HTTP Serverを旧バージョンから移行する場合に注意が必要な項目と,設定変更の要否を次の表に示します。
表G-1 旧バージョンからの移行時に注意が必要な項目
項番 |
項目 |
移行前のアプリケーションサーバのバージョン |
V6 |
V7 |
V8 |
1 |
ErrorDocumentディレクティブのテキスト指定 |
○ |
− |
− |
2 |
リバースプロキシの指定 |
○ |
− |
− |
3 |
ShmemUIDisUserディレクティブの指定 |
○ |
− |
− |
4 |
TransferLogディレクティブ,CustomLogディレクティブ,ErrorLogディレクティブに対し,rotatelogsまたはrotatelogs2以外のプログラムをパイプ指定している場合(Windows版だけ) |
○ |
− |
− |
5 |
名称変更したディレクティブ |
○ |
− |
− |
6 |
指定可能なタイムアウトの範囲 |
○ |
− |
− |
7 |
SNMPによるWebサーバの稼働管理の非サポート |
○ |
− |
− |
8 |
SIGXFSZ/SIGXCPUシグナル受信時の動作変更(UNIX版だけ) |
○ |
○ |
− |
9 |
稼働状況の表示(ステータス情報表示)での更新間隔の変更 |
○ |
○ |
− |
10 |
GUIサーバ管理機能の提供終了 |
○ |
○ |
− |
11 |
HTMLマニュアルの提供終了 |
○ |
○ |
− |
12 |
プログラムプロダクトの名称変更 |
○ |
○ |
○ |
13 |
プログラムメニューの提供終了(Windows版だけ) |
○ |
○ |
○ |
14 |
SSL関連コマンドの変更 |
○ |
○ |
○ |
15 |
SSLv2プロトコルの非サポート |
○ |
○ |
○ |
16 |
サポートする暗号種別の変更 |
○ |
○ |
○ |
17 |
SSLクライアント認証時の指定 |
○ |
○ |
○ |
- (凡例)
- V6,V7,V8:それぞれ,アプリケーションサーバのVersion 6,Version 7,Version 8を示します。
- 設定変更が必要な項目を次に示します。
○:移行時に変更が必要な項目です。
−:移行時に変更が不要な項目です。
項目ごとの注意点を次に示します。設定変更が必要な場合は,インストールから起動までに実施してください。
- ErrorDocumentディレクティブのテキスト指定
アプリケーションサーバ Version 6では,文字列の先頭に「"」を記述して指定しましたが,このバージョンでは文字列を「""」で囲んでください。
- (例)
- アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
ErrorDocument 500 "Server Error.
|
- このバージョンでの指定方法
ErrorDocument 500 "Server Error."
|
- リバースプロキシの指定
アプリケーションサーバ Version 6では,Windows版ではmod_proxy.so,UNIX版ではlibproxy.soだけをロードしていましたが,このバージョンではmod_proxy.soおよびmod_proxy_http.soの2つをロードしてください。
UNIX版の場合は必ず次の例に示す順序でロードしてください。
- (例)
- Windows版
- ・アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
|
- ・このバージョンでの指定方法
LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
LoadModule proxy_http_module modules/mod_proxy_http.so
|
- UNIX版
- ・アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
LoadModule proxy_module libexec/libproxy.so
|
- ・このバージョンでの指定方法
LoadModule proxy_module libexec/mod_proxy.so
LoadModule proxy_http_module libexec/mod_proxy_http.so
|
- ShmemUIDisUserディレクティブの指定
このバージョンではShmemUIDisUserディレクティブの設定は不要のため,ディレクティブの指定を削除してください。
- TransferLogディレクティブ,CustomLogディレクティブ,ErrorLogディレクティブに対し,rotatelogsまたはrotatelogs2以外のプログラムをパイプ指定している場合(Windows版だけ)
ログ情報に含める改行コードがLFからCRLFに変更されました。そのためプログラムの見直しが必要となる場合があります。
ディレクティブにプログラムを指定するときは,プログラムの拡張子(例えば「.exe」)を含める必要があります。
- (例)
- ログを出力するユーザ作成プログラムwritelogs.exeを指定する場合
- ・アプリケーションサーバ Version 6の指定方法
CustomLog "|\"\"C:/proprietary/writelogs\" プログラム引数\""
|
- ・このバージョンでの指定方法
CustomLog "|\"\"C:/proprietary/writelogs.exe\" プログラム引数\""
|
- 名称変更したディレクティブ
allow from,deny from,order,requireのディレクティブの名前は,アプリケーションサーバのバージョンがVersion 6以前ではすべて小文字でしたが,Version 7でAllow from,Deny from,Order,Requireと先頭が大文字に変更されました。すべて小文字のままでも使用できますが,Version 7以降の仕様にあわせる場合は,allow from,deny from,order,requireのディレクティブを先頭大文字に変更してください。
- 指定可能なタイムアウトの範囲
アプリケーションサーバのバージョンがVersion 6以前では,KeepAliveTimeoutディレクティブおよびTimeoutディレクティブに指定可能な範囲は0〜2147483647でしたが,Version 7で0〜65535に変更されました。
KeepAliveTimeoutディレクティブおよびTimeoutディレクティブに65536以上の値を指定していた場合,65535以下でシステムを運用できるようシステム構成を見直し,ディレクティブ値を変更してください。
- SNMPによるWebサーバの稼働管理の非サポート
SNMPによるWebサーバの稼働管理はサポートしていません。
- SIGXFSZ/SIGXCPUシグナル受信時の動作変更(UNIX版だけ)
制御プロセスがSIGXFSZまたはSIGXCPUシグナルを受信した場合,Webサーバを停止するように変更しました。
- 稼働状況の表示(ステータス情報表示)での更新間隔の変更
refresh=更新間隔で指定するステータス情報を更新する間隔について,指定可能範囲を1〜3,600秒に変更しました。また,デフォルト値を60秒に変更しました。
- GUIサーバ管理機能の提供終了
GUIサーバ管理機能はサポートしていません。
- HTMLマニュアルの提供終了
HTMLマニュアルは同梱していません。
- プログラムプロダクトの名称変更
プログラムプロダクト名を「Hitachi Web Server」から「Cosminexus HTTP Server」に変更しました。これに伴い,ログやHTTP通信などに使用している名称が「Hitachi Web Server」から「Cosminexus HTTP Server」に変更されます。
Windows版では,標準で作成するサービス名も変更されます。ただし,旧バージョンをインストールした環境に「Hitachi Web Server」というサービス名が存在している場合は,上書きインストールを実施してもサービス名は変更されません。
- プログラムメニューの提供終了(Windows版だけ)
スタートメニューにはこのプログラムプロダクトのメニューは作成されません。
- SSL関連コマンドの変更
sslcコマンドまたはsslckeyコマンド,sslccertコマンドが,keygenコマンドおよびcertutilコマンドに変わります。ただし,sslcコマンドで実行できていた次の機能は含まれません。
- テスト用CA(認証局)の秘密鍵と証明書の作成,およびテスト用CAでの署名
- CRLの内容表示と形式変換
keygenコマンドとcertutilコマンドの詳細については,「5.2 証明書取得手順」の各項を参照してください。
以前のコマンドで作成した鍵/証明書ファイルは引き続き使用できますが,新旧のコマンド(例えば,sslckeyコマンドとcertutilコマンド)を併用して鍵/証明書ファイルを作成することはできません。
- SSLv2プロトコルの非サポート
SSLProtocolディレクティブにSSLv2が指定できなくなります。SSLv2だけをサポートしているクライアントからリクエストした場合,SSLハンドシェイクでエラーとなり,接続できません。
- サポートする暗号種別の変更
サポートする暗号種別を変更します。詳細は,「6.2.7(20) SSLBanCipher 暗号種別 〔暗号種別 …〕」を参照してください。
- SSLクライアント認証時の指定
SSLVerifyCLientディレクティブに3は指定できなくなります。SSLクライアント認証を実施する場合は,必ずSSLCACertificateFileディレクティブかSSLCACertificatePathディレクティブで,クライアント証明書を発行したCAの証明書(中間CA証明書,ルートCA証明書を含む)を指定してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2012, 2015, Hitachi, Ltd.