7.8.1 TPBrokerのデーモンプロセス
ORBを除くTPBrokerのプロセス構造と各プロセスの機能を次の表に示します。
表7-2 TPBrokerのプロセス構造と各プロセスの機能
名称 | プロセス名 | 個数 | 機能 |
---|
OTSD(OTSデーモン) | otsd | 1(OTS稼働ノード) | アプリケーションプログラムの監視,全面回復 |
COMPD(決着デーモン) | complete | 1~n(OTS稼働ノード) | トランザクション決着処理(正常時,回復時) |
RCVD(回復デーモン) | rcvd | 1~n(OTS稼働ノード) | トランザクション部分回復(ルートブランチ) |
TCS(トランザクションコンテキストサーバ) | trnctxsv | 1(OTS稼働ノード) | トランザクションコンテキスト管理 |
ADMD(ADMデーモン) | admd | - UNIX版
1~5(各サーバノード)
- Windows版
1~n(各サーバノード)
| プロセス制御 |
TRCD(トレースデーモン)※ | tptrcd | 1(OTS稼働ノード) | トランザクショントレース |
- 注※
- TRCD(トレースデーモン)は,UNIX版でだけ有効です。
各プロセスの内容を次に示します。
- OTSD(OTSデーモン)
OTSDは,トランザクションに参加しているすべてのユーザプロセスおよびシステムプロセス(COMPD,RCVD)を監視します。監視対象のプロセスが異常終了した場合,適切な処置を行います。
COMPDおよびRCVDが,それぞれ3分間に45回を超えて連続異常終了した場合は,OTSDが停止します。
- COMPD(決着デーモン)
COMPDは,トランザクションの決着処理を行います。COMPDでは2相コミットプロトコルを実現しています。トランザクションオリジネータがコミットまたはロールバックでトランザクションの終了要求をした場合,OTSはCOMPDとコンタクトを取ります。
- RCVD(回復デーモン)
RCVDは,異常終了したトランザクションの状態を回復します。異常終了する前のトランザクションの状態によって,トランザクションのコミットまたはロールバックをします。
- TCS(トランザクションコンテキストサーバ)
TCSは,TPBrokerのために,トランザクションコンテキストを作成および管理します。TCSの詳細については,「5. Java OTS機能(Java)」を参照してください。
- ADMD(ADMデーモン)
ADMDは,OTSとORBを統合して運用するための機能を提供しています。サンプルのプロセス監視定義ファイル($TPDIR/adm/admconf.cf)では,ADMDはOTSDとVisiBrokerのスマートエージェントであるOSAgentのプロセスを監視します。ただし,Visual Studio 2005対応Windows版のADMは,VisiBroker for C++のスマートエージェントであるOSAgentのプロセスのみ監視します。
- TRCD(トレースデーモン)
TRCDは,トランザクショントレースのファイルへの出力およびトランザクショントレースファイルの管理をします。TRCDは,UNIX版でだけ有効です。
なお,ORBのデーモンについては,マニュアル「Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド」を参照してください。