ここでは,アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの構築例とシステムの設定手順について説明します。
アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの構成例を次の図に示します。なお,以降の項では,このシステムの構成例を使用したシステムの構築例を示します。
図17-8 アプリケーションサーバを対象にした1:1系切り替えシステムの構成例(Windowsの場合)
この例では,アプリケーションサーバの実行系(現用系)とアプリケーションサーバの待機系(予備系)を1:1で配置しています。また,Management Serverは,運用管理サーバとして,アプリケーションサーバとは別のマシンに配置しています。
アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムでは,まずクラスタを構築して,アプリケーションサーバをクラスタ(例ではAPS)内に現用系ノード(例ではNode1)と予備系ノード(例ではNode2)として定義します。また,現用系ノードと予備系ノードは,「物理ディスクリソース」,「IPアドレスリソース」,「ネットワーク名リソース」,および「汎用スクリプトリソース」を含めた,一つのリソースグループ(例ではClusterA)として定義します。
なお,アプリケーションサーバをクラスタ構成に配置するためには,エイリアスIPアドレスを設けて,稼働中のノードがエイリアスIPアドレスを引き継ぐことで,クライアントがクラスタ内のノードを意識しないようにします。1:1系切り替えシステムの場合,エイリアスIPアドレスは,Windows Server Failover Clusterによって動的に割り当てられるアドレス(クラスタIPアドレス)となります。
Windows Server Failover Clusterと連携する場合には,運用管理ポータルやクラスタアドミニストレータの設定などが必要になります。アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの設定手順を次の図に示します。
図17-9 アプリケーションサーバを対象にした1:1系切り替えシステムの設定手順(Windowsの場合)
図中の1.~6.について説明します。