21.2 スレッドの非同期並行処理の概要
アプリケーションサーバでは,Java EE環境で非同期タイマ処理や非同期スレッド処理などのスレッドの非同期並行処理を実行できます。
Java EEの標準仕様では,サーブレットから新しいスレッドを生成したりEJBがスレッドを管理したりできません。また,スレッドの非同期並行処理は原則的に推奨されていません。そのため,アプリケーションサーバでは,Java EE環境でスレッドの非同期並行処理を実現するために,CommonJが定めたTimer and Work Manager for Application Serversの仕様に基づいたAPIを提供します。
スレッドの非同期並行処理を実現するためのAPIの概要を次に示します。
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Timer for Application Serversの仕様に準拠したAPIです。このAPIを使用すると,実行間隔を指定してスレッドの非同期処理をスケジューリングできます。この機能を非同期タイマ処理と呼びます。
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Work Manager for Application Serversの仕様に準拠したAPIです。このAPIを使用すると,スレッドの非同期処理ができます。この機能を非同期スレッド処理と呼びます。
TimerManagerおよびWorkManagerは,EJBまたはサーブレットから使用できます。
アプリケーションサーバの,Timer and Work Manager for Application Serversへの対応状況については,「21.2.3 Timer and Work Manager for Application Serversとの対応」を参照してください。