Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編
非同期並行処理として実行する処理の中では,Java EEの機能を使用できます。Java EEの機能を使用できるTimerManagerおよびWorkManagerのAPIを次に示します。
それぞれのAPIの詳細については,Timer and Work Manager for Application ServersのAPI仕様を参照してください。
TimerManagerおよびWorkManagerで使用できるJava EE機能を次の表に示します。
表10-2 TimerManagerおよびWorkManagerで使用できるJava EEの機能
| 機能名 | 使用可否 | 参照先 |
|---|---|---|
| Enterprise Beanの呼び出し | × | − |
| ネーミングサービス | ○※ | (1) |
| トランザクションサービスとリソース接続 | ○※ | (2) |
| ログとトレースの出力 | ○ | (3) |
| コンテナ拡張ライブラリの利用 | ○ | (4) |
| メソッドキャンセル | × | − |
次に,TimerManagerおよびWorkManagerで使用できる機能を詳細に分類して説明します。また,それぞれの機能を使用する場合の注意事項についても説明します。
ネーミングサービスとして提供する機能がTimerManagerおよびWorkManagerで使用できるかどうかを次の表に示します。
表10-3 ネーミングサービスの機能の使用可否
| 機能名 | 使用可否 |
|---|---|
| JNDIを使用したDB Connectorのルックアップ | ○ |
| JNDIを使用したJava Mailのルックアップ | × |
| JNDIを使用したJavaBeansリソースのルックアップ | × |
| JNDIを使用したEntityManagerのルックアップ | × |
| JNDIを使用したEntityManagerFactoryのルックアップ | × |
| JNDIを使用したTimerManagerのルックアップ | ×※1 |
| JNDIを使用したWorkManagerのルックアップ | ×※1 |
| JNDIを使用したユーザトランザクションのルックアップ | ○※2 |
注※1 TimerManagerやWorkManagerのスケジュールの延長で,さらにTimerManagerやWorkManagerを呼び出すことはできません。
注※2 スケジュール元が,CMTでトランザクションを管理するEJBの場合は,java:comp/UserTransactionでルックアップできません。必ずHITACHI_EJB/SERVERS/<J2EEサーバ名>/SERVICES/UserTransactionを使用してルックアップしてください。
リソースアダプタには,DB Connectorだけを使用できます。TimerManagerおよびWorkManagerで使用できるDB Connectorを次の表に示します。
表10-4 DB Connectorの使用可否
| DB Connector名 | 使用可否 |
|---|---|
| DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar | ○ |
| DBConnector_HiRDB_Type4_XA.rar | ○ |
| DBConnector_Oracle_CP.rar | ○ |
| DBConnector_Oracle_XA.rar | ○ |
| DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM.rar | × |
| DBConnector_HiRDB_Type4_XA_Cosminexus_RM.rar | × |
| DBConnector_Oracle_CP_Cosminexus_RM.rar | × |
| DBConnector_Oracle_XA_Cosminexus_RM.rar | × |
| DBConnector_CP_ClusterPool_Root.rar | × |
| DBConnector_Oracle_CP_ClusterPool_Member.rar | × |
DB Connectorを使用する場合,トランザクションサポートレベルには,NoTransaction,LocalTransaction,またはXATransactionを指定してください。DB Connectorのコネクションを取得するには,DB Connectorの別名を設定する必要があります。JNDIによるルックアップでは,設定した別名を使用して,DB Connectorのコネクションを取得してください。DB Connectorの別名を使用したコネクションの取得方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2.6 Enterprise BeanまたはJ2EEリソースへの別名付与(ユーザ指定名前空間機能)」を参照してください。
リソース接続およびトランザクションサービスとして提供する機能がTimerManagerおよびWorkManagerで使用できるかどうかを次の表に示します。
表10-5 トランザクションサービスの機能の使用可否
| 機能名 | 使用可否 | |
|---|---|---|
| トランザクション (ユーザトランザクション) |
ローカルトランザクション | ○ |
| グローバルトランザクション | ○ | |
| トランザクションの自動決着※1 | △ | |
| トランザクションタイムアウト | ○ | |
| コネクションプーリング | DB Connectorによるコネクションプーリング | ○ |
| コネクションプールのウォーミングアップ | ○ | |
| コネクション数調節 | ○ | |
| コネクションシェアリング※2 | △ | |
| コネクションアソシエーション | × | |
| DB Connectorのステートメントプーリング | ○ | |
| コネクションの障害検知 | ○ | |
| コネクション枯渇時のコネクション取得待ち | ○ | |
| コネクション取得リトライ | ○ | |
| コネクション自動クローズ | × | |
| コネクションスイーパ | ○ | |
| 障害調査用SQLの出力 | ○ | |
注※1 ユーザトランザクションは,リスナの処理メソッドからリターンする前に決着する必要があります。トランザクションが決着していない場合,例外が発生しなくてもトランザクションはロールバックされて,メッセージ(KDJE43179-W)が出力されます。
注※2 シェアリングできるコネクションの範囲は,デフォルトで設定される「同一トランザクション」だけです。
ログとトレースを出力する機能がTimerManagerおよびWorkManagerで使用できるかどうかを次の表に示します。
表10-6 ログとトレースの機能の使用可否
| 機能名 | 使用可否 |
|---|---|
| ユーザログ | ○ |
| 性能解析トレース | ○ |
コンテナ拡張ライブラリの機能は,TimerManagerおよびWorkManagerを使用しない場合と同様に使用できます。
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