4.9.1 トランザクション連携機能の概要
トランザクション連携機能は,OpenTP1のSUPが開始したトランザクションにアプリケーションサーバのMessage-driven Bean(サービス)が開始したトランザクションを参加させる機能です。これによって,OpenTP1のSUPでのリソース更新と,アプリケーションサーバのMessage-driven Bean(サービス)でのリソース更新の同期を取り,データの整合性を保てます。
TP1インバウンドアダプタでのトランザクション連携機能の位置づけを次の図に示します。
同期点監視スレッドが,OpenTP1からの同期点処理を受け付けます。RPC送信コネクションは,トランザクション連携機能の同期点電文送受信スレッドに対して,リクエストを送信し,処理を同期します。
トランザクション通信機能は,次の要素で構成されます。
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同期点電文送受信スレッド
OpenTP1からの同期点処理(プリペア・コミット・ロールバック)を受信して,トランザクションマネージャ(JTA・OTS)に対してトランザクションの同期点処理を委譲するスレッドです。このスレッドは,TP1インバウンドアダプタの開始時に最大同時同期点処理数分作成し,終了時に消滅します。最大同時同期点処理数の指定方法については「4.12.2 リソースアダプタの設定」を参照してください。
トランザクション連携機能では,次の処理を制御します。
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グローバルトランザクションの範囲
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グローバルトランザクションへのMessage-driven Bean(サービス)の参加条件
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トランザクショナルRPCの受信と応答
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同期点処理
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同期点処理の最適化
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トランザクション連携機能の設定
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トランザクション障害発生時の対処