13.5 Webフロントシステムでの運用例

ここでは,WebフロントシステムでJP1/IMと連携し,アプリケーションサーバのログファイルを監視して,システムの集中監視をする運用例について説明します。

<この節の構成>
(1) システム構成と運用例
(2) Windows Server 2008 x86,またはWindows Server 2008 x64の場合の設定例
(3) Linux(AMD64 & Intel EM64T)の場合の設定例

(1) システム構成と運用例

JP1/IMと連携してシステムを集中監視すると,アプリケーションサーバのプロセスで発生した事象(エラーメッセージ)は,JP1イベントに変換されてJP1総合運用管理サーバへ転送され,システム運用者に通知されます。

この場合,アプリケーションサーバにはJP1/Base,JP1/統合運用管理サーバにはJP1/Base,JP1/IM - Manager,JP1/IM - Viewなどを利用します。

Webフロントシステムでのシステム構成と運用例を次の図に示します。

図13-7 Webフロントシステムでのシステム構成と運用例(JP1/IMを使用したシステムの集中監視)

[図データ]

  1. アプリケーションサーバのプロセスで発生した事象(エラーメッセージ)が出力されたログファイルは,JP1/Baseのログファイルトラップによって定期的に監視されます。
  2. ログファイルトラップ動作定義ファイルの監視条件と一致すると,JP1/BaseのログファイルトラップによってそのエラーメッセージはJP1イベントに変換され,JP1/Baseのイベントサービスによってイベントデータベースに蓄積されます。
  3. JP1イベントは,JP1/BaseのイベントサービスによってJP1統合運用管理サーバへ転送されます。
  4. 通知を受けたシステム運用者は,JP1/IM - Viewを使って発生した事象を確認します。

このシステム構成を例にして,監視するログとメッセージ,および各ログを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの設定例を説明します。ここでは,代表的なOSの設定例について説明します。

(2) Windows Server 2008 x86,またはWindows Server 2008 x64の場合の設定例

Windows Server 2008 x86,またはWindows Server 2008 x64の場合に監視するログファイルと,ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容を次の表に示します。なお,ここで説明するログファイルの出力先はデフォルトになります。

表13-8 監視するログファイルとログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容(Windows Server 2008 x86,またはWindows Server 2008 x64の場合)

項番プロセス名監視するログファイル名ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容説明
FILETYPE※1の指定値ACTDEF※2の指定値MARKSTR※3の指定値
1Webサーバ(HTTP Serverの場合)<HWSのインストールディレクトリ>¥servers¥HWS_<サーバ名称>¥logs¥error.[n]WRAP2
新規出現タイプ
"emerg"
"alert"
"crit"
"error"
"File does not exist"[n]は001から005まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥logs¥hws_redirect[n].logWRAP2
新規出現タイプ
"-E""KDJE39188-E"
"KDJE41010-E"
[n]は1から8まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
2J2EEサーバ<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥ejb¥<サーバ名称>¥logs¥cjmessage[n].logWRAP2
新規出現タイプ
"-E"
"KDJE52703-W"
"KDJE31002-W"
"KDJE53850-W"※4,または"KDJE34500-W"※4
"KDJE39022-E"
"KDJE39051-E"
"KDJE39057-E"
[n]は1から2まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
Oracleの場合
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥ejb¥<サーバ名称>¥logs¥connectors¥DB_Connector_for_Oracle[n].log
HiRDBの場合
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥ejb¥<サーバ名称>¥logs¥connectors¥DB_Connector_for_HiRDB_Type4[n].log
SQL Serverの場合
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥ejb¥<サーバ名称>¥logs¥connectors¥DB_Connector_for_SQLServer2005[n].log
WRAP2
新規出現タイプ
"-E"[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
3Management Server<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>¥manager¥log¥message¥mngmessage[n].logWRAP2
新規出現タイプ
"-E"[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
4運用管理エージェント

(凡例)-:指定値がないことを示します。

注※1 読み込むログファイルのレコード形式を指定します。

注※2 JP1イベントに変換するログデータを指定します。

注※3 存在しないURLへのアクセス,リクエストの中断など,ブラウザの操作で簡単に発生するエラーメッセージ(監視の対象外にしたいデータ)を指定します。

注※4  Windows Server 2008 x86の場合はKDJE53850-W,Windows Server 2008 x64の場合はKDJE34500-Wです。


JP1/Baseのログファイルトラップの起動コマンド(jevlogstartコマンド)に,引数として設定するログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例を次に示します。ログファイルトラップ動作定義ファイルは,監視するログファイルごとに作成します。

(3) Linux(AMD64 & Intel EM64T)の場合の設定例

Linux(AMD64 & Intel EM64T)の場合に監視するログファイルと,ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容を次の表に示します。なお,ここで説明するログファイルの出力先はデフォルトになります。

表13-9 監視するログファイルとログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容(Linux(AMD64 & Intel EM64T)の場合)

項番プロセス名監視するログファイル名ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容説明
FILETYPE※1の指定値ACTDEF※2の指定値MARKSTR※3の指定値
1Webサーバ(HTTP Serverの場合)<HWSのインストールディレクトリ>/servers/HWS_<サーバ名称>/logs/error.[n]WRAP2
新規出現タイプ
"emerg"
"alert"
"crit"
"error"
"File does not exist"[n]は001から005まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
/opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs/hws_redirect[n].logHTRACE
新規出現タイプ
"-E""KDJE39188-E"
"KDJE41010-E"
[n]は1から8まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
2J2EEサーバ/opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/logs/cjmessage[n].logWRAP2
新規出現タイプ
"-E"
"KDJE52703-W"
"KDJE31002-W"
"KDJE34500-W"
"KDJE39022-E"
"KDJE39051-E"
"KDJE39057-E"
[n]は1から2まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
Oracleの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/logs/connectors/DB_Connector_for_Oracle[n].log
HiRDBの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/logs/connectors/DB_Connector_for_HiRDB_Type4[n].log
SQL Serverの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/logs/connectors/DB_Connector_for_SQLServer2005[n].log
WRAP2
新規出現タイプ
"-E"[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
3Management Server/opt/Cosminexus/manager/log/message/mngmessage[n].logWRAP2
新規出現タイプ
"-E"[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。
4運用管理エージェント

(凡例)-:指定値がないことを示します。

注※1 読み込むログファイルのレコード形式を指定します。

注※2 JP1イベントに変換するログデータを指定します。

注※3 存在しないURLへのアクセス,リクエストの中断など,ブラウザの操作で簡単に発生するエラーメッセージ(監視の対象外にしたいデータ)を指定します。


JP1/Baseのログファイルトラップの起動コマンド(jevlogstartコマンド)に,引数として設定するログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例を次に示します。ログファイルトラップ動作定義ファイルは,監視するログファイルごとに作成します。