3.2.3 資料取得の設定の概要(バッチアプリケーションを実行するシステム)

資料のデフォルトの設定(ログの出力先やサイズ)を変更する場合や,デフォルトで取得できない資料を取得する場合には,簡易構築定義ファイルやユーザ定義ファイルを編集して設定します。ここでは,バッチアプリケーションを実行するシステムで,事前に資料(ログ)を取得するための設定が必要かどうかについて説明します。また,設定方法の概要についても説明します。

資料の種類ごとに資料取得のために設定が必要なもの,デフォルトの資料取得の設定を変更する場合だけ設定が必要なものに分けて,次の表に示します。

●資料取得のために設定が必要な資料

表3-5 資料取得のための設定(バッチアプリケーションを実行するシステム)

資料の種類資料取得のための設定参照先マニュアル参照個所
アプリケーションのユーザログ簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ロガーやハンドラの設定,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。また,server.policyで,セキュリティポリシーを設定します。アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編9章
OSの統計情報Windowsの場合,Windowsのシステムモニタでシステムリソースのパフォーマンスデータ取得の設定をします。このマニュアル3.3.16※1
ユーザダンプWindowsの場合,ワトソン博士※2で,ユーザダンプ取得の設定をします。このマニュアル3.3.17※1
coreダンプUNIXの場合,簡易構築定義ファイルやシェルコマンドで,coreファイル取得の設定をします。このマニュアル3.3.18※1
JavaVMの資料簡易構築定義ファイルで,JavaVMのスレッドダンプやJavaVMログ(JavaVMログファイル)の出力方法や出力内容などの設定をします。また,明示管理ヒープ機能のイベントログを出力するファイル名や,ログの出力レベルなどを設定します。このマニュアル3.3.19※1
注※1
J2EEサーバの場合と設定方法に差異はありません。参照先の記述の「J2EEサーバ」を「バッチサーバ」に置き換えてお読みください。
注※2
このマニュアルでは,Windowsに含まれるワトソン博士診断ツールを「ワトソン博士」と省略しています。

●デフォルトの資料取得の設定を変更する場合だけ設定が必要な資料

表3-6 資料取得のための設定(バッチアプリケーションを実行するシステム)

資料の種類資料取得のための設定参照先マニュアル参照個所
snapshotログsnapshotログの収集先,収集方法や収集のタイミングを変更する場合には,ユーザ定義ファイルを編集します。このマニュアル3.3.23.3.4
Management Serverのログmserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で,ログの出力レベルや,ログファイルの面数などを設定します。このマニュアル3.3.5
性能解析トレースファイルmserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で,性能解析トレースファイルの面数を設定します。
また,簡易構築定義ファイルで,論理パフォーマンストレーサ(performance-tracer)の<configuration>タグ内に,パフォーマンストレーサのトレース取得レベルや,PFRトレースファイルの面数などを指定します。
このマニュアル7.5
バッチサーバのログ簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。
また,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.systemlog.enabledで,システムログ出力の設定が有効になっている場合,バッチサーバの起動,停止および異常終了のメッセージがイベントログ(UNIXの場合,syslog)に出力されます。
このマニュアル3.3.7
稼働情報ファイル簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,稼働情報ファイルの出力先や面数などを設定します。アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編3.3.3
Managerのログmanager.cfgで統合ログの面数やサイズを指定します。このマニュアル3.3.12
コンソールログadminagent.propertiesでコンソールログの出力の有無,面数やサイズを設定します。アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編11.3
リソースアダプタのログサーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタ単位でのログ出力の有無を設定します。
また,簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数を設定します。
このマニュアル3.3.13
TPBrokerのトレースファイル簡易構築定義ファイル(論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内),サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,トレースファイルの出力先や面数などを設定します。このマニュアル3.3.14
サーバ管理コマンドのログサーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,ログの出力レベルなどを設定できます。アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド3.4
注※
J2EEサーバの場合と設定方法に差異はありません。参照先の記述の「J2EEサーバ」を「バッチサーバ」に置き換えてお読みください。

ここに示したログは,snapshotログで一括収集できます。ただし,TPBrokerのトレースファイルについては,収集できるものと収集できないものが混在しています。このほかにも,snapshotログのデフォルトの設定で取得できないログについては,取得のための設定をしたり,snapshotログの収集先に追加したりする必要があります。また,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)については,固定のファイル名に対して収集します。障害発生時に収集するためには,ユーザ作成の障害検知時コマンドを利用する必要があります。

なお,次のログはログ出力先を変更できません。

ログの種類やデフォルト値,チャネル名,取得できるログの詳細や取得方法については,「2.4 取得が必要な資料の種類」を参照してください。