Cosminexus V9 アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編
1.4 コマンド使用時の注意事項
(1) Windows Server 2012,Windows Server 2008,Windows 8,Windows 7またはWindows Vistaでアプリケーションサーバが提供するコマンドを使用する場合の注意事項
アプリケーションサーバが提供するコマンドは,管理者特権で実行する必要があります。「管理者:コマンドプロンプト」で実行してください。
「管理者:コマンドプロンプト」は,Windows Server 2012,Windows Server 2008,Windows 8,Windows 7またはWindows Vistaで提供されている機能を使用して起動してください。起動方法の例を次に示します。
- Windows Server 2008,Windows 7またはWindows Vistaの場合
- [スタート]ボタンをクリックします。
- [すべてのプログラム]−[アクセサリ]を選択します。
- [コマンド プロンプト]を右クリックして,[管理者として実行]をクリックします。
- Windows Server 2012またはWindows 8の場合
- デスクトップ画面で,[Windows]ロゴボタンを右クリックし,[コマンドプロンプト(管理者)]をクリックします。
管理者のパスワードまたは確認を求められた場合は,画面の指示に従って,パスワードを入力するか,または確認情報を設定してください。
(2) サーバ管理コマンドを使用する場合の注意事項
- コマンドの実行でメモリ不足が発生しコマンドが正常に実行できない場合は,サーバ管理コマンド用のオプション定義ファイル(usrconf.bat)中のUSRCONF_JVM_ARGSキーにJavaVMのオプション-Xmx<size>を指定して,メモリ割り当てプールの最大サイズを拡張することで対応します。-Xmx<size>の指定がない場合のデフォルト値は64MBです。
[例]
- Windowsの場合
- set USRCONF_JVM_ARGS=-Xmx512m
- UNIXの場合
- set USRCONF_JVM_ARGS="-Xmx512m"
-
- 操作対象ファイルのファイルサイズが大きいと,サーバ管理コマンドを起動したコンソールに,「java.lang.OutOfMemoryError」メッセージが表示されることがあります。この場合は,サーバ管理コマンド用オプション定義ファイル(Windowsの場合はusrconf.bat,UNIXの場合はusrconf)のUSRCONF_JVM_ARGSキーの-Xmsオプションおよび-Xmxオプションを使用して,JavaVMのメモリ割り当てサイズを妥当な値に変更してください。
- 記述例
- set USRCONF_JVM_ARGS="-Xms64m -Xmx256m"
- 属性ファイルのXML宣言部分で指定されているエンコーディングは,該当する属性ファイルのエンコーディングを決定するものであり,サーバ側のDeployment Descriptorファイルのエンコーディングには影響しません(サーバ側のDeployment Descriptorファイルのエンコーディングは必ず「UTF-8」となります)。
- Windows Server 2012,Windows Server 2008,Windows 8,Windows 7またはWindows Vistaを使用している場合に,管理者特権でコマンドプロンプトを開いていないときには,管理者特権エラーとなり,終了コード「9」が返されます。
- UNIXの場合,Component Container管理者を設定すれば,スーパーユーザ以外の一般ユーザでもコマンドを実行できます。
Windows Server 2012,Windows Server 2008,Windows 8,Windows 7またはWindows VistaではAdministrator権限を持つユーザであっても,コマンドプロンプトを管理者特権で開いていない場合,コマンドを実行できません。
- ディレクトリ名,ファイル名にUnicodeの補助文字は使用できません。
ログファイルに,実行時の文字エンコーディングに変換できない文字を出力した場合,「?」に変換されます。
- Beanのメソッドに設定した実行権限が有効となるのは,createメソッド,ビジネスメソッド,およびremoveメソッドだけです。これら以外のメソッドに対してサーバ管理コマンドで設定された実行権限は無視されます。
- コマンドでJ2EEサーバ,またはバッチサーバへリモート接続を実行した場合,コンソールおよびダイアログにKDJE30045-Eのメッセージが表示されることがあります。その場合には,サーバ管理コマンドとJ2EEサーバ,またはバッチサーバのComponent Containerのバージョンを合わせてください。
- Component Container 06-00以前のバージョンからリモートでcjresetsvコマンドを実行するとKDJE37516-Iのメッセージが表示されますが,サーバ管理コマンドの排他情報はリセットされません。
- 削除系コマンドと一覧表示系コマンドを同一リソースに対し,同時に実行すると,J2EEサーバ,またはバッチサーバを起動したコンソールにKDJE39057-Eのメッセージが表示されることがありますが,J2EEサーバ,またはバッチサーバの動作への影響はありません。
削除系コマンドと一覧表示系コマンドを次に示します。
削除系サーバ管理コマンド
cjdeleteapp
cjdeleteres
cjundeployrar
cjdeletelibjar
一覧表示系サーバ管理コマンド
cjlistapp
cjlistres
cjlistrar
cjlistlibjar
- サーバ管理コマンドのコマンドオプションに空白を含む場合は,次のように指定してください。
Windowsの場合
空白を含むコマンドオプションをダブルクォーテーション("")で囲んでください。
(例)Display nameがTP1/Message Queue - Accessのリソースアダプタの情報を取得する場合
cjgetresprop -type rar -resname "TP1/Message Queue - Access" -c C:\temp\rar.xml
AIXの場合
空白を含むコマンドオプションをダブルクォーテーション("")で囲んでください。
(例)Display nameがTP1/Message Queue - Accessのリソースアダプタの情報を取得する場合
cjgetresprop -type rar -resname "TP1/Message Queue - Access" -c /home/rar.xml
そのほかのUNIXの場合
コマンドオプション全体をダブルクォーテーション("")で囲み,さらに空白を含むコマンドオプションをシングルクォーテーション('')で囲んでください。
(例)Display nameがTP1/Message Queue - Accessのリソースアダプタの情報を取得する場合
cjgetresprop "-type rar -resname 'TP1/Message Queue - Access' -c /home/rar.xml"
ただし,次の場合には正しく動作しないことがあります。
- シングルクォーテーションで囲んだオプション中に空白が2個以上連続している。
- 先頭のシングルクォーテーションの直後に空白がある,または末尾のシングルクォーテーションの直前に空白がある。
- UNIXの場合,サーバ管理コマンドのコマンドオプションにエクスクラメーションマーク(!)を含むときは,エクスクラメーションマーク(!)を含むコマンドオプションをシングルクォーテーション(')で囲んでください。
(例)Connector 1.5のコネクションプールの一覧を表示する場合
cjlistpool <サーバ名称> -nameserver <プロバイダURL> '<リソースアダプタの表示名>!<コネクション定義識別子>'
- サーバ管理コマンドで使用する属性ファイルでリソース環境変数用のタグ(<resource-env-ref>タグ内の<linked-to>タグ)に指定する「キューの表示名」には,先頭がアンダースコア"_"で始まる文字列,または連続したアンダースコア"__"を含む文字列は指定しないでください。
- CLASSPATH環境変数,またはサーバ管理コマンド用オプション定義ファイルで指定したクラスパスに含まれるクラスから参照されるクラスは,アプリケーションに含めないでください。
- Windowsでサーバ管理コマンドを実行する場合,PATH環境変数やCLASSPATH環境変数に設定するパスに「^,&」を含む文字列を使用しないでください。
- usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portを指定している場合は,HCSCコマンドとサーバ管理コマンドは併用できません。
- ほかのホストのJ2EEサーバを操作する場合や複数のNICを使用する場合,あらかじめusrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)で,webserver.connector.http.permitted.hostsキーを定義する必要があります。webserver.connector.http.permitted.hostsキーについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
(3) Smart Composer機能でコマンドを使用する場合の注意事項
次のコマンドを使用する場合は,物理ティアのJ2EEサーバのコンフィグレーション設定で,J2EEサーバの運用監視を有効(ejbserver.instrumentation.enabledパラメタにtrueを設定)にしてください。
- cmx_start_application
- cmx_stop_application
- cmx_start_resource
- cmx_stop_resource
なお,物理ティアの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。簡易構築定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6 簡易構築定義ファイル」を参照してください。
(4) 管理ユーザアカウントの省略機能を有効にする場合の注意事項
Manager ServerおよびSmart Composerで使用するコマンドの中に,管理ユーザアカウントの省略機能を有効にした場合に,通常と動作が変わるコマンドがあります。一覧を次の表に示します。
表1-8 管理ユーザアカウント省略機能有効時に動作が変わるコマンド
分類 |
コマンド名 |
管理ユーザアカウント省略機能有効時の動作 |
Manager Serverで使用するコマンド |
mngsvrctlコマンド |
次に示す引数setupの設定が無効となります。
- -u <管理ユーザID>
- -p <管理パスワード>
- -nu <管理ユーザID>
- -np <管理パスワード>
メッセージが出力されますが,セットアップ処理は通常どおり実行します。引数startおよびstopの設定は有効となります。
管理ユーザアカウントおよびパスワードは,設定および変更できません。 |
mngsvrutilコマンド |
次に示す引数の設定が無効となります。
- -u <管理ユーザID>
- -p <管理パスワード>
|
Smart Composerで使用するコマンド |
cmx_admin_passwdコマンド以外 |
cmx_admin_passwdコマンド |
設定値が無効となり,メッセージが出力されます。
管理ユーザアカウントおよびパスワードは,設定および変更できません。 |
コマンドのオプションのデフォルト値を共通定義ファイルとして設定できます。これらのファイルも管理ユーザアカウントの省略機能を有効にしたとき,動作が変わります。動作が変わるファイルの一覧を次の表に示します。
表1-9 管理ユーザアカウント省略機能有効時に動作が変わるファイル
ファイル名 |
コマンド定義ファイルの種類 |
管理ユーザアカウント省略機能有効時の動作 |
.mngsvrutilrc |
mngsvrutilコマンド定義ファイル |
次のプロパティの設定が無効となります。
- mngsvrutil.connect.userid
- mngsvrutil.connect.password
|
mngsvrutilcl.properties |
.cmxrc |
Smart Composerで使用するコマンドの定義ファイル |
次のプロパティの設定が無効となります。
- cmx.connect.userid
- cmx.connect.passwd
|
cmxclient.properties |
.mngsvrmonitorrc |
mngsvrmonitorコマンド定義ファイル |
次のプロパティの設定が無効となります。
- mngsvrmonitor.connect.userid
- mngsvrmonitor.connect.password
|
(5) 仮想サーバマネージャのコマンドを使用する場合の注意事項
- 仮想サーバマネージャのコマンドは,仮想サーバマネージャが起動している状態で実行できます。仮想サーバマネージャが起動していない状態でコマンドを実行した場合は,メッセージを出力してエラー終了します。
- 仮想サーバマネージャのコマンドの開始・終了メッセージ,およびコマンドの実行結果は,標準出力で出力されます。
- コマンド実行前にログ出力ディレクトリおよびログファイルに書き込み権限があることを確認してください。ログ出力ディレクトリおよびログファイルに書き込み権限がない場合にはログが出力されません。
- 仮想サーバマネージャのコマンドは,実行ユーザの制限はありません。ただし,Windowsの場合は,コマンドを実行するOSの種類や実行ユーザに応じて,次の事項に注意する必要があります。
- UAC(ユーザアカウント制御)が無効なOSの場合
Administrator権限を持たないユーザが実行する場合,コマンド実行前にログ出力ディレクトリおよびログファイルに書き込み権限があることを確認してください。ログ出力ディレクトリおよびログファイルに書き込み権限がない場合にはログが出力されません。
Administrator権限を持つユーザが実行する場合,注意事項は特にありません。
- UAC(ユーザアカウント制御)が有効なOSの場合
Administrator権限を持たないユーザが実行する場合,OSの機能であるUAC(ユーザアカウント制御)のファイルの仮想化によって,manager.cfg(Manager設定ファイル)で指定したログ出力ディレクトリとは異なるディレクトリにログが出力されることがあります。
Administrator権限を持つユーザが実行する場合,注意事項は特にありません。
(6) 半角英数字以外の文字が含まれている表示名について
J2EEサーバでは,J2EEアプリケーションやリソースなどに設定された表示名(DDの<display-name>タグの値)を識別子として使用します。表示名に汎用文字,半角英数字(0〜9,A〜Z,a〜z)以外の文字が含まれていた場合は,その文字をアンダースコア(_)に変換して識別子を生成します。設定値によっては,変換処理で生成された識別子が重複して操作に失敗することがあります。表示名には,半角英数字,アンダースコア以外の文字を使用しないようにしてください。
表示名に半角英数字以外の文字が含まれていると,J2EEサーバが警告メッセージ(KDJE42374-W)を出力します。
(7) コマンドの引数に指定するファイルおよびディレクトリの名称について
Smart Composer機能またはManagement Serverで使用するコマンドの引数に指定する,ファイルおよびそのファイルを格納するディレクトリの名称には,シャープ(#),パーセント(%),およびクエスチョンマーク(?)を使用しないでください。
これらの文字を使用した場合は,次のようなメッセージが出力され,コマンドの処理が中断されます。
KEOS24007-E The definition file is invalid. file name = <ファイル名> line number = 1 column number = 1 details = KECX01024-E Content is not allowed in prolog.
(8) JavaVMで使用するコマンドでの注意事項(Windowsの場合)
アプリケーションサーバで提供している次のコマンドは,Windows APIのGetTempPath()関数で得られるディレクトリに一時ファイルを作成します。
- javagcコマンド
- jheapprofコマンド
- eheapprofコマンド
これらのコマンドを正常に動作させるためには,GetTempPath()関数で得られるディレクトリに書き込み権限が必要です。また,JavaVMプロセス起動中は,このディレクトリを削除しないでください。
なお,Windows Server 20012,Windows Server 2008,Windows 8,Windows 7およびWindows Vistaの場合は,このディレクトリにWindowsのシステムディレクトリを指定しないでください。
(9) CTMで使用するコマンドでの注意事項(Windowsの場合)
CTMで使用するコマンドは,Administratorsグループに属するユーザで実行してください。
(10) 性能解析トレースで使用するコマンドでの注意事項(Windowsの場合)
性能解析トレースで使用するコマンドの運用は,cprfstartコマンドを実行したユーザと同じユーザで実施してください。
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