HTTPセッションの縮退とは,データベースまたはEADsサーバで次の表に示す障害が発生した場合に,処理を中断しないで,J2EEサーバ上のHTTPセッションを使用してリクエスト処理を続行する機能です。
表5-12 HTTPセッションの縮退が機能する障害の内容
障害の発生個所 | 使用する機能 | 障害の内容 |
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データベース | データベースセッションフェイルオーバ機能 |
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EADsサーバ | EADsセッションフェイルオーバ機能 |
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発生した障害によってHTTPセッションが縮退するときの動作を使用する機能ごとに表に示します。
表5-13 HTTPセッションの縮退時の動作(データベースセッションフェイルオーバ機能の場合)
発生した障害 | 縮退の動作 | 縮退時に出力されるメッセージ※ | 縮退が解除されるタイミング | 縮退したHTTPセッションの引き継ぎ |
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グローバルセッション情報の作成時にデータベースに空きレコードがない。 | J2EEサーバ上のHTTPセッションだけを作成する。 | KDJE34367-W | 以降のHTTPセッションの操作時にデータベースに空きレコードがあり,グローバルセッション情報を作成できた場合。 | データベースにグローバルセッション情報が存在しないため,引き継がれない。 |
グローバルセッション情報の操作時にデータベース障害が発生した。 | J2EEサーバ上のHTTPセッションだけを操作する。 | KDJE34368-W | 以降のHTTPセッションの操作時にデータベースアクセスに成功した場合。 |
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注※ 発生した障害ごとに,初めて縮退したときに出力されるメッセージです。それ以降は,縮退したHTTPセッションがすべてなくなってから,再び縮退するまで出力されません。なお,縮退したHTTPセッションがすべてなくなった場合は,メッセージKDJE34369-Iが出力されます。
表5-14 HTTPセッションの縮退時の動作(EADsセッションフェイルオーバ機能の場合)
発生した障害 | 縮退の動作 | 縮退時に出力されるメッセージ※1 | 縮退が解除されるタイミング | 縮退したHTTPセッションの引き継ぎ |
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グローバルセッション情報の格納先サーバ上のデータ更新に失敗した。 | J2EEサーバ上のHTTPセッションだけを操作する。 | KDJE34427-W | 以降のHTTPセッションの操作時にグローバルセッション情報の格納先サーバおよび全コピー先サーバ上のグローバルセッション情報を作成または更新できた場合。 |
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グローバルセッション情報の格納先サーバ上のデータ更新に成功し,コピー先サーバ上のデータ更新に失敗した。 | J2EEサーバ上のHTTPセッションだけを操作する。 | KDJE34420-W |
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注※1 発生した障害ごとに,初めて縮退したときに出力されるメッセージです。それ以降は,縮退したHTTPセッションがすべてなくなってから,再び縮退するまで出力されません。なお,縮退したHTTPセッションがすべてなくなった場合は,メッセージKDJE34428-Iが出力されます。
注※2 グローバルセッション情報の格納先サーバに障害が発生して,グローバルセッション情報が作成されていないコピー先サーバがグローバルセッション情報の格納先サーバに変わった場合,グローバルセッション情報が存在しない状態になります。
注※3 グローバルセッション情報の格納先サーバに障害が発生して,グローバルセッション情報が更新されていないコピー先サーバがグローバルセッション情報の格納先サーバに変わった場合,古いグローバルセッション情報が存在する状態になります。