4.3.3 実行環境での設定
リソース枯渇監視機能を使用できるのは,J2EEサーバ,またはバッチサーバです。J2EEサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプ,HTTPリクエスト実行待ちキュー,セッション数,およびコネクションプールです。バッチサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプ,およびコネクションプールです。なお,Windows,AIXでは,ファイルディスクリプタは監視できません。また,Linuxではスレッド数を監視できません。
リソース枯渇監視機能を使用する場合,次の設定が必要です。
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J2EEサーバ
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Connector属性ファイル
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J2EEアプリケーション
cosminexus.xmlを含まないJ2EEアプリケーションのプロパティを設定または変更する場合にだけ参照してください。
(1) J2EEサーバの設定
J2EEサーバの設定は,簡易構築ファイルで実施します。リソース枯渇監視機能の定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に指定します。なお,バッチサーバ単位での設定の場合,簡易構築定義ファイルのバッチサーバ用のユーザプロパティに設定します。
簡易構築定義ファイルでのリソース枯渇監視機能の定義には,次の二つがあります。
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リソース枯渇監視機能の有効化
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リソース種別ごとの監視の設定
(a) リソース枯渇監視機能の有効化
簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.enabledパラメタでリソース枯渇監視機能を使用するかどうかを指定します。デフォルトの設定では,リソース枯渇監視機能の使用が有効になっていて,すべてのリソースが監視されるようになっています。なお,リソース枯渇監視機能を無効にしたい場合には,ejbserver.watch.enabledパラメタにfalse(リソース枯渇監視機能を無効にする)を指定してください。
(b) リソース種別ごとの監視の設定
簡易構築定義ファイルでのリソース種別ごとの監視の定義について次の表に示します。
(凡例) −:なし
注※1 メモリ監視する場合は,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内で,JavaVM起動パラメタを定義します。JavaVM起動パラメタには,-XX:MetaspaceSizeと-XX:MaxMetaspaceSizeを指定し,メモリサイズは同じ値にしてください。メモリサイズに異なる値を指定した場合,アラートが出力されずにFullGCが発生することがあります。JavaVM起動パラメタの指定内容を次に示します。
- <param-name>タグ
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add.jvm.arg
- <param-value>タグ
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-XX:MetaspaceSiz=(設定値)
-XX:MaxMetaspaceSize=(設定値)
また,FullGCの予兆を検知するためには,JavaVMのOld領域,New領域のサイズをチューニングする必要があります。
注※2 リソース枯渇監視ログファイルのファイルの面数,サイズは,簡易構築定義ファイルの次に示すパラメタで指定します。
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ejbserver.logger.channels.define.<監視リソース名>WatchLogFile.filenum
リソース種別ごとにリソース枯渇監視ログファイルのファイル数を指定します。
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ejbserver.logger.channels.define.<監視リソース名>WatchLogFile.filesize
リソース種別ごとにリソース枯渇監視ログファイルのファイルサイズを指定します。
これらのパラメタの監視リソース名には,リソース種別ごとのチャネル名を指定します。
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メモリの場合:MemoryWatchLogFile
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ファイルディスクリプタの場合:FileDescriptorWatchLogFile
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スレッド数の場合:ThreadWatchLogFile
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スレッドダンプの場合:ThreaddumpWatchLogFile
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HTTPリクエスト実行待ちキューの場合:RequestQueueWatchLogFile
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セッション数の場合:HttpSessionWatchLogFile
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コネクションプールの場合:ConnectionPoolWatchLogFile
簡易構築定義ファイル,および指定するパラメタの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.3 簡易構築定義ファイル」を参照してください。
(2) Connector属性ファイルの設定
リソースアダプタ単位でコネクションプール監視の設定をします。リソースアダプタのプロパティ設定は,サーバ管理コマンドおよびConnector属性ファイルで実施します。
Connector属性ファイルの<property-name>タグとして指定する<WatchEnabled>,<WatchThreshold>,<WatchInterval>,<WatchWriteFileEnabled>タグで,コネクションプール監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。
指定するタグの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
サーバ管理コマンドおよびConnector属性ファイルでのリソースアダプタのプロパティの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「3.5.1 J2EEリソースのプロパティの設定手順」を参照してください。
(3) J2EEアプリケーションの設定
実行環境でのJ2EEアプリケーションの設定は,サーバ管理コマンドおよび属性ファイルで実施します。リソース枯渇監視機能の定義には,WAR属性ファイルを使用します。
WAR属性ファイルで指定するタグは,cosminexus.xmlと対応しています。cosminexus.xmlでの定義については,「4.3.2 cosminexus.xmlでの定義」を参照してください。