4.1.21 簡易構築定義ファイルを設定するときの注意事項(J2EEアプリケーション使用時)
簡易構築定義ファイルを設定するときの注意事項について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) アプリケーションサーバの機能を有効にするための設定
簡易構築定義ファイルのコンフィグレーション定義では,デフォルトが設定されています。使用するアプリケーションサーバの機能によっては,デフォルトの設定では無効なものもあります。この場合は,簡易構築定義ファイルのパラメタと値を追加または変更して,機能を有効にする設定をします。なお,機能を使用するために設定する項目のうち,一部の設定項目は,簡易構築定義ファイルで定義できません。簡易構築定義ファイルで設定できない項目は,ほかのユーザ定義ファイルを使用して定義します。
例えば,J2EEサーバが使用するネーミングサービス,トランザクション,コネクション,コンテナ,ログ,セキュリティの設定を変更したい場合,J2EEサーバのJavaVMの起動オプションなどを変更したい場合などには,簡易構築定義ファイルで設定を変更します。簡易構築定義ファイルに,テキストエディタなどを使用して,変更対象のパラメタ名と変更後の値を設定します。ただし,J2EEサーバのセキュリティポリシーとWebアプリケーションのプロパティを変更したい場合には,Management Serverでは設定できません。簡易構築定義ファイル以外のユーザ定義ファイル(server.policy,hitachi_web.properties)をテキストエディタなどで編集して,動作設定を変更してください。
- 注意事項
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server.policyまたはhitachi_web.propertiesを編集する場合は,編集対象のJ2EEサーバのセットアップが完了していることが前提になります。また,UNIXの場合,動作設定を変更するときには,root権限(Component Container管理者を設定していない場合),またはComponent Container管理者の権限(Component Container管理者を設定している場合)が必要です。
(2) AllTextパラメタでのhttpsd.confの直接設定
簡易構築定義ファイル作成時に,論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内のSetByパラメタで「text」を指定した場合に,AllTextパラメタでhttpsd.confを直接設定するときの注意事項について説明します。
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Management Serverは,httpsd.confの最後に記述されたListenディレクティブの値で,Webサーバの動作確認をします。AllTextパラメタ内にListenディレクティブを複数記述するときには,動作確認で使用する値を最後に記述してください。
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HWSGracefulStopTimeoutディレクティブの設定が必要になる場合があります。「4.8.4 HWSGracefulStopTimeoutディレクティブとManagerの停止監視時間の設定に関する注意点」を参照してください。
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Webサーバのsnapshotログの収集対象を変更するときは,AllTextパラメタではなく,snapshotログ収集対象定義ファイルで編集してください。なお,デフォルトの収集対象は,<HTTP Serverのインストールディレクトリ>/servers/HWS_<論理Webサーバの実サーバ名>/logsです。
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AllTextパラメタ内に次のIncludeディレクティブの指定があると,Webシステムの構築時に警告メッセージが出力されます。SetByパラメタで「text」を指定した場合には,次のIncludeディレクティブを指定しないでください。
Include <HTTP Serverのインストールディレクトリ>/servers/HWS_<論理Webサーバの実サーバ名>/conf/httpsd_manager.conf
(3) 一つのホストを複数のネットワークセグメントに接続する場合の環境設定での注意
ここでは,一つのホストを複数のネットワークセグメントに接続する場合に,環境設定で注意することについて説明します。
次の図に示すように,ホストが複数のネットワークセグメントに接続されていて,複数個のIPアドレスを持つ場合は,IPアドレスおよびホスト名の設定に注意が必要です。
この図のようなシステム構成の場合,簡易構築定義ファイルのホストの定義では,次のように設定してください。
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<host-name>タグには,次のどちらかを設定してください。
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サーバ間,または負荷分散機とサーバ間の通信に使用するネットワークのIPアドレス
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サーバ間,または負荷分散機とサーバ間の通信に使用するネットワークのホスト名
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<agent-host>タグには,次のどちらかを設定してください。
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Management Serverとサーバ間の通信に使用するネットワークのIPアドレス
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Management Serverとサーバ間の通信に使用するネットワークのホスト名
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次の表に示すパラメタでホスト名またはIPアドレスを指定して,使用するネットワークセグメントを特定してください。各論理サーバで固定にするパラメタを次の表に示します。
表4‒10 固定にするパラメタ 対象になる論理サーバ
パラメタ
対象になるホスト※
Webサーバ
Listen
運用ホスト
J2EEサーバ
mngagent.connector.host
管理ホスト
vbroker.se.iiop_tp.host
運用ホスト
webserver.connector.http.bind_host
運用ホスト
webserver.connector.nio_http.bind_host
運用ホスト
ネーミングサービス
ns.bind.host
運用ホストまたは管理ホスト(ユーザが選択)
CTM
ctm.NsBindHost
運用ホスト