トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド

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3.2.4 障害のケース

TPBrokerの障害には次のような原因があります。

<この項の構成>
(1) OTSが稼働していない場合
(2) アプリケーションプログラム異常終了
(3) OTSデーモン異常終了
(4) 決着デーモンおよび回復デーモン異常終了
(5) ORB異常終了(C++)
(6) マシンダウン
(7) ヒューリスティック決着

(1) OTSが稼働していない場合

OTSが稼働していない場合,すべてのOTSのインタフェースやコマンドはそのことを検知し,エラーリターンするか,または例外を発生させます。

C++ OTSの場合,クライアントがトランザクショナルサーバを呼び出し,サーバ側のOTSが稼働していない場合,トランザクショナルコールは失敗します。この場合,呼び出しがトランザクショナルでないときは,成功します。

Java OTSの場合,OTSが稼働していないとトランザクションコンテキストサーバはダウンし,トランザクションの処理はできません。

(2) アプリケーションプログラム異常終了

アプリケーションプログラムが異常終了すると,OTSはそのことを検知し,自動的にトランザクションを回復します。

(3) OTSデーモン異常終了

OTSデーモンが異常終了したあとにOTSデーモンを再開始すると,トランザクション処理を行うアプリケーションプログラムはOTSによって強制終了されます。再開始したOTSはトランザクションを回復します。ただし,一度もトランザクション処理をしていないアプリケーションプログラムは,異常終了しません。

(4) 決着デーモンおよび回復デーモン異常終了

決着デーモンおよび回復デーモンが異常終了すると,OTSデーモンはそのことを検知し,デーモンを再生成します。新しいデーモンは異常終了したデーモンからトランザクション処理を引き継ぎます。

決着デーモンおよび回復デーモンが,それぞれ3分間に45回を超えて連続異常終了した場合は,OTSデーモンが停止します。

(5) ORB異常終了(C++)

OTSがORBシステムの異常終了を検知すると,OTSはすべての決着デーモン,回復デーモン,およびトランザクションを実行しているアプリケーションプログラムを強制終了し,OTS自身も異常終了します。

なお,この処理は,プロセス監視定義がデフォルト値の場合の処理です。また,この処理は,C++実行環境でだけ行われます。

(6) マシンダウン

マシンダウンのあとでOTSが起動されると,OTSは自動的にトランザクションを回復します。

(7) ヒューリスティック決着

OTSの運用コマンドで,トランザクションの状態を決着させてください。

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