20.1.3 使用するリソースアダプタ
ルートリソースアダプタおよびメンバリソースアダプタで実行できるコマンド,設定の概要,および注意事項について説明します。
(1) 実行できるコマンド
ルートリソースアダプタおよびメンバリソースアダプタごとの,コマンドの実行可否を次の表に示します。なお,これ以外のコマンドについてはどちらのリソースアダプタでも実行できます。
コマンド |
リソースアダプタの種類 |
|
---|---|---|
ルートリソースアダプタ |
メンバリソースアダプタ |
|
cjstartrar |
○ |
○ |
cjstoprar |
○ |
○ |
cjtestres |
○ |
○ |
cjlistrar |
○ |
○ |
cjclearpool |
× |
○ |
cjlistpool |
× |
○ |
cjsuspendpool |
× |
○ |
cjresumepool |
× |
○ |
(2) DB Connectorの設定
ルートリソースアダプタおよびメンバリソースアダプタのDB Connectorで設定する項目を次の表に示します。
設定項目 |
リソースアダプタの種類 |
|
---|---|---|
ルートリソースアダプタ |
メンバリソースアダプタ |
|
トランザクションサポートレベル |
× |
○※1 |
ログ取得の可否 |
○ |
○ |
データベース接続情報 |
− |
○ |
DB Connector固有の設定(ステートメントプールなど) |
− |
○ |
セキュリティ情報(ユーザ名,パスワード) |
× |
○※2 |
コネクションプールサイズ |
× |
○ |
クラスタコネクションプール固有の設定 |
○ |
− |
DB Connectorの設定の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」,または「20.6 Connector属性ファイル」を参照してください。
(3) ルートリソースアダプタについての注意事項
-
cjclearpoolコマンドは実行できません。実行した場合は,メッセージが出力され,コマンドが異常終了します。クラスタコネクションプール内のコネクションをcjclearpoolコマンドでクリアする場合は,メンバリソースアダプタに対してコマンドを実行してください。
-
cjlistpoolコマンドは実行できません。実行した場合は,メッセージが出力され,コマンドが異常終了します。クラスタコネクションプール内のコネクションプールの情報を表示する場合は,cjlistpoolコマンドの-resnameにメンバリソースアダプタの表示名を指定するか,-resallを指定して実行してください。
-
一つのクラスタコネクションプール内で,コンテナ管理でのサインオンとコンポーネント管理でのサインオンを混在して使用できません。コンポーネント管理でのサインオンを使用する場合は,ルートリソースアダプタに属するすべてのメンバリソースアダプタのユーザ名を空白にしてください。
-
ルートリソースアダプタは,ルートリソースアダプタに属するすべてのメンバリソースアダプタが開始状態の場合に開始できます。これ以外の場合に,ルートリソースアダプタを開始すると,コンソールまたは画面にエラーメッセージが出力され,リソースアダプタの開始に失敗します。
(4) メンバリソースアダプタについての注意事項
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メンバリソースアダプタでは,次の機能が前提となります。これらの機能は,デフォルトで有効となり,無効にすることはできません。
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コネクションプーリング
コネクションプールの最大値に0より大きい値を設定してください。0以下の値を設定した場合,コネクションプールの最大値と最小値にデフォルト値が指定されたものとして動作します。
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コネクション取得時のコネクションの障害検知
コネクション取得時のコネクションの障害検知およびコネクション障害検知のタイムアウトは,設定値に関係なく有効となります。
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コネクション枯渇時のコネクション取得待ち
コネクション枯渇時のコネクション取得待ちは,設定値に関係なく有効となります。
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loginTimeout
loginTimeoutのプロパティに0よりも大きい値を設定してください。0以下の値を設定した場合はデフォルト値が指定されたものとして動作します。
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-
メンバリソースアダプタでは,次の機能を使用できません。これらの機能は,デフォルトで無効となり,有効にすることはできません。
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コネクションの取得リトライ
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J2EEリソースのユーザ指定名前空間
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メンバコネクションプール内のコネクションは,すべて同じデータベースノードに接続している必要があるため,データベースで接続先を変更する機能は使用しないでください。次にその機能の例を挙げます。なお,各機能を無効にする設定については,オラクルのマニュアルを参照してください。
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クライアント・ロード・バランシング機能
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接続時フェイルオーバー機能
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データベースサービス
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リスナによる負荷分散機能
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メンバリソースアダプタにアクセスするときは,必ずルートリソースアダプタを経由します。そのため,次の個所には設定できません。
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J2EEアプリケーションのリソースリファレンス
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CMP Entity Beanのマッピング定義
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メンバリソースアダプタは,所属するルートリソースアダプタが停止状態の場合に停止できます。開始状態のときに,メンバリソースアダプタを停止すると,コンソールまたは画面にエラーメッセージが出力され,リソースアダプタの停止に失敗します。
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メンバコネクションプールの閉塞および一時停止時,コネクションを破棄するために,コネクションプールから未使用コネクションを取り除きます。この際,コネクションの破棄が完了していない時点でコネクションプールが再開されると,コネクションプール内のコネクションとコネクションプールから取り除いた未使用コネクションの総数が,コネクションプールのコネクション数の最大値を一時的に超える場合があります。