Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編

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19.5.6 サーバ対応の環境設定

HAモニタでのサーバ対応の環境設定では,系で稼働させる実行サーバや待機サーバの環境を定義します。

実行系(N台)の場合
N台で個別の設定が必要です。

待機系(リカバリ専用1台)の場合
N台分の実行系の設定が必要です。

serversという定義ファイルに,N:1リカバリシステム用のサーバ対応の環境を定義してください。サーバ対応の環境設定での設定内容を次の表に示します。

表19-5 サーバ対応の環境設定での設定内容(N:1リカバリシステムの場合)

オペランド 設定内容
name
  • 実行系の場合
    起動コマンドをN台で共通化するため,nameにはユニークな名前を指定し,actcommandに運用管理エージェントを起動するシェルスクリプトファイルを記述します。
  • 待機系の場合
    対応する実行系と同じ値を指定します。
alias
  • 実行系の場合
    サーバの識別名を指定します。
    指定例:AP1
  • 待機系の場合
    対応する実行系と同じ値を指定します。
acttype サーバの起動方法を指定します。ここでは,HAモニタのコマンドでサーバを起動するため,「monitor」を指定します。
termcommand
  • 実行系の場合
    実行系の運用管理エージェントと論理サーバを停止するシェルスクリプトファイルを指定します。
    指定例:/home/manager/hamon/bin/stop.sh
  • 待機系の場合
    待機系の運用管理エージェントと論理サーバを停止するシェルスクリプトファイルを指定します。
initial サーバ起動時の状態を指定します。
  • 実行系の場合
    「online」を指定します。
  • 待機系の場合
    「standby」を指定します。
disk 共有ディスク装置のキャラクタ型スペシャルファイル名を指定します。
  • 実行系の場合
    割り当てられた共有ディスクに合わせて指定します。
  • 待機系の場合
    対応する実行系と同じ値を指定します。
lan_updown LANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。ここでは,LANの状態設定ファイルを使用するため,「use」を指定します。
fs_name 切り替えるファイルシステムに対応する論理ボリュームの絶対パス名を指定します。
  • 実行系の場合
    割り当てられた共有ディスクに合わせて指定します。
  • 待機系の場合
    対応する実行系と同じ値を指定します。
fs_mount_dir 切り替えるファイルシステムのマウント先ディレクトリの絶対パス名を指定します。
  • 実行系の場合
    割り当てられた共有ディスクに合わせて指定します。
  • 待機系の場合
    対応する実行系ごとに異なるマウントディレクトリとします。存在するディレクトリでなくてはならないので,待機系の構築時にあらかじめ作成しておく必要があります。
patrolcommand
  • 実行系の場合
    運用管理エージェントのプロセスを監視するシェルスクリプトファイルを指定します。
    指定例:/home/manager/hamon/bin/monitor.sh
  • 待機系の場合
    monendコマンドを指定して,actcommandでリカバリが終了したらHAモニタを終了させるようにします。
servexec_retry 実行系で障害を検出した場合の再起動の回数を指定します。実行系および待機系で同じ値を指定してください。
waitserv_exec 実行系および待機系で,起動完了処理を実行するときに起動コマンドの実行完了を待つようにするため,「yes」を指定します。
actcommand
  • 実行系の場合
    運用管理エージェントを起動するシェルスクリプトファイルを指定します。
    指定例:/home/manager/hamon/bin/start.sh
  • 待機系の場合
    リカバリ処理を実行するシェルスクリプトファイルを指定します。
    指定例:/home/manager/hamon/bin/recover.sh

serversファイルのサンプルを次に示します。なお,サンプル中の「N」や「N+1」は,N番目またはN+1番目の値であることを意味します。

serversファイルのサンプル(実行系の場合)
このサンプル中で下線の引いてある個所は,実行系ごとに内容が異なる個所であることを示します。
 
server name            $name_N,
       alias           $alias_N,
       acttype         monitor,
       initial         online,
       termcommand     /home/manager/hamon/bin/stop.sh,
       disk            $disk_N,
       lan_updown      use,
       fs_name         $fs_name_N,
       fs_mount_dir    /hamon,
       patrolcommand   /home/manager/hamon/bin/monitor.sh,
       servexec_retry  3,
       waitserv_exec   yes,
       actcommand      /home/manager/hamon/bin/start.sh;
 

serversファイルのサンプル(待機系の場合)
このサンプル中では,リカバリ処理を実行するコマンドを一つにするため,実行系ごとに異なる情報(エイリアス名,エイリアスIPアドレス,マウントディレクトリ)は引数として渡しています。また,このサンプル中で下線の引いてある個所は,実行系のserversファイルと内容が異なる個所であることを示します。
 
server name             $name_N,
       alias            $alias_N,
       acttype          monitor,
       initial          standby,
       termcommand      /home/manager/hamon/bin/stop.sh,
       disk             $disk_N,
       lan_updown       use,
       fs_name          $fs_name_N,
       fs_mount_dir     $mnt_N,
       patrolcommand    "/opt/hitachi/HAmon/bin/monend $alias_N",
       servexec_retry   3,
       waitserv_exec    yes,
       actcommand       "/home/manager/hamon/bin/recover.sh $alias_N $ip_N $mnt_N";
 
server name             $name_N+1,
       alias            $alias_N+1,
       acttype          monitor,
       initial          standby,
       termcommand      /home/manager/hamon/bin/stop.sh,
       lan_updown       use,
       disk             $disk_N+1,
       fs_name          $fs_name_N+1,
       fs_mount_dir     $mnt_N+1,
       patrolcommand    "/opt/hitachi/HAmon/bin/monend $alias_N+1",
       servexec_retry   3,
       waitserv_exec    yes,
       actcommand       "/home/manager/hamon/bin/recover.sh $alias_N+1 $ip_N+1 $mnt_N+1";
 
待機系のserversファイルの設定内容のポイントについて説明します。
  • 待機系のserversファイルには,N台分の実行系の設定を記述してください。また,実行系に対応したエントリを記述してください。
  • リカバリ処理を実行するコマンドを一つにするため,実行系ごとに異なる情報(エイリアス名,エイリアスIPアドレス,マウントディレクトリ)は引数として渡すことをお勧めします。