環境変数を設定することで組み込みデータベースの動作を制御できます。環境変数は,システムの環境変数で設定します。システムの環境変数は,Windowsの[コントロールパネル]の中の[システム]-[システムの詳細設定]を選択し,[詳細設定]タブの中の[環境変数]ボタンから表示される画面で設定します。
設定する環境変数は次の表を参照してください。また,環境設定の指定値および動作については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
表3-1 組み込みデータベースの動作を制御する環境変数
環境変数 | 機能 | 指定値 (デフォルト値) | 機能説明 |
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PDTMID | OLTP識別子 | 4文字 | 複数のOLTPから一つの組み込みデータベースにアクセスする場合,それぞれのOLTPにユニークな識別子を指定します。 |
PDXAMODE※1 | トランザクションの移行機能 | {0|1} | OLTPシステムと連携する場合に,トランザクションの移行機能を使用するかどうかを指定します。 必ず1を指定してください。 |
PDTXACANUM※1 | トランザクション最大同時実行数 | 1~2147483647 (20) | XAインタフェースを使用したUAPから同時実行する,最大トランザクション数を指定します。符号なし整数を指定します。 次の値を指定します。 (組み込みデータベースにアクセスするJ2EEコンポーネントの同時実行数)×(J2EEコンポーネントでアクセスする可能性があるコネクション数) |
PDXARCVWTIME | トランザクションの待ち合わせ時間 | 0~270 (2) | トランザクションが回復できない場合の待ち合わせ時間を指定します。符号なし整数を指定します。単位は秒です。 |
PDUSER※1 | ユーザ名・パスワード | パスワードなしのカレントユーザ名 | ユーザ名,およびパスワードを指定します。 |
PDCLTAPNAME | 実行するUAPの識別名称 | 30文字以内 (unknown) | 組み込みデータベースに対してアクセスする,UAPの識別情報(UAP識別子)を指定します。ここで指定した名称は,SQLトレースファイルなどのUAP名称として表示されます。文字列を指定します。 |
PDDBLOG | ログの取得 | {ALL|NO} | UAPを実行するときに,データベースの更新ログを取得するかどうかを指定します。
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PDAUTORECONNECT※1 | 自動再接続機能 | {YES|NO} | 自動再接続機能を使用するかどうかを指定します。J2EEサーバでコネクションの障害検知機能を使用する場合は,NOを指定してください。 |
PDRCCOUNT | CONNECTのリトライ回数 | 1~200 (5) | 自動再接続機能でのCONNECTのリトライ回数を指定します。符号なし整数を指定します。 |
PDRCINTERVAL | CONNECTのリトライ間隔 | 1~600 (5) | 自動再接続機能でのCONNECTのリトライ間隔を指定します。単位は秒です。 |
PDCWAITTIME※1 | J2EEサーバの最大待ち時間 | 0~65535 (0) | J2EEサーバから組み込みデータベースへ要求をしてから,応答が戻ってくるまでのJ2EEサーバの最大待ち時間を指定します。符号なし整数を指定します。単位は秒です。 トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。 |
PDSWAITTIME※1 | データベースの最大待ち時間(トランザクション処理中) | 0~65535 (600) | 組み込みデータベースがJ2EEサーバからの要求に対する応答を返してから,次にJ2EEサーバから要求が来るまでの組み込みデータベースの最大待ち時間を指定します。この時間監視は,トランザクション処理中の時間です。 符号なし整数を指定します。単位は秒です。 トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。 |
PDSWATCHTIME※1 | データベースの最大待ち時間(トランザクション処理以外) | 0~65535 | 組み込みデータベースがJ2EEサーバからの要求に対する応答を返してから,次にJ2EEサーバから要求が来るまでの組み込みデータベースの最大待ち時間を指定します。この時間監視は,トランザクション処理以外の時間です。 符号なし整数を指定します。単位は秒です。 0を指定した場合,組み込みデータベースはJ2EEサーバからの要求があるまで待ち続けます。コネクションプーリング機能を使用する場合は,0を指定してください。 |
PDTIMEDOUTRETRY | システムコールのリトライ回数 | 0~32767 (2) | J2EEサーバがHiRDBサーバと接続する場合に実行する,connect()システムコールでエラーが発生したときに,connect()システムコールをリトライする回数を指定します。符号なし整数を指定します。 |
PDCLTPATH | SQLトレースファイル・エラーログファイルの格納先ディレクトリ | カレントディレクトリのパス名 | J2EEサーバが作成するSQLトレースファイルおよびエラーログファイルの格納先ディレクトリを指定します。 パス名を指定します。 |
PDSQLTRACE | SQLトレースファイルのサイズ | 0または4096~2000000000 | UAPのSQLトレースを出力するSQLトレースファイルのサイズを指定します。単位はバイトです。 0を指定した場合は,ファイルの最大のサイズとなります。省略した場合は,SQLトレースを出力しません。 |
PDUAPERLOG | エラーログファイルのサイズ | 0または4096~65536 (4096) | UAPのエラーログを出力するエラーログファイルのサイズを指定します。符号なし整数を指定します。単位は,バイトです。 |
PDERRSKIPCODE | エラーログへのメッセージ出力の抑止 | SQLCODE[,SQLCODE…] | 特定のエラーログを出力しない場合に指定します。 |
PDPRMTRC | パラメタ情報・検索データの出力 | {YES|NO|IN|OUT|INOUT} | SQLトレースにパラメタ情報および検索データを出力するかどうかを指定します。
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PDPRMTRCSIZE | パラメタ情報・検索データの最大データ長 | 4~32008 (256) | SQLトレースに出力するパラメタ情報および検索データの最大データ長を指定します。符号なし整数を指定します。単位はバイトです。 |
PDTRCMODE | トラブルシュート情報の出力 | {ERR|NONE} | SQLトレース以外のトラブルシュート情報(pderr*.trcの情報)を出力するかどうかを指定します。
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PDUAPREPLVL | UAP統計レポートの出力情報 | {[s][u][p][r]|a} | UAP統計レポートの出力情報を指定します。
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PDREPPATH | UAP統計レポートの出力先 | パス名 | PDCLTPATHで指定したディレクトリとは別のディレクトリに,UAP統計レポートを出力する場合に指定します。 パス名を指定します。 |
PDSQLTEXTSIZE | SQL文のサイズ | 4096~2000000 (4096) | SQLトレースに出力するSQL文のサイズを指定します。符号なし整数を指定します。単位はバイトです。 |
PDSQLEXECTIME | SQL実行時間の出力 | {YES|NO} | SQLトレースにSQL実行時間を出力するかどうかを指定します。
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PDRCTRACE | UAPの再接続トレースを出力するファイルのサイズ | 0または4096~2000000000 | UAPの再接続トレースを出力するファイルのサイズを指定します。符号なし整数を指定します。単位はバイトです。 0を指定した場合はファイルの最大サイズとなります。省略した場合,UAPの再接続トレースは出力されません。 |
PDVWOPTMODE | アクセスパス情報ファイルの取得 | {0|1|2} | アクセスパス情報ファイルを取得するかどうかを指定します。
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PDSTJTRNOUT※2 | 統計ログファイルの出力 | {YES|NO} | UAPに関する統計情報を,トランザクションごとに統計ログファイルに出力するかどうかを指定します。
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PDLOCKSKIP | 無排他条件判定 | {YES|NO} | 無排他条件判定をするかどうかを指定します。
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PDFORUPDATEEXLOCK | WITH EXCLUSIVE LOCKの適用 | {YES|NO} | FOR UPDATE句を指定した(または仮定された)SQLの排他オプションに,WITH EXCLUSIVE LOCKを適用するかどうかを指定します。
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PDISLLVL | SQL文のデータ保証レベル | 0~2 (2) | SQL文のデータ保証レベルを指定します。符号なし整数を指定します。 |
PDSQLOPTLVL※3 | SQL最適化オプション | SQL最適化オプションの指定値 | データベースの状態を考慮して,最も効率的なアクセスパスを決定するための最適化の方法(SQL最適化オプション)を指定します。識別子,または符号なし整数を指定します。 |
PDADDITIONALOPTLVL※3 | SQL拡張最適化オプション | SQL拡張最適化オプションの指定値 | データベースの状態を考慮して,最も効率的なアクセスパスを決定するための最適化の方法(SQL拡張最適化オプション)を指定します。識別子,または符号なし整数を指定します。 |
PDHASHTBLSIZE | ハッシュ表サイズ | 128~524288 | SQLの最適化で,ハッシュジョイン,副問合せのハッシュ実行を適用する場合,ハッシュ表サイズを指定します。符号なし整数を指定します。単位はバイトです。 |
PDDFLNVAL | 埋め込み変数の既定値 | {USE|NOUSE} | 表中のデータを埋め込み変数に取り出す場合,取り出した値がNULL値のときに,埋め込み変数に既定値を設定するかどうかを指定します。
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PDAGGR※4 | グループ数の最大値 | 0~30000000 (1024) | GROUP BY処理に使用するメモリ量を決定するため,データベースごとに発生するグループ数の最大値を指定します。 符号なし整数を指定します。 |
PDDSQLOBJCACHE | SQLオブジェクト用バッファの再利用 | {YES|NO} | 動的SQLのSQLオブジェクトを,SQLオブジェクト用バッファで再利用するかどうかを指定します。
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PDCMMTBFDDL | 定義系SQLの実行 | {YES|NO} | 操作系SQLを実行していたトランザクションで定義系SQLを実行する場合,自動的にコミットしてから定義系SQLを実行するかどうかを指定します。
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PDBLKF | 1回の転送処理で送られる行数 | 1~4096 (1) | HiRDBサーバからHiRDBクライアントに検索結果を転送するときの,1回の転送処理で送られる行数を指定します。 符号なし整数を指定します。 |
PDBINARYBLKF | ブロック転送機能の適用 | {YES|NO} | 定義長が32,001バイト以上のBINARY型の選択式がある表を検索する場合,ブロック転送機能を適用するかどうかを指定します。
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PDBLKBUFFSIZE | 通信バッファのサイズ | 0~2000000 (0) | ブロック転送機能で使用する,データベースおよびクライアント間の通信バッファのサイズを指定します。 符号なし整数を指定します。単位はバイトです。 |
PDSPACELVL | 空白変換レベル | {0|1|3} | データの格納,比較,および検索時の,空白変換レベルを指定します。
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PDCNSTRNTNAME | 制約名定義の位置 | {LEADING|TRAILING} | 参照制約,および検査制約を定義する場合,制約名定義の位置を指定します。
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