Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

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6.12.3 エンティティクラスのフィールドに対するアクセス方法の指定

CJPAプロバイダは,エンティティの状態をデータベースに書き込んだり,データベースの状態をエンティティとして読み込んだりするときに,エンティティクラスのフィールドにアクセスします。このときのアクセス方法をアクセスタイプと呼びます。アクセスタイプには,プロパティとフィールドの2種類があります。また,アクセスタイプはアノテーションまたはO/Rマッピングファイルで指定します。アクセスタイプと指定方法について次の表に示します。

表6-17 アクセスタイプと指定方法

アクセスタイプ 説明 指定方法
アノテーション O/Rマッピングファイル
プロパティ getterメソッドを経由して取得する方法です。 フィールドのgetterメソッドにアノテーションを指定します。 <access>タグにPROPERTYを指定します。
フィールド インスタンス変数を直接参照する方法です。 フィールドにアノテーションを指定します。 <access>タグにFIELDを指定します。

アクセスタイプがプロパティの場合,エンティティが保持するプロパティを永続化プロパティといいます。また,アクセスタイプがフィールドの場合,エンティティのフィールドを永続化フィールドといいます。

アクセスタイプに関連する注意事項
アクセスタイプを指定するときには,次の点を考慮してください。
  • アクセスタイプがフィールドの場合,CJPAプロバイダは永続化フィールドに直接アクセスします。@Transientを設定されていないインスタンス変数は,永続化の対象となります。
  • アクセスタイプがプロパティの場合,CJPAプロバイダはアクセサメソッドを利用して永続化プロパティの値を取得します。@Transientがアクセサメソッドに設定されていないプロパティは,永続化の対象となります。
  • アクセスタイプがプロパティの場合,setterメソッドにマッピングアノテーションは設定できません。CJPAプロバイダの場合,setterメソッドに設定したマッピングアノテーションは無視されます。
  • @TransientまたはO/Rマッピングファイルで<transient>タグが付与されたフィールドとプロパティには,マッピングアノテーションは設定できません。設定した場合には,アプリケーションの開始時に例外が発生します。
  • プロパティのアクセサメソッドはpublicまたはprotectedにしてください。これは,JPA仕様で禁止されていますが,アプリケーションサーバのJPA機能ではチェックしません。また,privateであっても例外も発生しません。
  • 永続化フィールドと永続化プロパティのアクセサメソッドの両方にマッピングアノテーションが適用された場合,永続化プロパティのアクセサメソッドに設定されたアノテーションはすべて無視されます。