付録J.8 プロジェクトのビルド

移行前の環境では,ビルドファイルをプロジェクトのプロパティに指定して,指定したビルドファイルを使用してビルドしました。

WTPでは,J2EEアプリケーションをデプロイ時にビルドされますが,ビルドファイルを使用してビルドすることもできます。また,自動ビルド機能をオンにしておくと,プロジェクトのフォルダやファイルが更新された場合に,自動でビルドします。

<この項の構成>
(1) ビルドファイルの移行
(2) ビルドファイルの修正

(1) ビルドファイルの移行

移行前の環境で使用していたビルドファイルは,WTPではそのまま使用できません。移行前の環境でいったんビルドファイルをエクスポートし,修正する必要があります。

ここでは,移行前の環境のビルドファイルを移行して,WTPでビルドファイルを使用してビルドする方法を記載します。

  1. 移行前の環境で使用していたビルドファイルを準備します。
    移行前の環境でプロジェクトのビルドファイルをエクスポートします。
  2. 1.でエクスポートしたビルドファイルを修正します。
    WTPのプロジェクトで使用できるように,ビルドファイルを修正します。修正方法は「(2) ビルドファイルの修正」を参照してください。
  3. WTPの[プロジェクト・エクスプローラー]ビューで,2.で修正したビルドファイルを選択し,コンテキストメニューから[実行]-[Ant ビルド]を選択します。
    ビルドが開始されます。ビルドで作成されたアーカイブが,[プロジェクト・エクスプローラー]ビューに表示されない場合は,[プロジェクト・エクスプローラー]ビューでプロジェクトを選択し,コンテキストメニューから[更新]を選択してください。

(2) ビルドファイルの修正

エクスポートしたビルドファイルを修正します。ビルドファイルの修正方法を次に説明します。

(a) EARプロジェクトでエクスポートしたビルドファイルの修正方法

EARプロジェクトでエクスポートしたbuild-user.xmlを,WTPのエンタープライズアプリケーションプロジェクトで使用するため,内容を修正します。次に,build-user.xmlの修正例と修正内容を示します。修正例にある下線部分を修正してください。なお,build-user.xmlの修正例にある項番は,修正内容の表の項番と対応しています。

表J-18 EARプロジェクトのbuild-user.xmlの修正例

修正例表J-19の項番
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>1
<project name="Sample" default="create" basedir="./">2
<target name="create">
<delete file="./Sample.ear"/>
<ear destfile="./Sample.ear" basedir="./"3
appxml="./META-INF/application.xml"4
excludes="Sample.ear,META-INF/application.xml">
<fileset dir="../SampleEJB" includes="SampleEJB.jar"/>
<fileset dir="../SampleWeb" includes="SampleWeb.war"/>
</ear>
</target>
</project>5

(凡例)-:該当なし


表J-19 EARプロジェクトのbuild-user.xmlの修正内容

項番修正個所修正内容
1XMLのヘッダコメントを外します。
2<project>タグコメントを外します。
3<ear>タグのbasedir属性「./」に変更します。
4<ear>タグのappxml属性エンタープライズアプリケーションプロジェクト内のapplication.xmlの相対パスに変更します。
5</project>タグコメントを外します。

なお,EARファイルに取り込むEJB-JARファイルおよびWARファイルは,あらかじめWTPのEJBプロジェクトと動的Webプロジェクトで生成しておきます。アーカイブの生成については,「付録J.9 アーカイブの作成」を参照してください。

移行前の環境でエクスポートしたbuild-user.xmlを使用してEJB-JARファイルやWARファイルを生成する場合は,以降の説明も参照してください。

(b) EJB-JARプロジェクトでエクスポートしたビルドファイルの修正方法

EJB-JARプロジェクトでエクスポートしたbuild-user.xmlを,WTPのEJBプロジェクトで使用するため,内容を修正します。次に,build-user.xmlの修正例と修正内容を示します。修正例にある下線部分を修正してください。なお,build-user.xmlの修正例にある項番は,修正内容の表の項番と対応しています。

表J-20 EJB-JARプロジェクトのbuild-user.xmlの修正例

修正例表J-21の項番
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>1
<project name="SampleEJB" default="create" basedir="./">2
<target name="create">
<delete file="./SampleEJB.jar"/>
<jar destfile="./SampleEJB.jar" basedir="./classes"3
excludes="SampleEJB.jar"/>
</target>
</project>4

(凡例)-:該当なし


表J-21 EJB-JARプロジェクトのbuild-user.xmlの修正内容

項番修正個所修正内容
1XMLのヘッダコメントを外します。
2<project>タグコメントを外します。
3<jar>タグのbasedir属性EJB-JARプロジェクトの出力フォルダをEJBプロジェクトの出力フォルダに変更します。
4</project>タグコメントを外します。
(c) WARプロジェクトでエクスポートしたビルドファイルの修正方法

WARプロジェクトでエクスポートしたbuild-user.xmlを,WTPの動的Webプロジェクトで使用するため,内容を修正します。次に,build-user.xmlの修正例と修正内容を示します。修正例にある下線部分を修正してください。なお,build-user.xmlの修正例にある項番は,修正内容の表の項番と対応しています。

表J-22 WARプロジェクトのbuild-user.xmlの修正例

修正例表J-23の項番
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>1
<project name="SampleWeb" default="create" basedir="./">2
<property name="cjjspcdir"
value="D:/Program Files/Hitachi/Cosminexus/CC/web/bin" />
<property name="rootpath"
value="C:/WTP/workspace/SampleWeb/WebRoot" />3
<target name="compile">
<delete includeemptydirs="true" failonerror="false">
<fileset dir="./WebRoot/WEB-INF/cosminexus_jsp_work"
includes="**/*" />
</delete>
<exec executable=
"${cjjspcdir}/cjjspc.bat" newenvironment="true">
<arg value="-keepgenerated" />
<arg line='-source 1.4' />
<arg line='-pageencoding MS932' />
<arg line='-root "${rootpath}"' />
</exec>
<move todir=
"./WebRoot/WEB-INF/cosminexus_jsp_work/org/apache/jsp"
flatten="true" failonerror="false">
<fileset dir="./WebRoot/WEB-INF/cosminexus_jsp_work"
includes="**/*.java"
excludes="**/org/apache/jsp/**/*.java" />
</move>
</target>
<target name="create" depends="compile">
<delete file="./SampleWeb.war" />
<war destfile="./SampleWeb.war" basedir="./WebRoot"
webxml="./WebRoot/WEB-INF/web.xml"
excludes="SampleWeb.war,WEB-INF/web.xml" />
</target>
</project>4

(凡例)-:該当なし


表J-23 WARプロジェクトのbuild-user.xmlの修正内容

項番修正個所修正内容
1XMLのヘッダコメントを外します。
2<project>タグコメントを外します。
3<property>タグのvalue属性
(name属性に"<WARプロジェクト名>.location"が指定されている場合)
「<WARプロジェクトロケーションディレクトリ>/<WARのルート・フォルダー>」を,「<Webプロジェクトロケーションディレクトリ>/<Web ルート・フォルダー>」に変更します。
4</project>タグコメントを外します。
JSP事前コンパイルを実施する場合
build-user.xmlを使用して,JSP事前コンパイルをするためには,JSP事前コンパイルを有効にする設定がされているWARプロジェクトの,build-user.xmlをエクスポートしてください。