9.3 Managementアクションの実行制御とは
ここでは,Managementアクションの実行制御について説明します。
同一のManagementアクションの実行を一定時間抑止したり,同時実行数の上限を設定したりすることによって,Managementアクションの実行を制御できます。これによって,同一のManagementアクションが重複して実行されたり,Managementアクションの実行が集中したりすることを防ぎます。
なお,Managementアクションの実行とは,Managementアクションとして指定されたコマンドを実行してから,コマンドが終了またはタイムアウトするまでのことを指します。
Managementアクションの実行制御方式を次の表に示します。
なお,上記二つの方式を同時に指定した場合,同時実行数の上限値に達していないときでも,抑止時間内のManagementアクションの実行は抑止されます。
Managementアクションの制御方式について例を使って説明します。
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設定例1
次の内容が設定されていることとします。
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Managementアクションの実行時間:5秒
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抑止時間:10秒
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同時実行数の上限値:2
Managementアクションの制御例を次の図に示します。
図9‒2 Managementアクションの制御例1 この図の例では,アクション1のあと,10秒間は同一アクションの実行を抑止するため,アクション2およびアクション3の実行は抑止されます。抑止時間が過ぎたあと,アクション4が実行できるようになります。
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設定例2
次の内容が設定されていることとします。
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Managementアクションの実行時間:5秒
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抑止時間:0秒(抑止しない)
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同時実行数の上限値:2
Managementアクションの制御例を次の図に示します。
図9‒3 Managementアクションの制御例2 この図の例では,抑止時間の制限がないため,アクション1の実行後に,アクション2が実行されます。ただし,この時点で同一Managementアクションの同時実行数の上限値に達しているため,アクション3の実行は抑止されます。アクション1の実行が終了したあと,アクション4を実行できるようになります。アクション5,6については,アクション2,3と同様になります。
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設定例3
次の内容が設定されていることとします。
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Managementアクションの実行時間:12秒
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抑止時間:3秒
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同時実行数の上限値:2
Managementアクションの制御例を次の図に示します。
図9‒4 Managementアクションの制御例3 この図の例では,アクション1の実行後,3秒間は同一のManagementアクションの実行が抑止されるため,アクション2の実行は抑止されます。アクション3の実行後,同一Managementアクションの同時実行数の上限値に達したため,アクション4の実行が抑止されます。アクション1の実行終了後,アクション5を実行できようになります。
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