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TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド


6.2.2 直接起動によるプロセス監視

この方法の場合,プロセス監視定義ファイルの設定およびプロセス停止用コマンドの作成が必要です。

〈この項の構成〉

(1) 監視方法

直接起動によるプロセス監視方法の概要を次の図に示します。

図6‒1 直接起動によるプロセス監視

[図データ]

(2) 監視対象プロセスの起動方法

TPBroker開始時に渡されるプロセス監視定義ファイルを読み込み,そのプロセス監視定義ファイルで設定されたプロセスを起動します。プロセス監視定義ファイルは,TPBrokerオンライン開始時に読み込まれます。

(3) 監視対象プロセスの起動のタイミング

次のどちらかをプロセス監視定義ファイルで選択できます。

(4) 監視対象プロセスの起動成功の判断基準

起動したプロセスのプロセスIDを取得でき,プロセスの監視を開始できた場合に,起動成功と判断します。

(5) 監視対象プロセスの起動失敗時のアクション

プロセス監視定義ファイルに設定された監視対象プロセスに実行権限がないなどの理由でプロセス起動ができない場合,次のどれか一つをプロセス監視定義ファイルで選択できます。

(6) 監視区間

admstartコマンドを発行してからadmstopコマンドを発行するまで,またはadmstartprcコマンドを発行してからadmstopprcコマンドを発行するまでの間です。

(7) 監視対象プロセス異常終了時のアクション

次のどれか一つをプロセス監視定義ファイルで選択できます。

TPBrokerの運用支援機能を終了させた場合,ほかの監視中のプロセスは停止させません。再度TPBrokerが開始されたときに,再び監視対象に参加させます。

(8) 連続異常終了についての考慮

起動したプロセスが異常終了を繰り返す場合を考慮して,一定時間内(10分間)に異常終了する回数の最大値をプロセス監視定義ファイルに設定できます。TPBrokerは,異常終了検知後にそのプロセスを再起動することになっている場合でも,プロセスの連続異常終了回数が最大値に達しているときは,プロセスを再起動しません。

(9) 監視対象プロセスの停止方法

プロセス監視定義ファイルにプロセス停止用コマンドを設定している場合は,プロセス停止用コマンドを起動します。プロセス停止用コマンドを設定していない場合は,システムコール(UNIXの場合はkill(),Windowsの場合はTerminateProcess())で直接プロセスを停止させます。

(10) 監視対象プロセスの停止のタイミング

次のどちらかをプロセス監視定義ファイルで選択できます。

(11) 直接起動によるプロセス監視機能が異常終了したときの考慮

ADMデーモンはWindows版の場合はWindowsのサービスとして,UNIX版の場合はinittabに登録されています。ADMデーモンが異常終了した場合,ADMデーモンは自動的に再開始されます。

UNIX版の場合,inittabから起動されたADMデーモンが5分間に11回連続で異常終了すると,プロセス監視機能は使用できなくなります。

監視対象プロセス異常終了時のアクションで「TPBrokerの運用支援機能を終了させる」を選択した場合,そのほかの監視中のプロセスは停止されません。ADMデーモンが再開始したときに,再び監視対象プロセスに参加させます。この場合は,起動中の監視対象プロセスはADMデーモンの子プロセスではありません。そのほかのプロセスも異常終了している場合は,プロセスを再起動します。

(12) プロセス停止用コマンド

プロセス停止用コマンドを作成するには,次に示す条件を満たす必要があります。

(13) プロセス強制停止用コマンド

プロセス強制停止用コマンドを作成するには,次に示す条件を満たす必要があります。

(14) 注意事項

注※

UNIXの場合のシステムコールはkill(),Windowsの場合のシステムコールはTerminateProcess()です。