7.6.1 EADsサーバの環境設定

EADsサーバの環境設定では,EADsサーバのセットアップとEADsセッションフェイルオーバ用のJARファイルの配置をします。

<この項の構成>
(1) EADsサーバのセットアップ
(2) EADsセッションフェイルオーバ用のJARファイルの配置

(1) EADsサーバのセットアップ

EADsで提供されるサーバ定義ファイル,クラスタ定義ファイル,および起動設定ファイルを設定します。設定するEADsのパラメタ,デフォルト値,および推奨値を定義ファイルごとに表に示します。表で示したEADsのパラメタには,EADsセッションフェイルオーバ機能だけでEADsサーバを使用することを前提として,値を設定してください。

セットアップの手順については,マニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。

サーバ定義ファイル

EADsで提供されるサーバ定義ファイルのプロパティを次の表に示します。

表7-29 EADsセッションフェイルオーバ機能で推奨するEADsサーバの設定(サーバ定義ファイル)

項番EADsのプロパティEADsセッションフェイルオーバ機能の推奨値と動作
パラメタ名内容デフォルト値推奨値推奨値以外を指定した場合の動作
1eads.server.addressEADsサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。このパラメタは必ず指定してください。
指定する値は,簡易構築定義ファイルで設定するwebserver.eadssfo.eads.client.<接続先EADsサーバ名>.addressキーに指定したIPアドレスまたはホスト名と合わせる必要があります。指定した値が異なる場合,EADsクライアントからEADsサーバに接続できないため,EADsクライアントの初期化に失敗します。
なしなし
2eads.server.portEADsクライアントとの通信に使用するポート番号を指定します。
指定する値は,簡易構築定義ファイルで設定するwebserver.eadssfo.eads.client.<接続先EADsサーバ名>.portキーに指定したポート番号と合わせる必要があります。指定した値が異なる場合,EADsクライアントからEADsサーバに接続できないため,EADsクライアントの初期化に失敗します。
24600なし
3eads.server.max_connectionsEADsサーバへの最大同時接続数を指定します。10推奨値については,「7.2.3 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定」を参照してください。なし
4eads.server.cache.max_execute_threadsキャッシュ操作の最大同時実行数を指定します。eads.server.max_connectionsの値推奨値については,「7.2.3 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定」を参照してください。なし
5eads.server.function_container.max_execute_threadsユーザファンクション全体の最大同時実行数を指定します。eads.server.max_connectionsの値推奨値については,「7.2.3 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定」を参照してください。なし
6eads.prf.enable性能解析トレースに出力するかどうかを指定します。
true:出力する。
false:出力しない。
falsetruefalseを指定すると,EADsサーバの性能解析トレースが出力されなくなります。このため,EADsセッションフェイルオーバ機能からEADsサーバへの一連のアクセスを確認できなくなります。
7eads.prf.keyInfo.enable性能解析トレース内のkey情報を含めるかどうかを指定します。
true:含める。
false:含めない。
falsetruefalseを指定すると,EADsサーバの性能解析トレースにkey情報が出力されなくなります。このため,EADsサーバ側に正しいkey情報が引き継がれているかを確認できなくなります。
8eads.connection.buffersizeコネクションの読み込み/書き込みバッファサイズ(単位:バイト) を指定します。40964096なし
9eads.connectionPool.poolsize同一接続先に対してプールしておくコネクションの最大個数を指定します。詳細については,「7.2.3 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定」を参照してください。10なし
10eads.connection.timeout接続確認やデータ送受信の監視時間(単位:ミリ秒)を指定します。詳細については,「7.2.2 タイムアウトの設定」を参照してください。3000なし
11eads.cluster.failureDetector.retry生存確認の接続タイムアウト時のリトライ回数を指定します。
このプロパティには,ネットワーク環境に合わせて適切な値を設定する必要があります。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
0なし
12eads.cluster.failureDetector.portEADsサーバ間の生存確認に使用するポート番号を指定します。
このプロパティには,ネットワーク環境に合わせて適切な値を設定する必要があります。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
24631なし
13eads.cluster.assertive.threshold.percentsEADsサーバがダウンしたことを確定するEADsサーバ数の割合(単位:%)を指定します。
EADsサーバ数が1未満になる場合は1に切り上げ,それ以外は小数点以下を切り捨てます。
このプロパティで指定した値はEADsで運用を継続するために最低限必要なサーバの数に影響があります。
501
正常なEADsサーバが残り1台になるまで運用を継続できます。
ただし,障害のケースによっては,複数クラスタに分割され,その後のセッションの更新でデータの整合性が崩れるおそれがあります。
データの整合性を保つためには,クラスタ構成変更のメッセージを監視し,
複数クラスタに分割された場合には1クラスタになるように他クラスタ側のEADsサーバを停止させる必要があります。
EADsサーバの対処については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「2.5.4 EADsセッションフェイルオーバ機能でトラブルが発生した場合」を参照してください。
14eads.cluster.heartbeat.intervalハートビートの送信間隔(単位:ミリ秒)を指定します。
このプロパティには,ネットワーク環境に合わせて適切な値を設定する必要があります。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
400なし
15eads.cluster.heartbeat.timeoutハートビートのタイムアウト時間(単位:ミリ秒)を指定します。
このプロパティには,ネットワーク環境に合わせて適切な値を設定する必要があります。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
2000なし

(凡例)-:EADsセッションフェイルオーバ機能としての推奨値がない。

注※ クラスタ構成を変更した場合,EADsサーバのメッセージKDEA04524-Iが出力されます。


クラスタ定義ファイル

EADsで提供されるクラスタ定義ファイルのプロパティを次の表に示します。

表7-30 EADsセッションフェイルオーバ機能で推奨するEADsサーバの設定(クラスタ定義ファイル)

項番EADsのプロパティEADsセッションフェイルオーバ機能の推奨値と動作
パラメタ名内容デフォルト値推奨値推奨値以外を指定した場合の動作
1eads.replication.factorデータの多重度を指定します。多重度がクラスタを構成するEADsサーバ数より多い場合,クラスタを構成するEADsサーバ数が多重度として設定されます。
このプロパティは,システムの可用性,必要なメモリサイズ,EADsサーバ間の通信のオーバーヘッドなどを考慮して,適切な値を設定する必要があります。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
2なし

(凡例)-:EADsセッションフェイルオーバ機能としての推奨値がない。


起動設定ファイル

EADsで提供される起動設定ファイルのプロパティを次の表に示します。

表7-31 EADsセッションフェイルオーバ機能で推奨するEADsサーバの設定(起動設定ファイル)

項番EADsのプロパティEADsセッションフェイルオーバ機能の推奨値と動作
パラメタ名内容デフォルト値推奨値推奨値以外を指定した場合の動作
1eads.prf.levelprfトレースの出力レベルを指定します。詳細レベル(0x40000000​)詳細レベル(0x40000000​)標準レベル(0x00000000​)を指定した場合,EADsサーバの性能解析トレースの一部が出力されなくなります。このため,EADsセッションフェイルオーバ機能からEADsサーバへの一連のアクセスを調査できなくなります。
2eads.java.heapsizekeyが格納されているJavaヒープのサイズ(単位:メガバイト)を指定します。3072EADsが提供しているJavaヒープサイズを見積もる計算式で算出した値。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
EADsサーバを使用する場合のkeyとvalueのサイズについては,「5.8.4 EADsサーバのメモリの見積もり」を参照してください。
推奨値よりも小さい値を指定した場合,メモリ不足でEADsサーバ上のアプリケーション情報またはグローバルセッション情報の操作に失敗するおそれがあります。
3eads.java.external.heapsizevalueが格納されているExplicitヒープのサイズ(単位:メガバイト)を指定します。指定したExplicitヒープのサイズの3%(小数点以下は切り上げ)は管理領域として使用されます。1024EADsが提供しているExplicitヒープサイズを見積もる計算式で算出した値。詳細についてはマニュアル「Elastic Application Data store ユーザーズガイド」を参照してください。
EADsサーバを使用する場合のkeyとvalueのサイズについては,「5.8.4 EADsサーバのメモリの見積もり」を参照してください。
推奨値よりも小さい値を指定した場合,メモリ不足でEADsサーバ上のアプリケーション情報またはグローバルセッション情報の操作に失敗するおそれがあります。

(2) EADsセッションフェイルオーバ用のJARファイルの配置

EADsサーバ上でEADsセッションフェイルオーバ機能の処理を実行するため,<Application Serverのインストールディレクトリ>¥CC¥sfo¥eads¥libディレクトリに格納されているsfo-function.jarを,EADsのクラスタ内に存在するすべてのEADsサーバの次のディレクトリに配置します。

<EADsサーバのインストールディレクトリ>¥servers¥<EADsサーバ名>¥app