システムの運用を開始したら,論理サーバのステータスやシステムの稼働情報を適宜確認して,安定した稼働状態を保っていくことが必要です。稼働情報に出力されたシステム性能を基に,チューニングが必要かどうかも判断する必要があります。
ここでは,システムの運用状況を監視する作業について説明します。システムの運用監視について次の表に示します。
表2-3 システムの運用監視
作業内容 | 手段 | 作業概要 | 参照先マニュアル | 参照個所 |
---|---|---|---|---|
サービスユニットのステータス監視 | Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_statusコマンド) | Webシステム中のサービスユニットのステータスを確認して,システムが正常に稼働しているかどうかを監視できます。 | このマニュアル | 2.5.2(1) |
論理サーバのステータス監視 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) | システムを構成するホストおよびサーバのステータスを確認して,システムが正常に稼働しているかどうかを監視できます。この情報を基に,必要に応じて起動,停止,再起動ができます。 論理サーバのステータスは,次の単位で確認できます。
| 2.5.2(2) | |
システムの稼働監視 | 稼働情報収集機能※1※2 | J2EEサーバ,バッチサーバ,またはSFOサーバの稼働状態を監視して,稼働情報ファイルに出力できます。 システムの性能を監視することで,システム内の問題個所を発見したり,パフォーマンスチューニングに役立てたりすることができます。 | 3.2 | |
運用管理コマンド(mngsvrutil) | J2EEサーバ,バッチサーバ,またはSFOサーバの稼働状態を監視して,CSV形式またはSNMP連携用形式のファイルに出力できます。 システムの性能を監視することで,システム内の問題個所を発見したり,パフォーマンスチューニングに役立てたりすることができます。 | 8.2 | ||
リソース枯渇監視機能※1※3 | リソースの使用率または使用数の推移を監視して,使用率または使用数がしきい値を超えた場合,メッセージを出力できます。リソースの使用率または使用数の推移は,リソース枯渇監視情報として定期的に出力できます。しきい値を超えた場合,出力されているリソース枯渇監視情報を基に原因を分析して適切に対処することで,トラブルの発生を未然に防げます。また,リソース枯渇監視情報は,トラブル発生後の要因の解析にも役立ちます。 | 4.2 | ||
運用管理コマンド(mngsvrutil) | 運用管理ドメイン内のCTM※4の稼働統計情報を確認します。次の単位で確認できます。
| 10.2 | ||
トランザクション情報の確認 | サーバ管理コマンド(cjlisttrn) | 稼働中のJ2EEサーバでのトランザクションの状態や,停止中のJ2EEサーバでの未決着のトランザクションの有無などの情報を確認します。 | 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.15.9 |
注※1 システム構築時に設定した一定の間隔ごとにファイルが出力されるため,サーバ管理コマンドや運用管理コマンドなどのツールを使用して出力する必要はありません。
注※2 稼働情報ファイルに出力されるFullGC回数,またはURLグループ単位の実行待ちリクエスト数がしきい値を超えたときに,メッセージが出力されます(しきい値イベント)。このメッセージを利用してManagementイベントを発行し,対処をManagementアクションとして自動化できます。しきい値イベントの設定については,「3.4.4 実行環境での設定(J2EEサーバの設定)」を参照してください。また,Managementイベントによる処理の自動実行の設定については,「9.4 Managementイベントによる処理の自動実行の設定」を参照してください。
注※3 リソースの使用状況がしきい値を超えた場合,Managementイベントを発行できます。Managementイベントを利用すると,対処をManagementアクションとして自動化できます。Managementイベントによる処理の自動実行の設定については,「9.4 Managementイベントによる処理の自動実行の設定」を参照してください。
注※4 CTMは,構成ソフトウェアにComponent Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説」の「2.2.1 製品と構成ソフトウェアの対応」を参照してください。