7.2.3 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定

EADsセッションフェイルオーバ機能を使用する場合,EADsクライアントとEADsサーバに設定する最大同時接続数,最大同時実行数,およびコネクションプールサイズを含めた,システム全体でのチューニングが必要です。ここでは,EADsセッションフェイルオーバ機能を使用するシステムで同時接続数,同時実行数およびコネクションプールサイズが設定できるポイントについて説明します。

<この項の構成>
(1) 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズが設定できるポイント
(2) EADsセッションフェイルオーバ機能で推奨する同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定値

(1) 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズが設定できるポイント

EADsセッションフェイルオーバ機能を使用するシステムで同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズが設定できるポイントを次の図に示します。

図7-3 同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズが設定できるポイント

[図データ]

表7-7 設定ポイントに設定する同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの内容

設定ポイント設定個所設定対象設定の内容
(1)Webサーバ最大同時接続数Webサーバに同時に接続できる最大数。
(2)リダイレクタコネクションプールサイズJ2EEサーバと通信するために使用するコネクションのプールサイズ。
(3)Webコンテナ同時実行スレッド数J2EEサーバで同時にリクエストを処理するスレッドの最大数。
(4)EADsクライアントコネクションプールサイズEADsサーバと通信するために使用するコネクションのプールサイズ。
(5)EADsサーバ最大同時接続数EADsサーバに同時に接続できる最大数。
(6)最大同時実行数EADsサーバで同時にリクエストを処理するスレッドの最大数。
(7)コネクションプールサイズEADsのクラスタ内の他のEADsサーバと通信するために使用するコネクションのプールサイズ。

(2) EADsセッションフェイルオーバ機能で推奨する同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定値

図7-3の場合に推奨する同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定値を次の表に示します。

表7-8 推奨する同時接続数,同時実行数とコネクションプールサイズの設定値

設定ポイント推奨する同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定値推奨する同時接続数,同時実行数,およびコネクションプールサイズの設定値にしなかった場合の影響
(1)~(3)
(4)(3)と同じ値推奨する設定値よりも小さい値を指定した場合,J2EEサーバの同時実行スレッド数の超過のため,プールしているコネクションが不足します。これによって,リクエストのたびにコネクションの確立と破棄が実行されることがあります。
(5)(1)×Webサーバ数×1.2推奨する設定値よりも小さい値を指定した場合,EADsサーバへの同時接続数の超過のため,EADsサーバとの接続に失敗します。これによって,EADsサーバ上のグローバルセッションの操作に失敗することがあります。
(6)(5)と同じ値
(7)(6)×(EADsのデータの多重度-1)推奨する設定値よりも小さい値を指定した場合,EADsクライアントおよび他のEADsサーバからのアクセスの集中のため,プールしているコネクションが不足します。これによって,リクエストのたびにコネクションの確立と破棄が実行されることがあります。

(凡例)-:EADsセッションフェイルオーバとしての推奨値はありません。

注※ EADsのデータの多重度が1(EADsサーバに格納したデータを,他のEADsサーバにコピーしない)の場合,この式で算出した値は0になりますが,EADsのコマンド用に1を設定することを推奨します。