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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド


付録C.2 バッチサーバの作業ディレクトリ

バッチサーバは作業ディレクトリ中にサーバ名などを用いてディレクトリやファイルを生成します。ディレクトリ名やファイル名,パス全体の長さには上限があり,作業ディレクトリ全体がパス全体の上限に収まらないとバッチサーバは正常に動作できません。ここでは,作業ディレクトリの構成と作業ディレクトリのパス長の見積もり式について説明します。

〈この項の構成〉

(1) バッチサーバの作業ディレクトリの構成

バッチサーバの作業ディレクトリは,バッチサーバが動作する上で必要な作業領域です。この領域には,ユーザのパスワード情報,インポートされたリソースアダプタなどの情報が格納されます。

バッチサーバには,次の作業ディレクトリがあります。

  1. J2EEリソース

  2. J2EEリソースアダプタ(コンフィグレーション関連)

  3. J2EEリソースアダプタ(デプロイ関連)

なお,2.および3.はJ2EEサーバの場合と同じです。詳細は,「付録C.1(1)(d) J2EEリソースアダプタ(コンフィグレーション関連)」および「付録C.1(1)(e) J2EEリソースアダプタ(デプロイ関連)」を参照してください。

ここでは,J2EEリソースの作業ディレクトリの構成について説明します。また,移行コマンド実行後のディレクトリ構成についても説明します。

(a) J2EEリソース

J2EEリソースのディレクトリ構成を図で示したあと,各ディレクトリを説明します。なお,図中の番号と説明の番号は対応しています。また,図中では,同一ディレクトリに複数の種類のファイルが入る場合は,いちばん長いファイル名だけを記載しています。

図C‒11 J2EEリソースのディレクトリ構成

[図データ]

  1. RARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はRARファイル名を基に付けられます。

  2. RARファイルは,17けたの数字.rarの名前でここに格納されます。

(b) バッチサーバの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

バッチサーバの移行コマンド実行時,作業ディレクトリの下に作業ディレクトリ_oldの名前でディレクトリを作成し,そこに旧バージョンの作業ディレクトリ下のファイルを退避します。バッチサーバの移行コマンド実行後のディレクトリ構成は,J2EEサーバの場合と同じです。詳細は,「付録C.1(1)(h) J2EEサーバ,またはWebコンテナサーバ(互換機能)の移行コマンド実行後のディレクトリ構成」を参照してください。この際,「J2EEサーバ」を「バッチサーバ」に置き換えてお読みください。

(c) リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

リソースアダプタの移行コマンド実行時,rarupdate_bkの名前でディレクトリを作成し,各バッチサーバのリソースアダプタのファイルを退避します。リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成については,「付録C.1(1)(i) リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成」を参照してください。

(2) 作業ディレクトリのパス長の見積もり式

作業ディレクトリのパス長の見積もり式は次のようになります(単位:バイト)。これらの式がすべて満たされるように,各種パラメタを調整してください。なお,見積もり式中の「最大パス長」とは,OSで規定されているパス長の制限のことです。OSのパス長の制限については,ご使用のOSのドキュメントなどで確認してください。なお,Windowsの場合,最大パス長は259バイトです。

(凡例)

A:作業ディレクトリまでのパスの長さ

B:作業ディレクトリ名の長さ

C:最も長いサーバ名の長さ

D:インポートしたときのRARファイル名のうち,最も長いファイル名の長さ

E:最も長いリソースアダプタ表示名の長さ

F:ログファイル出力先ディレクトリのパスの長さ(簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejb.server.log.directoryパラメタで指定する値)