性能解析トレースファイルとは,性能解析トレースをCSV形式で出力したテキストファイルを指します。
性能解析トレースファイルを使用して,JAX-WSエンジンを含むWebサービス全体のレスポンスタイムと,Webサービス(UP)のレスポンスタイムを解析する方法を説明します。なお,ここではWebサービス実装クラスで開発したWebサービスと,スタブベースのWebサービスクライアントの例を説明します。そのほかの形態のWebサービスおよびWebサービスクライアントの場合はイベントIDが異なることがあるので,必要に応じて読み替えてください。
イベントID「0xA408」,「0xA40C」,「0xA410」,および「0xA414」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングします。各イベントIDに対するトレース取得ポイントを次の表に示します。
表39-28 フィルタリングするイベントIDに対応するトレース取得ポイント
項番 | イベントID | トレース取得ポイント |
---|---|---|
1 | 0xA408 | JAX-WSエンジンのサーブレット開始時 |
2 | 0xA40C | Webサービス呼び出し前 |
3 | 0xA410 | Webサービス呼び出し後 |
4 | 0xA414 | JAX-WSエンジンのSOAPメッセージ送信前 |
リクエストを2回送信した場合に,イベントID「0xA408」,「0xA40C」,「0xA410」および「0xA414」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングした例を次の図に示します。
図39-16 性能解析トレースをフィルタリングした例
クライアントアプリケーション情報から,リクエストの処理状況を確認できます。同じリクエストを処理している場合,同じクライアントアプリケーション情報が出力されます。
同一クライアントアプリケーション情報の中のイベントID「0xA408」および「0xA414」のトレース取得時刻から,JAX-WSエンジンを含めたWebサービス全体のレスポンスタイムを解析できます。また,「0xA40C」および「0xA410」のトレース取得時刻から,Webサービス(UP)のレスポンスタイムを解析できます。
性能解析トレースファイルを使用して,JAX-RSエンジンを含むWebリソース全体のレスポンスタイムと,Webリソース(UP)のレスポンスタイムを解析する方法を説明します。
イベントID「0xA4A0」,「0xA4A2」,「0xA4A3」および「0xA4A1」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングします。各イベントIDに対するトレース取得ポイントを次の表に示します。
表39-29 フィルタリングするイベントIDに対応するトレース取得ポイント
項番 | イベントID | トレース取得ポイント |
---|---|---|
1 | 0xA4A0 | JAX-RSエンジンのサーブレット開始時 |
2 | 0xA4A2 | Webリソース呼び出し前 |
3 | 0xA4A3 | Webリソース呼び出し後 |
4 | 0xA4A1 | JAX-RSエンジンのHTTPメッセージ送信前 |
リクエストを2回送信した場合に,イベントID「0xA4A0」,「0xA4A2」,「0xA4A3」および「0xA4A1」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングした例を次の図に示します。
図39-17 性能解析トレースをフィルタリングした例
クライアントアプリケーション情報から,リクエストの処理状況を確認できます。同じリクエストを処理している場合,同じクライアントアプリケーション情報が出力されます。
同一クライアントアプリケーション情報の中のイベントID「0xA4A0」および「0xA4A1」のトレース取得時刻から,JAX-RSエンジンを含めたWebリソース全体のレスポンスタイムを解析できます。また,「0xA4A2」および「0xA4A3」のトレース取得時刻から,Webリソース(UP)のレスポンスタイムを解析できます。