Cosminexus V9 アプリケーションサーバ Cosminexus HTTP Server

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付録G 旧バージョンからの移行に関する注意点

HTTP Serverを旧バージョンから移行する場合に注意が必要な項目と,設定変更の要否を次の表に示します。

表G-1 旧バージョンからの移行時に注意が必要な項目

項番 項目 移行前のアプリケーションサーバのバージョン
V6 V7 V8
1 ErrorDocumentディレクティブのテキスト指定
2 リバースプロキシの指定
3 ShmemUIDisUserディレクティブの指定
4 TransferLogディレクティブ,CustomLogディレクティブ,ErrorLogディレクティブに対し,rotatelogsまたはrotatelogs2以外のプログラムをパイプ指定している場合(Windows版だけ)
5 名称変更したディレクティブ
6 指定可能なタイムアウトの範囲
7 SNMPによるWebサーバの稼働管理の非サポート
8 SIGXFSZ/SIGXCPUシグナル受信時の動作変更(UNIX版だけ)
9 稼働状況の表示(ステータス情報表示)での更新間隔の変更
10 GUIサーバ管理機能の提供終了
11 HTMLマニュアルの提供終了
12 プログラムプロダクトの名称変更
13 プログラムメニューの提供終了(Windows版だけ)
14 SSL関連コマンドの変更
15 SSLv2プロトコルの非サポート
16 サポートする暗号種別の変更
17 SSLクライアント認証時の指定

(凡例)
  • V6,V7,V8:それぞれ,アプリケーションサーバのVersion 6,Version 7,Version 8を示します。
  • 設定変更が必要な項目を次に示します。
    ○:移行時に変更が必要な項目です。
    −:移行時に変更が不要な項目です。

項目ごとの注意点を次に示します。設定変更が必要な場合は,インストールから起動までに実施してください。

  1. ErrorDocumentディレクティブのテキスト指定
    アプリケーションサーバ Version 6では,文字列の先頭に「"」を記述して指定しましたが,このバージョンでは文字列を「""」で囲んでください。
    (例)
    アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
    ErrorDocument 500 "Server Error.
    このバージョンでの指定方法
    ErrorDocument 500 "Server Error."
  2. リバースプロキシの指定
    アプリケーションサーバ Version 6では,Windows版ではmod_proxy.so,UNIX版ではlibproxy.soだけをロードしていましたが,このバージョンではmod_proxy.soおよびmod_proxy_http.soの2つをロードしてください。
    UNIX版の場合は必ず次の例に示す順序でロードしてください。
    (例)
    Windows版
    ・アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
    LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
    ・このバージョンでの指定方法
    LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
    LoadModule proxy_http_module modules/mod_proxy_http.so
    UNIX版
    ・アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
    LoadModule proxy_module libexec/libproxy.so
    ・このバージョンでの指定方法
    LoadModule proxy_module libexec/mod_proxy.so
    LoadModule proxy_http_module libexec/mod_proxy_http.so
  3. ShmemUIDisUserディレクティブの指定
    このバージョンではShmemUIDisUserディレクティブの設定は不要のため,ディレクティブの指定を削除してください。
  4. TransferLogディレクティブ,CustomLogディレクティブ,ErrorLogディレクティブに対し,rotatelogsまたはrotatelogs2以外のプログラムをパイプ指定している場合(Windows版だけ)
    ログ情報に含める改行コードがLFからCRLFに変更されました。そのためプログラムの見直しが必要となる場合があります。
    ディレクティブにプログラムを指定するときは,プログラムの拡張子(例えば「.exe」)を含める必要があります。
    (例)
    ログを出力するユーザ作成プログラムwritelogs.exeを指定する場合
    ・アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
    CustomLog "|\"\"C:/proprietary/writelogs\" プログラム引数\""
    ・このバージョンでの指定方法
    CustomLog "|\"\"C:/proprietary/writelogs.exe\" プログラム引数\""
  5. 名称変更したディレクティブ
    allow from,deny from,order,requireのディレクティブの名前は,アプリケーションサーバのバージョンがVersion 6以前ではすべて小文字でしたが,Version 7でAllow from,Deny from,Order,Requireと先頭が大文字に変更されました。すべて小文字のままでも使用できますが,Version 7以降の仕様にあわせる場合は,allow from,deny from,order,requireのディレクティブを先頭大文字に変更してください。
  6. 指定可能なタイムアウトの範囲
    アプリケーションサーバのバージョンがVersion 6以前では,KeepAliveTimeoutディレクティブおよびTimeoutディレクティブに指定可能な範囲は0〜2147483647でしたが,Version 7で0〜65535に変更されました。
    KeepAliveTimeoutディレクティブおよびTimeoutディレクティブに65536以上の値を指定していた場合,65535以下でシステムを運用できるようシステム構成を見直し,ディレクティブ値を変更してください。
  7. SNMPによるWebサーバの稼働管理の非サポート
    SNMPによるWebサーバの稼働管理はサポートしていません。
  8. SIGXFSZ/SIGXCPUシグナル受信時の動作変更(UNIX版だけ)
    制御プロセスがSIGXFSZまたはSIGXCPUシグナルを受信した場合,Webサーバを停止するように変更しました。
  9. 稼働状況の表示(ステータス情報表示)での更新間隔の変更
    refresh=更新間隔で指定するステータス情報を更新する間隔について,指定可能範囲を1〜3,600秒に変更しました。また,デフォルト値を60秒に変更しました。
  10. GUIサーバ管理機能の提供終了
    GUIサーバ管理機能はサポートしていません。
  11. HTMLマニュアルの提供終了
    HTMLマニュアルは同梱していません。
  12. プログラムプロダクトの名称変更
    プログラムプロダクト名を「Hitachi Web Server」から「Cosminexus HTTP Server」に変更しました。これに伴い,ログやHTTP通信などに使用している名称が「Hitachi Web Server」から「Cosminexus HTTP Server」に変更されます。
    Windows版では,標準で作成するサービス名も変更されます。ただし,旧バージョンをインストールした環境に「Hitachi Web Server」というサービス名が存在している場合は,上書きインストールを実施してもサービス名は変更されません。
  13. プログラムメニューの提供終了(Windows版だけ)
    スタートメニューにはこのプログラムプロダクトのメニューは作成されません。
  14. SSL関連コマンドの変更
    sslcコマンドまたはsslckeyコマンド,sslccertコマンドが,keygenコマンドおよびcertutilコマンドに変わります。ただし,sslcコマンドで実行できていた次の機能は含まれません。
    • テスト用CA(認証局)の秘密鍵と証明書の作成,およびテスト用CAでの署名
    • CRLの内容表示と形式変換
    keygenコマンドとcertutilコマンドの詳細については,「5.2 証明書取得手順」の各項を参照してください。
    以前のコマンドで作成した鍵/証明書ファイルは引き続き使用できますが,新旧のコマンド(例えば,sslckeyコマンドとcertutilコマンド)を併用して鍵/証明書ファイルを作成することはできません。
  15. SSLv2プロトコルの非サポート
    SSLProtocolディレクティブにSSLv2が指定できなくなります。SSLv2だけをサポートしているクライアントからリクエストした場合,SSLハンドシェイクでエラーとなり,接続できません。
  16. サポートする暗号種別の変更
    サポートする暗号種別を変更します。詳細は,「6.2.7(20) SSLBanCipher 暗号種別 〔暗号種別 …〕」を参照してください。
  17. SSLクライアント認証時の指定
    SSLVerifyCLientディレクティブに3は指定できなくなります。SSLクライアント認証を実施する場合は,必ずSSLCACertificateFileディレクティブかSSLCACertificatePathディレクティブで,クライアント証明書を発行したCAの証明書(中間CA証明書,ルートCA証明書を含む)を指定してください。