トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド

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5.5 時間監視機能

Java OTSによって,トランザクション処理時間の監視ができます。

関連するトランザクションがタイムアウトすると,OTS環境はトランザクションをロールバックします。TPBrokerでは,タイムアウト値はトランザクションコンテキストサーバによって設定されます。

TPBrokerでは,インストール直後の監視時間の値は180秒です。Javaアプリケーションでトランザクションを開始したときのデフォルトタイムアウト時間を変更するには,次に示すシステム環境定義で設定してください。

 
/OTS/TCS transaction_default_timeout
 

tsdefvalue /OTS/TCS transaction_default_timeout -i 32
 

複雑なトランザクション,大容量データベース,および高ネットワークトラフィックでは,大きな値の監視時間が適切です。ORBが提供する時間監視機能の詳細については,マニュアル「Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド」を参照してください。

トランザクションコンテキストサーバは,アプリケーションプログラムがトランザクションを開始した時からトランザクションが決着するまでの経過時間を監視します。トランザクションは,トランザクションを開始したアプリケーションプログラムが,コミット要求またはロールバック要求のどちらかの決着リクエストを発行すると決着します。事前に設定された(ユーザが設定した)トランザクションの監視時間が過ぎると,トランザクションはロールバックされます。

ユーザはトランザクション開始時に,Currentインタフェースのset_timeoutオペレーションによって,トランザクションの監視時間を設定できます。

監視時間は,トランザクションコンテキストとともに,暗黙的にサーバアプリケーションにプロパゲーションされます。トランザクションコンテキストサーバはそれぞれのノードで監視を実行します。サーバノードは監視時間を,サーバがクライアントのトランザクショナルリクエストを受け取った時刻からトランザクションが決着するまでの間隔として解釈します。

トランザクションコンテキストサーバは,トランザクションコンテキスト管理方式が直接か間接かにかかわらず,監視を実行します。そのため,スレッドからサスペンドされたどのようなトランザクションでも,事前に設定された監視時間に到達するまでの間だけ監視します。

トランザクションの時間監視の詳細については,「8. 定義」を参照してください。

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