この章で説明する開発例では,Dispatch/ProviderでSOAPメッセージを送受信するWebサービスを,SAAJを利用して開発します。
なお,ここでの例ではWebサービスクライアントから社員番号と社員の顔写真の情報が送信され,Webサービスが受信した情報を登録し,登録確認メッセージを返却するものとします。社員番号と登録確認メッセージのJavaデータ型はjava.lang.String,顔写真のJavaデータ型はjavax.activation.DataHandlerです。
開発するWebサービスの構成を次の表に示します。
表9-1 Webサービスの構成(プロバイダ起点・SAAJ)
項番 | 項目 | 値 | |
---|---|---|---|
1 | デプロイするJ2EEサーバの名称 | jaxwsserver | |
2 | Webサーバのホスト名とポート番号 | webhost:8085 | |
3 | ネーミングサーバのURL | corbaname::testserver:900 | |
4 | コンテキストルート | dispatch_provider | |
5 | 名前空間URI | http://sample.com | |
6 | サービス | 個数 | 1 |
7 | ローカル名 | UserInfoService | |
8 | ポート | 個数 | 1 |
9 | ローカル名 | UserInfoPort |
Webサービス開発時のカレントディレクトリの構成を次の表に示します。
表9-2 カレントディレクトリの構成(プロバイダ起点・SAAJ)
ディレクトリ | 説明 | |||
---|---|---|---|---|
c:¥temp¥jaxws¥works¥dispatch_provider | カレントディレクトリです。 | |||
┣ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ | server¥ | Webサービスの開発で使用します。 | ||
┣ ┃ ┃ ┃ ┃ | META-INF¥ | EARファイルのMETA-INFディレクトリに対応します。 | ||
┗ | application.xml | 「9.3.4 application.xmlを作成する」で作成します。 | ||
┣ ┃ | src¥ | Webサービスのソースファイル(*.java)を格納します。「9.3.1 プロバイダ実装クラスを作成する」で使用します。 | ||
┣ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ | WEB-INF¥ | WARファイルのWEB-INFディレクトリに対応します。 | ||
┣ | web.xml | 「9.3.3 web.xmlを作成する」で作成します。 | ||
┗ | classes¥ | コンパイルしたクラスファイル(*.class)を格納します。「9.3.2 Javaソースを生成する」で使用します。 | ||
┣ | dispatch_provider.ear | 「9.3.5 EARファイルを作成する」で作成します。 | ||
┗ | dispatch_provider.war | |||
┗ | client¥ | Webサービスクライアントの開発で使用します。 | ||
┣ ┃ ┃ | src¥ | Webサービスクライアントのソースファイル(*.java)を格納します。「9.5.1 Webサービスクライアントの実装クラスを作成する」で作成します。 | ||
┣ ┃ ┃ | classes¥ | コンパイルしたクラスファイル(*.class)を格納します。「9.5.2 Webサービスクライアントの実装クラスをコンパイルする」で作成します。 | ||
┣ ┃ | usrconf.cfg | 「9.6.1 Javaアプリケーション用オプション定義ファイルを作成する」で作成します。 | ||
┗ | usrconf.properties | 「9.6.2 Javaアプリケーション用ユーザプロパティファイルを作成する」で作成します。 |
カレントディレクトリのパスは,開発する環境に合わせて変更してください。
なお,以降の説明では,この表に示すディレクトリおよびファイル名を使用します。コマンド実行例やJavaソースなどで太字になっている部分は,この例で使用する指定値や生成される値を示します。構築する環境に合わせて読み替えてください。
また,この章で説明する開発例では,WebサービスとWebサービスクライアントを同じ環境で開発しますが,別の環境で開発することもできます。別の環境で開発する場合は,それぞれの環境に合わせて,カレントディレクトリのパスを読み替えてください。