Cosminexus V9 アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引

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付録A.3 バージョン06-70からの移行手順

ここでは,RPC形態の場合,EJBを利用している場合,およびメッセージング形態の場合に分けて,バージョン06-70からのSOAPアプリケーションの移行手順を説明します。

<この項の構成>
(1) RPC形態のSOAPアプリケーションの移行
(2) EJBを利用したSOAPアプリケーションの移行
(3) メッセージング形態のSOAPアプリケーションの移行
(4) 定義ファイルの移行

(1) RPC形態のSOAPアプリケーションの移行

RPC形態では,WSDL定義から生成されるスタブ,サービスのスケルトン,およびサービスデプロイ定義ファイルを修正する必要があります。

ここでは,SOAPアプリケーションを新規開発した場合と,既存のJavaクラスを利用して開発した場合に分けて移行手順を説明します。

新規開発した場合の移行手順(RPC)
  1. WSDL2Javaコマンドを使用してサービスのスケルトン,およびサービスデプロイ定義ファイルを再生成します(WSDL定義で"enum"をキーワードとして使用している場合)。
  2. WSDL2Javaコマンドを使用してクライアントのスタブを再生成します。
  3. コンパイル後,J2EEサーバに配置するためのアーカイブ(WARファイル)を作成し,再配布します。
    アーカイブの作成については,「3.9 アーカイブ(WARファイル)の作成」を参照してください。
  4. WARファイルをデプロイします。
    これでSOAPアプリケーションの移行は完了です。

既存のJavaクラスを利用して開発した場合の移行手順(RPC)
  1. WSDL2Javaコマンドを使用してクライアントのスタブを再生成します。
  2. コンパイル後,J2EEサーバに配置するためのアーカイブ(WARファイル)を作成し,再配布します。
    アーカイブの作成については,「3.9 アーカイブ(WARファイル)の作成」を参照してください。
  3. WARファイルをデプロイします。
    これでSOAPアプリケーションの移行は完了です。

(2) EJBを利用したSOAPアプリケーションの移行

EJBを利用したSOAPアプリケーションを移行するには,WSDL定義から生成されるスタブを修正する必要があります。

ここでは,SOAPアプリケーションを既存のEJBを利用して開発した場合の移行手順について説明します。

移行手順

  1. WSDL2Javaコマンドを使用してクライアントのスタブを再生成します。
  2. コンパイル後,J2EEサーバに配置するためのアーカイブ(WARファイル)を作成し,再配布します。
    アーカイブの作成については,「3.9 アーカイブ(WARファイル)の作成」を参照してください。
  3. WARファイルをデプロイします。
    これでSOAPアプリケーションの移行は完了です。

(3) メッセージング形態のSOAPアプリケーションの移行

メッセージング形態の場合は,特に移行のための作業はありません。

(4) 定義ファイルの移行

ここでは,定義ファイルの設定内容を移行する手順について説明します。動作定義ファイルの詳細については,「10. 動作定義ファイルおよび実行時オプションの設定項目」を参照してください。

  1. 共通定義ファイルを次のように修正します。

    表A-5 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)の変更点

    項番 キー名称 修正内容
    1 c4web.logger.default_log_file_num 項番6「c4web.logger.log_file_num」で設定するため削除します。
    2 c4web.logger.default_log_file_size 項番7「c4web.logger.log_file_size」で設定するため削除します。
    3 c4web.logger.log_level キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
    4 c4web.logger.aplog_level キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
    5 c4web.logger.aplog_error_record キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
    6 c4web.logger.log_file_num キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
    7 c4web.logger.log_file_size キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
    8 c4web.logger.aplog_file_num キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
    9 c4web.logger.aplog_file_size キーを追加し,クライアント定義ファイル,またはサーバ定義ファイルの値を指定します(クライアント,サーバ共通の値になります)。
  2. サーバ定義ファイルを次のように修正します。

    表A-6 サーバ定義ファイル(c4websv.cfg)の変更点

    項番 キー名称 修正内容
    1 c4web.logger.<識別子>.log_level 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    2 c4web.logger.<識別子>.aplog_level 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    3 c4web.logger.<識別子>.aplog_error_record 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    4 c4web.logger.<識別子>.log_file_dir 使用しないため削除します。
    5 c4web.logger.<識別子>.log_file_num 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    6 c4web.logger.<識別子>.log_file_size 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    7 c4web.logger.<識別子>.aplog_file_num 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    8 c4web.logger.<識別子>.aplog_file_size 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    9 c4web.application.<識別子>.socket_timeout 項番11「c4web.application.< 識別子>.socket_read_timeout」で設定するため削除します。
    10 c4web.application.<識別子>.socket_write_timeout キーを追加し,0〜86,400の範囲で値を指定します。詳細は「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。
    11 c4web.application.<識別子>.socket_read_timeout キーを追加し,「c4web.application.< 識別子>.socket_timeout」の値(ミリ秒単位)を秒単位にして指定します。
    12 c4web.application.<識別子>.socket_connect_timeout キーを追加し,0〜86,400の範囲で値を指定します。詳細は「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。
  3. クライアント定義ファイルを次のように修正します。

    表A-7 クライアント定義ファイル(c4webcl.properties)の変更点

    項番 キー名称 修正内容
    1 c4web.logger.log_level 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    2 c4web.logger.aplog_level 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    3 c4web.logger.aplog_error_record 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    4 c4web.logger.log_file_dir 使用しないため削除します。
    5 c4web.logger.log_file_num 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    6 c4web.logger.log_file_size 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    7 c4web.logger.aplog_file_num 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    8 c4web.logger.aplog_file_size 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)へ移動したため削除します。
    9 c4web.application.socket_timeout 項番11「c4web.application.socket_read_timeout」で設定するため削除します。
    10 c4web.application.socket_write_timeout キーを追加し,0〜86,400の範囲で値を指定します。詳細は「10.3 クライアント定義ファイルの設定」を参照してください。
    11 c4web.application.socket_read_timeout キーを追加し,「c4web.application.socket_timeout」の値(ミリ秒単位)を秒単位にして指定します。
    12 c4web.application.socket_connect_timeout キーを追加し,0〜86,400の範囲で値を指定します。詳細は「10.3 クライアント定義ファイルの設定」を参照してください。