールバックです。鍵情報に基づいて,鍵を取得します。
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署名文書または暗号文書を生成するときに,XML署名,XML暗号,または各種変換アルゴリズムなど,仕様で決められた名前空間を識別する名前空間プレフィックスを指定します。
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暗号文書を作成するときに,暗号の安全性を高めるための乱数を生成するオブジェクトです。