Hitachi

TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド


5.1.1 基本構成

Java OTS環境は次の三つから構成されています。

ライトウェイトJavaトランザクショナルクライアントがトランザクションを開始する場合,クライアントマシンはトランザクションコンテキストを保持しません。その代わりに,Java OTSがClientProxyオブジェクトを作成します。このオブジェクトは実際のトランザクションに対してローカルプロクシとしての役割を果たします。ClientProxyオブジェクトは,すべてのトランザクション管理をトランザクションコンテキストサーバに任せます。ClientProxyオブジェクトはトランザクション情報をキャッシュするので,性能が向上します。

ライトウェイトJavaトランザクショナルサーバがトランザクション要求を受け取ると,サーバはトランザクショナルオブジェクトに対してServerProxyオブジェクトを作成することによって,プロパゲーションされたトランザクション中にサーバ自身を介在させます。

ClientProxyおよびServerProxyオブジェクトは,実際のトランザクションに対してローカルプロクシとしての役割を果たします。実際のトランザクションのトランザクションコンテキストは,トランザクションコンテキストサーバに保持されます。

トランザクションコンテキストサーバは,ClientProxyおよびServerProxyオブジェクトからの要求に従って,トランザクションコンテキストを保持および管理します。トランザクションコンテキストサーバは,トランザクションコンテキストを管理するために,OTS環境を用意する必要があります。トランザクションコンテキストサーバとOTS環境は同じマシン上になければなりません。

ClientProxyおよびServerProxyオブジェクトは,IIOPプロトコル方式によってトランザクションコンテキストサーバと通信するため,クライアント,サーバ,およびトランザクションコンテキストサーバを三つの個別のマシン上に実装できます。三つすべてを一つのマシン上に実装することもできますが,より良い性能を得るには,トランザクショナルクライアントをクライアントマシンに,トランザクショナルサーバとトランザクションコンテキストサーバをサーバマシンに実装するのが一般的です。

Java OTS構成の概要について次の図に示します。

図5‒1 Java OTS構成の概要

[図データ]