1.3 システム運用の概要
運用を開始したシステムでは,業務アプリケーションの入れ替え,稼働統計情報を利用したパフォーマンスチューニングなど,システムの保守を目的とした運用が発生します。運用作業は,実施するタイミングや内容によって,通常運用,保守運用,障害運用に分類できます。これらの作業では,運用管理ポータル(GUI)またはSmart Composer機能(CUI)のどちらかのツールを使用します。
- ●通常運用とは
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アプリケーションサーバで実施する通常運用では,運用開始後に日々実施する,次の作業が該当します。システムの起動・停止に加えて,稼働状況の確認は,システムを構成する論理サーバのステータスや稼働状況を適宜確認して,安定した稼働状態を保っていくためにも必要な作業になります。
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システムの起動(業務の開始)
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システムの稼働状況の確認
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システムの停止(業務の終了)
通常運用の手順については,「3.1 アプリケーションサーバの通常運用」を参照してください。
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- ●保守運用とは
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アプリケーションサーバで実施する保守運用では,運用状況に合わせて実施する,次の作業が該当します。サービスの提供方法やシステムのメンテナンスに応じて業務アプリケーションの設定を変更して入れ替えたり,稼働状況の資料を分析して動作環境を最適化したり,運用規模を調整したりするなど,運用状況によって必要な作業になります。
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業務アプリケーションの入れ替え
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パフォーマンスチューニング
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IPアドレスの変更
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データベース接続環境の変更
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システムの構成・定義情報の取得
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不要なJ2EEサーバの削除
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運用管理機能の管理ユーザアカウントの設定変更
保守運用の手順については,「3.2 アプリケーションサーバの保守運用」を参照してください。
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- ●障害運用とは
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アプリケーションサーバでの障害発生時には,障害情報を取得して,業務を再開するためにシステムを回復する作業が必要になります。これを障害運用といいます。運用を再開したあとは,障害時に取得した障害情報を基に,障害の原因を解析する作業も実施します。アプリケーションサーバの機能では,プロセスがダウンしたり,ハングアップ(無応答)したりすると,プロセスを自動再起動して回復する運用も提供しています。障害運用の事前設定や障害情報の取得などについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」を参照してください。