8.13.4 J2EEサーバで利用するための設定

ここでは,J2EEサーバで明示管理ヒープ機能を利用するための設定について説明します。J2EEサーバでは,次のオブジェクトをExplicitヒープに配置する対象にするかどうかを,J2EEサーバのプロパティとして設定します。

デフォルトでは,どちらのオブジェクトもExplicitヒープに配置するように設定されています。ただし,「8.13.1 明示管理ヒープ機能を利用するための共通の設定(JavaVMオプションの設定)」で説明したJavaVMオプションで,明示管理ヒープ機能を使用しない設定に変更した場合は,J2EEサーバのプロパティの設定は無効になります。

<この項の構成>
(1) 設定方法
(2) 簡易構築定義ファイルの定義例

(1) 設定方法

J2EEサーバの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。明示管理ヒープ機能の定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に指定します。

簡易構築定義ファイルでの明示管理ヒープ機能の定義について次の表に示します。

表8-16 簡易構築定義ファイルでの明示管理ヒープ機能の定義

指定するパラメタ設定内容
ejbserver.server.eheap.httpsession.enabledHTTPセッションに関するオブジェクトをExplicitヒープに配置するかどうかを指定します。
ejbserver.server.eheap.ajp13.enabledリダイレクタとの通信用オブジェクトをExplicitヒープに配置するかどうかを指定します。

指定するパラメタの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.14 論理J2EEサーバで指定できるパラメタ」を参照してください。

次に,JavaVMオプションと各プロパティの関係について説明します。

JavaVMオプションとejbserver.server.eheap.httpsession.enabledプロパティの関係
前提となるJavaVMオプションとejbserver.server.eheap.httpsession.enabledプロパティの指定値によって,HTTPセッションに関するオブジェクトの配置先が異なります。HTTPセッションに関するオブジェクトの配置先を次の表に示します。

表8-17 JavaVMオプションとejbserver.server.eheap.httpsession.enabledプロパティの値によるHTTPセッションに関するオブジェクトの配置先

JavaVMオプションejbserver.server.eheap.httpsession.enabledプロパティの値配置先
-XX:+HitachiUseExplicitMemorytrueExplicitヒープ領域
falseJavaヒープ領域
そのほか(不正な文字列,指定なしなど)Explicitヒープ領域
-XX:-HitachiUseExplicitMemorytrueJavaヒープ領域
false
そのほか(不正な文字列,指定なしなど)
指定なしtrueJavaヒープ領域
false
そのほか(不正な文字列,指定なしなど)
JavaVMオプションとejbserver.server.eheap.ajp13.enabledプロパティの関係
前提となるJavaVMオプションとejbserver.server.eheap.ajp13.enabledプロパティの値によって,リダイレクタとの通信用オブジェクトの配置先が異なります。リダイレクタとの通信用オブジェクトの配置先を次の表に示します。

表8-18 JavaVMオプションとejbserver.server.eheap.ajp13.enabledプロパティの値によるリダイレクタとの通信用オブジェクトの配置先

JavaVMオプションejbserver.server.eheap.ajp13.enabledプロパティの値配置先
-XX:+HitachiUseExplicitMemorytrueExplicitヒープ領域
falseJavaヒープ領域
そのほか(不正な文字列,指定なしなど)Explicitヒープ領域
-XX:-HitachiUseExplicitMemorytrueJavaヒープ領域
false
そのほか(不正な文字列,指定なしなど)
指定なしtrueJavaヒープ領域
false
そのほか(不正な文字列,指定なしなど)

(2) 簡易構築定義ファイルの定義例

簡易構築定義ファイルでの定義例を次に示します。