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VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド


10.4.6 リファレンスの文字列への変換

Borland Enterprise Server VisiBroker では,オブジェクトリファレンスを文字列に変換したり,文字列をオブジェクトリファレンスに戻したりするメソッドをVisiBroker ORBクラスで提供しています。CORBAの仕様では,オブジェクトリファレンスを文字列に変換するプロセスを文字列化,文字列をオブジェクトリファレンスに戻すプロセスを非文字列化と呼びます。

文字列化と非文字列化のメソッドを表10-1に示します。

表10‒1 文字列化と非文字列化のメソッド

メソッド

説明

object_to_string

オブジェクトリファレンスを文字列に変換します。

string_to_object

文字列をオブジェクトリファレンスに戻します。

クライアントプログラムは,object_to_stringメソッドを使用してオブジェクトリファレンスを文字列に変換し,それをほかのクライアントプログラムに渡します。すると2番目のクライアントは,string_to_objectメソッドを使用してオブジェクトリファレンスを非文字列化し,オブジェクトへの明示的なバインドを必要としないでオブジェクトリファレンスを使用できます。

注1(C++の場合)

object_to_stringの呼び出し元は,返された文字列を,CORBA::string_free()メソッドで解放する必要があります。

注2

VisiBroker ORBまたはPOAのようなローカルスコープのオブジェクトリファレンスは文字列化できません。文字列化しようとすると,マイナーコード4のMARSHAL例外が発生します。