6.1.2 ディレクティブの記述規則

<この項の構成>
(1) 正規表現
(2) ディレクティブに指定するパス情報
(3) コメント行
(4) IPv6アドレスを指定するときの注意

(1) 正規表現

ディレクティブの指定に使用できる正規表現を次に示します。

表6-2 正規表現

記号機能使用例使用例の意味
.任意の1文字。a...caのあとに任意の3文字とcが続く。abcdcは適合する。
*直前の1文字の0個以上の繰り返し。ab*cd*ac,abbbbc,abbbbcdは適合する。
+直前の1文字の1個以上の繰り返し。ab*c+abbbcは適合する。abbbは適合しない。
?直前の1文字があるかないか。abbbc?abbbc,abbbは適合する。
|選択肢の区切り。a|bc|da,bcまたはd。
¥直後の特殊文字(. ^$*+?|¥[](){})の1文字。ただし,¥を表す場合は¥¥¥。¥..と適合する。
¥¥¥1文字の¥と適合する。
^行の先頭に適合する。^ababcdeは適合する。
$行の末尾に適合する。abc$aaabcは適合する。
{m}直前の正規表現のm個の繰り返し。a{5}aaaaaが適合する。
{m,}直前の正規表現のm個以上の繰り返し。a{3,}aaa,aaaaは適合する。aaは適合しない。
{m,n}直前の正規表現のm個以上n個以下の繰り返し。a{3,5}aaa,aaaa,aaaaaが適合する。aa,aaaaaaは適合しない。
[文字列]文字列にある任意の1文字[abc]*または[a-c]*aaa,bbb,ccc,cba,aabは適合する。
[^文字列]文字列にない任意の1文字。[^0-9]数字以外の1字が適合する。
(文字列)文字列をグループ化する。(ab)+abababが適合する。ababbは適合しない。
aa(xx|yy)bbaaxxbb,aayybbが適合する。
注※
次の3文字は,[文字列]内で特殊な意味を持ちます。
  • ^:[の次に指定して,文字列に含まれないものを示すために用います。
  • ]:文字列の最後を示すために用います。
  • -:範囲を指定するために用います。
また,これら特殊文字の前の¥は省略されます。
[文字列]内で特殊な意味を持つ文字を通常の文字として指定するには,次のようにします。なお,^ ] - ¥ 以外の特殊文字は,通常の文字として扱われます。
  • ^ :文字列の先頭以外で指定します。(例)[ab^yz]
  • ]:文字列の先頭に指定します。(例)[]abxy]
  • -:最後に指定します。(例)[abxy-]
  • ¥:¥¥¥と指定します。(例)[¥¥¥abxy]

(2) ディレクティブに指定するパス情報

ディレクトリ名,ファイル名またはパス名を指定するディレクティブの場合,ディレクティブの種類によって,指定できるパス情報が異なります。

パスの種類には,次のものがあります。各ディレクティブのパス情報は,各ディレクティブで説明します。

また,パス情報にネットワーク上のディレクトリやファイルを指定することはできません。ネットワークを使用したファイルシステム上のディレクトリやファイルを指定することもできません。

(3) コメント行

コンフィグファイル中,行の最初に#を付けると,コメント行になります。ただし,ディレクティブを指定したあとに#から始まる文字列を記述しても,#以降をコメントとして扱いません。コメント行を指定する場合の記述例を次に示します。

正しい例

#Deny from all

#行はコメント行として扱われます。
誤った例

Deny from all    #comment

#commentはディレクティブ指定値として扱われます。コメントとしては扱われません。

(4) IPv6アドレスを指定するときの注意

ディレクティブにIPv6アドレスを記述する場合は,「[IPv6アドレス]」のようにIPv6アドレスを[ ]で囲んで指定してください。また,ディレクティブにIPv6アドレスとポート番号を併記する場合は,「[IPv6アドレス]:ポート番号」のようにIPv6アドレスを[ ]で囲み,「:」の後ろにポート番号を指定します。

ただし,次のディレクティブにIPv6アドレスを記述する場合は,IPv6アドレスを[ ]で囲まないで指定してください。

IPv6アドレスを指定する場合は,グローバルユニキャストアドレスを指定してください。