7.5.2 ユーザ拡張性能解析トレースを使用するための設定

ユーザ拡張性能解析トレースを使用する場合,サーバの起動前に次の設定が必要です。

<この項の構成>
(1) J2EEサーバの設定
(2) バッチサーバの設定
(3) EJBクライアントアプリケーションの設定
(4) ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの設定

(1) J2EEサーバの設定

J2EEサーバの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。

ユーザ拡張性能解析トレースの定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内にJavaVM起動パラメタ(add.jvm.arg)で指定します。

簡易構築定義ファイルでのユーザ拡張性能解析トレースの定義を次の表に示します。

表7-7 簡易構築定義ファイルでのユーザ拡張性能解析トレースの定義

項目指定するパラメタ設定内容
ユーザ拡張性能解析トレースを有効にするための設定jvm.userprf.Enableユーザ拡張性能解析トレースを使用する場合,有効に設定してください。
ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルを指定するための設定jvm.userprf.File※1ユーザ拡張性能解析トレースで使用するユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルのファイルパスを指定します。
アプリケーションの書き換え処理に関する設定jvm.userprf.Limitユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルで指定したメソッドのうち,書き換え対象とするメソッド数の上限値を指定します。ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルで指定したメソッドで,この値を超えたメソッドはトレース対象となりません。
jvm.userprf.Traceユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルで指定したクラスファイルの書き換えに成功した場合に,ログを出力するかどうかを指定します。なお,クラスファイルの書き換えに失敗した場合は,ログは必ず出力されます。
ユーザ拡張性能解析トレースの出力情報に関する設定jvm.userprf.ExtendedSetting※2トレース対象をメソッド単位に加えて,パッケージ単位またはクラス単位で指定できるようにするかどうかを指定します。
jvm.userprf.LineNumberメソッドの正常出口でメソッドが最後に実行した行の行番号をトレース情報に出力するかどうかを指定します。
jvm.userprf.ThrowableName例外またはエラーのクラス名をトレース情報に出力するかどうかを指定します。
jvm.userprf.ThrowableNameEditMethod例外またはエラーのクラス名が文字数制限32文字を超えた場合の名前の編集方法を指定します。
jvm.userprf.LogLevelユーザ拡張性能解析トレースのトレース出力レベルを指定します。
注※1 
デフォルト値を次に示します。
Windowsの場合
<JDKインストールディレクトリ>¥usrconf¥userprf.cfg
UNIXの場合
/opt/Cosminexus/jdk/usrconf/userprf.cfg
注※2 
jvm.userprf.ExtendedSettingプロパティを設定して許可されるユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの指定形式はトレース対象となるメソッドが大量になります。そのため,出力量が増えたり性能に影響を与えたりする場合があるので注意が必要です。ユーザ拡張性能解析トレース使用時の注意事項についての詳細は「7.8 ユーザ拡張性能解析トレース使用時の注意事項」を参照してください。

簡易構築定義ファイルおよび指定する各パラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6 簡易構築定義ファイル」を参照してください。

定義例を次に示します。

 :
<param>
<param-name>add.jvm.arg</param-name>
<param-value>-Djvm.userprf.Enable=true</param-value>
<param-value>-Djvm.userprf.File=<Application Serverのインストールディレクトリ>/CC/server/usrconf/ejb/<実サーバ名>/userprf.cfg</param-value>
<param-value>-Djvm.userprf.LogLevel=class</param-value>
</param>
 :

参考
J2EEサーバの設定は,運用管理ポータルの[起動パラメタの設定]画面(論理J2EEサーバの定義)でも設定できます。運用管理ポータルでの設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.9.20 起動パラメタの設定(J2EEサーバ)」を参照してください。

(2) バッチサーバの設定

バッチサーバの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。

ユーザ拡張性能解析トレースの定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内にJavaVM起動パラメタ(add.jvm.arg)で指定します。指定するパラメタ値は,「(1) J2EEサーバの設定」を参照してください。

(3) EJBクライアントアプリケーションの設定

cjclstartapコマンドで動作させるEJBクライアントアプリケーションの設定は,EJBクライアントアプリケーション用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)で実施します。

ユーザ拡張性能解析トレースの定義は,EJBクライアントアプリケーション用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のJavaVM起動パラメタ(add.jvm.arg)で指定します。指定するパラメタ値は,「(1) J2EEサーバの設定」を参照してください。

EJBクライアントアプリケーション用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)での定義例を次に示します。

 :
add.jvm.arg=-Djvm.userprf.Enable=true
add.jvm.arg=-Djvm.userprf.File=<ユーザ定義ファイル格納ディレクトリ>/userprf.cfg
add.jvm.arg=-Djvm.userprf.LogLevel=class
 :

注※
ユーザ定義ファイル格納先環境変数(CJCLUSRCONFDIR)で指定したディレクトリです。ユーザ定義ファイル格納先環境変数が設定されていない場合,カレントディレクトリが参照されます。

(4) ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの設定

ユーザ拡張性能解析トレースを使用するためには,ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルを作成して,トレース対象メソッドの設定が必要です。

トレース対象メソッドの設定は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(J2EE-Server)の<configuration>タグ内にUserPrfTextパラメタで指定します。

定義例を次に示します。

 :
<param>
<param-name>UserPrfText</param-name>
<param-value>
<![CDATA[
org.apache.struts.action.Action.execute(*), struts, true
Info.getInfo(*), struts, true
]]>
</param-value>
</param>
 :

ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの作成方法については,「7.5.3 ユーザ拡張性能解析トレースのトレース対象メソッドの設定」を参照してください。

参考
ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルは,運用管理ポータルの[起動パラメタの設定]画面(論理J2EEサーバの定義)またはユーザ任意のファイル(jvm.userprf.Fileプロパティで指定したファイル)でも設定できます。