4.4.3 OTS Fast Path Optionの制限事項

OTS Fast Path Optionを使用するときに制限される機能およびAPIについて説明します。

<この項の構成>
(1) 制限される機能
(2) 制限されるAPI

(1) 制限される機能

OTS Fast Path Optionで制限される機能を次の表に示します。

表4-1 OTS Fast Path Optionで制限される機能

機能OTS Fast Path Option通常のOTS
TXインタフェースなしあり
Resourceオブジェクト
(SubtransactionAwareResourceを含む)
登録および使用できない登録および使用できる
Synchronizationオブジェクト登録および使用できない登録および使用できる
ネスティッドトランザクション使用できない使用できる
コンテキスト管理方式間接方式だけ間接方式または直接方式
プロパゲーション方式暗黙的方式だけ暗黙的方式または明示的方式
リジュームチェックなしあり
サスペンド時間監視なしあり
OTSインタオペラビリティなしあり
注※
直接コンテキスト管理をサポートしないため不要です。

表4-1に挙げた機能を使用しないアプリケーションプログラムの場合に,OTS Fast Path Optionを使用できます。これ以外のアプリケーションプログラムでは,必ず通常のOTSを使用してください。

(2) 制限されるAPI

機能の制限によって,APIも制限を受けます。OTS Fast Path Optionで制限されるAPIについて次に説明します。

OTSインタフェース
次のインタフェースに対してはオブジェクトリファレンスの取得方法が提供されないため,これらのインタフェースのすべてのオペレーションを使用できません。
  • CosTransactions::TransactionFactory
  • CosTransactions::Control
  • CosTransactions::Coordinator
  • CosTransactions::Terminator
  • CosTransactions::RecoveryCoordinator
CosTransactions::Currentインタフェースについては,次のオペレーションだけが使用できません。次のオペレーションを実行した場合は,CORBA::IMP_LIMIT例外が発生します。
  • CosTransactions::Current::get_control()
  • CosTransactions::Current::suspend()
  • CosTransactions::Current::resume()
ORBインタフェース
特に制限はありません。
TPBroker拡張インタフェース
TpCosOTSインタフェースについては,次のオペレーションだけが使用できません。次のオペレーションを実行した場合は,CORBA::IMP_LIMIT例外が発生します。
  • TpCosOTS::get_factory()
TXインタフェース
TXインタフェースはサポートされません。すべてのTX関数の呼び出しに対して,戻り値としてTX_FAILが返されます。