リダイレクタの出力するログは,出力先やログ出力レベルなどを変更できます。リダイレクタが出力するログは,メッセージログと保守用トレースログの二つに分けて出力されます。メッセージログには,障害発生時のログなどのメッセージが出力されます。保守用トレースログには,HTTPリクエストを受信し,レスポンスを送信するまでのトレース情報が出力されます。
保守用トレースログのログサイズは,見積もりの計算式に従い,障害発生時から障害を検知しログを収集するまで保持されるサイズにカスタマイズすることをお勧めします。
ここでは,次に示す実行環境ごとに,リダイレクタのログ取得で設定できる項目について説明します。
- Smart Composer機能を使用する環境
- Webリダイレクタ環境およびSmart Composer機能を使用しない環境
- <この項の構成>
- (1) Smart Composer機能を使用する環境の場合
- (2) Webリダイレクタ環境またはSmart Composer機能を使用しない環境の場合
- (3) 注意事項
Smart Composer機能(Management Server)を使用する環境では,簡易構築定義ファイルおよびmod_jk.confで,リダイレクタのログ取得の設定を変更できます。説明で使用するファイルの詳細,および各ファイルのキーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4. Smart Composer機能で使用するファイル」を参照してください。なお,UNIXの場合,設定を変更できるのは,root権限(Component Container管理者を設定していない場合),またはComponent Container管理者の権限(Component Container管理者を設定している場合)を持つユーザです。
●変更した設定を有効にする方法
変更した設定を有効にする方法について,OSごとに説明します。
- Windowsの場合
- 変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするには,HTTP Serverを再起動してください。
- UNIXの場合
- 変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にする方法は,ファイルサイズまたはファイル面数の変更の有無によって異なります。
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にする方法を次に示します。
- HTTP Serverを停止します。
- ログファイルおよび管理ファイルを移動または削除します。
メッセージログファイルの場合:メッセージログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<JkLogFilePrefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
保守用トレースログファイルの場合:保守用トレースログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<JkTrcaeLogFilePrefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
- HTTP Serverを再起動します。
- なお,HNTRLibが使用する管理ファイルのデフォルトの格納場所は次のとおりです。
- /opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs/mmap
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更しない場合
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更しない場合は,HTTP Serverを再起動してください。
●変更できる設定項目
変更できる設定項目と,項目に対応する各ファイルの設定内容を次の表に示します。
表3-15 リダイレクタのログ取得の設定(簡易構築定義ファイル,mod_jk.conf)
項目 | 設定個所 | 設定内容 |
---|
メッセージログ,保守用トレースログのログ出力レベル | 簡易構築定義ファイル | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkLogLevelパラメタで,リダイレクタのログの出力レベルを指定します。 |
メッセージログ出力先 | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkLogFileDirパラメタで,リダイレクタのログ出力先ディレクトリを指定します。 |
メッセージログファイルサイズ | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkLogFileSizeパラメタで,リダイレクタのログを出力するログファイルの1ファイル当たりのサイズを指定します。 |
メッセージログファイル面数 | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkLogFileNumパラメタで,リダイレクタのログを出力するログファイルの面数を指定します。 |
メッセージログファイル名のプリフィックス | mod_jk.conf | mod_jk.confで,JkLogFilePrefixキーにリダイレクタのログを出力するログファイル名のプリフィックスを指定します。 |
保守用トレースログ出力の有無 | 簡易構築定義ファイル | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkTraceLogパラメタで,リダイレクタの保守用トレースログを出力するかどうかを指定します。 |
保守用トレースログ出力先 | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkTraceLogFileDir※パラメタで,リダイレクタの保守用トレースログの出力先ディレクトリを指定します。 |
保守用トレースログファイルサイズ | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkTraceLogFileSizeパラメタで,リダイレクタの保守用トレースログを出力するログファイルの1ファイル当たりのサイズを指定します。 |
保守用トレースログファイル面数 | 論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,JkTraceLogFileNumパラメタで,リダイレクタの保守用トレースログを出力するログファイルの面数を指定します。 |
保守用トレースログファイル名のプリフィックス | mod_jk.conf | mod_jk.confで,JkTrcaeLogFilePrefix※キーにリダイレクタの保守用トレースログを出力するログファイル名のプリフィックスを指定します。 |
注※ 保守用トレースログの出力先とプリフィックスには,同じ値を指定しないでください。同じ値を指定した場合は,リダイレクタが動作しません。
- メッセージログ,および保守用トレースログのデフォルトの出力先
- Windowsの場合
<製品のインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥logs※
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs
- 注※ 新規インストール時には,logsディレクトリは存在しません。logsディレクトリは,HTTP Serverの起動時に生成されます。
- ログレベルのレベル名
- ログレベルのレベル名には,重要度の高い順に「emerg」※,「error」,「info」,「debug」のどれかを指定できます。
- emerg:通常運用時に指定します。常に出力する必要がある重要度の高いメッセージだけが出力されます。※
- error:通常運用時に指定します。
- info:テスト時に指定します。
- debug:障害調査時に指定します。
- ログレベルは,単独で指定してください(コンマ区切りで複数のログレベルを指定しないでください)。あるログレベルを指定すると,指定されたログレベルおよびそれよりも重要度の高いログが出力されます。
- 注※ Windowsの場合に指定できます。
- ログサイズの見積もりの計算式
- GETリクエスト,POSTリクエストの1HTTPアクセス当たりのログサイズは,次の計算式で見積もってください。
- GETによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
= 1.75 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
- POSTによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
= 2.00 +(平均POSTデータサイズ / 16)* 0.5 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
- なお,単位はすべてキロバイト,除算結果の小数点以下の値はすべて切り捨てです。また,計算式ではリクエストURLとクエリー文字列の平均サイズは,それぞれ100バイトとしています。リクエストURLとクエリー文字列の平均サイズが100バイトを超えた場合は,計算式の最初の値に,超える分のサイズを加えて計算してください。
●注意事項
リダイレクタのログ取得を設定する場合の注意事項を次に示します。
- ログファイル初期化処理の開始時および終了時には,メッセージログにそれぞれKDJE41029-I,KDJE41030-Iのメッセージが出力されます。Webサーバの起動時には,ログファイル初期化処理が正常に終了したことを確認するため,メッセージログにKDJE41029-I,KDJE41030-Iのメッセージが出力されていることを確認してください。
- UNIXの場合,簡易構築定義ファイルに設定されたファイルサイズ,およびファイル面数のログファイルは,Webサーバとの連携の設定後の初回起動時に作成されます。ログファイルの作成は,ログファイルサイズおよびファイル面数に比例した処理時間が必要となります。ログファイルサイズを大きく設定した場合,またはファイル面数を増やした場合などは,ログファイルの作成処理に数分掛かる場合があります。
Webリダイレクタ環境,およびSmart Composer機能を使用しない環境では,使用するWebサーバによって,リダイレクタのログ取得の設定が異なります。なお,説明で使用するファイルおよびキーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」を参照してください。
(a) HTTP Serverの場合
HTTP Serverを使用している場合は,mod_jk.confファイルでリダイレクタのログ取得の設定を変更できます。なお,UNIXの場合,設定を変更できるのは,root権限(Component Container管理者を設定していない場合),またはComponent Container管理者の権限(Component Container管理者を設定している場合)を持つユーザです。
●変更した設定を有効にする方法
変更した設定を有効にする方法について,OSごとに説明します。
- Windowsの場合
- 変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするには,HTTP Serverを再起動してください。
- UNIXの場合
- 変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にする方法は,ファイルサイズまたはファイル面数の変更の有無によって異なります。
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にする方法を次に示します。
- HTTP Serverを停止します。
- ログファイルおよび管理ファイルを移動または削除します。
メッセージログファイルの場合:メッセージログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<JkLogFilePrefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
保守用トレースログファイルの場合:保守用トレースログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<JkTrcaeLogFilePrefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
- HTTP Serverを再起動します。
- なお,HNTRLibが使用する管理ファイルのデフォルトの格納場所は次のとおりです。
- /opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs/mmap
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更しない場合
- ファイルサイズまたはファイル面数を変更しない場合は,HTTP Serverを再起動してください。
●変更できる設定項目
変更できる設定項目と,項目に対応するユーザ定義ファイルとキーを次の表に示します。
表3-16 HTTP Serverでのリダイレクタのログ取得の設定項目
項目 | mod_jk.confのキー |
---|
メッセージログ,保守用トレースログのログ出力レベル | JkLogLevel |
メッセージログ出力先 | JkLogFileDir |
メッセージログファイルサイズ | JkLogFileSize |
メッセージログファイル面数 | JkLogFileNum |
メッセージログファイル名のプリフィックス | JkLogFilePrefix |
保守用トレースログ出力の有無 | JkTraceLog |
保守用トレースログ出力先 | JkTraceLogFileDir※ |
保守用トレースログファイルサイズ | JkTraceLogFileSize |
保守用トレースログファイル面数 | JkTraceLogFileNum |
保守用トレースログファイル名のプリフィックス | JkTrcaeLogFilePrefix※ |
注※ 保守用トレースログの出力先とプリフィックスには,同じ値を指定しないでください。同じ値を指定した場合は,リダイレクタが動作しません。
- メッセージログ,および保守用トレースログのデフォルトの出力先
- Windowsの場合
<製品のインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥logs※
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs
- 注※ 新規インストール時には,logsディレクトリは存在しません。logsディレクトリは,HTTP Serverの起動時に生成されます。
- ログレベルのレベル名
- ログレベルのレベル名には,重要度の高い順に「emerg」※,「error」,「info」,「debug」のどれかを指定できます。
- emerg:通常運用時に指定します。常に出力する必要がある重要度の高いメッセージだけが出力されます。※
- error:通常運用時に指定します。
- info:テスト時に指定します。
- debug:障害調査時に指定します。
- ログレベルは,単独で指定してください(コンマ区切りで複数のログレベルを指定しないでください)。あるログレベルを指定すると,指定されたログレベルおよびそれよりも重要度の高いログが出力されます。
- 注※ Windowsの場合に指定できます。
- ログサイズの見積もりの計算式
- GETリクエスト,POSTリクエストの1HTTPアクセス当たりのログサイズは,次の計算式で見積もってください。
- GETによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
= 1.75 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
- POSTによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
= 2.00 +(平均POSTデータサイズ / 16)* 0.5 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
- なお,単位はすべてキロバイト,除算結果の小数点以下の値はすべて切り捨てです。また,計算式ではリクエストURLとクエリー文字列の平均サイズは,それぞれ100バイトとしています。リクエストURLとクエリー文字列の平均サイズが100バイトを超えた場合は,計算式の最初の値に,超える分のサイズを加えて計算してください。
(b) Microsoft IISの場合
Microsoft IISを使用している場合は,isapi_redirect.confファイルでリダイレクタのログ取得の設定を変更できます。
- 注意事項
- isapi_redirect.confファイルに設定されたファイルサイズ,およびファイル面数のログファイルは,Webサーバとの連携の設定後の初回リクエスト時に作成されます。ログファイルの作成は,ログファイルサイズおよびファイル面数に比例した処理時間が必要となります。ログファイルサイズを大きく設定した場合,またはファイル面数を増やした場合などは,ログファイルの作成処理に数分掛かる場合があります。
- Webサーバとの連携の設定後およびログファイルの設定変更後の初回リクエストは,運用を開始する前に実施しておくことをお勧めします。
●変更した設定を有効にする方法
ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするための手順を次に示します。
- Microsoft IISを停止します。
- ログファイルおよび管理ファイルを移動または削除します。
メッセージログファイルの場合:メッセージログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<log_file_prefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
保守用トレースログファイルの場合:保守用トレースログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(< trace_log_file_prefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
なお,HNTRLibが使用する管理ファイルのデフォルトの格納場所は次のとおりです。
<製品のインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥logs¥mmap
- Microsoft IISを起動します。
ファイルサイズおよびファイル面数を変更しない場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするための手順を次に示します。
- Microsoft IISを再起動するか,またはワーカプロセスのリサイクルを行います。
Microsoft IISの「インフォメーション サービス マネージャ」を使用して,ワーカプロセスのリサイクルができます。
●変更できる設定項目
変更できる設定項目と,項目に対応するユーザ定義ファイルとキーを次の表に示します。isapi_redirect.confについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「9.2 isapi_redirect.conf(Microsoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル)」を参照してください。
表3-17 Microsoft IISでのリダイレクタのログ取得の設定項目
項目 | isapi_redirect.confのキー |
---|
メッセージログ,保守用トレースログのログ出力レベル | log_level |
メッセージログ出力先 | log_file_dir |
メッセージログファイルサイズ | log_file_size |
メッセージログファイル面数 | log_file_num |
メッセージログファイル名のプリフィックス | log_file_prefix |
保守用トレースログ出力の有無 | trace_log |
保守用トレースログ出力先 | trace_log_file_dir※ |
保守用トレースログファイルサイズ | trace_log_file_size |
保守用トレースログファイル面数 | trace_log_file_num |
保守用トレースログファイル名のプリフィックス | trace_log_file_prefix※ |
注※ 保守用トレースログの出力先とプリフィックスには,同じ値を指定しないでください。同じ値を指定した場合は,リダイレクタが動作しません。
- メッセージログ,および保守用トレースログのデフォルトの出力先
- <製品のインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥logs※
- 注※ 新規インストール時には,logsディレクトリは存在しません。logsディレクトリは,初回リクエスト時に生成されます。
- ログレベルのレベル名
- ログレベルのレベル名には,重要度の高い順に「emerg」,「error」,「info」,「debug」のどれかを指定できます。
- emerg:通常運用時に指定します。常に出力する必要がある重要度の高いメッセージだけが出力されます。
- error:通常運用時に指定します。
- info:テスト時に指定します。
- debug:障害調査時に指定します。
- ログレベルは,単独で指定してください(コンマ区切りで複数のログレベルを指定しないでください)。あるログレベルを指定すると,指定されたログレベルおよびそれよりも重要度の高いログが出力されます。
- ログサイズの見積もりの計算式
- GETリクエスト,POSTリクエストの1HTTPアクセス当たりのログサイズは,次の計算式で見積もってください。
- GETによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
= 2.25 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
- POSTによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
= 2.50 +(平均POSTデータサイズ / 16)* 0.5 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
- なお,単位はすべてキロバイト,除算結果の小数点以下の値はすべて切り捨てです。また,計算式ではリクエストURLとクエリー文字列の平均サイズは,それぞれ100バイトとしています。リクエストURLとクエリー文字列の平均サイズが100バイトを超えた場合は,計算式の最初の値に,超える分のサイズを加えて計算してください。