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VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド


12.2 VisiBroker ORBドメイン内の作業

図12-1のように,同時に複数のVisiBroker ORBドメインを実行することが望ましい場合がよくあります。一つのドメインを製品用のクライアントプログラムとオブジェクトインプリメンテーションで構成し,もう一つのドメインを同一クライアントとオブジェクトの,まだ一般向けにリリースされていないテストバージョンで構成できます。複数の開発者が同じローカルネットワークで作業している場合,それぞれの開発者は,テスト作業が相互に干渉し合うことがないように,自身のVisiBroker ORBドメインを確立することを望む可能性があります。

図12‒1 別々のORBドメインの同時実行

[図データ]

Borland Enterprise Server VisiBrokerでは,各ドメインのスマートエージェントに対する一意のUDPポート番号を使用することによって,同じネットワーク上の複数のVisiBroker ORBドメインを相互に区別できます。このポート番号は,OSAGENT_PORT環境変数で指定できます。OSAGENT_PORT環境変数のデフォルト値は,14000です。異なるポート番号を使用したい場合は,システム管理者に問い合わせて,使用できるポート番号を確認してください。デフォルト設定を変更するには,スマートエージェント,OAD,オブジェクトインプリメンテーション,またはそのORBドメインに割り当てられたクライアントプログラムを実行する前に,OSAGENT_PORT環境変数を設定する必要があります。

Windowsでは,OSAGENT_PORT環境変数を設定する代わりに,Windowsのレジストリ設定,またはvregedit.exeユーティリティプログラム(Borland Enterprise Server VisiBrokerをインストールしたディレクトリのbinディレクトリ内にある)を使用して設定することもできます。

コードサンプル12-1 cshを実行するUNIXのシステムでのOSAGENT_PORT環境変数の設定
prompt> setenv OSAGENT_PORT 5678
prompt> osagent &
prompt> oad &

また,スマートエージェントは,自身のORBドメインに属するアプリケーション(osfind,nameservおよびoadも含む)と通信するために,OSAGENT_PORT環境変数で設定するポート番号とは別に,OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT環境変数で設定するポート番号も使用します。OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT環境変数で設定するポート番号は,TCPとUDPの両方のプロトコルで使用され,両方とも同じ番号です。

OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT環境変数のデフォルト値はありません。OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT環境変数が設定されていない場合は,OSによって自動的に割り当てられたポート番号を使用して通信を行います。

OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT環境変数に0以外を指定する場合,OSAGENT_PORT環境変数と同様にポート番号の有効範囲は,5001〜65535の範囲の整数値です。それ以外の値を指定した場合,動作の保証はできません。