9.1 J2EEアプリケーションのプロパティ設定の概要

J2EEアプリケーションのプロパティ設定とは,インポートしたJ2EEアプリケーションの属性や動作を定義することです。この節では,次の説明をします。

J2EEアプリケーションに含まれるリソースアダプタのプロパティ設定と属性ファイルについては,「5.4 リソースアダプタのプロパティ定義」を参照してください。

<この節の構成>
(1) J2EEアプリケーションのプロパティ設定と属性ファイル
(2) Enterprise Beanのプロパティ設定項目
(3) サーブレットとJSPのプロパティ設定項目
(4) J2EEアプリケーション(共通)のプロパティ設定項目

(1) J2EEアプリケーションのプロパティ設定と属性ファイル

プロパティの設定手順の概要については,「3.5 属性ファイルによるプロパティの設定」を参照してください。

次の属性ファイルを利用して,J2EEアプリケーションのプロパティを設定できます。

J2EEアプリケーションのプロパティの設定では,固有の属性ファイルとアプリケーション統合属性ファイルを個々に利用することも,合わせて利用することもできます。

この章では,主に,固有の属性ファイルを使用してのプロパティ設定について説明しています。アプリケーション統合属性ファイルを使用してのプロパティ設定については,「9.2 アプリケーション統合属性ファイルによるプロパティ設定」を参照してください。

(2) Enterprise Beanのプロパティ設定項目

Enterprise Beanが含まれるJ2EEアプリケーションを作成する場合およびカスタマイズする場合,必要に応じて設定してください。

Enterprise Beanのプロパティ設定項目を次に示します。

表9-1 Enterprise Beanのプロパティ編集項目

編集項目内容必須/
任意
固有属性ファイルの編集参照先
Enterprise Beanのリファレンス定義J2EEアプリケーションを構成する,次のEnterprise Beanのリファレンスを定義します。
  • Session Bean
  • Entity Bean
  • Message-driven Bean
9.3
 ほかのEnterprise Beanのリファレンス定義ほかのEnterprise Beanへのリファレンスについて定義します。9.3.1
メールコンフィグレーションのリファレンス定義メールサーバへのリファレンスについて定義します。9.3.2
リソースアダプタのリファレンス定義リソースアダプタへのリファレンスについて定義します。9.3.3
リソース環境のリファレンス定義リソース環境へのリファレンスを定義します。9.3.4
Message-driven Beanのメッセージ参照定義Message-driven BeanのConnection FactoryとDestinationを参照する個所に,実際のConnection FactoryとDestinationをマッピングします。9.4
トランザクション属性の定義トランザクション属性について定義します。9.5
Entity BeanのCMP定義Entity Beanの永続性管理をコンテナに任せる場合に定義します。9.6
 CMPの設定単一プライマリキーを使用してEntity Beanの永続性管理をコンテナに任せる場合に定義します。
複合プライマリキーを使用してEntity Beanの永続性管理をコンテナに任せる場合に定義します。
9.6.1
CMP1.xとデータベースのマッピングCMP1.x Entity Beanのフィールドをデータベース上の表にマッピングします。9.6.2
CMP2.xとデータベースのマッピングCMP2.x Entity Beanのフィールドをデータベース上の表にマッピングします。9.6.3
Enterprise Beanの実行時属性の定義Enterprise Beanの実行時の動作について設定します。必要に応じて設定してください。9.10
 Stateful Session Beanの実行時プロパティの設定Stateful Session Beanの実行時の動作についてのプロパティを設定します。9.10.1
Stateless Session Beanの実行時プロパティの設定Stateless Beanの実行時の動作についてのプロパティを設定します。9.10.2
Entity Beanの実行時プロパティの設定Entity Beanの実行時の動作についてのプロパティを設定します。9.10.3
Message-driven Beanの実行時プロパティの設定Message-driven Beanの実行時の動作についてのプロパティを設定します。9.10.4
インターセプタの設定インターセプタを使用する場合に定義します。9.17
(凡例)
◎:必須。対応するEnterprise Beanが含まれるJ2EEアプリケーションのカスタマイズで必ず設定する。
○:任意。J2EEアプリケーションに応じて設定する。

(3) サーブレットとJSPのプロパティ設定項目

サーブレットおよびJSPを含むJ2EEアプリケーションを作成する場合に,必要に応じて設定してください。

サーブレットとJSPのプロパティ設定項目を次に示します。

表9-2 サーブレットとJSPのプロパティ編集項目

編集項目内容必須/
任意
固有属性ファイルの編集参照先
サーブレットとJSPのリファレンス定義Enterprise Bean,セキュリティロール,リソース(データベースまたはメールサーバ)へのリファレンス(リソース参照)について定義します。9.7
 Enterprise Beanのリファレンス定義Enterprise Beanへのリファレンスについて定義します。9.7.1
メールコンフィグレーションのリファレンスの定義メールサーバへのリファレンスについて定義します。9.7.2
リソースアダプタのリファレンス定義リソースアダプタへのリファレンスについて定義します。9.7.3
リソース環境のリファレンス定義リソース環境リファレンスを定義します。9.7.4
サーブレットとJSPのマッピング定義サーブレットとJSPのマッピングを定義します。9.8
フィルタの設定フィルタを追加し,マッピングを定義します。9.9
 フィルタの追加フィルタを追加します。9.9.1
フィルタのマッピング定義フィルタへのマッピングを定義します。9.9.2
フィルタの削除フィルタを削除します。9.9.3
サーブレットとJSPの実行時属性の定義サーブレットおよびJSPの実行時属性を定義します。9.11
 J2EEアプリケーションのコンテキストルート定義J2EEアプリケーションのコンテキストルートを設定します。9.11.1
Webアプリケーション単位での同時実行スレッド数制御の定義WebコンテナでWebアプリケーション単位での同時実行スレッド数を制御するかどうか,およびスレッド数などを設定します。9.11.2
URLグループ単位での同時実行スレッド数制御の定義URLグループ単位での同時実行スレッド数を制御するための定義をします。9.11.3
URLグループ単位の実行待ちリクエスト数の監視の定義URLグループ単位の実行待ちリクエスト数を監視するための定義をします。9.11.4
デフォルトの文字エンコーディングの設定Webアプリケーションのデフォルトの文字エンコーディングを設定します。9.12
サーブレットとJSPのエラー通知の設定サーブレット,JSPでエラーが発生した場合に,J2EEアプリケーションにエラーを通知するための設定をします。9.16
(凡例)
◎:必須。サーブレットとJSPが含まれるJ2EEアプリケーションのカスタマイズでは必ず設定する。
○:任意。J2EEアプリケーションに応じて設定する。

(4) J2EEアプリケーション(共通)のプロパティ設定項目

J2EEアプリケーションの構成に関係なく,必要に応じて設定してください。

表9-3 J2EEアプリケーション(共通)のプロパティ編集項目

編集項目内容必須/
任意
固有属性ファイルの編集参照先
参照先マニュアル参照個所
JNDI名前空間に登録される名称の参照と変更J2EEアプリケーションのJNDI名前空間への登録名を参照して,必要に応じて別名を付与します。このマニュアル9.13
 J2EEアプリケーション名の参照J2EEアプリケーション名を参照するための設定をします。このマニュアル9.13.1
Enterprise Bean名の参照と変更Enterprise Bean名を参照するための設定およびEnterprise Bean名の変更をします。このマニュアル9.13.2
CTMのスケジューリングCTMを利用してキューのスケジューリングをするかどうかと,スケジューリング方法について設定します。このマニュアル9.14
 J2EEアプリケーション単位のスケジューリングJ2EEアプリケーション単位のCTMとの連携にかかわる設定をします。このマニュアル9.14.1
Stateless Session Bean単位のスケジューリングStateless Session Bean単位のスケジューリングの設定をします。このマニュアル9.14.2
起動順序の設定J2EEアプリケーションの起動順序,およびJ2EEアプリケーションに含まれるEnterprise Bean(EJB-JAR)やサーブレットまたはJSP(WAR)の起動順序を設定します。このマニュアル9.15
 J2EEアプリケーションの起動順序の設定J2EEアプリケーションの起動順序を設定します。このマニュアル9.15.1
Enterprise Beanの起動順序の設定J2EEアプリケーションに含まれるEnterprise Bean(EJB-JAR)の起動順序を設定します。このマニュアル9.15.2
サーブレットとJSPの起動順序の設定J2EEアプリケーションに含まれるサーブレットまたはJSP(WAR)の起動順序を設定します。このマニュアル9.15.3
セキュリティロールの設定セキュリティロールを使用したユーザ管理をする場合に必要な設定です。
ユーザとロールの登録と対応づけができます。
機能解説 セキュリティ管理機能編9.2
 ユーザの設定ユーザを登録します。ロールとの対応づけもできます。機能解説 セキュリティ管理機能編9.2.1
ロールの設定ロールを登録します。ユーザとの対応づけもできます。機能解説 セキュリティ管理機能編9.2.2
セキュリティロールのリファレンス定義セキュリティロールへのリファレンスについて定義します。機能解説 セキュリティ管理機能編9.3
 Enterprise Beanのセキュリティロールリファレンスの定義セキュリティロールを参照している個所に,実際にJ2EEサーバが管理しているセキュリティロールをマッピングします。機能解説 セキュリティ管理機能編9.3.1
サーブレットとJSPのセキュリティロールリファレンスの定義セキュリティロールへのリファレンスについて定義します。機能解説 セキュリティ管理機能編9.3.2
セキュリティの定義(メソッドパーミッション)セキュリティロールによるアクセス権を設定する場合のメソッドのパーミッションを定義します。
すべてのユーザに対してアクセス権限を設定する場合のメソッドのパーミッションを定義します。
機能解説 セキュリティ管理機能編9.4
セキュリティの定義(セキュリティアイデンティティ)セキュリティの情報であるセキュリティアイデンティティとしてUseCallerIdentityを設定します。
セキュリティの情報であるセキュリティアイデンティティとしてRun asを設定します。
機能解説 セキュリティ管理機能編9.5
 Enterprise BeanのセキュリティアイデンティティJ2EEアプリケーション内で参照しているセキュリティアイデンティティ情報に,J2EEサーバが実際に管理しているユーザIDをマッピングします。機能解説 セキュリティ管理機能編9.5.1
サーブレットとJSPのセキュリティアイデンティティセキュリティアイデンティティを定義します。機能解説 セキュリティ管理機能編9.5.2
(凡例)
○:任意。J2EEアプリケーションに応じて設定する。
注※
「参照先マニュアル」に示したマニュアル名の「アプリケーションサーバ」は省略しています。