10.4.5 旧バージョンからの仕様変更の一覧

旧バージョンからVersion 9までの仕様変更を示します。

<この項の構成>
(1) Java SEのバージョン
(2) JSPから生成されたサーブレット用コンパイラのバージョン
(3) Entity Bean(BMP)の排他制御方法
(4) デフォルトのエラーページの内容
(5) Enterprise Beanの命名規則
(6) カスタムタグのスクリプト変数定義の変更
(7) タグライブラリ・ディスクリプタ(TLDファイル)のバージョン
(8) <jsp:useBean>タグのclass属性に対するエラーチェックの変更
(9) タグの属性値のExpressionチェックの変更
(10) タグの属性値に指定するExpressionに関する変更
(11) taglibディレクティブのprefix属性に関する変更
(12) JSPでの$の扱いの変更
(13) WebコンテナがサポートするServlet仕様のバージョン
(14) サーブレットのデフォルトマッピングのデフォルトでの無効化
(15) javax.servlet.GenericServletクラスでスローされる例外の変更
(16) javax.servlet.ServletRequestインタフェースのsetCharacterEncodingメソッド呼び出し時の動作変更
(17) javax.servlet.GenericServletクラスのinit(ServletConfig)メソッドとdestroy()メソッドでのログ出力
(18) javax.servlet.jsp.tagext.TagInfoクラスの定数の値の変更
(19) JSPのAPIでクラスのメソッドが総称を使用した定義へ変更
(20) javax.servlet.jsp.elパッケージのクラスの非推奨への変更
(21) ライブラリJAR内のTLDファイルの検索
(22) 半角英数字以外の文字が含まれている表示名のインポート時の動作変更
(23) HTTPセッションの無効化によるHTTP Cookie情報に対する動作変更
(24) POSTリクエストのフォームデータの最大サイズの制限
(25) 同一J2EEサーバ内のほかのアプリケーションで動作するEnterprise Beanの呼び出し手順の改善
(26) 統合ユーザ管理のタグライブラリの入れ替え
(27) javax.servlet.ServletExceptionで生成したオブジェクトに対するinitCauseメソッドの呼び出し
(28) 属性ファイル中に指定されたメソッドのチェック
(29) cFrameworkの提供停止
(30) snapshotログの収集タイミング
(31) Management Server用のネーミングサービスの設定変更
(32) 旧バージョン互換用のWebサーバの扱い
(33) 論理サーバの起動順序,および前提となる論理サーバの変更
(34) トランザクションサービスのインプロセス化
(35) 論理サーバの起動/停止の設定の変更
(36) J2EEアプリケーションとリソースの再インポート
(37) J2EEアプリケーション起動時およびJSPコンパイル時のJavaプログラムのコンパイル処理
(38) 論理サーバの環境変数定義の再設定
(39) JP1イベントメッセージマッピングファイルの再設定
(40) Smart Composer機能の定義変更
(41) 論理サーバの環境設定情報の変更
(42) snapshotログ収集先対象リストファイルの再設定
(43) Management Serverおよび運用管理エージェントのサービス再設定
(44) 論理サーバごとの強制停止監視時間の設定の追加
(45) J2EEサーバおよびSFOサーバの起動パラメタでの単位の変更
(46) Smart Composer機能で使用するコマンドのメッセージの出力先変更
(47) OutOfMemoryError発生時の運用管理エージェントの動作変更
(48) 負荷分散機のCookieスイッチング機能のモード変更
(49) 運用管理ポータルで操作対象とするリソースアダプタの変更
(50) Smart Composer機能でcmx_build_system(-sオプション指定)コマンド実行時の設定情報の配布に関する動作変更
(51) 運用管理エージェントおよびManagement Serverの自動起動の設定方法変更(UNIXの場合)
(52) Management Serverのプロセス構成の変更
(53) cmx_list_statusコマンドによるサービスユニットの稼働状況のステータス変更
(54) Management Serverの機能を使用した明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルの設定方法の追加
(55) Management Serverの動作モード変更(サーブレットエンジンモードからJ2EEサーバモードへの変更)
(56) WebPasswordJDBCLoginModule使用時のDB接続設定の見直し
(57) 動作モードの変更
(58) JavaVMのタイプ
(59) Management Serverとの連携
(60) コネクションの共有機能の有効範囲
(61) コネクションアソシエーションの有効化方法
(62) コネクションスイーパの動作オプションの設定方法
(63) コネクションプールのウォーミングアップ機能の設定方法
(64) コネクションの障害検知,ネットワーク障害のタイムアウトの設定方法
(65) コネクションの自動クローズのプロパティのデフォルト値
(66) リソースアダプタのログのサイズと面数
(67) リソースアダプタのプロパティのデフォルト値
(68) ログ出力ディレクトリの構成変更
(69) 1.4モードのデータソース廃止
(70) Reliable Messaging連携用のリソースアダプタのプロパティへの,CancelStatementプロパティの追加
(71) 明示管理ヒープ機能によるメモリ使用量の増加とオブジェクトの最大年齢の制限
(72) -XX:SurvivorRatioのデフォルト値の変更
(73) SOAPアプリケーション開発支援機能/SOAP通信基盤のクラスパス
(74) リロード機能適用範囲を指定するプロパティ値の変更
(75) Unshareable指定時のコネクションアソシエーションのプロパティ追加
(76) デフォルトエラーページのスタックトレース表示
(77) リダイレクタへのデータ送信処理のタイムアウト追加
(78) セッションIDへのサーバIDの付加
(79) RMIレジストリが使用するポート番号の追加
(80) ejbserver.ctm.enabledの指定を省略した場合
(81) 証明書のインポート
(82) ログ出力チャネルの追加
(83) ログファイルの面数およびサイズのデフォルト値
(84) TPBroker通信トレースファイルの上限エントリ数のデフォルト値
(85) システム例外発生時にクライアントトランザクションをロールバックする機能
(86) リソース枯渇監視機能のサポート
(87) DBConnector_SQLServer_CP.rarの非サポート
(88) DBConnector_SQLServer2005_CP.rarの名称変更
(89) Naming Manager機能の削除
(90) サーバ管理コマンドの同時実行制御
(91) J2EEサーバとの通信の時間監視
(92) ログファイルの出力方法の変更
(93) 属性ファイルの<icon>タグの変更
(94) サーバマネジャ,ユーザマネジャの削除
(95) 属性ファイルのxml:lang属性の出力
(96) Connector属性ファイルでのユーザIDおよびパスワードの非表示
(97) メール属性ファイルの<reply-to>タグの削除
(98) Connector属性ファイルでのXA_OPEN文字列の非表示
(99) Connector属性ファイルの構造変更
(100) Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定できるプロパティの並び順の変更
(101) MessageDrivenBean属性ファイルでの指定必須要素の省略
(102) サーバ管理コマンドの終了コード
(103) MessageDrivenBean属性ファイルの<message-ref>タグ追加
(104) リダイレクタのログ出力先変更
(105) Webコンテナへのデータ送信処理のタイムアウト追加
(106) リダイレクタの保守用トレースログの面数変更
(107) サーバ管理コマンド異常終了時のJavaVMのダンプ出力ダイアログの非表示
(108) HTTP Server用リダイレクタのログファイル(UNIXの場合)
(109) RMI-IIOPスタブおよびRMI-IIOPインタフェースの取得方法
(110) cjclstartapコマンドの仕様変更
(111) ログ出力先の設定
(112) PRFトレースバックアップの設定変更
(113) TPBrokerの運用支援機能の非サポート
(114) 運用管理エージェント停止時の動作
(115) ネーミングサービスの障害検知機能による閉塞のタイミングの変更
(116) リソース枯渇機能でのメモリ枯渇監視情報の計算式の変更
(117) リデプロイ機能で実施するJ2EEアプリケーション属性の引き継ぎの動作
(118) インターセプタに関連するクラスのパッケージの変更
(119) インターセプタに関連するInvocationContextの変更
(120) アノテーションの指定方法の変更
(121) Session Bean属性ファイルおよびEJB-JAR属性ファイルの変更
(122) 異なるJ2EEアプリケーションに含まれるリソースアダプタでの別名の重複指定
(123) cjjspcコマンドでのクラスパスに指定したJARファイル内のタグライブラリの使用
(124) EJB-JAR属性ファイルの<interceptor-class>タグの出現パターンの変更
(125) アノテーション情報取得処理でのクラスロードの例外発生時の動作変更
(126) javax.servlet.http.HttpServletRequestインタフェースのgetSessionメソッドでスローされる例外の変更
(127) アプリケーションサーバで実行できるアプリケーションの構成の変更
(128) アプリケーションサーバで実行できるWebアプリケーションの構成の変更
(129) Portable Global JNDI対応
(130) TP1インバウンド連携機能でのコネクション保持のサポート
(131) TP1インバウンド連携機能での最大同時接続数のデフォルト値の変更
(132) TP1インバウンド連携機能で使用するスレッド数,ファイルディスクリプタ数,ポート番号の変更
(133) データベースセッションフェイルオーバ機能での完全性保障モードの変更
(134) TP1インバウンド連携機能の同期点待ち受けポートの追加
(135) データベースセッションフェイルオーバ機能のデータベーステーブルの再作成
(136) データベースセッションフェイルオーバ機能でのDB Connectorに設定するステートメントプールの数の変更
(137) @EJBアノテーションのmappedName属性の仕様変更
(138) Microsoft IIS 7.0,7.5の設定変更
(139) 明示管理ヒープ機能の自動配置機能で使用する設定ファイルの内容変更
(140) Servlet 3.0を使用したアプリケーションのリロードに関する仕様の変更
(141) サーバIDのデフォルト値の変更
(142) cjimportappコマンドの-aまたは-dオプション実行時の重複ディレクトリチェックの変更
(143) J2EEアプリケーション開始時のJavaのコンパイルの仕様
(144) server.policy(J2EEサーバ用セキュリティポリシーファイル)への定義の追加
(145) Managementイベント発行用メッセージIDの追加
(146) MimeUtility APIの仕様変更
(147) RSA BSAFE SSL-Jの削除
(148) Permanent領域からMetaspace領域への移行

(1) Java SEのバージョン

09-70以降で使用されているJava SE8は,以前のJ2SE 1.4.2,J2SE 5.0,JavaSE 6,Java SE7と,一部の機能に互換性がありません。詳細については,JavaSEのドキュメントを参照してください。

互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
ありません。

(2) JSPから生成されたサーブレット用コンパイラのバージョン

変更内容
JSPファイルをコンパイルする過程で,中間ファイルとしてサーブレットのJavaソースを生成します。生成されたサーブレットのJavaソースはJavaコンパイラによって,最終的にclassファイルを生成します。このとき使用されるJavaコンパイラのJava言語仕様のバージョンは,製品のバージョンによって異なります。J2EEサーバでは,インストールされているjavacコンパイラのデフォルトバージョンのJava言語仕様に従ってJSPから生成されたサーブレットのソースファイルをコンパイルします。
コンパイルするJava言語仕様のバージョンを次の表に示します。

表10-18 コンパイルするJava言語仕様のバージョン

アプリケーションサーバのバージョンJDKのバージョンコンパイルJava言語仕様バージョン
Version 6JDK 1.4J2SE 1.3
Version 7JDK 5.0J2SE 5.0
Version 8JDK 5.0J2SE 5.0
JDK 6Java SE 6
09-00から09-60より前JDK 6Java SE 6
09-60から09-70より前JDK 7Java SE 7
09-70JDK 8Java SE 8
JSPファイルのスクリプティングにJava SE 8の言語仕様に反したコーディングをしていて,JSPから生成されたサーブレットのソースファイルがコンパイルできない場合,コンパイラのJava言語仕様のバージョンをJ2EEサーバ,またはWebコンテナサーバのユーザプロパティファイルのwebserver.jsp.compile.backcompatキーに移行前と同じ値になるように設定します。
cjjspcコマンドを使用してJSP事前コンパイルを実行する場合は,cjjspcコマンドの-sourceオプションに移行前と同じ値を指定します。
JSPファイル内にスクリプティングを記述していない場合やJSPファイルのスクリプティングがJava SE 8の言語仕様に反していなくてJSPから生成したサーブレットのソースファイルのコンパイルが正常にできる場合,上記の設定は不要です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
移行前のアプリケーションサーバのコンパイルJava言語仕様バージョンに合わせて,J2EEサーバ用のユーザプロパティファイル(usrconf.properties)のwebserver.jsp.compile.backcompatキーに「1.2」「1.3」「1.4」「1.5」「5」「1.6」「6」「1.7」または「7」を設定してください。
cjjspcコマンドを使用してJSP事前コンパイルを実行する場合は,同様に移行前のアプリケーションサーバでのコンパイラが受け付けるソースコードのバージョンに合わせて,cjjspcコマンドの-sourceオプションに 1.3,1.4,1.5,5,1.6,6,1.7または7を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
JSPファイルのスクリプティングにJava SE 8の言語仕様に反したコーディングをしている場合,Java SE 8の言語仕様に従うよう,JSPファイルを修正してください。
影響を受けるもの
(1) Java SEのバージョン

(3) Entity Bean(BMP)の排他制御方法

変更内容
Entity Bean(BMP)の排他制御方法が変更になります。
06-50以前では,EJBコンテナがEntity Bean(BMP)の排他を制御していましたが,06-70以降では制御しません。このため,同一プライマリキーのEntity Bean(BMP)への同時アクセスができるようになります。
次の点をご注意ください。
  • 排他が必要な場合には,ejbLoad()でデータベースにロックをかけるSQL文を実行し,データベースで排他を制御するようにしてください。
  • 同一プライマリキーのEntity Bean(BMP)へ同時にアクセスする場合,06-50以前では,使用するBeanインスタンスは最大で一つでした。06-70以降では,同時アクセス数分のBeanインスタンスを使用します。
  • Entity Bean(BMP)のインスタンス変数にプライマリキーやデータベースのフィールド以外の値を格納しているとEntity Bean(BMP)が正常に動作しません。
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.container.bmp.backcompatibleプロパティで06-50以前と同等の動作にすることもできます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.container.bmp.backcompatibleプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
互換機能を利用した場合,既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザ運用への影響はありません。falseに設定した場合は,既存の業務アプリケーションの動作やデータベース内のデータが不正になることがあります。

(4) デフォルトのエラーページの内容

変更内容
06-70より前までは,リクエスト処理時に発生したエラーをカスタマイズしない場合に出力されるデフォルトのエラーページに,製品名が出力されていましたが,セキュリティ上のリスクがあるため,06-70以降では製品名が出力されません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
既存の業務アプリケーションの動作に影響はありません。エラー時に製品名を目視できなくなる以外に運用上の影響はありません。

(5) Enterprise Beanの命名規則

変更内容
07-00以降では,デフォルトパッケージにEnterprise Beanクラスを作成する場合,次に示す文字列で終わるクラスを作成しないでください。作成した場合,業務アプリケーションの開始に失敗することがあります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
上記命名規則に該当するクラスがある場合,クラス名を変更してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
09-00以降では,既存の業務アプリケーションに上記クラスが含まれている場合,業務サービスが開始できなくなります。

(6) カスタムタグのスクリプト変数定義の変更

変更内容
07-00以降と07-00より前では,複数のカスタムタグで,スクリプト変数名とスクリプト変数のスコープが重複した場合に,JSPファイルのコンパイル結果が異なります。
  • 07-00より前の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーが発生します。
  • 07-00以降の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーは発生しません。
    この場合,JSPトランスレーション下位互換機能を使用すると,JSPファイルのコンパイル結果が07-00より前と同じになります。
スクリプト変数のスコープは,javax.servlet.jsp.tagext.TagExtraInfoクラスのサブクラス,またはTLDファイルのvariable要素内のscope要素で指定できます。
次に,スコープがAT_BEGINで,属性idに指定された変数名のスクリプト変数を定義するカスタムタグ<my:foo>で例を示します。

<my:foo id="var" type="String">
 <%=var%>
</my:foo>
<my:foo id="var" type="String">
 <%=var%>
</my:foo>

07-00以降では,2回目のカスタムタグではスクリプト変数varの変数宣言を出力しません。そのため,同一スコープ内で同一の変数名のスクリプト変数を定義しても,正常にJSPコンパイルを実行します。一方,07-00より前では,2回目のカスタムタグでもスクリプト変数varの変数宣言を出力します。そのため,JSPから生成されたJavaソースのコンパイル時にコンパイルエラーとなります。
ただし,JSPからJavaソースを生成する際の解析では,スクリプトレットで記述されたJavaコードの解析は行いません。そのため,カスタムタグの前後またはボディのスクリプトレットで,変数のスコープが変わる処理を記述していた場合は,JSPコンパイルの結果が異なる場合があります。
次に,スコープがAT_BEGINでコンパイルエラーとなるケースの例を示します。カスタムタグ<my:foo>は,スコープがAT_BEGINで,id属性に指定された変数名のスクリプト変数を定義するカスタムタグです。

<% if (flag) { %>
   <my:foo id="var" type="String">
     <%=var%>
   </my:foo>
<% } else { %>
   <my:foo id="var" type="String">
     <%=var%>
   </my:foo>
<% } %>

07-00以降では,2回目のカスタムタグではスクリプト変数varが宣言済みと解析するため,変数varの変数宣言をしません。そのため,2回目のスクリプト変数varの参照でエラーとなります。07-00より前では,2回目のカスタムタグでもスクリプト変数varを宣言するため,スクリプト変数varの参照でエラーとならず,正常にJSPコンパイルを実行します。
JSPトランスレーション下位互換機能を使用すれば,07-00より前と07-00以降で同じJSPコンパイル結果になります。J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.customAction.declareVariableプロパティにtrueを指定することで下位互換機能が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.customAction.declareVariableプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
カスタムタグを使用しているアプリケーションに影響があります。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「6.3.1 カスタムタグのスクリプト変数の定義に関する注意事項」を参照してください。

(7) タグライブラリ・ディスクリプタ(TLDファイル)のバージョン

変更内容
07-00以降では,JSPトランスレータがJSPトランスレーション時にTLDファイルのバージョン(TLDファイルが対応するJSPのバージョン)チェックを行うように変更しました。TLDファイルのバージョンが,Webアプリケーションのバージョンに対応しているJSPおよびTLDファイルのバージョンより上位の場合,JSPトランスレーション時にエラーとなります。
なお,JSP1.2/2.0仕様では,TLDファイルの使用するスキーマをDOCTYPE宣言やtaglib要素内のschemaLocation属性で指定する仕様となっており,指定したスキーマからTLDファイルのバージョンを判定しています。ただし,スキーマ言語が定義されていない場合は,Webアプリケーションのバージョンから判定します。
次にTLDファイルにスキーマを指定していない場合の,WebアプリケーションのバージョンとTLDファイルバージョンを示します。

表10-19 WebアプリケーションのバージョンとTLDファイルバージョン

WebアプリケーションのバージョンTLDファイルバージョン
2.21.1
2.31.2
2.42.0
2.52.1
3.02.1
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
JSPのバージョンとTLDファイルのバージョンが一致しない場合は一致させてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし(記載のとおり,バージョンのチェックでエラーになる場合がありますので,JSPのバージョンとTLDファイルのバージョンを一致させてください)。

(8) <jsp:useBean>タグのclass属性に対するエラーチェックの変更

変更内容
07-00より前では,JSPのトランスレーション時に<jsp:useBean>タグのclass属性をチェックしていませんでした。07-00以降では,<jsp:useBean>タグのclass属性をチェックします。これによって,<jsp:useBean>タグのclass属性に対して,インスタンス化できないクラス名を指定した場合に,JSPファイルのコンパイル結果が異なります。
  • 07-00より前の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーは発生しません。
  • 07-00以降の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーが発生します。
    この場合,JSPトランスレーション下位互換機能を使用すると,JSPファイルのコンパイル結果が07-00より前と同じになります。
<jsp:useBean>タグのclass属性に関する注意事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「6.3.2 <jsp:useBean>タグのclass属性に関する注意事項」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.useBean.noCheckClassプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
class属性に適切なクラスを指定してください。
影響を受けるもの
互換機能を利用する場合,既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザの運用に関する影響はありません。ただし,業務アプリケーションを更新する場合,class属性に不正なクラスが存在すると業務処理でコンパイルエラーが発生し,業務が実行できなくなることがあります。業務アプリケーションを修正してください。
推奨機能を利用する場合は,既存の業務アプリケーションにコンパイルエラーが発生することがあります。

(9) タグの属性値のExpressionチェックの変更

変更内容
07-00以降と07-00より前では,Expressionが指定可能な属性以外にExpressionを指定したタグを含むJSPファイルの場合に,コンパイル結果が異なります。
  • 07-00より前の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーは発生しません。
  • 07-00以降の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーが発生します。
    この場合,JSPトランスレーション下位互換機能を使用すると,JSPファイルのコンパイル結果が07-00より前と同じになります。
JSP仕様では,Expressionが指定可能なタグの属性が制限されています。しかし,07-00より前では,JSPトランスレーション時にチェックを行っていないため,Expressionを表す「<%=」や「%>」は文字列として扱い,エラーとはなりませんでした。一方,07-00以降では,JSP仕様に従い,Expressionが指定可能な属性以外にExpressionを指定した場合,JSPトランスレーションエラーとなります。
次に,<jsp:param>タグの属性にExpressionを使用して,バラメタ名を指定した場合の例を示します。

------------------ ExpressionTest.jsp ------------------
<% String paramName = "param1"; %>
<jsp:include page="test1_included.jsp">
<jsp:param name="<%=paramName%>" value="testValue" />
</jsp:include>
--------------------------------------------------------

07-00より前では,JSPトランスレーション時にチェックを行わないため,JSPファイルから生成されたサーブレットが実行されます。ただし,Expressionの記述は文字列として扱われるため,インクルード先のJSPで取得できるパラメタ名は,"<%=paramName%>"となります。07-00以降では,JSPトランスレーション時にname属性に指定された値のチェックを行うため,JSPトランスレーションでエラーとなります。
JSPトランスレーション下位互換機能を使用すれば,07-00より前と07-00以降で同じJSPコンパイル結果になります。J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.tag.noCheckRtexprvalueプロパティにtrueを指定することで下位互換機能が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.tag.noCheckRtexprvalueプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
「<%=」や「%>」を文字列として使用する場合はエスケープしてください。
影響を受けるもの
互換機能を利用する場合,既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザの運用に関する影響はありません。ただし,業務アプリケーションを更新する場合,class属性に不正なクラスが存在すると業務処理でコンパイルエラーが発生し,業務が実行できなくなることがあります。業務アプリケーションを修正してください。
推奨機能を利用する場合は,既存の業務アプリケーションにコンパイルエラーが発生することがあります。

(10) タグの属性値に指定するExpressionに関する変更

変更内容
07-00以降と07-00より前では,タグの属性値が,「"<%=」または「'<%=」で開始して,「%>"」または「%>'」で終了していない場合(例えば,「%>」と「"」または「'」の間に,任意の文字列があるような場合)に,JSPファイルのコンパイル結果が異なります。
  • 07-00より前の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーは発生しません。
  • 07-00以降の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーが発生します。
    この場合,JSPトランスレーション下位互換機能を使用すると,JSPファイルのコンパイル結果が07-00より前と同じになります。
タグの属性値にExpressionを指定する場合は,「"<%= scriptlet_expr %>"」または「'<%= scriptlet_expr %>'」と指定する必要があります。タグの属性値が,「"<%=」(または「'<%=」)で開始していて,「%>"」(または「%>'」)で終了していない場合(例:「%>」と「"」(または「'」)の間に任意の文字列がある場合),07-00より前では,「"」(または「'」)で囲まれた値を文字列として扱います。しかし07-00以降では,「%>"」(または「%>'」)を属性値の終端として扱うため,JSPトランスレーションでエラーとなります。
次に,<jsp:param>タグでvalue属性にExpressionを使用し,「%>」と「"」の間に空白を入れた場合の例を示します。

------------------ IncludeAction.jsp ------------------
<% String value = "testValue"; %>
<jsp:include page="test1_included.jsp">
<jsp:param name="param1" value="<%=value%>△△" />
</jsp:include>
-------------------------------------------------------

注 △は空白を表します。
07-00より前では,JSPトランスレーション時にチェックを行わないため,JSPファイルから生成されたサーブレットが実行されます。ただし,Expressionの記述は文字列として扱われるため,インクルード先のJSPで取得できるパラメタ値は,"<%=value%>△△"となります。07-00以降では,JSPトランスレーションでエラーとなります。
JSPトランスレーション下位互換機能を使用すれば,07-00より前と07-00以降で同じJSPコンパイル結果になります。J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.tag.rtexprvalueTerminateプロパティにtrueを指定することで下位互換機能が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.tag.rtexprvalueTerminateプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
タグの属性値にExpressionを使用する場合は,仕様に従った記述になるよう修正してください。
影響を受けるもの
互換機能を利用する場合,既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザの運用に関する影響はありません。ただし,業務アプリケーションを更新する場合,class属性に不正なクラスが存在すると業務処理でコンパイルエラーが発生し,業務が実行できなくなることがあります。業務アプリケーションを修正してください。
推奨機能を利用する場合は,既存の業務アプリケーションにコンパイルエラーが発生することがあります。

(11) taglibディレクティブのprefix属性に関する変更

変更内容
07-00以降と07-00より前では,taglibディレクティブの前に,taglibディレクティブで指定したprefixを使用したカスタムタグを記述している場合に,JSPファイルのコンパイル結果が異なります。
  • 07-00より前の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーは発生しません。
  • 07-00以降の場合
    JSPファイルのコンパイルでコンパイルエラーが発生します。
    この場合,JSPトランスレーション下位互換機能を使用すると,JSPファイルのコンパイル結果が07-00より前と同じになります。
JSP仕様では,カスタムタグのprefixは,そのカスタムタグを使用する前にtaglibディレクティブで定義する必要があります。しかし,07-00より前では,JSPトランスレーション時にチェックを行っていないため,taglibディレクティブでの定義より前にカスタムタグのprefixを使用してもエラーになりませんでした。一方,07-00以降では,JSP仕様に従い,カスタムタグのprefixがそのカスタムタグを使用する前にtaglibディレクティブで定義しているかチェックを行い,定義していない場合はJSPトランスレーションエラーとしています。
次に,taglibディレクティブの前にカスタムタグを記述した場合の例を示します。

-------------------- Taglib.jsp --------------------
<pre:custom/>

<%@ taglib uri="/WEB-INF/test.tld" prefix="pre" %>

<pre:custom2/>
----------------------------------------------------

07-00より前では,<pre:custom/>タグの前にprefix "pre"の定義がないため,カスタムタグ<pre:costom>はテキストデータとして扱われます。カスタムタグ<pre:custom2>は,定義済みのため,カスタムタグとして扱われます。07-00以降では,prefixが定義済みかチェックするため,JSPトランスレーションエラーとなります。
JSPトランスレーション下位互換機能を使用すれば,07-00より前と07-00以降で同じJSPコンパイル結果になります。J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.taglib.noCheckPrefixプロパティにtrueを指定することで下位互換機能が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.jsp.translation.backcompat.taglib.noCheckPrefixプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
テキストデータとして扱うのが正しい場合は,<%="<" %>pre:custom>または<%="<pre:custom>" %>と修正してください。カスタムタグとして扱うのが正しい場合は,カスタムタグを使用する前にtablibディレクティブを移動させてください。
影響を受けるもの
互換機能を利用する場合,既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザの運用に関する影響はありません。ただし,業務アプリケーションを更新する場合,class属性に不正なクラスが存在すると業務処理でコンパイルエラーが発生し,業務が実行できなくなることがあります。業務アプリケーションを修正してください。
推奨機能を利用する場合は,既存の業務アプリケーションにコンパイルエラーが発生することがあります。

(12) JSPでの$の扱いの変更

変更内容
07-00以降,JSP仕様では"$"が予約語になっています。
JSPファイル内に"¥$"と記述した場合は,エスケープシーケンスによって"$"と出力されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
"¥$"と出力する個所では,"¥¥$"と記述してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(13) WebコンテナがサポートするServlet仕様のバージョン

変更内容
Servlet APIでは,WebコンテナがサポートするServlet仕様のバージョン情報を取得できます。バージョン情報を取得できるServlet APIを次に示します。
  • javax.servlet.ServletContextクラスのgetMajorVersionメソッド
  • javax.servlet.ServletContextクラスのgetMinorVersionメソッド
  • javax.servlet.jsp.JspEngineInfoクラスのgetSpecificationVersionメソッド
08-00以降では,WebアプリケーションのバージョンがServlet 3.0/JSP 2.1より前であっても,WebコンテナがサポートするServlet仕様のバージョンはServlet 3.0/JSP 2.1となります。このため,これらのServlet APIでは,Servlet仕様のバージョン情報としてServlet 3.0/JSP 2.1の情報を返します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Servlet 3.0/JSP 2.1以外の情報が返ることを期待しているWebアプリケーションは,修正してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
上記のメソッドを利用している場合,戻り値の違いによって既存の業務アプリケーションの動作が変わることがあります。このため,業務アプリケーションを見直してください。

(14) サーブレットのデフォルトマッピングのデフォルトでの無効化

変更内容
使用していないサーブレットでもクラス名を特定できれば呼び出せるなどセキュリティ上のリスクがあるため,サーブレットのデフォルトマッピングはデフォルトで無効になります。
usrconf.propertiesのwebserver.container.servlet.default_mapping.enabledキーで「true」を指定すると,サーブレットのデフォルトマッピングは有効になります。
更新インストールをした場合,すでにセットアップされているJ2EEサーバには,サーブレットのデフォルトマッピングを有効にする設定(webserver.container.servlet.default_mapping.enabled=true)が自動的に設定されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.container.servlet.default_mapping.enabledプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(デフォルトマッピングが無効)を使用してください。web.xmlの<servlet-mapping>タグで使用するサーブレットクラスだけをURLとマッピングしてください。
影響を受けるもの
互換機能を利用する場合,既存の業務アプリケーションへの影響はありません。既存の業務アプリケーションがサーブレットのデフォルトマッピングを使用していた場合,推奨機能を利用すると業務アプリケーションを呼び出すことができなくなり,エラー(エラーステータスコード404)になります。

(15) javax.servlet.GenericServletクラスでスローされる例外の変更

変更内容
javax.servlet.GenericServletクラスがインスタンス変数として保持するServletConfigがnullの場合,次に示すメソッドによってスローされる例外がバージョンごとに異なります。
  • getInitParameter(String)メソッド
  • getInitParameterNames()メソッド
  • getServletContext()メソッド
  • getServletName()メソッド
これらのメソッドによってスローされる例外をバージョンごとに次に示します。
07-60以前
java.lang.NullPointerException
08-00以降
java.lang.IllegalStateException
また,例外のメッセージとして「ServletConfig has not been initialized.」が出力されます。
これらの例外は,次の二つの条件を両方満たす場合にスローされます。
  • javax.servlet.GenericServletクラスを継承したサーブレットがinit(ServletConfig)メソッドをオーバーライドしている場合
  • オーバーライドしたinit(ServletConfig)メソッドの中でsuper.init(ServletConfig)メソッドを呼び出していない,または引数にnullを指定してsuper.init(ServletConfig)メソッドを呼び出している場合
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
これらの例外をキャッチしている場合には,例外名を修正してください。
  • getInitParameter(String)
  • getInitParameterNames()
  • getServletContext()
  • getServletName()
もしくは,Servlet仕様に従い,オーバーライドしたinit(ServletConfig)内でsuper.init(ServletConfig)を呼び出してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
業務アプリケーションで該当するメソッドを使用している場合は,例外処理を見直す必要があります。

(16) javax.servlet.ServletRequestインタフェースのsetCharacterEncodingメソッド呼び出し時の動作変更

変更内容
getReaderメソッドを呼び出したあとのsetCharacterEncodingメソッドの呼び出しは無視されるようになりました。次に示す値はgetReaderメソッドを呼び出しても変更されません。
  • getReaderメソッドで取得したBufferedReaderオブジェクトが使用する文字エンコーディング
  • getCharacterEncodingメソッドの戻り値
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
getReaderメソッドを呼び出したあとに,setCharacterEncodingの呼び出しを行っている場合は,setCharacterEncodingの呼び出し前に移動してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
業務アプリケーションで該当する処理がある場合は,問題がないか見直してください。

(17) javax.servlet.GenericServletクラスのinit(ServletConfig)メソッドとdestroy()メソッドでのログ出力

変更内容
javax.servlet.GenericServletクラスがインスタンス変数で持つServletConfigがnullの場合,次のメソッドでログが出力されなくなりました。
  • init(ServletConfig)メソッド
  • destroy()メソッド
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Servlet仕様に従い,オーバーライドしたinit(ServletConfig)内でsuper.init(ServletConfig)を呼び出してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(18) javax.servlet.jsp.tagext.TagInfoクラスの定数の値の変更

変更内容
javax.servlet.jsp.tagext.TagInfoクラスの次に示す定数の値が,すべて大文字から小文字へ変更になります。
  • BODY_CONTENT_TAG_DEPENDENT
  • BODY_CONTENT_EMPTY
  • BODY_CONTENT_SCRIPTLESS
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
定数のリテラル値を使用している場合は,定数を使うようにしてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
業務アプリケーションで該当する処理がある場合は,修正してください。

(19) JSPのAPIでクラスのメソッドが総称を使用した定義へ変更

変更内容
次に示すクラスのメソッドが総称を使用した定義になります。
  • javax.servlet.jsp.JspContext
  • javax.servlet.jsp.tagext.SimpleTagSupport
  • javax.servlet.jsp.tagext.TagData
  • javax.servlet.jsp.tagext.TagLibraryValidator
  • javax.servlet.jsp.tagext.TagSupport
これらのクラスに関連するクラスは,コンパイル時に警告メッセージが出力される場合があります。
なお,動作は08-00より前と変わらないため,クラスの再コンパイルは必要ありません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
警告メッセージが出力されないよう,ソースファイルを修正してください。
影響を受けるもの
(1) Java SEのバージョン

(20) javax.servlet.jsp.elパッケージのクラスの非推奨への変更

変更内容
08-00以降,javax.servlet.jsp.elパッケージの次に示すクラスが非推奨となります。
  • FunctionMapper
  • VariableResolver
  • Expression
  • ExpressionEvaluator
  • ELException
  • ELParseException
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。なお,これらのAPIを使用した場合の動作は08-00より前と変わりません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
上記クラスのAPIを使用しないように,業務アプリケーションを修正してください。
影響を受けるもの
なし。

(21) ライブラリJAR内のTLDファイルの検索

変更内容
08-00以降では,ライブラリJARに含まれるTLDファイルを検索し,ライブラリJAR内のタグライブラリが使用できるようになります。ライブラリJARにTLDファイルが含まれる場合,07-60以前では使用できなかったTLDファイルが使用できるようになるため,次の現象が発生します。
  • ライブラリJAR内のTLDファイルの<uri>要素に記述されたURIが,web.xmlやほかのTLDファイルに記述されたURIと重複する場合,警告メッセージが出力されます。この場合,ライブラリJAR内のTLDファイルに記述されたURIとTLDファイルのマッピングは無効となります。
  • JSPのtaglibディレクティブのuri属性で,ライブラリJAR内のTLDファイルに記述されたURIを指定していた場合,JSPトランスレーションができるようになります。なお,07-60以前の場合は,JSPトランスレーション時にトランスレーションエラーとなります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
ライブラリJARにTLDファイルが含まれている場合,<uri>要素に記述されたURIがweb.xmlやほかのTLDファイルに記述されたURIと重複していないか確認してください。重複している場合,ライブラリJAR内のTLDファイルにあるURIを一意な値となるよう修正してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(22) 半角英数字以外の文字が含まれている表示名のインポート時の動作変更

変更内容
J2EEサーバでは,J2EEアプリケーションやリソースなどに設定された表示名(DDの<display-name>タグの値)を識別子として使用します。表示名に半角英数字(0~9,A~Z,a~z)以外の文字が含まれていた場合は,その文字をアンダースコア(_)に変換して識別子を生成します。設定値によっては,変換処理で生成された識別子が重複して操作に失敗することがあります。
  • 07-60以前
    J2EEサーバは表示名に半角英数字以外の文字が含まれていても,メッセージを出力しません。
  • 08-00以降
    J2EEサーバは表示名に半角英数字以外の文字が含まれていると,警告メッセージ(KDJE42374-W)を出力します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEアプリケーションやリソースの表示名に使う文字種を,半角英数字とアンダースコア(_)だけにしてください。
影響を受けるもの
なし。

(23) HTTPセッションの無効化によるHTTP Cookie情報に対する動作変更

変更内容
Webアプリケーション内でHTTPセッションを無効化すると,Webクライアントが保持するセッションIDを示すHTTP Cookie情報に対する動作が異なります。
  • 07-60以前
    Webクライアントの保持するHTTP Cookie情報を削除しません。
  • 08-00以降
    Webクライアントの保持するHTTP Cookie情報を削除します。この場合,HTTPレスポンスヘッダに,Webクライアントの保持するHTTP Cookie情報を削除するためのHTTP Cookie情報を付加します。
usrconf.propertiesのwebserver.session.delete_cookie.backcompatキーで「true」を指定すると,08-00より前と同じ動作になります。
更新インストールをした場合,すでにセットアップされているJ2EEサーバには,Webクライアントの保持するHTTP Cookie情報を削除しない設定(webserver.session.delete_cookie.backcompat=true)が自動的に設定されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.session.delete_cookie.backcompatプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(Webクライアントが保持するHTTP Cookie情報を削除するためのHTTP Cookie情報を付加)を使用してください。
影響を受けるもの
互換機能を利用する場合,既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザの運用に関する影響はありません。ただし,セキュリティ上のリスクがあります。推奨機能を利用した場合,アプリケーションサーバ以外のプログラムがセッションIDを示すHTTP Cookieを利用していると,そのプログラムが動作エラーとなるおそれがあります。

(24) POSTリクエストのフォームデータの最大サイズの制限

変更内容
POSTリクエストのフォームデータ(Content-Typeヘッダの値がapplication/x-www-form-urlencodedの場合のPOSTデータ)の最大サイズがデフォルトで2MBに制限されます。更新インストールをした場合,すでにセットアップされているJ2EEサーバには,POSTリクエストのフォームデータの最大サイズを無制限にする設定(webserver.connector.limit.max_post_form_data=-1)が自動的に実施されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.connector.limit.max_post_form_dataプロパティに-1(無制限)を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.connector.limit.max_post_form_dataプロパティに適切な上限値を指定してください。
影響を受けるもの
アプリケーションがPOSTリクエストを行う際,2MB以上のフォームデータを送信している場合は実行時エラーになります。

(25) 同一J2EEサーバ内のほかのアプリケーションで動作するEnterprise Beanの呼び出し手順の改善

変更内容
09-00以降では,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のプロパティを設定した場合,またはこのプロパティの指定を省略した場合,同一J2EEサーバ内のほかのアプリケーションで動作するEnterprise Beanの呼び出しができます。
パラメタ名
ejbserver.rmi.localinvocation.scope
app
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(26) 統合ユーザ管理のタグライブラリの入れ替え

変更内容
統合ユーザ管理のタグライブラリが変更になりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
統合ユーザ管理でタグライブラリを使用している場合は,uatags.jarとuatags.tldを入れ替えてください。
  • uatags.jarを,WebアプリケーションのWEB-INF¥libまたはWEB-INF/libに上書きコピーします。
  • uatags.tldを,作成するWebアプリケーションのWEB-INFに上書きコピーします。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと統合ユーザ管理のタグライブラリを使用したユーザアプリケーションが動作しなくなります。

(27) javax.servlet.ServletExceptionで生成したオブジェクトに対するinitCauseメソッドの呼び出し

変更内容
08-00以降,次に示すオブジェクトに対して,initCause(Throwable)を呼び出せません。
  • コンストラクタServletException(String, Throwable)およびServletException(Throwable)で生成したServletExceptionオブジェクト
  • コンストラクタJspException(String, Throwable)およびJspException(Throwable)で生成したJspExceptionオブジェクト
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
initCause(Throwable)を呼び出したい場合は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のパラメタを設定する必要があります。
webserver.servlet_api.exception.getCause.backcompat=true
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
initCause(Throwable)を呼び出さないように,業務アプリケーションを修正してください。
影響を受けるもの
なし。

(28) 属性ファイル中に指定されたメソッドのチェック

変更内容
07-50以降では,cjsetapppropコマンドまたはcjsetrespropコマンド実行時に,引数で指定された属性ファイル中の<container-transaction>,<ejb-method-observation-timeout>,または<ejb-transaction-timeout>タグで指定されたメソッドが,Enterprise Bean中にあるかどうかをチェックします。属性ファイル中のこれらのタグに指定されたメソッドが,Enterprise Bean中にない場合は,エラーとなります。
07-10より前から08-00以降へ移行する場合は,J2EEサーバの移行コマンドが自動的にejbserver.cui.checkmethod.compatible=trueを設定するため,07-10より前のメソッドのチェック方法でメソッドはチェックされます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
サーバ管理コマンド用usrconf.propertiesのejbserver.cui.checkmethod.compatibleプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
<container-transaction>タグには,EJBのインタフェースに存在するメソッドを指定してください。
影響を受けるもの
なし。

(29) cFrameworkの提供停止

変更内容
07-00以降,cFrameworkの提供を停止しました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
この機能を継続して使用される場合は,保守員までご連絡ください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし(cFrameworkを使用する場合は,保守員まで連絡)。

(30) snapshotログの収集タイミング

変更内容
06-50以降では,障害検知時のsnapshotログの収集タイミングが変更されます。06-50より前までは,障害を検知したJ2EEサーバを停止後,snapshotログを収集していました。06-50以降では,障害を検知したときに,障害検知時コマンドによってsnapshotログを収集し,その後論理サーバを停止します。これによって,障害発生時のタイムリーなログが取得できるようになります。
注意
Management Server環境設定ファイル(mserver.properties)にcom.cosminexus.mngsvr.snapshot.collect.point=j2ee_restartを指定することで,06-50より前の動作に戻すことができますが,お勧めしません。
キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.7 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Management Server環境設定ファイル(mserver.properties)のcom.cosminexus.mngsvr.snapshot.collect.pointプロパティにj2ee_restartを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(snapshotログ収集後に論理サーバを停止)を使用してください。
影響を受けるもの
互換重視の移行で実施する作業を行わないと,障害を検知したときにsnapshotログを収集し,その後論理サーバを停止するように変更になります。

(31) Management Server用のネーミングサービスの設定変更

変更内容
06-71まではManagement Server用にネーミングサービスを起動していましたが,07-00以降は,J2EEサーバのプロセス内で起動するRMIレジストリを利用します。このため,Management Server用のネーミングサービスが起動不要になりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Management Serverのほかに論理ネーミングサービスを使用しているプロセスがない場合には,その論理ネーミングサービスを削除してください。また,Management Server用のネーミングサービスが起動不要になることで,ネーミングサービスのホストとポート番号なども設定不要になります。
次のように設定を変更することをお勧めします。
  • 論理ネーミングサービスの削除
    Management Serverのほかに論理ネーミングサービスを使用しているプロセスがない場合には,運用管理ポータルの「運用管理ドメインの構成定義」で論理ネーミングサービスを削除してください。また,論理ネーミングサービスを定義するために作成したホストにほかの論理サーバが定義されていない場合には,そのホストも削除してください。
  • 運用監視エージェントのプロパティの変更
    07-00以降,Management Server用のネーミングサービスのホストとポート番号を設定する,mngagent.naming.hostキーとmngagent.naming.portキーは設定不要となり,設定されていても値は無効になります。
    また,通信ポートの固定とIPアドレスの固定に使用していた,vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキーとvbroker.se.iiop_tp.hostキーの設定は非推奨になります。これらのプロパティの設定は有効ですが,それぞれmngagent.connector.portキーとmngagent.connector.hostキーに変更することをお勧めします。
    なお,これらの変更は,設定情報の配布を実施すると自動で行われます。
Smart Composer機能でシステムを構築している場合に,Management Server用のネーミングサービスを削除する方法については,「(40) Smart Composer機能の定義変更」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わなくてもManagement Serverは動作しますが,余分なリソースが消費されます。

(32) 旧バージョン互換用のWebサーバの扱い

変更内容
06-71までは,Management Serverの運用管理ポータルで,論理サーバとして旧バージョン互換用のWebサーバを新規作成できました。07-00以降では,旧バージョン互換用のWebサーバは使用できますが,新規作成はできません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」のWebサーバ環境のセットアップで,現バージョンへ移行できます。Webサーバ環境のセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.10.5 Webサーバ環境のセットアップ」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わなくても旧バージョン互換のWebサーバは動作しますが,現バージョンの構成に再構築することをお勧めします。

(33) 論理サーバの起動順序,および前提となる論理サーバの変更

変更内容
06-50以降から論理サーバとしてSFOサーバが追加され,論理サーバの起動順序が「SFOサーバ→J2EEサーバ」に変更されました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
SFOサーバを使用する場合には,J2EEサーバの前に起動するようにしてください。
運用管理ドメイン全体の論理サーバの起動順序は,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で設定できます。論理サーバごとに数値(デフォルト値があります)を設定し,値の小さなものから起動されるようにします。各論理サーバで「前提となる論理サーバ」を設定している場合は,該当する論理サーバの起動順序が前提の論理サーバより先になっていないか注意してください。
運用管理ドメイン全体の論理サーバの起動順序の設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「11. 論理サーバの起動/停止」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,論理サーバの起動に失敗する場合があります。

(34) トランザクションサービスのインプロセス化

変更内容
トランザクションサービスをJ2EEサーバとは別のプロセス(アウトプロセス)で起動していた場合,07-00以降はJ2EEサーバ起動時にインプロセスで起動されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Management Serverの運用管理ポータルでシステムを構築する場合には,次の方法で設定を変更してください。
  • トランザクションサービスをインプロセスで起動する場合には,論理OTSが使用していたスマートエージェントは不要となります。論理OTS以外の論理サーバがスマートエージェントを使用していない場合には,[トランザクションの設定]画面で,「利用するスマートエージェント」を「設定しない」と選択します。
  • 不要となった論理OTSと論理TCSは,「運用管理ドメインの構成定義」で削除します。
  • 設定の変更後は,Management Serverを再起動します。
ファイル編集とコマンド実行でシステムを構築する場合の設定の変更方法については,「11.2 インプロセストランザクションサービスへの移行」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わなくてもManagement Serverは動作しますが,余分なリソースが消費されます。

(35) 論理サーバの起動/停止の設定の変更

変更内容
旧バージョンで,論理サーバの起動と停止の設定を更新(運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で設定を更新)していなかった場合,起動または停止の監視時間,自動再起動回数が,07-00以降のデフォルト値に変更されます。
論理サーバ変更内容
パフォーマンストレーサ[起動/停止の設定]画面の「停止監視時間」の値が「1分」から「10分」に変更されます。
[起動/停止の設定]画面の「自動再起動回数」の値が「5回」から「1回」に変更されます。
J2EEサーバ[起動/停止の設定]画面の「起動監視時間」の値が「1分」から「10分」に変更されます。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,設定を変更する必要があります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
論理サーバの起動と停止の設定を更新(運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で設定を更新)していなかった場合,変更前のデフォルト値で設定を更新します。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
論理サーバの起動と停止の設定を更新(運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で設定を更新)していた場合,変更後のデフォルト値で設定を更新します。
影響を受けるもの
推奨機能への移行で実施する作業を行わないと,論理サーバの起動/停止に失敗する可能性が高くなります。

(36) J2EEアプリケーションとリソースの再インポート

変更内容
運用管理ドメイン内のアプリケーションサーバを更新インストールし,J2EEサーバの移行作業を実施する場合の注意点を示します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
  • 06-50よりも前のManagement Serverで,スタンダードモード,アドバンスドモードのJ2EEサーバに対してデータソースをインポートしていた場合,次の作業を実施する必要があります。
手順
  1. 運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で,該当するJ2EEサーバを起動する。
  2. サーバ管理コマンドで,インポートしていたデータソースから移行されたリソースアダプタをエクスポートし,サーバ管理コマンドを終了する。
  3. サーバ管理コマンドでエクスポートしたリソースアダプタを,運用管理ポータルでインポートする。
  • 06-50よりも前のスタンダードモード,アドバンスドモードのJ2EEサーバで,運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」でインポートしたJ2EEアプリケーションがデータソースを使用していた場合,次の作業を実施する必要があります。
手順
  1. 運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で,該当するJ2EEサーバを起動する。
  2. サーバ管理コマンドで,J2EEアプリケーションをエクスポートし,サーバ管理コマンドを終了する。
  3. 運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」で,エクスポートしたJ2EEアプリケーションをManagement Serverに登録する。
  4. 運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」で,該当するJ2EEアプリケーションを停止していない場合は停止し,削除する。
  5. 登録したJ2EEアプリケーションを,該当するJ2EEサーバに新規インポートする。
  • 運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」では,次に示すJ2EEアプリケーションをインポート,または開始できません。
     
    06-50以降にアップグレードした1.4モード(06-71までのスタンダードモード,アドバンスドモード)のJ2EEサーバに対して,データソースを参照している実行時情報付きのJ2EEアプリケーション
データソースからリソースアダプタへの移行については,「10.4.5(69) 1.4モードのデータソース廃止」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,バージョンアップ前のアプリケーション,データソースを使用できない場合があります。

(37) J2EEアプリケーション起動時およびJSPコンパイル時のJavaプログラムのコンパイル処理

変更内容
バージョンアップに伴い,J2EEサーバおよびSFOサーバの設定ファイルの変更が必要です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
Javaヒープ使用量が以前のバージョンに比べて約40MB増加します。

(38) 論理サーバの環境変数定義の再設定

変更内容
バージョンアップに伴い,adminagent.xmlファイルの変更が必要です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Management Serverを使用している場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で使用する環境変数を設定していたときは,新たにインストールされたadminagent.xmlファイルに環境変数を再設定する必要があります。adminagent.xmlは次のディレクトリに格納されています。
  • Windowsの場合
    <製品のインストールディレクトリ>¥manager¥config
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/config
adminagent.xmlでの環境変数の設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.5 adminagent.xml(運用管理エージェント設定ファイル)」を参照してください。
注意
  • adminagent.xmlはインストール時に上書きされ,既存のファイルはadminagent.xml.bakに退避されます。
  • adminagent.xmlはバージョンアップによって変更されている可能性があります。adminagent.xmlを編集して運用している場合は,新たにインストールされたファイルに,以前に編集した項目を再編集してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,「論理サーバの起動/停止」で使用する環境変数の設定が引き継がれません。

(39) JP1イベントメッセージマッピングファイルの再設定

変更内容
バージョンアップに伴い,JP1イベントメッセージマッピングファイルの変更が必要です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
次に示すJP1イベントメッセージマッピングファイルは,更新インストール時に上書きされないで旧バージョンのファイルが引き継がれます。
  • Management Server用メッセージマッピングファイル
    mserver.jp1event.system.mapping.properties
  • J2EEサーバ共通用メッセージマッピングファイル
    manager.jp1event.system.mapping.properties
  • J2EEサーバ個別用メッセージマッピングファイル
    manager.<論理サーバ名>.jp1event.system.mapping.properties
JP1イベントメッセージマッピングファイルをカスタマイズしないで使用していた場合
次の場所に格納されているManagement Server用メッセージマッピングファイルとJ2EEサーバ共通用メッセージマッピングファイルを修正しないで,旧バージョンのファイルに上書きしてください。
  • Windowsの場合
    <製品のインストールディレクトリ>¥manager¥config¥templates
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/config/templates
JP1イベントメッセージマッピングファイルをカスタマイズして使用していた場合
次の場所に格納されているManagement Server用メッセージマッピングファイルとJ2EEサーバ共通用メッセージマッピングファイルをコピーして,旧バージョンのときと同様にカスタマイズした上で,旧バージョンのファイルに上書きしてください。
  • Windowsの場合
    <製品のインストールディレクトリ>¥manager¥config¥templates
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/config/templates
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,新しいバージョンで追加されたメッセージに対するJP1イベントが発行されません。

(40) Smart Composer機能の定義変更

Smart Composer機能でシステムを構築している場合には,次の設定変更をお勧めします。

(a) Management Server用のネーミングサービスの削除
変更内容
06-71まではManagement Server 用にネーミングサービスを起動していましたが,07-00以降は,J2EEサーバのプロセス内で起動するRMI レジストリを利用します。このため,Management Server用のネーミングサービスが起動不要になりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
07-00以降,旧バージョンでのcmx_build_modelコマンドの実行時に自動的に作成していたManagement Server用のネーミングサービス「cmx_naming」は不要になります。Smart Composer機能以外でこのネーミングサービスを利用していない場合は,運用管理ポータルを使用して削除してください。また,このネーミングサービスを定義するためにSmart Composerが作成したホスト「localhost」も,必要がなければ削除してください。なお,運用管理ポータルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。
なお,07-50以降では,cmx_delete_systemコマンドの-nsオプションを使用すると,Webシステムに関連づいていない論理サーバやホストを一括で削除できます。-nsオプションの対象となる論理サーバやホストは,運用管理ポータル,mngsvrutilコマンドで追加したSmart Composer機能のfree-tier内に設定されている論理サーバ,およびホストです。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わなくてもManagement Serverは動作しますが,余分なリソースが消費されます。
(b) 簡易構築定義ファイルと構成変更定義ファイルのスキーマのバージョンの変更
変更内容
簡易構築定義ファイルと構成変更定義ファイルのスキーマのバージョンを変更しました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
07-00よりも前のバージョンで作成した簡易構築定義ファイルと構成変更定義ファイルはそのまま利用できますが,07-00以降で追加された機能(負荷分散機の冗長構成機能など)を使用する場合は,スキーマのバージョンを最新に変更する必要があります。バージョンごとの変更点を次に示します。
  • 07-00(スキーマのバージョン2.0)以降の変更点
    スキーマのバージョン2.0以降では,ホストはWebシステムの外側に定義します。スキーマのバージョンを2.0以降に変更する場合は,ホストの定義位置も変更してください。
  • 07-50(スキーマのバージョン2.5)以降の変更点
    スキーマのバージョン2.5以降では,一部のタグのタグ名,および<host-ref>タグの指定値が変更になっています。スキーマのバージョン2.5以降に変更または削除となるタグのタグ名を次の表に示します。

    表10-20 スキーマのバージョン2.5以降に変更または削除となるタグのタグ名

    分類スキーマのバージョン2.5より前のタグ名スキーマのバージョン2.5以降のタグ名
    負荷分散機の定義management-ipmanagement-host
    redundant-management-ipredundant-management-host
    ホストの定義name削除
    operational-iphost-name
    management-ipagent-host
なお,スキーマのバージョン2.5以降では,ホストの定義の<name>タグが削除となったため,<host-ref>タグの指定値は,ホストの定義の<name>タグから,ホストの定義の<host-name>タグの指定値に変更になります。
スキーマのバージョンを2.5以降に変更する場合は,表10-18のタグのタグ名と,<host-ref>タグの指定値も変更してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を実施しないと,07-00以降で追加された機能(負荷分散機の冗長構成機能など)を使用できません。
(c) パフォーマンストレーサのトレース取得レベルの変更
変更内容
パフォーマンストレーサのトレース取得レベルを変更しました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
07-00から機能レイヤの詳細レベルのトレースを取得できるようになりました。詳細レベルのトレースを取得する場合は,物理ティアのPrfTraceLevelパラメタの設定値を「55555554」から「DETAIL」に変更してください。また,「DETAIL」に設定したあとトレース取得レベルを標準に戻す場合は,「00000000」ではなく「STANDARD」に設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,パフォーマンストレーサのトレース取得に失敗する場合があります。

(41) 論理サーバの環境設定情報の変更

論理サーバの環境設定情報の変更について説明します。

(a) 環境設定情報のデフォルト値の変更
変更内容
07-00よりも前のバージョンで,論理サーバの環境設定情報を更新(運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」で設定を更新)していなかった場合,次の環境設定情報が,07-00以降のデフォルト値に変更されます。
論理サーバ変更内容
J2EEサーバ[J2EEサーバの基本設定]画面の「Managementイベントの発行」の値が「しない」から「する」に変更されます。
SFOサーバ[SFOサーバの基本設定]画面の「Managementイベントの発行」の値が「しない」から「する」に変更されます。
Webサーバ[リダイレクタの設定]画面の「保守用のトレースログ」の「ファイル面数」の値が「16面」から「4面」に変更されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,設定を変更する必要があります。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
バージョンアップ後のデフォルト値とします。
影響を受けるもの
互換重視の移行で実施する作業を行わないと,J2EEサーバおよびSFOサーバでManagement イベントの発行が発行されるようになります。また,保守用のトレースログの面数が変更されます。
(b) ログファイルの出力ディレクトリ構成の変更
変更内容
07-00以降では,ログファイルの出力ディレクトリ構成が変更になり,保守用ログの出力先ディレクトリ構成が変更されました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
SFOサーバを使用している場合には,SFOサーバの保守用ログの出力モードを指定する必要があります。[コンテナの設定]画面の「拡張パラメタ」で,次の設定を追加してください。

ejb.server.log.mode=6
add.jvm.arg=-XX:HitachiJavaLogFileSize=256k

推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
互換重視の移行で実施する作業を行わないとSFO サーバの保守用ログファイルの出力ディレクトリ構成が変更されます。
(c) ディレクティブの設定情報nの更新
変更内容
08-00以降の運用管理ポータルで設定情報の配布を実行すると,HTTP Serverのhttpsd.confファイルのディレクティブの設定情報が更新されます。更新されるディレクティブの設定情報は,運用管理ポータルの[Webサーバの設定]画面で設定できます。更新されるディレクティブ名と[Webサーバの設定]画面の画面項目との対応を次の表に示します。

表10-21 更新されるディレクティブ名と[Webサーバの設定]画面の画面項目との対応(08-00以降)

httpsd.confファイルのディレクティブ名[Webサーバの設定]画面の画面項目
ThreadsPerChildWebサーバの性能についての定義サーバスレッド数
MaxClients同時接続クライアント数
StartServersサーバ起動時のサーバプロセス数
HWSKeepStartServersサーバプロセスの稼働数の維持
KeepAliveTimeoutKeepAlive接続時の要求待ち時間
DocumentRoot静的コンテンツの設定コンテンツ格納先ディレクトリ

表10-22 更新されるディレクティブ名と[Webサーバの設定]画面の画面項目との対応(08-70以降)

httpsd.confファイルのディレクティブ名[Webサーバの設定]画面の画面項目
ServerNameWebサーバの基本的な設定サーバ名
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
HTTP Serverのhttpsd.confファイルで,これらの表に示すディレクティブを定義している場合,Webサーバの設定情報を配布する必要がないときは,配布しないでください。Webサーバの設定情報を配布する必要があるときは,運用管理ポータルの[Webサーバの設定]画面で対応する画面項目に値を指定してから設定情報を配布してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
互換重視の移行で実施する作業を行わないと,08-00以降の運用管理ポータルで設定情報の配布を実行すると,HTTP Serverのhttpsd.confファイルのディレクティブの設定情報が更新されます。

(42) snapshotログ収集先対象リストファイルの再設定

変更内容
バージョンアップに伴い,snapshotログ収集先対象リストの変更が必要です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
snapshotログを収集する場合に,snapshotログ収集先対象リストファイル(snapshotlog.conf,snapshotlog.2.conf,およびsnapshotlog.param.conf)を編集して使用していたときは,新たにインストールされたsnapshotログ収集先対象リストファイルでsnapshotログの収集先を再設定する必要があります。
snapshotログ収集先対象リストファイルは,次のディレクトリに格納されています。
  • Windowsの場合
    <製品のインストールディレクトリ>¥manager¥config
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/config
snapshotログ収集先対象リストファイルの設定については,「3.3.3(3) snapshotログの収集先のカスタマイズ」を参照してください。
注意
  • 更新インストールの場合,snapshotログ収集先対象リストファイルはバージョンアップ時に上書きされ,既存のファイルはsnapshotlog.conf.bak,snapshotlog.2.conf.bak,およびsnapshotlog.param.conf.bakとして退避されます。
  • バージョンアップによってsnapshotログの収集先が変更されることがあります。snapshotログの収集対象を編集して運用している場合は,新たにインストールされたファイルに,以前に編集した項目を再編集してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,バージョンアップ前のsnapshotログ収集先対象リストファイルに対するユーザ変更が失われます。

(43) Management Serverおよび運用管理エージェントのサービス再設定

変更内容
Management Serverおよび運用管理エージェントのサービスの設定を,サービスメニューまたはmngautorunコマンドで変更している場合,更新インストール時に設定がリセットされます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
再度サービスの設定を変更してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,バージョンアップ前のサービスの設定変更が無効となります。

(44) 論理サーバごとの強制停止監視時間の設定の追加

変更内容
強制停止監視時間の設定を追加しました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
06-50以降のバージョンで,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)でadminagent.forcestop.threaddump=trueを指定している場合は,adminagent.forcestop.threaddump.timeoutの指定値より長い値,または同じ値を,「強制停止監視時間」に指定してください。「強制停止監視時間」は,論理サーバの起動と停止の設定で指定します。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,adminagent.forcestop.threaddump.timeout の値は無視され,スレッドダンプ出力が「1分」で終了しない場合も強制停止されるようになります。

(45) J2EEサーバおよびSFOサーバの起動パラメタでの単位の変更

変更内容
08-00以降の運用管理ポータルでは,J2EEサーバおよびSFOサーバの[起動パラメタの設定]画面で,「初期サイズ」および「最大サイズ」の単位がメガバイトからバイトに変更になっています。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
運用管理ポータルから値を変更する場合に,08-00より前と同じ単位(メガバイト)で指定したいときは,値のあとにmを付けて指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
旧バージョンで指定した値は自動的に変換されます。[起動パラメタの設定]画面については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.7 起動パラメタの設定(SFOサーバ)」および「10.9.20 起動パラメタの設定(J2EEサーバ)」を参照してください。
影響を受けるもの
互換重視の移行で実施する作業を行わないと,J2EEサーバおよびSFOサーバの[起動パラメタの設定]画面で,「初期サイズ」および「最大サイズ」の単位はバイトになります。

(46) Smart Composer機能で使用するコマンドのメッセージの出力先変更

変更内容
08-00からSmart Composer機能で使用するコマンドのメッセージの出力先が変更になります。バージョンごとの出力先を次の表に示します。

表10-23 バージョンごとの出力先

アプリケーションサーバのバージョンcmx_list_modelおよびcmx_list_statusコマンドの実行結果コマンドのメッセージ
Version 7標準出力標準出力または標準エラー出力
Version 8以降標準出力標準出力
なお,旧バージョンと同じ出力先にするためには,cmxclient.propertiesでcmx.output.modeキーの設定を変更する必要があります。cmxclient.propertiesについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.4 cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
旧バージョンと同じ出力先にするためには,cmxclient.properties でcmx.output.mode キーの設定を変更する必要があります。cmxclient.properties については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.4 cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(47) OutOfMemoryError発生時の運用管理エージェントの動作変更

変更内容
OutOfMemoryError発生時に保守調査用ログを保護したり,不安定な状態で運用管理エージェントが動作することを防いだりするため,08-50から運用管理エージェントの動作が変更になります。
  • 08-50より前の動作
    OutOfMemoryErrorが発生しても処理を続行する。
  • 08-50以降の動作
    OutOfMemoryErrorが発生したら強制終了する。
旧バージョンと同等の動作にするには,adminagentuser.cfgに次のオプションを追加してください。
add.jvm.arg=-XX:-HitachiOutOfMemoryAbort
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
運用管理エージェント用オプション定義ファイル(adminagentuser.cfg)でadd.jvm.arg=-XX:-HitachiOutOfMemoryAbortを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(OutOfMemoryError発生時に強制終了)を使用してください。
影響を受けるもの
旧バージョンと同等の動作にする作業を行わないと,OutOfMemoryErrorが発生したら運用管理エージェントが強制終了されます。

(48) 負荷分散機のCookieスイッチング機能のモード変更

変更内容
08-53から,負荷分散機のCookieスイッチング機能で使用しているスイッチングモードが,ハッシュモードからインサートモードへ変更されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
08-53より前に,Smart Composer機能でBIG-IP v9のCookieスイッチング機能を使用してシステムを構築している場合は,cmx_delete_systemコマンドを実行してシステムを削除してから,再度,cmx_build_systemコマンドを実行してシステムを構築してください。
また,08-53以降では,簡易構築定義ファイルの<server-id-rule>タグが非推奨となります。<server-id-rule>タグに値を設定しても無視されます。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,HTTPリクエストが特定のWebサーバに割り振られなくなる場合があります。

(49) 運用管理ポータルで操作対象とするリソースアダプタの変更

変更内容
08-70から,運用管理ポータルで操作対象とするリソースアダプタが,デプロイしたリソースアダプタに変更されます。運用管理ポータルでリソースアダプタを削除しても,そのデプロイ元のリソースは削除されません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
更新インストールした環境ではデプロイ元のリソースが残ります。この場合,サーバ管理コマンド(cjdeleteresコマンド)でデプロイ元のリソースを削除してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,デプロイ前リソースと同名のリソースアダプタのデプロイができません。

(50) Smart Composer機能でcmx_build_system(-sオプション指定)コマンド実行時の設定情報の配布に関する動作変更

変更内容
09-00以降,Smart Composer機能で-sオプションを指定してcmx_build_systemコマンドを実行した場合,各ホストのサーバに設定情報が配布されているかどうかに関係なく,常に設定情報を配布するように動作が変更になります。
  • 09-00より前の動作
    各ホストのサーバに設定情報が配布されていない論理サーバの設定情報を配布する。
  • 09-00以降の動作
    各ホストのサーバに設定情報が配布されているかどうかに関係なく,常に論理サーバの設定情報を配布する。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
旧バージョンと同等の動作にするには,-sオプションを指定してcmx_build_systemコマンドを実行する際には,-sdオプションを指定して実行してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと各ホストのサーバに設定情報が配布されているかどうかに関係なく,常に論理サーバの設定情報が配布されるようになります。

(51) 運用管理エージェントおよびManagement Serverの自動起動の設定方法変更(UNIXの場合)

変更内容
UNIXの場合,09-00以降では,運用管理エージェントおよびManagement Serverの自動起動の設定方法が変更になります。
09-00より前に運用管理エージェントまたはManagement Serverで自動起動を設定している場合に,09-00以降の設定方法を使用するときは,次の手順で自動起動の設定方法を変更してください。なお,09-00より前の設定のまま自動起動を運用しても問題はありません。09-00より前の設定のまま自動起動を運用する場合は,09-00以降の自動起動の設定は有効にしないでください。
  • 運用管理エージェントの自動起動の設定変更手順
  1. 09-00より前の自動起動の設定を解除します。
    OSごとに説明します。
     
    AIXの場合
    rmitabコマンドを使用して,起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start)を/etc/inittabファイルから削除します。
    (指定例)
    # rmitab adminagentctl
     
    AIX以外の場合
    rmコマンドを使用して,自動起動の設定時に作成したシンボリックリンクを削除します。
    (指定例)
    # rm /sbin/rc2.d/S800AdminAgent
  2. mngautorunコマンドを使用して,運用管理エージェントの自動起動を設定します。
    (指定例)
    mngautorun once agent
  • Management Serverの自動起動の設定変更手順
  1. 09-00より前の自動起動の設定を解除します。
    OSごとに説明します。
     
    AIXの場合
    rmitabコマンドを使用して,起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start)を,/etc/inittabファイルから削除します。
    (指定例)
    # rmitab mngsvrctl
    AIX以外の場合
    rmコマンドを使用して,自動起動の設定時に作成したシンボリックリンクを削除します。
    (指定例)
    # rm sbin/rc2.d/S900MngSvr
  2. mngautorunコマンドを使用して,Management Serverの自動起動を設定します。
    (指定例)
    mngautorun once server
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
mngautorunコマンドを使用して自動起動設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
mngautorunコマンドによる運用管理エージェントおよびManagement Server の自動起動を有効した場合,09-00より前の自動起動の設定とmngautorunコマンドによる設定が有効となってしまうため,マシン起動時にどちらかの自動起動処理がエラーとなります。

(52) Management Serverのプロセス構成の変更

変更内容
09-00からManagement Serverのプロセス構成が変更になります。
  • 09-00より前のプロセス構成
    mngsvrctlプロセスおよびcjstartwebプロセス
  • 09-00以降のプロセス構成
    cjstartsvプロセス
Management Serverのプロセスや,Management Serverの起動時に出力されるメッセージを監視する運用をしている場合は,監視対象を変更する必要があります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
  • スクリプトファイルなどでmngsvrctlプロセスを監視している場合は,cjstartsvプロセスを監視するように変更してください。
  • Management Serverの起動失敗時にコンソールに出力されていたKEOS10112-Eメッセージが出力されないことがあります。mngsvrctlコマンドの戻り値が0以外の場合は,「<Managerのログ出力ディレクトリ>¥cjmessage[n].log」,または「<Managerのログ出力ディレクトリ>/cjmessage[n].log」を参照してエラーの内容を確認してください。
    また,Management Serverの起動成功時にコンソールに出力されていたKEOS10110-Iメッセージが出力されません。Management Serverが起動されたかどうかは,次のどちらかの方法で確認してください。
  1. KEOS10019-Iメッセージが,次に示すManagement Serverのログに出力されているかどうかを確認する。
    Windowsの場合:<Managerのログ出力ディレクトリ>¥mngsvr[n].logまたは<Managerのログ出力ディレクトリ>¥message¥mngmessage[n].log
    UNIXの場合:<Managerのログ出力ディレクトリ>/mngsvr[n].logまたは<Managerのログ出力ディレクトリ>/message/mngmessage[n].log
  2. mngsvrutilコマンドのサブコマンドcheckを使用して,Management Serverが稼働しているかどうかを確認する。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
監視システムなどでManagement Serverの稼働監視を行っている場合,不当に異常を検知したり,異常を検知できなかったりする場合があります。

(53) cmx_list_statusコマンドによるサービスユニットの稼働状況のステータス変更

変更内容
09-00から,Smart Composer機能でcmx_list_statusコマンド実行時に取得されるサービスユニットの稼働状況のステータスが,「unknown」から「no working」と「no ready」に変更となります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
監視システムなどで「unknown」を参照している場合は,「no working」または「no ready」のどちらかを参照するように変更してください。「no working」および「no ready」については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_list_status(サービスユニット状況の表示)」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
監視システムなどでサービスユニットの稼働状況を監視している場合,不当に異常を検知したり,異常を検知できなかったりする場合があります。

(54) Management Serverの機能を使用した明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルの設定方法の追加

変更内容
09-00から,明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルを,Management Serverの機能を使用して設定できます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
09-00より前に設定した明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルを使用する場合は次の作業を実施してください。
  1. 明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルのリネームなどを実施し,<Application Serverのインストールディレクトリ>/CC/server/usrconf/ejb/<実サーバ名>/auto_explicit_memory.cfgに配置します。
  2. 明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルを使用している論理J2EEサーバのusrconf.cfg内の-XX:HitachiAutoExplicitMemoryFileオプションに,<Application Serverのインストールディレクトリ>/CC/server/usrconf/ejb/<実サーバ名>/auto_explicit_memory.cfgを指定します。
  3. 運用管理ポータルにログインして,[運用管理ポータル]画面で「論理サーバの環境設定」をクリックします。
  4. 運用管理ドメインに構成定義された既存の論理J2EEサーバに対して,[サーバの設定読み込み]画面で「接続先ホストから設定を読み込みます」をチェックして[読み込み]ボタンをクリックします。
  5. 論理J2EEサーバの定義する画面で[適用]ボタンをクリックしたあと,[設定情報の配布]画面で再配布します。
 
参考
mngsvrutilコマンドでも接続先ホストからの読み込みを実行できます。mngsvrutilコマンドで実行する場合は,サブコマンド「reload」で引数に「env」を指定します。mngsvrutilコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「7.3 mngsvrutilコマンドのサブコマンドの詳細」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと明示管理ヒープ機能の自動配置設定ファイルの設定は従来どおり手動での運用となります。

(55) Management Serverの動作モード変更(サーブレットエンジンモードからJ2EEサーバモードへの変更)

変更内容
09-00から,Management Serverの動作モードが変更になります。
  • 09-00より前の動作モード
    サーブレットエンジンモード
  • 09-00以降の動作モード
    J2EEサーバモード
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
09-00より前のManagement ServerがJ2EEサーバモードで動作するためには,動作モードをサーブレットエンジンモードから移行する作業が必要になります。動作モードを移行するには,Management Serverの移行コマンドを使用します。移行方法については,「10.10 Management Serverの移行コマンドの実行」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,バージョンアップ前のManagement Server用オプション定義ファイル(mserver.cfg)への設定が引き継がれない場合があります。アプリケーション管理(V7互換)機能・統合ユーザ管理機能を使用していた場合は正常に動作しなくなります。
また,新規インストールの場合,Management Server用オプション定義ファイル(mserver.cfg)に指定できるキーがWebコンテナサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)からJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)へ変更されたことを考慮して,mserver.cfgを設定する必要があります。

(56) WebPasswordJDBCLoginModule使用時のDB接続設定の見直し

変更内容
DABrokerを使用した接続が,サポート外になりました。08-70以降,データベース製品が提供するJDBCドライバを使用してください。なお,HiRDBの場合はType4ドライバを,Oracleの場合はThinドライバを使用してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.cfgのadd.class.pathキーに,JDBCドライバの絶対パスを追加してください。また,JDBCドライバのマニュアルに従い,ua.confのcom.cosminexus.admin.auth.jdbc.driverパラメタにドライバのクラス名,com.cosminexus.admin.auth.jdbc.conn.urlパラメタに接続URLを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないとWebPasswordJDBCLoginModuleが使用できません。

(57) 動作モードの変更

変更内容
J2EEサーバの動作モードが変更されて,06-71までの「アドバンスドモード」と「スタンダードモード」は,07-00以降は「1.4モード」となります。
参考
J2EEサーバの動作モードの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「2.3.9 サーバの動作モード」を参照してください。
06-71までの動作モード07-00以降の動作モード
アドバンスドモード(1.3advanced)
スタンダードモード(1.3standard)
1.4モード(1.4)
ベーシックモード(1.3basic)ベーシックモード(1.3basic)
括弧内の文字列は,usrconf.propertiesのejbserver.server.j2ee.featureキーの値です。
07-00より前から08-00以降へ移行する場合,07-00より前でejbserver.server.j2ee.feature=1.3standard,または,ejbserver.server.j2ee.feature=1.3advancedを指定していたときは,J2EEサーバの移行コマンドが自動的にejbserver.server.j2ee.feature=1.4に変更します。
なお,ベーシックモードは互換用です。機能によっては,ベーシックモードをサポートしていません。

 

互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
次の表に従い,移行前の値を指定してください。

表10-24 動作モードに設定する値

移行前のejbserver.server.j2ee.featureの値移行後のejbserver.server.j2ee.featureの値
1.3basic1.3basic
1.3standard
1.3advanced
1.4
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(1.4モード)を使用してください。
影響を受けるもの
(65) コネクションの自動クローズのプロパティのデフォルト値
(61) コネクションアソシエーションの有効化方法
(75) Unshareable指定時のコネクションアソシエーションのプロパティ追加

(58) JavaVMのタイプ

変更内容
06-50より前では,J2EEサーバは,Java HotSpot Client VM上で動作していました。06-50以降,J2EEサーバは,Java HotSpot Server VM上で動作します。
Java HotSpot Server VMでは,Java HotSpot Client VMと比較して,J2EEアプリケーションまたはバッチアプリケーションの実行性能が向上する場合がありますが,J2EEサーバ,J2EEアプリケーション,バッチサーバ,またはバッチアプリケーションを開始するときの起動性能が劣化する場合もあります。
注意
usrconf.cfgに定義するjvm.typeキーの値をclientに変更することで,J2EEサーバの使用するJavaVMをJava HotSpot Client VMに変更できます。通常は,Java HotSpot Server VMを使用することをお勧めします。キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,Java HotSpot Server VM,およびJava HotSpot Client VMの詳細については,J2SEのドキュメントを参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(59) Management Serverとの連携

変更内容
07-00以降では,Management Serverと連携するかどうかを設定するusrconf.propertiesのejbserver.instrumentation.enabledキーのデフォルト値がfalseからtrueに変更となります。なお,ejbserver.instrumentation.enabledキーの指定がない場合,J2EEサーバの移行コマンドが自動的にejbserver.instrumentation.enabled=falseを追加します。
有効の場合,運用管理ポータルの,論理サーバの運用監視機能でJ2EEサーバの稼働情報を参照できます。また,運用管理ポータルやmngsvrutilコマンドで,J2EEサーバ上のJ2EEアプリケーションやJ2EEリソースの状態を参照できます。
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.instrumentation.enabledプロパティにfalseを指定することで,Management Serverと連携を無効に変更できます。
Management Serverとの連携については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.9.1 J2EEサーバの基本設定」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.instrumentation.enabledプロパティに移行前に指定していた値を指定してください。07-00より前の環境でデフォルト値を使用していた場合は,falseを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(Management Serverと連携する)を使用してください。
影響を受けるもの
usrconf.propertiesのejbserver.instrumentation.enabled=trueを設定してManagement Serverと連携することで,各種サーバの起動/停止,設定変更,生死監視などが実施できます。

(60) コネクションの共有機能の有効範囲

変更内容
06-50以降と06-50より前では,コネクションの共有機能の有効範囲が異なります。有効範囲がJ2EEコンポーネント内の場合は,サーブレット,JSP,Enterprise Beanなどの同一コンポーネントだけでコネクションが共有されます。有効範囲がJ2EEコンポーネントをわたる場合は,J2EEコンポーネント間でローカル呼び出しした場合,呼び出された複数のJ2EEコンポーネントにわたってコネクションが共有されます。
06-50以降,ローカルトランザクション内でのコネクションシェアリングが複数のJ2EEコンポーネントにわたって有効となります。06-50より前では,ローカルトランザクション内でのコネクションシェアリングは,J2EEコンポーネント内だけで有効で,J2EEコンポーネントをわたった場合はコネクションアソシエーションが有効でした。
また,06-50以降,グローバルトランザクション内でコネクションシェアリングが複数のJ2EEコンポーネントにわたって有効となります。06-50より前では,トランザクション内でのコネクションシェアリングはJ2EEコンポーネント内だけで有効で,J2EEコンポーネントをわたった場合はコネクションアソシエーションが有効でした。ただし,コネクションアソシエーションが有効になるのは,ejbserver.connectionpool.xatx.association=trueが指定された場合に限ります。
コネクションの共有機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.14.3 コネクションシェアリング・アソシエーション」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(61) コネクションアソシエーションの有効化方法

変更内容
06-50以降,コネクションアソシエーションを有効にするプロパティがローカルトランザクションとグローバルトランザクションで統一されたので,ユーザプロパティファイルにはejbserver.connectionpool.association.enabledキーを指定します。06-50より前では,コネクションアソシエーションはローカルトランザクションの場合は常に有効で,グローバルトランザクションの場合はejbserver.connectionpool.xatx.association.enabledキーで有効/無効の切り替えができました。
06-50より前で,ユーザプロパティファイルにejbserver.connectionpool.xatx.association.enabled=trueを指定していた場合は,J2EEサーバの移行コマンドがejbserver.connectionpool.association.enabled=trueに自動的に変換します。変換後に取得したConnector属性ファイルと旧バージョンでのプロパティの対応関係を次に示します。
旧バージョンでの条件変換後のユーザプロパティ
ejbserver.connectionpool.xatx.association.enabled=trueの指定がある場合ejbserver.connectionpool.association.enabled=true
コネクションの共有機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.14.3 コネクションシェアリング・アソシエーション」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.connectionpool.xatx.association.enabledプロパティを指定していた場合は,名前をejbserver.connectionpool.association.enabledプロパティに変更してください。
ejbserver.connectionpool.xatx.association.enabledプロパティとejbserver.connectionpool.association.enabledプロパティのデフォルト値が同じであるため,デフォルト値の場合はこの作業は不要です。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
アプリケーションがローカルトランザクションを使って一つのトランザクションで複数コネクションを参加させる実装の場合で,コネクションアソシエーション機能によってコネクション共有を行っていたとします。
移行後はコネクションアソシエーションが無効になるため,アプリケーションの実行時エラーになります。

(62) コネクションスイーパの動作オプションの設定方法

変更内容
06-50より前のJ2EEサーバのコネクションプーリングでのコネクションスイーパの監視時間,および監視間隔は,J2EEサーバ単位でusrconf.propertiesに指定していました。
06-50以降,コネクションスイーパの監視時間,および監視間隔はリソースアダプタ単位でConnector属性ファイルに設定します。
コネクションスイーパについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.15.7 コネクションスイーパ」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
監視時間と監視間隔をそれぞれJ2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.connectionpool.connection.timeoutプロパティ,およびejbserver.connectionpool.sweeper.intervalプロパティに指定していた場合は,Connector属性ファイルを使用してリソースアダプタに設定してください。06-50より前と06-50以降のデフォルト値は同じであるため,デフォルト値の場合はこの作業が不要です。
旧バージョンでのプロパティと,変換後にcjgetrarpropコマンドで取得したConnector属性ファイルの値の対応関係は次のとおりです。
旧バージョンでの条件変換後のConnector属性ファイルの値
ejbserver.connectionpool.connection.timeoutに値が指定されている場合
タグ
<hitachi-connector-property>
<runtime>
<property>
<property-name>
ConnectionTimeout
タグ
<hitachi-connector-property>
<runtime>
<property>
<property-value>
[値]
ejbserver.connectionpool.sweeper.intervalに値が指定されている場合
タグ
<hitachi-connector-property>
<runtime>
<property>
<property-name>
SweeperInterval
タグ
<hitachi-connector-property>
<runtime>
<property>
<property-value>
[値]
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(63) コネクションプールのウォーミングアップ機能の設定方法

変更内容
07-00以降では,J2EEサーバのコネクションプールのウォーミングアップを有効にするかどうかをリソースアダプタ単位に設定します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
07-00より前では,usrconf.propertiesにejbserver.connectionpool.warmupキーを指定してJ2EEサーバ単位に設定していました。07-00以降は,Connector属性ファイルの<property>タグで,Warmupを設定します。
更新インストールの場合,ejbserver.connectionpool.warmupキーからConnector属性ファイルの<property>タグへの設定変更は,J2EEサーバの移行コマンドが自動的に移行します。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
J2EEサーバの起動時間が,ウォームアップするコネクション数に応じて遅延します。

(64) コネクションの障害検知,ネットワーク障害のタイムアウトの設定方法

変更内容
07-00以降では,J2EEサーバのコネクションの障害検知のタイムアウト,およびネットワーク障害のタイムアウトをリソースアダプタ単位に設定します。
07-00より前では,usrconf.propertiesにejbserver.connectionpool.validation.timeout.enabledキー,およびejbserver.connectionpool.NetworkFailureTimeout.enabledキーを指定してJ2EEサーバ単位に設定していました。07-00以降は,Connector属性ファイルの<property>タグで,NetworkFailureTimeoutを設定します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
ejbserver.connectionpool.validation.timeout.enabledキー,およびejbserver.connectionpool.NetworkFailureTimeout.enabledキーからConnector属性ファイルの<property>タグへの設定変更は,J2EEサーバの移行コマンドが自動的に移行します。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
コネクション障害検知のタイムアウト(ネットワーク障害検知)を有効にすると,不正なコネクションによる業務アプリケーション内でのエラー発生が軽減できます。また,DBサーバの再起動によって,APサーバも再起動する運用が不要となります。
ただし,この機能を有効にすると,J2EEサーバ内部の監視用のネイティブスレッドがコネクション数×2個分増加するため,Cヒープの使用サイズの増加に注意が必要です。

(65) コネクションの自動クローズのプロパティのデフォルト値

変更内容
07-00以降,Webコンテナによるコネクションの自動クローズ機能は,デフォルトで有効となり,usrconf.propertiesに次のキーが設定されます。
ejbserver.webj2ee.connectionAutoClose.enabled=true
J2EEサーバの移行コマンドを使用して移行する場合には,旧バージョンでの設定値が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(自動クローズ機能有効)を使用してください。
影響を受けるもの
なし。

(66) リソースアダプタのログのサイズと面数

変更内容
07-00以降では,usrconf.propertiesのキーで指定していたリソースアダプタのログのサイズと面数のデフォルト値が次のように変更されます。

表10-25 リソースアダプタのログのサイズと面数のデフォルト値

07-00より前07-00以降
ejbserver.connector.logwriter.filesize=1048576​ejbserver.connector.logwriter.filesize=2097152​
ejbserver.connector.logwriter.filenum=2ejbserver.connector.logwriter.filenum=4
更新インストールの場合には,旧バージョンでの設定値が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
表10-23で示したプロパティに,07-00より前で使用していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は07-00より前のデフォルト値(1,048,576バイト,2面)を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
表10-23で示したプロパティに,07-00より前で使用していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は,デフォルト値(2,097,152バイト,4面)を使用してください。
影響を受けるもの
ファイルサイズが1,048,576バイトから2,097,152バイトに変更になります。また,面数が2面から4面へ変更となるため,ログの総容量が4倍になります。

(67) リソースアダプタのプロパティのデフォルト値

変更内容
07-00以降,リソースアダプタのプロパティを定義する,Connector属性ファイルのデフォルト値が変更されます。
  • コネクションプーリング機能
    07-00以降,コネクションプーリング機能はデフォルトで有効となり,Connector属性ファイルの<property>タグに指定する値が次のように変更されます。

    表10-26 コネクションプーリング機能の指定値の変更

    07-00より前07-00以降
    MaxPoolSize=0MaxPoolSize=10
    MinPoolSize=0MinPoolSize=10
    J2EEサーバの移行コマンドを使用して移行する場合には,旧バージョンでの設定値が有効になります。
  • コネクションの障害検知機能
    07-00以降,コネクションの障害検知機能はデフォルトで有効となり,Connector属性ファイルの<property>タグで次の値が設定されます。
    ValidationType=1
     
    J2EEサーバの移行コマンドを使用して移行する場合には,旧バージョンでの設定値が有効になります。
  • データベースへの接続試行のタイムアウト
    07-00以降,データベースへの接続試行のタイムアウトのデフォルト値が変更となり,Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定する値が次のように変更されます。

    表10-27 データベースへの接続試行のタイムアウトの指定値の変更

    07-00より前07-00以降
    loginTimeout=0(秒)loginTimeout=8(秒)
    DABroker Library用のDB Connectorのデフォルト値は変更ありません。
    J2EEサーバの移行コマンドを使用して移行する場合には,旧バージョンでの設定値が有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
上記プロパティに,07-00より前で指定していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は07-00より前のデフォルト値(コネクション最小値0,コネクション最大値0,タイムアウト0)を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
上記プロパティに,07-00より前で使用していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は,デフォルト値(コネクション最小値10,コネクション最大値10,タイムアウト8)を使用してください。
影響を受けるもの
なし。

(68) ログ出力ディレクトリの構成変更

変更内容
07-00以降では,ログファイルの出力ディレクトリ構成が変更になり,保守用ログの出力先ディレクトリ構成が変更されました。
07-00より前から08-00以降へ移行する場合は,J2EEサーバの移行コマンドが自動的にejb.server.log.mode=6を設定するため,07-00より前のログファイルの出力ディレクトリ構成で保守用ログが出力されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.cfgのejb.server.log.modeキーに6を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(公開ログファイルと保守用ログファイルの出力ディレクトリを分離)を使用してください。
影響を受けるもの
ejb.server.log.mode=6の設定を変更した場合は,ログの出力先が変更になります。ログの監視や自動収集などを行っている場合は,設定の見直しをしてください。

(69) 1.4モードのデータソース廃止

変更内容
06-50以降,1.4モード(06-71までのスタンダードモード,アドバンスドモード)のJ2EEサーバのデータソースが廃止になり,DB Connectorだけが利用できるようになりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバの移行コマンドがデータソースをDB Connectorへ変換します。その後,Connector属性ファイルを使用して設定値の変更を実施してください。
Connector属性ファイルと旧バージョンでコマンドを使用して取得したデータソース属性ファイルの対応関係を表に示します。表10-28から表10-30は,変換後にcjgetrarpropコマンドで取得したConnector属性ファイルの値を示します。表10-28から表10-30の「値」の列の括弧付きの数字は,表10-31または表10-32の括弧付きの数字に指定されていた値が設定されることを意味します。「デフォルト」はデフォルト値が設定されることを意味します。

表10-28 変換後にcjgetrarpropコマンドを使用して取得したConnector属性ファイル

タグ名
<hitachi-connector-property>
 <description>表10-31の(1)
 <display-name>表10-31の(2)
 <icon>
  <small-icon>デフォルト
  <large-icon>デフォルト
 <vender-name>デフォルト
 <spec-version>デフォルト
 <eis-type>デフォルト
 <version>デフォルト
 <license>
  <license-required>デフォルト
 <resourceadapter>
  <managedconnectionfactory-class>デフォルト
  <connectionfactory-interface>デフォルト
  <connectionfactory-impl-class>デフォルト
  <connection-interface>デフォルト
  <connection-impl-class>デフォルト
  <transaction-support>デフォルト
  <config-property>
   <description>デフォルト
   <config-property-name>指定されるプロパティについては表10-29参照
   <config-property-type>デフォルト
   <config-property-value>指定される値については表10-29参照
  <reauthentication-support>
  <security-permission>
   <description>デフォルト
   <security-permission-spec>デフォルト
 <runtime>
  <property>
   <property-name>指定されるプロパティについては表10-30参照
   <property-type>デフォルト
   <property-value>指定される値については表10-30参照
   <property-default-value>デフォルト

(凡例)-:該当しない


表10-29 Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定されるプロパティと値

<config-property-name>タグに指定されるプロパティ<config-property-value>タグに指定される値
loginTimeout表10-32の(12)
networkProtocol表10-32の(13)
serverName表10-32の(14)
portNumber表10-32の(15)
databaseName表10-32の(16)
description表10-32の(17)
DBHostName表10-32の(18)
DBEnv表10-32の(19)
encodLang表10-32の(20)
JDBC_IF_TRC表10-32の(21)
SV_EVENT_TRC表10-32の(22)
TRC_NO表10-32の(23)
uapName表10-32の(24)
bufSize表10-32の(25)
rowSize表10-32の(26)
OSAuthorize表10-32の(27)
HiRDBCursorMode表10-32の(28)
blockUpdate表10-32の(29)
executeDirectMode表10-32の(30)
SQLWarningIgnore表10-32の(31)
LONGVARBINARY_Access表10-32の(32)
XAOpenString表10-32の(33)
XACloseString表10-32の(34)
RMID表10-32の(35)
XAThreadMode表10-32の(36)
XALocalCommitMode表10-32の(37)
PreparedStatementPoolSize0
CallableStatementPoolSize0
CancelStatementfalse
logLevelデフォルト

表10-30 Connector属性ファイルの<property>タグに指定されるプロパティと値

<property-name>タグに指定されるプロパティ<property-value>タグに指定される値
MinPoolSize表10-31の(3)
MaxPoolSize表10-31の(4)
LogEnabledデフォルト
User表10-32の(38)
Password表10-32の(39)
ValidationTypeデフォルト
ValidationIntervalデフォルト
RetryCount表10-31の(10)
RetryInterval表10-31の(11)
ConnectionTimeoutejbserver.connectionpool.connection.timeoutに値が指定されている場合はその値。指定されていない場合はデフォルト。
SweeperIntervalejbserver.connectionpool.sweeper.intervalに値が指定されている場合はその値。指定されていない場合はデフォルト。
RequestQueueEnablefalse
RequestQueueTimeoutデフォルト
WatchEnabledデフォルト
WatchIntervalデフォルト
WatchThresholdデフォルト
WatchWriteFileEnabledデフォルト

表10-31 旧バージョンでcjgetrespropコマンドによって取得したデータソース属性ファイル

タグ名項目番号
<hitachi-datasource-property>
 <description>(1)
 <display-name>(2)
 <property>
  <name>指定されるプロパティについては表10-32参照
  <XADataSource>指定される値については表10-32参照
 <PoolConfiguration>
  <MinimumSize>(3)
  <MaximumSize>(4)
  <Threshold>(5)
  <GrowthIncrement>(6)
  <WaitTimeout>(7)
  <ConnectionTimeout>(8)
  <SweeperInterval>(9)
  <RetryCount>(10)
  <RetryInterval>(11)

(凡例)-:該当しない


表10-32 データソース属性ファイルの<property>タグに指定されるプロパティ

<name>タグに指定されるプロパティ<XADataSource>タグに指定される値
LoginTimeout(12)
NetworkProtocol(13)
ServerName(14)
PortNumber(15)
DatabaseName(16)
Description(17)
DBHostName(18)
DBEnv(19)
EncodLang(20)
JDBC_IF_TRC(21)
SV_EVENT_TRC(22)
TRC_NO(23)
UapName(24)
BufSize(25)
RowSize(26)
OSAuthorize(27)
HiRDBCursorMode(28)
BlockUpdate(29)
ExecuteDirectMode(30)
SQLWarningIgnore(31)
LONGVARBINARY_Access(32)
XAOpenString(33)
XACloseString(34)
RMID(35)
XAThreadMode(36)
XALocalCommitMode(37)
User(38)
Password(39)

なお,移行コマンドでデータソースからDB Connectorへ変換するときに,すでに同一表示名称(display-name)のDB Connector,またはリソースアダプタが存在した場合には,表示名称の最後に連番を付与し,表示名称を一意にします。DB Connectorによる接続については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.6.1 DB Connectorによる接続の概要」を参照してください。

推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
データソースとDB Connectorには機能差があります。マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「2.4.3 データソースによるデータベースへの接続で使用できる機能」を参照してください。ejb.server.log.mode=6の設定を変更した場合は,ログの出力先が変更になります。

(70) Reliable Messaging連携用のリソースアダプタのプロパティへの,CancelStatementプロパティの追加

変更内容
07-50以降では,Reliable Messaging連携用のリソースアダプタ(DB Connector for Reliable Messaging)で,ステートメントキャンセル機能がデフォルトで有効になります。次に示すRARファイルのConnector属性ファイルの<config-property>タグに,「CancelStatement=true」が追加されます。
  • DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM.rar
  • DBConnector_HiRDB_Type4_XA_Cosminexus_RM.rar
  • DBConnector_DABJ_CP_Cosminexus_RM.rar
  • DBConnector_DABJ_XA_Cosminexus_RM.rar
  • DBConnector_Oracle_CP_Cosminexus_RM.rar
  • DBConnector_Oracle_XA_Cosminexus_RM.rar
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
07-10以前から移行する場合は,「CancelStatement=false」が設定されます。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
手動で「CancelStatement=true」を設定してください。
影響を受けるもの
なし。

(71) 明示管理ヒープ機能によるメモリ使用量の増加とオブジェクトの最大年齢の制限

変更内容
08-00以降では,明示管理ヒープ機能がデフォルトで有効となります。明示管理ヒープ機能で使用するExplicitヒープの分,システム全体のメモリ使用量が増加します。Explicitヒープのメモリサイズを見積もって,チューニングを実施してください。
なお,07-60以前から08-00以降へ移行するサーバの場合,明示管理ヒープ機能は無効(add.jvm.arg=-XX:-HitachiUseExplicitMemory)となります。
また,明示管理ヒープ機能では,オブジェクトをExplicitメモリブロックにCopyGCのタイミングで移動する処理の中で,オブジェクトの最大年齢(-XX:MaxTenuringThreshold)の値を特殊な値として扱います。これに伴い,通常の年齢管理に利用できる値が1減り,オブジェクトが昇格するタイミングが早まるおそれがあります。
なお,この制限は,明示管理ヒープ機能を無効(add.jvm.arg=-XX:-HitachiUseExplicitMemory)にした場合にも該当します。
各バージョンのオブジェクトの最大年齢(-XX:MaxTenuringThreshold)を次の表に示します。

表10-33 各バージョンのオブジェクトの最大年齢(-XX:MaxTenuringThreshold)

OS06-71まで07-00~07-2007-50~07-6008-00~08-5008-53以降
Windows3131151414
Linux(x86)3131313014
Linux(AMD64 & Intel EM64T)3115151414
Linux(IPF)3115151414
HP-UX(IPF)3131313030
AIX3131313030
Solaris3131313030
明示管理ヒープ機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「8. 明示管理ヒープ機能を使用したFullGCの抑止」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.cfgのadd.jvm.argキーに-XX:-HitachiUseExplicitMemoryを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(明示管理ヒープ機能を有効)を使用してください。
影響を受けるもの
このパラメタは既存の業務アプリケーションの動作,およびユーザーの運用には影響ありません。しかし,Javaヒープ内のメモリの使われ方の違いによって性能に影響することがあります。

(72) -XX:SurvivorRatioのデフォルト値の変更

変更内容
08-00以降では,すべてのプラットフォームに共通して,JavaVM起動オプションの「-XX:SurvivorRatio=<value>」の<value>のデフォルト値が8になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.cfgのadd.jvm.argキーに,移行前の値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は,移行後もデフォルト値で使用してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
このパラメタは既存の業務アプリケーションの動作,およびユ-ザ運用には影響ありません。Javaヒ-プのチュ-ニングの違いによって性能に影響することがあります。

(73) SOAPアプリケーション開発支援機能/SOAP通信基盤のクラスパス

変更内容
08-00以降では,SOAPエンジンには,従来のSOAP通信基盤のほか,JAX-WSエンジンが存在します。J2EEサーバ内で動作させることができるSOAPエンジンはどちらか一つです。このため,SOAPアプリケーション開発支援機能/SOAP通信基盤を使用する場合は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に「add.class.path=<製品のインストールディレクトリ>¥c4web¥lib¥hitsaaj.jar」の設定が必要になります。
なお,08-00よりも前のバージョンから更新インストール(バージョンアップ)する場合は,J2EEサーバの移行コマンドが自動的に設定します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に「add.class.path=<製品のインストールディレクトリ>¥c4web¥lib¥hitsaaj.jar」を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
JAX-WS機能を利用するWebサービスに移行する場合は,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「付録A 旧バージョンからの移行」を参照してください。
影響を受けるもの
なし。

(74) リロード機能適用範囲を指定するプロパティ値の変更

変更内容
07-10以降,J2EEアプリケーションのリロード機能適用範囲を設定する,usrconf.propertiesのejbserver.deploy.context.reload_scopeキーのデフォルト値が変更になります。07-00では,デフォルト値は「none」でしたが,07-10以降は「app」に変更になります。これによって,設定値を変更することなく,EJBアプリケーション,サーブレット,およびJSPでリロード機能を使用できます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
移行コマンドを使用して07-00以前から移行する場合は,既定値が有効になります。値を設定していない場合,「none」を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(75) Unshareable指定時のコネクションアソシエーションのプロパティ追加

変更内容
06-50より前では,EJBまたはサーブレット/JSPのDDの<res-sharing-scope>タグにUnshareableが指定されていても,J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.connectionpool.association.enabledプロパティにtrueが設定されていれば,コネクションアソシエーションを行いました。
06-50以降,ejbserver.connectionpool.association.enabled=trueが設定されたとしても,EJBまたはサーブレット/JSPのDDの<res-sharing-scope>タグにUnshareableが指定された場合,コネクションアソシエーションは行われません。06-50より前では,同条件でコネクションアソシエーションは行われていました。追加になったプロパティを次に示します。なお,ここでは,表記の都合上,キー名の途中で改行しています。
システムプロパティのキー名称デフォルト値
(旧バージョンと同等の値)
手順
ejbserver.connectionpool.association.
enabledDespiteUnshareableSetting
false(true)旧バージョンと同等の動作をさせるためには,明示的にプロパティを指定する必要があります。
プロパティの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
06-50より前のベーシックモードからの移行の場合,この項目での作業はありません。
06-50より前のスタンダードモード/アドバンスドモードからの移行の場合,J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.connectionpool.association.enabledDespiteUnshareableSettingプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(Unshareable指定時のコネクションアソシエーション無効)を使用してください。
影響を受けるもの
アプリケーションがローカルトランザクションを使って一つのトランザクションで複数コネクションを参加させる実装の場合で,コネクションアソシエーション機能でコネクション共有を行っていたとします。この場合,移行後はコネクションアソシエーションが無効になるため,アプリケーションの実行時エラーになります。

(76) デフォルトエラーページのスタックトレース表示

変更内容
Servlet/JSPの実行中にcatchされない例外が発生し,Webアプリケーションがそのエラーをカスタマイズしない場合,デフォルトのエラーページが生成されクライアントに送信されます。このとき,06-51よりも前のバージョンではデフォルトのエラーページにスタックトレースを出力します。06-70以降では,スタックトレースを出力するかどうかをusrconf.propertiesで設定できます(デフォルトでは出力されません)。
悪意ある利用者にスタックトレースの情報を基にWebアプリケーションの構造を推測され,攻撃されるおそれがあるため,極力出力しないようにしてください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.errorpage.stack_trace.enabledプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(スタックトレースを出力しない)を使用してください。
影響を受けるもの
特に設定をしない場合にスタックトレースが表示されなくなります。そのほかに影響はありません。

(77) リダイレクタへのデータ送信処理のタイムアウト追加

変更内容
07-00以降では,Webコンテナからリダイレクタへのデータ送信処理でタイムアウト機能が追加されました。usrconf.propertiesで次のキーが追加されています。
  • webserver.connector.ajp13.send_timeout
デフォルト値は600(秒)です。旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.send_timeoutプロパティに0を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.send_timeoutプロパティに適切なタイムアウト時間を指定してください。
影響を受けるもの
なし。

(78) セッションIDへのサーバIDの付加

変更内容
06-51以前では,javax.servlet.http.HttpSessionのセッションIDへサーバIDを付加する機能がデフォルトで無効でしたが,06-70以降ではデフォルトで有効になります。この機能によって,webserver.session.server_id.valueキーで指定したサーバIDがセッションIDに付加されます。セッションIDはCookie(名前はJSESSIONID。Servlet 3.0以降はweb.xmlで名前を変更できます。)やURL書き換えによるセッション情報の管理に使用されます。
ただし,サーバIDはデフォルトではWebコンテナを実行するホストのIPアドレスとWebサーバとの通信に使用するポート番号(インプロセスHTTPサーバを使用する場合はインプロセスHTTPサーバが使用するポート番号)から生成されます。
セッションIDはクライアントに送信されるため,IPアドレスなどサーバ環境の情報を含まない値をサーバIDとして明示的に指定することをお勧めします。また,サーバIDがセッションIDに付加されることでセッションIDの文字列長は,06-51以前で,かつこの機能を使用していない場合に比べサーバIDの長さ分増加します。
06-51以前から08-00以降への移行で,セッションIDの長さの増加によって問題が発生する場合,次の対処を行ってください。
  • システムが負荷分散機によって複数のWebコンテナで冗長構成となっていない場合
    次の設定をusrconf.propertiesに追加して,この機能を無効にしてください。
    webserver.session.server_id.enabled=false
  • システムが負荷分散機によって複数のWebコンテナで冗長構成となっている場合
    この機能を無効にしないで,セッションIDの文字列長が増加することで発生する問題に対策してください。この機能を無効にした場合の動作は保証できません。
セッションIDおよびCookieへのサーバIDの付加については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「2.7.6 セッションIDおよびCookieへのサーバIDの付加」を参照してください。usrconf.propertiesについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのwebserver.session.server_id.enabledプロパティにfalseを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
webserver.session.server_id.enabledプロパティはデフォルト値(セッションIDへサーバIDを付加)を使用し,webserver.session.server_id.valueプロパティに適切なサーバIDを指定してください。
セッションIDの長さの増加によって問題が発生する場合,次の対処を行ってください。
  • 負荷分散機による冗長構成としていない場合
    webserver.session.server_id.enabledプロパティにfalseを指定してください。
  • 負荷分散機による冗長構成としている場合
    セッションIDの文字列長増加に対応できるよう,システムを変更してください。
影響を受けるもの
なし。

(79) RMIレジストリが使用するポート番号の追加

変更内容
07-00以降では,RMIレジストリを使用します。RMIレジストリが使用するポート番号は,usrconf.propertiesの次のキーで指定します。
  • ejbserver.rmi.naming.port
なお,デフォルト値は23152です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
別の機能でポート番号23152を使用している場合は,ejbserver.rmi.naming.portに別の値を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
既存の業務アプリケ-ションの動作に影響はありません。ポートの重複に注意すれば,システム運用上の影響はありません。

(80) ejbserver.ctm.enabledの指定を省略した場合

変更内容
09-00以降では,ejbserver.ctm.enabledの省略値がtrueからfalseに変更されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
このプロパティの指定を省略した状態でバージョンアップインストールした場合,元のバージョンによって対処方法が異なります。
07-50以降の場合
cjenvupdateコマンドで設定を引き継ぎます。
07-50より前のバージョンの場合
バージョンアップ前のエディションによって次の値を手動で簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に設定する必要があります。
  • Enterpriseエディションの場合(CTMを使用する場合):true
  • その他のエディションの場合:false
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。

(81) 証明書のインポート

変更内容
07-00(JDK5)では,VeriSign社の証明書だけを同梱していました。
08-50以降では,cacerts証明書ファイルを同梱していません。証明書が必要な場合は,個別に入手してインポートする必要があります。
インポート手順の詳細は,次に示すJava SEのドキュメントを参照してください。
Windowsの場合
http://docs.oracle.com/javase/jp/6/technotes/tools/windows/keytool.html
UNIX(Linux,HP-UX/IPF,AIX)の場合
http://docs.oracle.com/javase/jp/6/technotes/tools/solaris/keytool.html
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
必要な証明書を入手してインポートしてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
(1) Java SEのバージョン

(82) ログ出力チャネルの追加

変更内容
各バージョンで,ログの出力先の識別子として使用されるチャネルが追加されました。追加されたログチャネル名を次の表に示します。

表10-34 追加されたログチャネル名

V9で追加されたログチャネルV6V7V8V9
EJBContainerLogFile(保守用ログ)
UserOutLogFile(ユーザ出力ログ)
UserErrLogFile(ユーザエラーログ)
WebAccessLogFile(保守用ログ)
JPAOperationLogFile(CJPAプロバイダの稼働ログ)
JPAMaintenanceLogFile(CJPAプロバイダの保守用ログ)
DevelopmentLogFile(JSF,Bean Validation,CDI機能の開発調査用ログ)
(凡例)
○:追加されたバージョン,または使用されるバージョンを示します。
-:サポートしていないバージョンを示します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
追加されたログのサイズや面数を見積ってください。
また,Webコンテナサーバからの移行の場合,usrconf.propertiesで使用されているチャネル名をJ2EEサーバのものに変更してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(83) ログファイルの面数およびサイズのデフォルト値

変更内容
07-00以降,ログファイルの面数およびサイズのデフォルト値が異なるものがあります。
MaintenanceLogFileは,06-70以前では面数2,サイズ1,048,576でしたが,07-00以降では面数4,サイズ16,777,216です。
WebServletLogFileは,06-70以前では面数2,サイズ1,048,576でしたが,07-00以降では面数4,サイズ4,194,304です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
07-00以降のデフォルト値を使用してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合と同じです。
影響を受けるもの
07-00以降では,ログの出力量も変わっていますので,改めてログの面数,サイズを見直すことをお薦めします。

(84) TPBroker通信トレースファイルの上限エントリ数のデフォルト値

変更内容
07-00以降では,TPBroker通信トレースファイル1個当たりのエントリ数の上限値のデフォルト値が120000に変更されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのvbroker.orb.htc.comt.entryCountプロパティに,移行前に指定していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は,60000を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのvbroker.orb.htc.comt.entryCountプロパティに,移行前に指定していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は,120000を指定してください。
影響を受けるもの
vbroker.orb.htc.comt.entryCountプロパティの指定値が大きくなるとJ2EEサーバのメモリ所要量やTPBroker通信トレースファイルのサイズが大きくなります。
TPBroker通信トレースの上限エントリ数に従ったメモリ所要量やトレースファイルの容量の見積もり方法については,マニュアル「TPBroker 運用ガイド」を参照してください。

(85) システム例外発生時にクライアントトランザクションをロールバックする機能

変更内容
06-50以降,システム例外が発生した場合に,呼び出したクライアントトランザクションをロールバックする機能がデフォルトで有効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.distributedtx.rollbackClientTxOnSystemExceptionプロパティに,移行前に指定していた値を指定してください。デフォルト値を使用していた場合は,falseを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(86) リソース枯渇監視機能のサポート

変更内容
06-50以降では,リソース枯渇監視機能がサポートされました。リソース枯渇監視機能を有効にすると,監視対象リソースの情報が一定間隔でファイルに出力されます。また,リソースの利用率や利用数がしきい値を超えた時の動作を登録しておくこともできます。デフォルトは有効です。
リソース枯渇監視機能を無効にしたい場合は,J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.watch.enabledプロパティにfalseを設定してください。
リソース枯渇監視機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「4. リソースの枯渇監視」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.watch.enabledプロパティにfalseを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(有効にする)を使用してください。
影響を受けるもの
なし。

(87) DBConnector_SQLServer_CP.rarの非サポート

変更内容
09-00以降では08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」が非サポートになります。
「DBConnector_SQLServer2005_CP.rar」は08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」と互換性がないため,cjrarupdateコマンドによる自動での移行処理はできません。このため,手動で08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」の削除,「DBConnector_SQLServer2005_CP.rar」のインポートおよびプロパティ設定を実施する必要があります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」の削除,「DBConnector_SQLServer2005_CP.rar」のインポートおよびプロパティ設定を実施してください。
注※ 08-70以前と09-50以降の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」では一部設定できるプロパティが異なります。09-50以降で設定できるプロパティについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4. リソースの設定で使用する属性ファイル」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(88) DBConnector_SQLServer2005_CP.rarの名称変更

変更内容
09-00以前の「DBConnector_SQLServer2005_CP.rar」は,09-50以降では「DBConnector_SQLServer_CP.rar」に名称が変更になります。09-50以降の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」は08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」と互換性がないため,cjrarupdateコマンドによる自動での移行処理はできません。このため,手動で08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」の削除,09-50以降の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」のインポートおよびプロパティ設定を実施する必要があります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
08-70以前の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」の削除,09-50以降の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」のインポートおよびプロパティ設定を実施してください。
注※ 08-70以前と09-50以降の「DBConnector_SQLServer_CP.rar」では一部設定できるプロパティが異なります。09-50以降で設定できるプロパティについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4. リソースの設定で使用する属性ファイル」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(89) Naming Manager機能の削除

変更内容
07-00以降では,07-00より前まで提供していたNaming Manager機能(別名付与とクラスタ化)は使用できません。システムに応じて次に示す設定をしてください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
  • 別名付与
    EJBホームオブジェクトリファレンスに別名を付ける場合は,ネーミング管理機能のユーザ指定名前空間機能を使用してください。ユーザ指定名前空間機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2.3 JNDI名前空間へのオブジェクトのバインドとルックアップ」を参照してください。
  • クラスタ化
    複数のEJBホームオブジェクトリファレンスの中からラウンドロビンのポリシーで選択されたものを検索する場合は,ネーミング管理機能のラウンドロビンポリシーによるCORBAネーミングサービスの検索機能を使用してください。
    ラウンドロビンポリシーによるCORBAネーミングサービスの検索については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2.7 ラウンドロビンポリシーによるCORBAネーミングサービスの検索」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。

(90) サーバ管理コマンドの同時実行制御

06-50以降では,排他制御によるサーバ管理コマンドの同時実行制御は,J2EEサーバごとに行います。また,サーバ管理コマンドを,処理内容に応じて「更新」,「参照」,「特権」と三つの系統に分別し,系統ごとに排他制御します。06-50より前では,排他制御によるサーバ管理コマンドの同時実行制御は,CORBAネーミングサービスごとに行っていました。

(a) サーバ管理コマンドの同時実行の制約
変更内容
06-50より前では,サーバ管理コマンドは,CORBAネーミングサービスごとに同時に一つしか実行できなかったため,同じJ2EEサーバに対してサーバ管理コマンドを同時に実行すると一方のサーバ管理コマンドはエラー終了していました。また,複数のJ2EEサーバを同じCORBAネーミングサービスで管理し,異なるJ2EEサーバに対してサーバ管理コマンドを同時に実行する場合でも,一方のサーバ管理コマンドはエラー終了していました。06-50以降では,同じJ2EEサーバ上で系統が異なるサーバ管理コマンドを同時に実行できます。
同系統のサーバ管理コマンドを同時に実行した場合,あとに実行したサーバ管理コマンドは,最初に実行したサーバ管理コマンドの終了を待ちます。また,同じCORBAネーミングサービスが複数のJ2EEサーバを管理する場合,異なるJ2EEサーバに対してサーバ管理コマンドを同時に実行できます。コマンドの分類については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「1.1 コマンドの種類」を参照してください。また,サーバ管理コマンドの実行と排他制御については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「3.2 サーバ管理コマンドの排他制御」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
サーバ管理コマンドを同時実行できるようになるため,ユーザ作成のバッチファイルおよびシェルファイルに影響があることがあります。
(b) 時間監視によるロック強制解除
変更内容
06-50より前では,サーバ管理コマンドがエラーなどによって不正終了し,排他制御のロックが解除されないで不正な状態になった場合,cjresetsvコマンドを実行してロックを強制解除する必要があります。06-50以降では,J2EEサーバとサーバ管理コマンド間の通信間隔の時間を監視し,排他制御のためのロックを強制解除します(J2EEサーバとサーバ管理コマンドは複数回通信します)。これによって,サーバ管理コマンドが処理の途中に不正終了した場合でも,時間監視によってロックが強制解除されます。ただし,時間監視によってロックが強制解除されたあと,サーバ管理コマンドがJ2EEサーバと通信した場合,コマンドはエラー終了します。このような場合には,時間監視によるロック強制解除のタイムアウト値を変更したあとに,サーバ管理コマンドを再実行してください。usrconf.propertiesのejbserver.deploy.exclusive.lockAliveIntervalキーに値を指定することで,タイムアウト値を変更できます。キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(60)で使用してください。サーバ管理コマンド実行中にも関らずロックが強制解除されることがある場合は,J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.deploy.exclusive.lockAliveIntervalプロパティの値を増やしてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。
(c) 排他制御のロック強制解除コマンド
変更内容
06-50より前では,cjresetsvコマンドのオプションにCORBAネーミングサービスを指定し,排他制御のロックを強制解除していました。06-50以降では,cjresetsvコマンドのオプションにJ2EEサーバを指定し,排他制御のロックを強制解除します。コマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjresetsv(サーバ管理コマンドの排他強制解除)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
cjresetsvコマンド実行時のオプションに,J2EEサーバ名を追加してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。

(91) J2EEサーバとの通信の時間監視

変更内容
06-50以降では,サーバ管理コマンドとJ2EEサーバ間の通信は時間監視され,デフォルトのタイムアウト値は,180(秒)です。06-50より前では,時間監視されません。
注意
06-50より前と同様にJ2EEサーバとの通信を時間監視しない場合には,サーバ管理コマンドのusrconf.propertiesのejbserver.rmi.request.timeoutキーに0を設定します。適切な値を設定して,時間監視機能を使用することをお勧めします。キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
サーバ管理コマンド用usrconf.propertiesのejbserver.rmi.request.timeoutプロパティに0を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(180)で使用してください。J2EEサーバで正常に処理が行われているにも関わらずタイムアウトが発生する場合は,サーバ管理コマンド用usrconf.propertiesのejbserver.rmi.request.timeoutプロパティの値を増やしてください。
影響を受けるもの
なし。

(92) ログファイルの出力方法の変更

変更内容
07-00以降,サーバ管理コマンドのログファイルの出力方法が変更されます。07-00より前までは,コマンドのプロセスごとにログファイルを生成してログを出力しましたが,07-00以降では,コマンドの複数プロセスで共通のログファイルにログを出力します。
07-00より前から08-00以降へ移行する場合,J2EEサーバの移行コマンドが自動的にejbserver.cui.logfile.compatible=trueを設定するため,07-00より前のログファイルの出力方法でログが出力されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
サーバ管理コマンド用usrconf.propertiesのejbserver.cui.logfile.compatibleプロパティにtrueを設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(false)を使用してください。
影響を受けるもの
なし。

(93) 属性ファイルの<icon>タグの変更

変更内容
07-00以降,次の属性ファイルで,JavaEE5対応に伴い<icon>タグの下位に<small-icon>タグと<large-icon>タグが出力されるようになりました。
  • アプリケーション属性ファイル
  • EJB-JAR属性ファイル
  • Session Bean属性ファイル
  • Entity Bean属性ファイル
  • WAR属性ファイル
  • サーブレット属性ファイル
  • Message-driven Bean 属性ファイル
  • フィルタ属性ファイル
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(94) サーバマネジャ,ユーザマネジャの削除

変更内容
07-00より前までJ2EEアプリケーションやリソースの設定で使用されていたサーバマネジャ(cjadminsvコマンド)とユーザマネジャ(cjadminusrコマンド)は,07-00以降は使用できません。
J2EEアプリケーションやリソースを設定する場合には,サーバ管理コマンドを使用してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
業務アプリケーションやリソースを設定する場合には,サーバ管理コマンド,属性ファイルを使用してください。サーバ管理コマンドの詳細については,次のマニュアルを参照してください。
  • マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」
  • マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.3 J2EEアプリケーションで使用するコマンド」,「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」,および「2.5 J2EEサーバで使用するそのほかのコマンド」を参照してください。
サーバ管理コマンドだけ使用していた場合,この項目での作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。

(95) 属性ファイルのxml:lang属性の出力

変更内容
07-00以降,次の属性ファイルで,<description>,<display-name>,および<icon>タグにxml:lang属性が出力されるようになりました。xml:lang属性のデフォルト値は「en」です。なお,バージョンによって,xml:lang属性が出力される属性ファイルが異なります。
07-00以降
  • EJB-JAR属性ファイル
  • Session Bean属性ファイル
  • Entity Bean属性ファイル
  • WAR属性ファイル
  • サーブレット属性ファイル
  • Message-driven Bean 属性ファイル
  • フィルタ属性ファイル
07-50以降
  • Connector属性ファイル
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(96) Connector属性ファイルでのユーザIDおよびパスワードの非表示

変更内容
07-10以降では,cjgetrespropコマンドまたはcjgetrarpropコマンドでのConnector属性ファイル取得時に,Connector属性ファイルの<property-name>タグの値として「User」または「Password」が設定されている場合,これらのタグに対応する<property-value>タグの値は,セキュリティ上の理由で表示されなくなりました。<property-name>タグの値として「User」または「Password」が設定されているタグの,<property-value>タグの値を変更する場合は,<property-value>タグを追加して変更後の値を設定してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(97) メール属性ファイルの<reply-to>タグの削除

変更内容
07-10以降,メール属性ファイルの<reply-to>タグは削除されました。<reply-to>タグは指定できません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(98) Connector属性ファイルでのXA_OPEN文字列の非表示

変更内容
07-50以降では,cjgetrespropコマンド,cjgetrarpropコマンド,またはcjgetapppropコマンドでConnector属性ファイル取得時に,Connector属性ファイルの<config-property-name>タグの値として「XAOpenString」が設定されている場合,このタグに対応する<config-property-value>タグの値は,セキュリティ上の理由で表示されなくなりました。<config-property-name>タグの値として「XAOpenString」が設定されているタグの,<config-property-value>タグの値を変更する場合は,<config-property-value>タグを追加して変更後の値を設定してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(99) Connector属性ファイルの構造変更

変更内容
07-50以降では,Connector 1.5仕様のリソースアダプタも扱えるようにConnector属性ファイルの構造が変更され,<outbound-resourceadapter>タグ,および<outbound-resourceadapter>タグの<connection-definition>タグの下位に,次のタグが出力されるようになりました。
<outbound-resourceadapter>タグの下位に出力されるタグ
  • <transaction-support>タグ
  • <reauthentication-support>タグ
<outbound-resourceadapter>タグの<connection-definition>タグの下位に出力されるタグ
  • <managedconnectionfactory-class>タグ
  • <config-property>タグ
  • <connectionfactory-interface>タグ
  • <connectionfactory-impl-class>タグ
  • <connection-interface>タグ
  • <connection-impl-class>タグ
  • <connector-runtime>タグ
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(100) Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定できるプロパティの並び順の変更

変更内容
07-50以降では,Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定できるプロパティの並び順が,一部変更になります。移行コマンドで07-10以前から移行する場合,<config-property>タグに指定できるプロパティの並び順は,07-50以降の並び順に変更され,デフォルト値が設定されていない<config-property>タグが先に出現します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(101) MessageDrivenBean属性ファイルでの指定必須要素の省略

変更内容
07-60以降で,Connector 1.5仕様に準拠したリソースアダプタの場合,MessageDrivenBean属性ファイルの次に示す要素が省略できます。
  • <message-ref>-<connection-factory>
  • <message-ref>-<connection-destination>-<queue>
ただし,Reliable MessagingおよびTP1/Message Queue - Accessによるデータベース接続で,Message-driven Beanを使用する場合は,MessageDrivenBean属性ファイルでこれらの要素の指定は省略できません。この場合,MessageDrivenBean属性ファイルでこれらの要素の指定を省略しても,cjsetapppropコマンドでの属性設定時にはエラーになりませんが,Message-driven Beanを含むJ2EEアプリケーションの開始時にエラーとなります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(102) サーバ管理コマンドの終了コード

変更内容
06-50および07-50で,サーバ管理コマンドの終了コードに2以上のコードが追加されました。
(例)
2:排他エラーによってコマンドを実行できません。
3:タイムアウトが発生しました。
各コマンドの終了コードの詳細に関しては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.3 J2EEアプリケーションで使用するコマンド」,「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」,および「2.5 J2EEサーバで使用するそのほかのコマンド」を参照してください。
usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のejbserver.cui.exitcode.compatibleプロパティで,排他エラー時は終了コード1を返すようにできます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のejbserver.cui.exitcode.compatibleプロパティにtrueを設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(false)を使用してください。
影響を受けるもの
(90) サーバ管理コマンドの同時実行制御
(91) J2EEサーバとの通信の時間監視

(103) MessageDrivenBean属性ファイルの<message-ref>タグ追加

変更内容
06-50より前では,Message-driven BeanとDestination(Queue)の対応付けをサーバマネージャで行っていましたが,06-50以降では,MessageDrivenBean属性ファイルの<message-ref>タグで行います。06-50より前のMessageDrivenBean属性ファイルには<message-ref>タグが存在しないので,06-50以降の属性ファイルを使用する必要があります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
06-50以降のMessageDrivenBean属性ファイルに変更してください。J2EEアプリケーションをJ2EEサーバへインポートした後,属性取得コマンド(cjgetappprop)で属性ファイルを取得し編集してください。マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「3.6 MessageDrivenBean属性ファイル」を参考に手作業で移行することもできます。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(104) リダイレクタのログ出力先変更

変更内容
UNIXの場合,06-50以降では,mod_jk.confのJkLogFileDirキーおよびJkTraceLogFileDirキーで指定したディレクトリにリダイレクタのログを出力します。また,06-50以降では,mod_jk.confのJkLogFileキーは使用しません。06-50以降で使用する場合,このキーの指定を削除またはコメントにする必要があります。指定が残っている場合,HTTP Server起動時に警告メッセージがリダイレクタのログに出力されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
mod_jk.confからJkLogFileキーを削除し,JkLogFileDirキーおよびJkTraceLogFileDirキーでログ出力先を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。

(105) Webコンテナへのデータ送信処理のタイムアウト追加

変更内容
07-00以降では,リダイレクタからWebコンテナへのデータ送信処理でタイムアウト機能が追加され,リダイレクタ動作定義ファイルにキーが追加されました。追加されたHTTP Server用リダイレクタ動作定義ファイル(mod_jk.conf)とMicrosoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル(isapi_redirect.conf)のキーを次に示します。
ファイル名キー名説明
mod_jk.confJkConnectTimeoutリクエスト送信時のWebコンテナに対するコネクション確立のタイムアウト時間(単位:秒)を指定します。デフォルト値は,30(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
JkSendTimeoutリクエスト送信のタイムアウト時間(単位:秒)を指定します。デフォルト値は,100(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
JkRequestRetryCountリクエスト送信時のWebコンテナに対するコネクション確立,およびリクエスト送信のリトライ回数を指定します。デフォルト値は,3(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,デフォルト値のままにしてください。
isapi_redirect.confconnect_timeoutリクエスト送信時のWebコンテナに対するコネクション確立のタイムアウト値(単位:秒)を指定します。デフォルト値は,30(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
send_timeoutリクエスト送信のタイムアウト値(単位:秒)を指定します。デフォルト値は,100(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
request_retry_countリクエスト送信時のWebコンテナに対するコネクション確立,およびリクエスト送信のリトライ回数(単位:回)を指定します。デフォルト値は,3(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,デフォルト値のままにしてください。
キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「9.3 mod_jk.conf(HTTP Server用リダイレクタ動作定義ファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
JkConnectTimeoutおよびJkSendTimeoutに0,JkRequestRetryCountに3を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
各キーに適切なタイムアウト時間およびリトライ回数を指定してください。
影響を受けるもの
タイムアウトには,トランザクションタイムアウトやメソッドタイムアウトなども存在します。これらと一緒に設計を行ってください。

(106) リダイレクタの保守用トレースログの面数変更

変更内容
07-00以降では,次のキーで指定するリダイレクタの保守用トレースログファイルの面数のデフォルト値が,2から4に変更となります。
  • mod_jk.confのJkTraceLogFileNumキー(HTTP Serverの場合)
  • isapi_redirect.confのtrace_log_file_numキー(Microsoft IISの場合)
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
  • 新規インストールの場合
    旧バージョンで明示的に値を指定していなかった場合,旧バージョンと同等の動作をさせるためには,2を指定してください。
    旧バージョンで明示的に値を指定していた場合は,新規インストール後にキーの値を変更してください。
  • 更新インストールの場合
    旧バージョンで明示的に値を指定していなかった場合,旧バージョンと同等の動作をさせるためには,2を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
旧バージョンで明示的に値を指定していなかった場合,ログファイルのサイズが変更になります。ログファイルのサイズについて見積もり・設計を行っている場合は,再度見積もり・設計を行ってください。

(107) サーバ管理コマンド異常終了時のJavaVMのダンプ出力ダイアログの非表示

変更内容
サーバ管理コマンド異常終了時,旧バージョンではJavaVMのダンプを出力するかどうかのダイアログを表示していましたが,07-00以降ではダイアログを表示しないでJavaVMのダンプを出力します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(108) HTTP Server用リダイレクタのログファイル(UNIXの場合)

変更内容
HTTP Server用リダイレクタの定義ファイルmod_jk.conf内にあるログ関係のパラメタには,06-50より前と06-70以降とで指定できる値が異なるものがあります。
JkLogLevelについて,06-50より前ではdebug,info,error,emergの4種を指定できましたが,06-70以降ではdebug,info,errorの3種です。
なお,07-00以降では,emergは指定できません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
emergを指定していた場合,errorを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(109) RMI-IIOPスタブおよびRMI-IIOPインタフェースの取得方法

変更内容
06-50以降,アプリケーションのRMI-IIOPスタブおよびRMI-IIOPインタフェースを一括で取得する機能をサポートします。06-50より前では,RMI-IIOPスタブ,およびRMI-IIOPインタフェースをJ2EEサーバからダウンロードしていましたが,06-50以降では,cjgetstubsjarコマンドを使用して該当のファイルを一括で取得できます。コマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjgetstubsjar(アプリケーションのRMI-IIOPスタブおよびインタフェースの取得)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
cjgetstubsjarコマンドを使ってRMI-IIOPスタブおよびRMI-IIOPインタフェースを取得してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
なし。

(110) cjclstartapコマンドの仕様変更

変更内容
07-10以降,cjclstartapコマンドの仕様が変更になります。変更点を次に示します。
  • Javaオプション指定の追加
    cjclstartapコマンドの引数にJavaオプションを指定できるようになりました。
  • デフォルトのログ出力先の変更
    デフォルトのログ出力先は,07-10より前では,<製品のインストールディレクトリ>¥CC¥client¥logs(Windowsの場合)または/opt/Cosminexus/CC/client/logs(UNIXの場合)となっていました。07-10以降では,デフォルトのログ出力先は次の場所に変更になりました。
    07-10以降のデフォルトのログ出力先
    <cjclstartapコマンド実行ディレクトリ>/logs
     
  • ログファイル取得の追加
    次に示すログファイルを取得できるようになりました。
    ・ユーザ出力ログ
    ・ユーザエラーログ
    ・JavaVMの保守情報およびGCのログ
    ・EJBコンテナの保守情報
    ・起動プロセス標準出力情報
    ・起動プロセス標準エラー情報
  • オプションの追加
    ログ出力に関するオプションを追加しました。
    ・ejb.client.log.directory
    ・ejb.client.ejb.log
    ・ejb.client.log.appid
    ・ejb.client.log.stdout.enabled
    なお,各オプションの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「14.2 usrconf.cfg(Javaアプリケーション用オプション定義ファイル)」を参照してください。
  • 複数プロセスの起動抑止
    同一のディレクトリ上で複数のプロセスを起動できません。
  • ログ出力先の共有不可
    07-10以降で追加取得するログは,複数のプロセス間でログ出力先を共有できません。
  • Javaプロセスの起動抑止
    Javaプロセスを起動しません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
同一のディレクトリ上で複数のプロセス(cjclstartapコマンド)を実行するとエラーとなります。

(111) ログ出力先の設定

変更内容
07-10以降,cjclstartapコマンドを使用してEJBクライアントアプリケーションを起動した場合のデフォルトのログ出力先が変更になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
このため,既存のログ出力先を移行前のディレクトリにしたい場合,ejb.client.log.directoryプロパティを設定してください。なお,07-10以降でのデフォルトのログ出力先については,「(110) cjclstartapコマンドの仕様変更」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(112) PRFトレースバックアップの設定変更

変更内容
09-00以降は,PRFデーモンの起動時,および停止時にPRFトレースをバックアップしなくなります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
09-00より前のバージョンのようにPRFデーモンをバックアップするには,cprfstartコマンドに-PrfNoBackUp 0オプションを指定してください。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cprfstart(PRFデーモンの開始)」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(113) TPBrokerの運用支援機能の非サポート

変更内容
07-00以降では,07-00より前まで提供していたTPBrokerの運用支援機能は使用できません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
システムの各プロセスを一括起動,停止,および監視する場合には,Management Serverを使用してください。Management Serverを使用する場合には,Smart Composer機能や運用管理ポータルでシステムを構築してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同様です。
影響を受けるもの
(59) Management Serverとの連携

(114) 運用管理エージェント停止時の動作

変更内容
06-50以降では,運用管理エージェント停止時の動作が変更されます。06-50より前までは,論理サーバを停止しないで運用管理エージェントを終了すると,稼働中の論理サーバを強制停止していました。06-50以降では,論理サーバを停止しないで運用管理エージェントを終了しても,稼働中の論理サーバはそのまま動作を続けます。運用管理エージェントを再起動することで,稼働中の論理サーバについての情報を引き継ぎ,論理サーバの管理を継続できます。運用管理エージェントを停止するときに論理サーバも停止させていた場合は,運用管理エージェントを停止する前に,その運用管理エージェントの稼働しているホスト上の論理サーバをすべて停止するように運用の手順を変更してください。
注意
運用管理エージェントのプロパティファイル(adminagent.properties)にadminagent.finalization.stop_servers=trueを指定することで,06-50より前の動作に戻すことができますが,お勧めしません。
キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
運用管理エージェントのプロパティファイル(adminagent.properties)のadminagent.finalization.stop_serversプロパティにtrueを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
運用管理エージェントを停止するときに論理サーバも停止させる必要がある場合は,その運用管理エージェントが稼働しているホスト上の論理サーバをすべて停止させてから運用管理エージェントを停止させるように変更してください。
影響を受けるもの
移行で実施する作業を行わないと,運用管理エージェントを停止しても稼働中の論理サーバはそのまま動作を続けます。

(115) ネーミングサービスの障害検知機能による閉塞のタイミングの変更

変更内容
ネーミングサービスの障害検知機能を使用している場合,08-00以降と08-00より前では,ネーミングサービスが閉塞されるタイミングが異なります。
  • 08-00より前
    キャッシュクリア時(ejbserver.jndi.cache.intervalパラメタに指定した時間が経過したあと)に,ネーミングサービスが閉塞されます。
  • 08-00以降
    JNDIのAPI実行時に閉塞されることがあります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし(問題があった場合,より早いタイミングで閉塞するように改善されました。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2.9.3 ネーミングサービスの障害検知機能の挙動」を参照してください)。

(116) リソース枯渇機能でのメモリ枯渇監視情報の計算式の変更

変更内容
07-60以降,リソース枯渇監視機能のメモリ枯渇監視情報として出力されるRate2の値の計算式が変更になります。
  • 07-50以前
    Rate2の値=New領域消費サイズ/Old領域空きサイズ×100(%)
  • 07-60以降
    Rate2の値=New領域合計サイズ/Old領域最大空きサイズ×100(%)
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(117) リデプロイ機能で実施するJ2EEアプリケーション属性の引き継ぎの動作

変更内容
cjreplaceappコマンドを使用してリデプロイを実施する際に,入れ替え前のJ2EEアプリケーションの情報を,入れ替え後のJ2EEアプリケーションに引き継ぎますが,アプリケーションサーバのバージョンによって引き継ぐ情報が異なります。
06-70より前のバージョンでは,J2EEアプリケーションのランタイム属性だけを引き継ぎます。06-70以降のバージョンでは,デフォルトでは,J2EEアプリケーションのすべての属性情報を引き継ぎます。
注※
属性ファイルには,DD(application.xml,ejb-jar.xml,ra.xml,web.xml)の定義と属性ファイル独自の定義が設定できます。属性ファイル独自の定義のことをランタイム属性といいます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
06-70より前のバージョンと同じように,ランタイム属性だけを引き継ぎたい場合は,オプションを指定してcjreplaceappコマンドを実行します。コマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjreplaceapp(アプリケーションの入れ替え)」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(118) インターセプタに関連するクラスのパッケージの変更

変更内容
07-10以降では,インターセプタに関連する次のクラスのパッケージが,javax.ejbからjavax.interceptorに変更になります。
  • javax.ejb.AroundInvoke
  • javax.ejb.Interceptors
  • javax.ejb.ExcludeDefaultInterceptors
  • javax.ejb.ExcludeClassInterceptors
  • javax.ejb.InvocationContext
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
業務アプリケーションで使用している上記クラスのパッケージをjavax.interceptorに変更してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(119) インターセプタに関連するInvocationContextの変更

変更内容
07-10以降では,インターセプタに関連するInvocationContextに変更があります。変更点を次に示します。
getParametersメソッドおよびsetParametersメソッドの変更
  • setParametersメソッドで,ビジネスメソッドに適合しない引数を指定した場合,IllegalArgumentException例外が発生するようになります。
  • getParametersメソッドおよびsetParametersメソッドをライフサイクルコールバックメソッドの中で呼び出した場合,IllegalStateException例外が発生するようになります。
getContextDataメソッドの変更
getContextDataメソッドの返り値であるMapは,Genericsによって,<String, Object>に型指定されたMapに変更になります。
getBeanメソッドの変更
getBeanメソッドはgetTargetメソッドに変更になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
上記変更に合わせて,業務アプリケーションを修正してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(120) アノテーションの指定方法の変更

変更内容
07-10以降では,アノテーションの指定方法に変更があります。変更点を次に示します。
  • ビジネスインタフェースでの@Localおよび@Remoteアノテーションの指定
    一つのビジネスインタフェースに@Localおよび@Remoteアノテーションを同時に指定することはできません。
  • ステートフルセッションビーンでの@Removeアノテーションの指定
    ステートフルセッションビーンに@Removeアノテーションを指定したメソッドは,CMTでクライアントトランザクションを引き継ぐ場合や,BMTでトランザクションがコミットされる前であっても,呼び出しができるようになりました。
  • メソッドでの@Timeoutアノテーションの指定
    Timer Serviceに関連する@Timeoutアノテーションを指定したメソッドで,public以外の修飾子が許容されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
一つのビジネスインタフェースに@Localおよび@Remoteアノテーションを同時に指定している場合は,どちらか一方にしてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
上記変更に合わせて,業務アプリケーションを修正してください。
影響を受けるもの
なし。

(121) Session Bean属性ファイルおよびEJB-JAR属性ファイルの変更

変更内容
07-10以降,Session Bean属性ファイルおよびEJB-JAR属性ファイルのタグが変更になりました。
  • Session Bean属性ファイル,EJB-JAR属性ファイルの<around-invoke-method>,<post-construct-method>,<pre-destroy-method>,<post-activate-method>,<pre-passivate-method>エレメントは,それぞれ-methodを取ったエレメント名に変更されました。
  • Session Bean属性ファイル,EJB-JAR属性ファイルの<around-invoke-method>エレメントが子に持つ<method-name>,<method-params>エレメントは,<class>と<method-name>エレメントに変更となりました。
  • Session Bean属性ファイル,EJB-JAR属性ファイルの<post-construct-method>, <pre-destroy-method>, <post-activate-method>,<pre-passivate-method>エレメントが子に持つ<method-name>,<method-params>エレメントは,<lifecycle-callback-class>と<lifecycle-callback-method>エレメントに変更となりました。
次に示すタグ名に変更があります。変更点を次の表に示します。

表10-35 表Session Bean属性ファイルおよびEJB-JAR属性ファイルのタグ名の変更

07-00でのタグ名07-10以降でのタグ名

<around-invoke-method>
  <method-name>
  <method-params>

<around-invoke>
  <class>
  <method-name>

<post-construct-method>
  <method-name>
  <method-params>

<post-construct>
  <lifecycle-callback-class>
  <lifecycle-callback-method>

<pre-destroy-method>
  <method-name>
  <method-params>

<pre-destroy>
  <lifecycle-callback-class>
  <lifecycle-callback-method>

<post-activate-method>
  <method-name>
  <method-params>

<post-activate>
  <lifecycle-callback-class>
  <lifecycle-callback-method>

<pre-passivate-method>
  <method-name>
  <method-params>

<pre-passivate>
  <lifecycle-callback-class>
  <lifecycle-callback-method>

互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
移行前の環境で取得した属性ファイルは使用できません。属性ファイルを,再度取得し直してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(122) 異なるJ2EEアプリケーションに含まれるリソースアダプタでの別名の重複指定

変更内容
07-50以前では,異なるJ2EEアプリケーションに含まれるリソースアダプタであっても,すでに別のオブジェクトが使用している別名は指定できませんでした。
07-60以降では,異なるJ2EEアプリケーションに含まるリソースアダプタの場合に,すでに同じ名称が指定されている別名でも指定できます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(123) cjjspcコマンドでのクラスパスに指定したJARファイル内のタグライブラリの使用

変更内容
08-00以降では,cjjspcコマンドでのJSPコンパイル時,-classpathオプションでクラスパスに指定したJARファイル内のTLDファイルを検索し,JARファイル内のタグライブラリが使用できるようになります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
ただし,クラスパスに指定したJARファイルにTLDファイルが含まれる場合,07-60以前では使用できなかったTLDファイルが使用できるため,次の現象が発生します。
  • クラスパスに指定したJARファイル内のTLDファイルの<uri>要素に記述されたURIがweb.xmlやほかのTLDファイルに記述されたURIと重複する場合,警告メッセージが出力されます。この場合,クラスパスに指定したJARファイル内のTLDファイルに記述されたURIとTLDファイルのマッピングは無効となります。
  • JSPのtaglibディレクティブのuri属性で,クラスパスに指定したJARファイル内のTLDファイルに記述されたURIを指定していた場合,JSPトランスレーションができるようになります。なお,07-60以前の場合は,JSPトランスレーション時にトランスレーションエラーとなります。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(124) EJB-JAR属性ファイルの<interceptor-class>タグの出現パターンの変更

変更内容
EJB-JAR属性ファイルの<interceptor-binding>直下の<interceptor-class>タグの出現パターンが変更されます。07-10より前では,<interceptor-class>タグの出現パターンは1回以上でした。07-10以降では,<interceptor-class>タグの出現パターンは0回以上になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(125) アノテーション情報取得処理でのクラスロードの例外発生時の動作変更

変更内容
08-00より前では,次の操作でのアノテーション情報取得処理中に,クラスのロードで例外が発生した場合,エラーとなって処理を中断していました。
  • J2EEアプリケーションのインポート時またはリロード時
  • リソースのインポート時
08-00以降では,クラスのロードで例外が発生しても例外ログを取得したあと,処理を続行します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
usrconf.propertiesのejbserver.deploy.annotations.load_check.enabledキーで「true」を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(126) javax.servlet.http.HttpServletRequestインタフェースのgetSessionメソッドでスローされる例外の変更

変更内容
web.xmlに指定したエラーページ内で,データベースセッションフェイルオーバ機能の抑止によってデータベースセッションフェイルオーバ機能が無効となったリクエストに対して,javax.servlet.http.HttpServletRequestインタフェースのgetSession()メソッド,またはgetSession(boolean create)メソッドを呼び出した時にスローされる例外は,バージョンごとに異なります。バージョンごとにスローされる例外を次に示します。
  • 08-53以前
    com.hitachi.software.web.dbsfo.DatabaseAccessException
  • 08-70以降
    com.hitachi.software.web.dbsfo.SessionOperationException
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
08-70以降で08-53以前と同じ例外をスローさせる場合は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のパラメタを設定する必要があります。
パラメタ名
webserver.dbsfo.exception_type_backcompat
true
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
業務アプリケーションでキャッチする例外をcom.hitachi.software.web.dbsfo.DatabaseAccessExceptionからcom.hitachi.software.web.dbsfo.SessionOperationExceptionへ変更してください。
影響を受けるもの
なし。

(127) アプリケーションサーバで実行できるアプリケーションの構成の変更

変更内容
09-00以降では,J2EEアプリケーションの構成として,JavaEE 6.0のapplication.xmlと,EJB 3.1のejb-jar.xmlをサポートしました。
そのため,DDを省略した場合に適用されるバージョンが,次のとおり変更されます。
  • application.xmlを省略したJ2EEアプリケーションは,JavaEE 6と認識されます。
  • application.xmlを省略したJ2EEアプリケーションに含まれる,ejb-jar.xmlを省略したEJBコンポーネントはEJB 3.1と認識されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
ejb-jar.xmlを省略したEJBコンポーネントをEJB 3.0として扱いたい場合は,JavaEE 5仕様に準じたapplication.xmlをJ2EEアプリケーションに含めるか,08-70以前でエクスポートした実行時情報付きのJ2EEアプリケーションをインポートしてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(128) アプリケーションサーバで実行できるWebアプリケーションの構成の変更

変更内容
09-00以降では,J2EEアプリケーションの構成として,Servlet 3.0のweb.xmlをサポートしました。
そのため,application.xmlを省略したJ2EEアプリケーションに含まれる,web.xmlを省略したWebアプリケーションはServlet 3.0と認識されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
web.xmlを省略したWebアプリケーションをServlet 2.5として扱いたい場合は,JavaEE 5仕様に準じたapplication.xmlをJ2EEアプリケーションに含めるか,08-70以前でエクスポートした実行時情報付きのJ2EEアプリケーションをインポートしてください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(129) Portable Global JNDI対応

変更内容
09-00以降では,Java EE 6の新機能であるPortable Global JNDIをサポートします。そのため,アプリケーションの開始時に各アプリケーションやアプリケーション内の各モジュールに対して,Portable Global JNDI名として使用する標準アプリケーション名(application-name)と標準モジュール名(module-name)が割り当てられ,ネーミングサービスに登録されます。また,EJBのリファレンスなど標準仕様でPortable Global JNDI名が決まっているものに対しても,自動的にPortable Global JNDI名でリソースが登録されます。
09-00以降でPortable Global JNDI名の登録機能が有効になっている場合,08-70以前の既存のアプリケーションで,標準アプリケーション名,標準モジュール名,Enterprise Bean名が重複する場合や,Portable Global JNDI名として使用できない文字が含まれている場合は,KDJE477xx-Wが出力される場合があります。KDJE477xx-Wが出力されていてもアプリケーションの開始は続行されますので,Portable Global JNDI名を使用していないアプリケーションの場合は問題ありません。
J2EEサーバ全体でPortable Global JNDI名の登録機能を無効にしたい場合は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のプロパティを設定する必要があります。
パラメタ名
ejbserver.jndi.global.enabled
false
更新インストール時,すでにセットアップされているJ2EEサーバに対しては,このプロパティが自動的に設定されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.jndi.global.enabledプロパティにfalseを指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
Portable Global JNDI機能を使ってアプリケーションを開発する場合は,J2EEサーバ用usrconf.propertiesのejbserver.jndi.global.enabledプロパティをデフォルト値(有効)で使用してください。アプリケーション開始時に警告メッセージが出力される場合は,メッセージに従い名前の重複を解消してください。
使わない場合はfalseを指定してください。
影響を受けるもの
互換機能を利用した場合は業務アプリケーション,およびユーザ運用への影響はありませんが,Portable Global JNDI機能を使ったアプリケーションをエンハンスできません。推奨機能を利用した場合,既存の業務アプリケーションが正常に動作しなくなることがあります。

(130) TP1インバウンド連携機能でのコネクション保持のサポート

変更内容
08-53以降のTP1インバウンド連携機能では,OpenTP1とのコネクションを保持できるようになりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
TP1インバウンドアダプタで使用するConnector属性ファイルのrpc_close_after_sendプロパティに"true"を指定して,OpenTP1のrpc_close_after_send句に"Y"を指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
TP1インバウンドアダプタで使用するConnector属性ファイルのrpc_close_after_sendプロパティに"false"を指定して,OpenTP1のrpc_close_after_send句を削除してください。
影響を受けるもの
推奨機能を使用することで,コネクションの接続と切断に伴うボトルネックを削減でき,通信効率を向上できます。

(131) TP1インバウンド連携機能での最大同時接続数のデフォルト値の変更

変更内容
08-53以降のTP1インバウンド連携機能では,RPC受信コネクションの最大同時接続数(Connector属性ファイルのmax_connectionsプロパティ)のデフォルト値が10から64に変更になりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
デフォルト値(10)を使用している場合,移行後,設定値として10を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
最大同時接続数が64になります。関連機能の最大同時接続数を見直してください。
影響を受けるもの
なし

(132) TP1インバウンド連携機能で使用するスレッド数,ファイルディスクリプタ数,ポート番号の変更

変更内容
08-53以降のTP1インバウンド連携アダプタでは,使用するスレッド数,ファイルディスクリプタ数,およびポート番号が08-50と異なります。08-50から08-53以降のバージョンに移行する場合は,再度リソースを見積もり直してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
再度,リソース見積もりを行ってください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし

(133) データベースセッションフェイルオーバ機能での完全性保障モードの変更

変更内容
08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能では,完全性保障モードを無効にする機能をサポートしました。完全性保障モードを無効にすると,同一セッションIDを持つリクエスト処理を同時に実行できるようになります。
08-53以前は,完全性保障モードは常に有効でしたが,08-70以降ではデフォルトで無効になります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のプロパティを設定する必要があります。
パラメタ名
webserver.dbsfo.integrity_mode.enabled
true
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
現状のシステムが,完全性保証モード「無効」が適用可能か確認してください。「無効」は,冗長化された複数のJ2EEサーバから同じセッションIDのグローバルセッション情報を同時に更新するような処理が発生しないことを前提としています。
「無効」への移行が可能な場合,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のプロパティを設定してください。
パラメタ名
webserver.dbsfo.integrity_mode.enabled
false
影響を受けるもの
なし。

(134) TP1インバウンド連携機能の同期点待ち受けポートの追加

変更内容
08-53以降のTP1インバウンド連携機能では,同期点待ち受けポートが追加になりました。デフォルトは23900です。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
別の機能で23900を使用している場合,同期点待ち受けポートのポート番号を変更してください。また,複数のTP1インバウンドアダプタを使用している場合は,cjrarupdateコマンド実行後に,同期点待ち受けポートにそれぞれ別のポート番号を設定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(135) データベースセッションフェイルオーバ機能のデータベーステーブルの再作成

変更内容
08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能では,データベースのアプリケーション情報テーブルとセッション情報格納テーブルのテーブル構成が08-53以前のテーブル構成と異なります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
08-70以降のバージョンに移行する場合は,08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能が提供するテーブル削除用SQLを使用してテーブルを削除してから,テーブル作成用SQLを使用してテーブルを作成してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(136) データベースセッションフェイルオーバ機能でのDB Connectorに設定するステートメントプールの数の変更

変更内容
08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能では,DB Connectorに設定するステートメントプールの数が変更となります。Connector属性ファイルに次のプロパティを設定してください。
プロパティ名
PreparedStatementPoolSize
30×J2EEサーバ内のデータベースセッションフェイルオーバ機能を使用するWebアプリケーション数
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Connector属性ファイルに次のプロパティを設定してください。
プロパティ名
PreparedStatementPoolSize
30×J2EEサーバ内のデータベースセッションフェイルオーバ機能を使用するWebアプリケーション数
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(137) @EJBアノテーションのmappedName属性の仕様変更

変更内容
08-70以前では,@EJBアノテーションのmappedName属性は無視されていましたが,09-00以降では,mappedName属性へのGlobalJNDI名(Portable Global JNDI名,EJBの別名,物理名)の記述をサポートします。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
08-70以前で動作していたアプリケーションで,mappedName属性の指定がある場合,mappedName属性を削除してください。mappedName属性が残っていると,09-00以降に移行したことで,従来無視されていたmappedName属性の値が有効になり,アプリケーションの動作が変わってしまうおそれがあります。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
09-00以降の@EJBアノテーションのmappedName属性には,DI対象のEJBのPortable Global JNDI名,またはEJBの別名を指定できます。
影響を受けるもの
ユーザアプリケーション(@EJBのmappedName属性を指定していた場合だけ影響します)。

(138) Microsoft IIS 7.0,7.5の設定変更

変更内容
09-00以降のリダイレクタは,Windows x86を除いて64bitアプリケーションになりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Microsoft IIS 7.0またはMicrosoft IIS 7.5を使用してWebサーバ連携する場合,Microsoft IISのアプリケーションプールの詳細設定で[32bitアプリケーションの有効化]にfalseを指定してください。Microsoft IISの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「付録C.1 Microsoft IIS 7.0,Microsoft IIS 7.5,Microsoft IIS 8.0,またはMicrosoft IIS 8.5の設定」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(139) 明示管理ヒープ機能の自動配置機能で使用する設定ファイルの内容変更

変更内容
09-50以降では,明示管理ヒープ機能の自動配置機能で使用する設定ファイル(自動配置設定ファイル)で,Hibernateに関する設定項目が削除され,初期設定時の内容が変更になりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
自動配置設定ファイルに次の内容を記述してください。記述方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「8.13.2 自動配置設定ファイルを使った明示管理ヒープ機能の使用」を参照してください。

org.hibernate.cfg.Configuration.buildSessionFactory(), org.hibernate.impl.SessionFactoryImpl

推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
Javaヒープ領域およびExplicitヒープ領域のメモリサイズを再チューニングしてください。チューニング方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「7. JavaVMのメモリチューニング」を参照してください。
影響を受けるもの
アプリケーションサーバとHibernateの両方を動作させていた場合に,09-50より前から移行すると,Javaヒープ領域およびExplicitヒープ領域の使用サイズが変化することがあります。

(140) Servlet 3.0を使用したアプリケーションのリロードに関する仕様の変更

変更内容
09-50より前では,Servlet 3.0を使用したアプリケーションで,次に示すメソッドを削除することで設定を解除した場合,リロードの際にその設定が反映されません。
  • SessionCookieConfig.setName(String name)
  • SessionCookieConfig.setDomain(String domain)
  • SessionCookieConfig.setPath(String path)
  • SessionCookieConfig.setComment(String comment)
  • SessionCookieConfig.setHttpOnly(boolean httpOnly)
  • SessionCookieConfig.setSecure(boolean secure)
  • SessionCookieConfig.setMaxAge(int maxAge)
  • ServletContext.setSessionTrackingModes(Set<SessionTrackingMode> sessionTrackingModes)
  • ServletContext.setInitParameter(String name, String value)
09-50以降では,リロードの際に設定が反映されるようになりました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(141) サーバIDのデフォルト値の変更

変更内容
09-50以降,サーバIDのデフォルト値は64バイト固定です。サーバIDを明示的に指定するには,usrconf.propertiesに次のプロパティを指定してください。
  • webserver.session.server_id.value
  • webserver.container.server_id.value
usrconf.propertiesについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
サーバIDがデフォルト値の場合,サーバIDを明示的に指定してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
サーバIDがデフォルト値の場合,セッションIDの文字列長が増加します。
セッションIDの長さによって問題が起こらないかどうかを確認してください。

(142) cjimportappコマンドの-aまたは-dオプション実行時の重複ディレクトリチェックの変更

変更内容
cjimportappコマンドで-aまたは-dオプションを指定して実行した際のディレクトリ重複チェックの仕様が,次のとおり変更となります。
09-00以前の場合
cjimportappコマンドで-aまたは-dオプションを指定したディレクトリと同じディレクトリを持つJ2EEアプリケーションがJ2EEサーバ内に存在する場合,KDJE42325-Eを出力してインポートに失敗します。
09-50以降の場合
  • cjimportappコマンドで-aまたは-dオプションを指定したディレクトリと同じディレクトリを持つJ2EEアプリケーションがJ2EEサーバ内に存在する場合,KDJE42325-Eを出力してインポートに失敗します。
  • cjimportappコマンドで-aまたは-dオプションを指定したディレクトリの上位ディレクトリを持つJ2EEアプリケーションがJ2EEサーバ内に存在する場合,KDJE42406-Eを出力してインポートに失敗します。
  • cjimportappコマンドで-aまたは-dオプションを指定したディレクトリの下位ディレクトリを持つJ2EEアプリケーションがJ2EEサーバ内に存在する場合,KDJE42410-Eを出力してインポートに失敗します。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(143) J2EEアプリケーション開始時のJavaのコンパイルの仕様

変更内容
J2EEアプリケーション開始時のJavaのコンパイルは,javacコマンドではなくJ2EEサーバプロセス内で行われるようになります。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
J2EEサーバのヒープサイズの見積りを実施してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(144) server.policy(J2EEサーバ用セキュリティポリシーファイル)への定義の追加

変更内容
新規インストールした環境へ移行する場合,server.policyに定義を追加する必要があります。
更新インストールの場合は,移行コマンドを実行すると自動で定義が追加されます。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
バージョンごとに,追加が必要な定義を次に示します。なお,説明中の括弧内の数字は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.5 server.policy(J2EEサーバ用セキュリティポリシーファイル)」の記述例に関する説明を参照してください。
  • 06-50で追加された定義
    // (3)
    // Grant all permissions to anything loaded from the
    // EJB server itself
    grant codeBase "file:${ejbserver.install.root}/sfo/lib/*" {
    permission java.security.AllPermission;
    };
  • 07-00で追加された定義
    // (7)
    // Grant permissions to JSP/Servlet
    grant codeBase "file:${ejbserver.http.root}/web/${ejbserver.serverName}/-" {
    permission java.lang.RuntimePermission "modifyThread";
    permission java.lang.RuntimePermission "modifyThreadGroup";
  • 07-50で追加された定義
    // (6)
    // Grant permissions to resource adapters
    grant codeBase "file:${ejbserver.http.root}/ejb/${ejbserver.serverName}/rarjars/-" {
    // For Cosminexus Reliable Messaging
    permission javax.security.auth.AuthPermission "modifyPrivateCredentials";
    permission java.lang.RuntimePermission "getenv.HRMDIR";
    };
  • 08-00で追加された定義
    // (8)
    // Grant permissions to Cosminexus Service Coordinator
    grant codeBase "file:${cosminexus.home}/CSC/lib/*" {
    permission java.security.AllPermission;
    };
  • 08-50で追加された定義
    // (3)
    // Grant all permissions to anything loaded from the
    // EJB server itself
    grant codeBase "file:${cosminexus.home}/jaxws/lib/*" {
    permission java.security.AllPermission;
    };
  • 08-53で追加された定義
    // (6)
    // Grant permissions to resource adapters
    grant codeBase "file:${ejbserver.http.root}/ejb/${ejbserver.serverName}/rarjars/-" {
    // For Cosminexus SOA FTP Inbound Adapter
    permission java.lang.RuntimePermission "getClassLoader";
    permission java.lang.RuntimePermission "setContextClassLoader";
    permission java.lang.RuntimePermission "accessDeclaredMembers";
    };
  • 08-70で追加された定義
    // (7)
    // Grant permissions to JSP/Servlet
    grant codeBase "file:${ejbserver.http.root}/web/${ejbserver.serverName}/-" {
    permission javax.security.auth.AuthPermission "createLoginContext.{name}";
    permission javax.security.auth.AuthPermission "getSubject";
     
    // (9)
    // Grant permissions to custom login modules
    //
    grant codeBase "file:${cosminexus.home}/manager/modules/-" {
    permission java.io.FilePermission "<<ALL FILES>>", "read";
    permission javax.security.auth.AuthPermission "modifyPrincipals";
    permission javax.security.auth.AuthPermission "modifyPublicCredentials";
    };
  • 09-00で追加された定義
    // (3)
    // Grant all permissions to anything loaded from the
    // EJB server itself
    grant codeBase "file:${cosminexus.home}/jaxrs/lib/*" {
    permission java.security.AllPermission;
    };
    grant codeBase "file:${ejbserver.install.root}/weld/lib/*" {
    permission java.security.AllPermission;
    };
    grant codeBase "file:${cosminexus.home}/common/lib/*" {
    permission java.security.AllPermission;
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
なし。

(145) Managementイベント発行用メッセージIDの追加

変更内容
Managementイベント発行用メッセージIDを追加しました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
追加されたメッセージIDでイベントが発行されないよう,追加されたメッセージIDの前に「-」(ハイフン)を付けたメッセージIDをManagementイベント発行用メッセージIDリストファイルに追加してください。
追加されたManagementイベント発行用メッセージIDをバージョンごとに示します。

表10-36 追加されたManagementイベント発行用メッセージID

追加されたアプリケーションサーバのバージョン機能メッセージID
06-70コネクション障害検知KDJE48602-W
KDJE48603-W
07-00FullGC回数の監視KDJE53850-W
URLグループ単位の実行待ちリクエスト数の監視KDJE53860-W
KDJE53861-I
クラスタコネクションプールKDJE49650-I
KDJE49653-I
KDJE49655-E
KDJE49657-E
KDJE49660-I
KDJE49663-E
KDJE49664-E
KDJE49669-E
KDJE49671-I
09-00Webコンテナ単位の全体実行待ちリクエスト数の監視KDJE53862-W
KDJE53863-I
KDJE53864-W
KDJE53865-I
KDJE53866-W
KDJE53867-I
KDJE53868-W
KDJE53869-I
Managementイベント発行用メッセージIDリストファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.13 Managementイベント発行用メッセージIDリストファイル」を参照してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
なし。

(146) MimeUtility APIの仕様変更

変更内容
javax.mail.internet.MimeUtilityクラスのencodeメソッドでエンコード方式に"base64"を用いた場合,Component Containerのバージョンおよび戻り値として得たOutputStreamに対するcloseメソッドの実行有無によって,末尾への改行("¥r¥n")付与の有無が次のように異なります。
Component ContainerのバージョンOutputStream.closeメソッドの実行の有無末尾への改行付与
09-00以前付与しない
付与しない
09-50以降付与する
付与しない
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
MimeUtility.encodeメソッドの戻り値として得たOutputStreamの末尾に不要な改行が存在する場合があります。不要な改行が存在する場合は,改行文字を削除してください。
推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業と同じです。
影響を受けるもの
以下の条件がすべて重なるアプリケーションに影響がありますので,上記の必要な作業を実施してください。
  • MimeUtility.encodeメソッドを使用してBase64エンコードを実行している。
  • 戻り値として得られるOutputStreamでcloseメソッドを実行している。

(147) RSA BSAFE SSL-Jの削除

変更内容
JDK 6をベースとしているアプリケーションサーバ Version 9と9.5では,TLSv1.2によるSSL/TLS通信を目的として,RSA BSAFE SSL-J(以降,SSL-J)をCosminexus Developer's Kit for Java(TM)に同梱していました。JDK 7以降ではTLSv1.2によるSSL/TLS通信を標準で提供していて,JDK 7以降をベースとしているこの製品のCosminexus Developer's Kit for Java(TM)では,SSL-Jを同梱していません。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
アプリケーションサーバ Version 9と9.5で,同梱していたSSL-Jを使用していた場合,この製品にバージョンアップをする際には,SSL-Jを利用するために行っていた手順や設定を取り消してください。具体的には次の手順(a)~(c)が必要となります。
(a) コピーしていたSSL-Jプロバイダのファイルの削除

次のファイルを拡張機能ディレクトリから削除します。

拡張機能ディレクトリ

<JDKインストールパス>/jre/lib/ext

(b) セキュリティプロパティファイルの変更取り消し

SSL-Jが提供しているセキュリティプロパイダを削除してください。その際,削除した行以降については,プロバイダの優先順位を表す番号を繰り上げるようにしてください。次に例を示します。

<取り消し前のセキュリティプロパティファイルの内容>

security.provider.1=com.rsa.jsafe.provider.JsafeJCE
security.provider.2=com.rsa.jsse.JsseProvider
security.provider.3=example.provider.
security.provider.4=…..
…..

<取り消し後のセキュリティプロパティファイルの内容>

security.provider.1=example.provider
security.provider.2=…..
…..

(c) ユーザプロパティファイルusrconf.propertiesの編集

SSL-JによるSSL/TLS通信機能を利用する場合に行った設定変更を元に戻します。この手順では,ユーザプロパティファイルusrconf.propertiesの編集を行います。使用しているusrconf.propertiesによって,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の次の項目を参照してください。

「usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」

「usrconf.properties(バッチサーバ用ユーザプロパティファイル)」

「usrconf.properties(Javaアプリケーション用ユーザプロパティファイル)」

「usrconf.properties(バッチアプリケーション用ユーザプロパティファイル)」

SSL-Jが同梱されていたCosminexus製品のusrconf.propertiesには,次のように,SSL-Jが提供しているSSL/TLS通信が有効となるような設定記載が行われています。

…..
# JDK SSL-J Settings
# If you want to enable SSL-J, please uncomment.
https.protocols=SSLv3,TLSv1,TLSv1.1,TLSv1.2
https.cipherSuites=TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384…..
…..

SSL-Jを同梱していないこの製品では,これらの設定は不要ですので,usrconf.propertiesからこれらの行を削除してください。

推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業
作業はありません。
影響を受けるもの
アプリケーションサーバ Version 9と9.5で,同梱していたSSL-Jを使用していた場合に影響があります。

(148) Permanent領域からMetaspace領域への移行

変更内容
09-70では,ロードされたクラスなどの情報が格納される領域がMetaspace領域になりました。09-60まではロードされたクラスなどの情報が格納される領域はPermanent領域でしたが,09-70では廃止されました。
互換性を重視したシステムへ移行する場合に必要な作業
Permanent領域を09-70で使用することはできません。
それに伴い,-XX:PermSize,-XX:MaxPermSizeは09-70以降指定できません。
代わりに-XX:MetaspaceSize,-XX:MaxMetaspaceSizeを使用してください。

表10-37 移行時の各オプションの設定

オプション名設定値
-XX:MetaspaceSizeアプリケーションで必要なクラス情報の見積もり値(09-60までの-XX:PermSizeと同じ値)
-XX:MaxMetaspaceSizeアプリケーションで必要なクラス情報の見積もり値(09-60までの-XX:MaxPermSizeと同じ値)
-XX:CompressedClassSpaceSizeアプリケーションで必要なクラス情報の見積もり値(09-60までの-XX:MaxPermSizeと同じ値)

なお,Compressed Class Spaceは,圧縮オブジェクトポインタ機能が有効な場合,Metaspace領域内に作成される領域です。この領域に,Javaヒープ内のオブジェクトから参照されるクラス情報が配置されます。そして,それ以外のメソッド情報などがCompressed Class Space以外のMetaspace領域に配置されます。

推奨機能を使用したシステムへ移行する場合に必要な作業

Metaspace領域はロードされたクラス情報が格納される領域です。そのため,Metaspace領域のサイズの設定は,アプリケーションで必要なクラス情報のサイズを見積もり,その値を-XX:MetaspaceSizeや-XX:MaxMetaspaceSizeに設定することを推奨します。これは,09-60までのPermanent領域の設定の考え方と同じです。

アプリケーションで必要なクラス情報のサイズの見積もり値を正しく設定することで,Metaspace領域のOutOfMemoryErrorの発生を防ぎ,また-XX:MetaspaceSizeと-XX:MaxMetaspaceSizeを同じ値にすることでMetaspace領域に起因するFullGCの発生を抑止することができます。

影響を受けるもの
Permanent領域に関するオプションを使用している場合に影響を受けます。