Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説
TP1/Client/J環境定義について説明します。
ここでは,TP1/Client/J環境定義の一覧,定義の規則,およびパス名の形式について説明します。
TP1/Client/J環境定義の一覧を,次の表に示します。
項番 | オペランド | 定義内容 | 指定値※ |
---|---|---|---|
1 | dcnamuse | ネームサービスを使用したRPCを使用するかどうかを指定 | Y|《N》 |
2 | dcnamport | ネームサービスのポート番号 | 〈符号なし整数〉((5001〜65535))《10000》 |
3 | dchost | 窓口となるTP1/Serverのホスト名 | 〈文字列〉 |
4 | dcwatchtim | 最大応答待ち時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))《180》(単位:秒) |
5 | dccltinquiretime | 常設コネクション問い合わせ間隔最大時間 | 〈符号なし整数〉((0〜1048575))(単位:秒) |
6 | dcwatchtiminherit | リモートAPI機能を使用したRPCを行う場合に,CUPの最大応答待ち時間をrapサーバ側に引き継ぐかどうかを指定 | Y|《N》 |
7 | dcwatchtimrpcinherit | CUPの最大応答待ち時間をTP1/Server側に引き継ぐかどうかを指定 | Y|《N》 |
8 | dccltdelay | 最大通信遅延時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))《0》(単位:秒) |
9 | dcselint | 応答電文監視時間間隔 | 〈符号なし整数〉((1〜65535))《100》(単位:ミリ秒) |
10 | dccltextend | TP1/Client/Jの機能拡張レベルの設定を指定 | 00000000|00000001 |
11 | dccache | ネームキャッシュの最大エントリ数 | 〈符号なし整数〉((2〜256))《8》 |
12 | dchostselect | 窓口となるTP1/Serverをランダムに選択するかどうかを指定 | Y|《N》 |
13 | dcscddirect | TP1/Serverのネームサービスにサービス情報を問い合わせないで,スケジューラダイレクト機能を使用したRPCを使用するかどうかを指定 | Y|《N》 |
14 | dcscdport | スケジュールサービスのポート番号 | 〈符号なし整数〉((5001〜65535)) |
15 | dcscdloadpriority | サービス要求を受け付けた窓口となるTP1/Serverを優先して負荷分散するかどうかを指定 | Y|《N》 |
16 | dcrapdirect | TP1/Serverのネームサービスにサービス情報を問い合わせないで,直接rapリスナーに問い合わせる機能,すなわちリモートAPI機能を使用するかどうかを指定 | 《Y》|N |
17 | dcrapport | rapリスナーのポート番号 | 〈符号なし整数〉((5001〜65535)) |
18 | dcrapautoconnect | CUPとrapサーバとの間の常設コネクションを自動的に確立させるかどうかを指定 | Y|《N》 |
19 | dcerrtrace | CUPでエラートレースを取得するかどうかを指定 | Y|《N》 |
20 | dcerrtracepath | エラートレースファイル作成ディレクトリ | 〈文字列〉 |
21 | dcerrtracesize | エラートレースファイルサイズ | 〈符号なし整数〉((4096〜1048576))《4096》(単位:バイト) |
22 | dcmethodtrace | CUPでメソッドトレースを取得するかどうかを指定 | Y|《N》 |
23 | dcmethodtracepath | メソッドトレースファイル作成ディレクトリ | 〈文字列〉 |
24 | dcmethodtracesize | メソッドトレースファイルサイズ | 〈符号なし整数〉((4096〜1048576))《4096》(単位:バイト) |
25 | dcuaptrace | CUPでUAPトレースを取得するかどうかを指定 | Y|《N》 |
26 | dcuaptracepath | UAPトレースファイル作成ディレクトリ | 〈文字列〉 |
27 | dcuaptracesize | UAPトレースファイルサイズ | 〈符号なし整数〉((4096〜1048576))《4096》(単位:バイト) |
28 | dcdatatrace | CUPでデータトレースを取得するかどうかを指定 | Y|《N》 |
29 | dcdatatracepath | データトレースファイル作成ディレクトリ | 〈文字列〉 |
30 | dcdatatracesize | データトレースファイルサイズ | 〈符号なし整数〉((4096〜1048576))《4096》(単位:バイト) |
31 | dcdatatracemaxsize | データトレースの最大データ長 | 〈符号なし整数〉((16〜1048576))《128》(単位:バイト) |
32 | dcclttrstatisitem | トランザクションブランチの統計情報を取得する項目を指定 | 統計情報項目〔,統計情報項目〕… |
33 | dcclttroptiitem | 複数のユーザサーバで構成されるグローバルトランザクションの性能を向上させるための最適化項目を指定 | トランザクション最適化項目〔,トランザクション最適化項目〕… |
34 | dcclttrwatchtime | トランザクション同期点処理時の最大通信待ち時間 | 〈符号なし整数〉((1〜65535))(単位:秒) |
35 | dcclttrrbinfo | トランザクションブランチがロールバックした場合に,ロールバック要因に関する情報をログに取得するかどうかを指定 | no|self|remote|all |
36 | dcclttrlimittime | トランザクションブランチ最大実行可能時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))(単位:秒) |
37 | dcclttrrbrcv | RPC先トランザクションブランチにロールバック指示を送信したあと,ロールバック完了通知を受信するかどうかを指定 | Y|N |
38 | dcclttrrecoverytype | UAP障害時のトランザクション同期点処理方式を指定 | type1|type2|type3 |
39 | dcclttrexptm | トランザクションブランチ限界経過時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))(単位:秒) |
40 | dcclttrcputm | トランザクションブランチCPU監視時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))(単位:秒) |
41 | dcclttrexpsp | トランザクションブランチの処理を監視するとき,次の処理時間も監視時間に含むかどうかを指定
|
Y|N|F |
42 | dcsndrcvtype | TCP/IP通信機能の使用時に,初期化する環境を指定 | DCCLT_ONEWAY_SND|DCCLT_ONEWAY_RCV|DCCLT_SNDRCV |
43 | dcrcvport | 受信用のCUPのポート番号 | 〈符号なし整数〉((1〜65535))《11000》 |
44 | dcsndhost | 接続するMHPが存在するノードのホスト名 | 〈文字列〉 |
45 | dcsndport | 接続するMHPのポート番号 | 〈符号なし整数〉((1〜65535))《12000》 |
46 | dcsockopenatrcv | TCP/IP通信機能の使用時に,1コネクションで送受信する場合の,受信用ソケットを開設する契機(送信相手からの接続を待ち受け始める契機)を指定 | Y|《N》 |
47 | dcweburl | サービス要求先のTP1/WebのURL | 〈パス名〉 |
48 | dccltdbgtrcfilecount | デバッグトレースファイルの最大ファイル数 | 〈符号なし整数〉((0〜256))《0》 |
49 | dccltrpcmaxmsgsize | RPC送受信電文の最大長 | 〈符号なし整数〉((1〜8))《1》(単位:メガバイト) |
50 | dcscdhostchange | TP1/Client/J環境定義のdchostオペランドに指定したサービス要求先スケジューラをRPCごとに分散させるかどうかを指定 | Y|《N》 |
51 | dccltloadbalance | ネームサーバから得た複数のサービス要求先スケジューラの情報から,負荷レベルが最も低いサービス要求先スケジューラの情報をキャッシュに格納するかどうかを指定 | Y|《N》 |
52 | dccltcachetim | キャッシュの有効期限 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))《30》(単位:秒) |
53 | dccltconnecttimeout | コネクション確立最大監視時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))《0》(単位:秒) |
54 | dccltprftrace | TP1/Client/Jをサービスプラットフォーム上で動作させた場合に,サービスプラットフォームの性能解析トレースを取得するかどうかを指定 | 《Y》|N |
55 | dccltprfinfosend | TP1/Serverに対して,ネームサービスを使用したRPC,およびスケジューラダイレクト機能を使用したRPCを行う場合に,OpenTP1の性能検証用トレースに出力する情報としてTP1/Client/J内部で識別情報を付加するかどうかを指定 | 《Y》|N |
56 | dccltnammlthost | マルチホームドホスト形態のTP1/Serverに対してネームサービスを使用したRPCを行うかどうかを指定 | Y|《N》 |
57 | dccltdatacomp | データ圧縮機能を使用するかどうかを指定 | Y|《N》 |
58 | dccltconnectinf | 端末識別情報として,DCCM3論理端末の論理端末名称をEBCDIKコードで指定 | 端末識別情報 |
59 | dcscdmulti | マルチスケジューラ機能を使用するかどうかを指定 | Y|《N》 |
60 | dcscdmulticount | マルチスケジューラデーモンのプロセス数 | 〈符号なし整数〉((1〜4096))《1》 |
61 | dccltcupsndhost | CUPの送信元ホスト | 〈文字列〉 |
62 | dccltcuprcvport | サーバからのメッセージを受信するCUPのポート番号 | 〈符号なし整数〉((5001〜65535)) |
63 | dcclttrcmplmttm | トランザクション完了限界時間 | 〈符号なし整数〉((0〜65535))(単位:秒) |
定義の説明に使用する各種の記号を説明します。
ここで述べる文法記述記号,属性記述記号,および構文要素記号は実際の定義には記述しません。
文法記述記号 | 意味 |
---|---|
〔 〕 | この記号で囲まれている項目は省略できることを示します。
|
| | この記号で仕切られた項目は選択できることを示します。
|
… | 記述が省略されていることを示します。この記号の直前に示された項目を繰り返し複数個指定できます。
|
属性記述記号 | 意味 |
---|---|
〜 | この記号のあとにユーザ指定値の属性を示します。 |
《 》 | ユーザ指定値の省略値を示します。 |
〈 〉 | ユーザ指定値の構文要素記号を示します。 |
(( )) | ユーザ指定値の指定範囲を示します。 |
構文要素記号 | 意味 |
---|---|
〈英字〉 | アルファベット(A〜Z,a〜z),および_(アンダースコア) |
〈英数字〉 | 英字と数字(0〜9) |
〈英字記号〉 | アルファベット(A〜Z,a〜z),#,@,および\ |
〈符号なし整数〉 | 数字(0〜9) |
〈符号なし16進整数〉 | 数字(0〜9),A〜F,a〜f |
〈記号名称〉 | 英字記号と数字の並び(先頭は英字記号) |
〈文字列〉 | 任意の文字の配列 |
〈パス名〉 | 記号名称,/,および .(ピリオド) (ただし,パス名は使用するOSに依存) |
次のオペランドにパス名を指定する場合,ファイル区切り文字に「\」を使用するときは,「\」を「\\」と記述してください。
dcerrtracepath = C:\\Clt4J\\trace
dcerrtracepath = C:/Clt4J/trace
Javaアプリケーション,またはJavaサーブレットでは,TP1/Client/J環境定義を任意のファイルに格納してrpcOpenメソッドの引数でこのファイル名を指定します。また,rpcOpenメソッドを引数なしで呼び出した場合は,システムプロパティとして定義することもできます。
Javaアプレットでは,paramタグでTP1/Client/J環境定義を定義します。
TP1/Client/J環境定義を次に示します。
〔dcnamuse=Y|N〕 〔dcnamport=ネームサービスのポート番号〕 〔dchost=窓口となるTP1/Serverのホスト名〕 〔dcwatchtim=最大応答待ち時間〕 〔dccltinquiretime=常設コネクション問い合わせ間隔最大時間〕 〔dcwatchtiminherit=Y|N〕 〔dcwatchtimrpcinherit=Y|N〕 〔dccltdelay=最大通信遅延時間〕 〔dcselint=応答電文監視時間間隔〕 〔dccltextend=機能拡張レベル〕 〔dccache=ネームキャッシュの最大エントリ数〕 〔dchostselect=Y|N〕 〔dcscddirect=Y|N〕 〔dcscdport=スケジュールサービスのポート番号〕 〔dcscdloadpriority=Y|N〕 〔dcrapdirect=Y|N〕 〔dcrapport=rapリスナーのポート番号〕 〔dcrapautoconnect=Y|N〕 〔dcerrtrace=Y|N〕 〔dcerrtracepath=エラートレースファイル作成ディレクトリ〕 〔dcerrtracesize=エラートレースファイルサイズ〕 〔dcmethodtrace=Y|N〕 〔dcmethodtracepath=メソッドトレースファイル作成ディレクトリ〕 〔dcmethodtracesize=メソッドトレースファイルサイズ〕 〔dcuaptrace=Y|N〕 〔dcuaptracepath=UAPトレースファイル作成ディレクトリ〕 〔dcuaptracesize=UAPトレースファイルサイズ〕 〔dcdatatrace=Y|N〕 〔dcdatatracepath=データトレースファイル作成ディレクトリ〕 〔dcdatatracesize=データトレースファイルサイズ〕 〔dcdatatracemaxsize=データトレースの最大データ長〕 〔dcclttrstatisitem=統計情報項目〕 〔dcclttroptiitem=トランザクション最適化項目〕 〔dcclttrwatchtime=トランザクション同期点処理時の最大通信待ち時間〕 〔dcclttrrbinfo=no|self|remote|all〕 〔dcclttrlimittime=トランザクションブランチ最大実行可能時間〕 〔dcclttrrbrcv=Y|N〕 〔dcclttrrecoverytype=type1|type2|type3〕 〔dcclttrexptm=トランザクションブランチ限界経過時間〕 〔dcclttrcputm=トランザクションブランチCPU監視時間〕 〔dcclttrexpsp=Y|N|F〕 〔dcsndrcvtype=DCCLT_ONEWAY_SND|DCCLT_ONEWAY_RCV|DCCLT_SNDRCV〕 〔dcrcvport=受信用のCUPのポート番号〕 〔dcsndhost=接続するMHPが存在するノードのホスト名〕 〔dcsndport=接続するMHPのポート番号〕 〔dcsockopenatrcv=Y|N〕 〔dcweburl=サービス要求先のTP1/WebのURL〕 〔dccltdbgtrcfilecount=デバッグトレースファイルの最大ファイル数〕 〔dccltrpcmaxmsgsize=RPC送受信電文の最大長〕 〔dcscdhostchange=Y|N〕 〔dccltloadbalance=Y|N〕 〔dccltcachetim=キャッシュの有効期限〕 〔dccltconnecttimeout=コネクション確立最大監視時間〕 〔dccltprftrace=Y|N〕 〔dccltprfinfosend=Y|N〕 〔dccltnammlthost=Y|N〕 〔dccltdatacomp=Y|N〕 〔dccltconnectinf=端末識別情報〕 〔dcscdmulti=Y|N〕 〔dcscdmulticount=マルチスケジューラデーモンのプロセス数〕 〔dccltcupsndhost=送信元ホスト〕 〔dccltcuprcvport=CUPの受信で使用するポート番号〕 〔dcclttrcmplmttm=トランザクション完了限界時間〕
表A-4 コネクション確立モードの違いによる各メソッドの動作
dcrapautoconnectオペランドの指定値 | openConnection()メソッドを発行 | openConnection(host, port)メソッドを発行 | openConnection(url, flags)メソッドを発行 | rpcCall()メソッドを発行 |
---|---|---|---|---|
N |
|
host引数およびport引数に指定されたrapサーバにコネクションを確立する。 | url引数に指定されたURLにコネクションを確立する。 | ErrProtoExceptionが返される。 |
Y | ErrProtoExceptionが返される。 | ErrProtoExceptionが返される。 | ErrProtoExceptionが返される。 |
|
注
表A-5 dccltrpcmaxmsgsizeオペランドに2以上を指定した場合のrpcCallメソッドの動作
メソッド | RPCの種類を指定する定義 | 窓口となるTP1/Serverのバージョン | ノードのバージョン※1 | |
---|---|---|---|---|
06-02より前の場合 | 06-02以降の場合※2 | |||
rpcCall | dcrapdirect=Y | 06-02より前 | ×※3 | ×※3 |
06-02以降 | ×※4 | ○ | ||
dcnamuse=Y | 06-02より前 | ×※4 | ○ | |
06-02以降 | ×※4 | ○ |
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