トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド
TPBrokerの障害には次のような原因があります。
- <この項の構成>
- (1) OTSが稼働していない場合
- (2) アプリケーションプログラム異常終了
- (3) OTSデーモン異常終了
- (4) 決着デーモンおよび回復デーモン異常終了
- (5) ORB異常終了(C++)
- (6) マシンダウン
- (7) ヒューリスティック決着
(1) OTSが稼働していない場合
OTSが稼働していない場合,すべてのOTSのインタフェースやコマンドはそのことを検知し,エラーリターンするか,または例外を発生させます。
C++ OTSの場合,クライアントがトランザクショナルサーバを呼び出し,サーバ側のOTSが稼働していない場合,トランザクショナルコールは失敗します。この場合,呼び出しがトランザクショナルでないときは,成功します。
Java OTSの場合,OTSが稼働していないとトランザクションコンテキストサーバはダウンし,トランザクションの処理はできません。
アプリケーションプログラムが異常終了すると,OTSはそのことを検知し,自動的にトランザクションを回復します。
OTSデーモンが異常終了したあとにOTSデーモンを再開始すると,トランザクション処理を行うアプリケーションプログラムはOTSによって強制終了されます。再開始したOTSはトランザクションを回復します。ただし,一度もトランザクション処理をしていないアプリケーションプログラムは,異常終了しません。
決着デーモンおよび回復デーモンが異常終了すると,OTSデーモンはそのことを検知し,デーモンを再生成します。新しいデーモンは異常終了したデーモンからトランザクション処理を引き継ぎます。
決着デーモンおよび回復デーモンが,それぞれ3分間に45回を超えて連続異常終了した場合は,OTSデーモンが停止します。
OTSがORBシステムの異常終了を検知すると,OTSはすべての決着デーモン,回復デーモン,およびトランザクションを実行しているアプリケーションプログラムを強制終了し,OTS自身も異常終了します。
なお,この処理は,プロセス監視定義がデフォルト値の場合の処理です。また,この処理は,C++実行環境でだけ行われます。
マシンダウンのあとでOTSが起動されると,OTSは自動的にトランザクションを回復します。
OTSの運用コマンドで,トランザクションの状態を決着させてください。
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