Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)
アプリケーションサーバを呼び出すOpenTP1のクライアントでのOpenTP1の機能の使用可否を次の表に示します。なお,OpenTP1のそれぞれの機能の詳細については,マニュアル「OpenTP1 解説」およびマニュアル「OpenTP1 プログラム作成の手引」を参照してください。
表4-2 クライアントでのOpenTP1の機能の使用可否
機能の分類 | OpenTP1の機能 | 使用可否 |
---|---|---|
ユーザアプリケーションプログラムの種類 | SUP | ○ |
SPP | ○ | |
MHP | ○ | |
RPCの種類 | 同期応答型RPC | ○ |
非同期応答型RPC | × | |
非応答型RPC | × | |
連鎖RPC | × | |
トランザクショナルRPC | ○ | |
認証RPC | × | |
呼び出し先のRPC受信形態 | キュー受信型サーバ | ○ |
ソケット受信型サーバ | × | |
リモートAPI機能 | リモートAPI機能 | × |
RPCのサービス要求方式 | ユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクト機能 | ○ |
dc_rpc_call_to関数によるスケジューラダイレクト機能 | ○ | |
ネームサービス機能 | × | |
ドメインネームシステム機能 | × | |
グローバル検索機能 | × | |
マルチスケジューラ機能 | × | |
電文操作 | ユーザデータ電文の圧縮機能 | × |
ユーザ電文 | ユーザ電文長8メガバイト拡張 | ○ |
そのほか | コネクションの保持 | ○ |
テストモード | × | |
要求用TCP/IPコネクションの接続リトライ | ○ | |
詳細エラーコード取得機能 | × |
各機能に対するTP1インバウンドアダプタでの対応について,機能の分類ごとに説明します。
TP1インバウンドアダプタでは,SUP(サービス利用プログラム),SPP(サービス提供プログラム),およびMHP(メッセージ処理プログラム)からの処理を受け付けます。
TP1インバウンドアダプタでは,OpenTP1で使用できるRPC形態のうち,同期応答型RPCおよびトランザクショナルRPCを使用できます。
非同期応答型RPCまたは非応答型RPCを使用してTP1インバウンドアダプタを呼び出した場合,クライアントにはエラーが返されます。
連鎖RPCとは,RPCを複数回実行する場合に,各RPC呼び出しを必ず同じプロセスで実行することを保証するOpenTP1の機能です。TP1インバウンドアダプタでは,連鎖RPCを保証しません。クライアントで連鎖RPCを有効にしてRPC通信を実行した場合は,エラーが返されます。
なお,TP1インバウンドアダプタでは,認証RPCはサポートしません。
TP1インバウンドアダプタでは,キュー受信型サーバだけを使用できます。
TP1インバウンドアダプタでは,必ずスケジュールキューを経由してサービス要求を受信します。このため,スケジュールキューを経由しないで直接サービス要求を受信する形態であるソケット受信型サーバ機能は使用できません。
TP1インバウンドアダプタでは,リモートAPI機能は使用できません。
リモートAPI機能とは,OpenTP1のSPP側でRPCの代理実行をする機能です。OpenTP1では,リモートAPIを使用することで,ファイアウォールの内側にあるUAPに対してサービスを要求できます。TP1インバウンドアダプタを使用する場合,ファイアウォールの内側のUAPに対するサービス要求はできません。
TP1インバウンドアダプタでは,ユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクト機能を利用して,SUPからSPPを呼び出します。ユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクト機能とは,あらかじめ,ユーザサービスネットワーク定義にサービス情報を静的に定義しておくことで,ネームサービスを参照しないで,直接スケジュールサービスにアクセスするための機能です。TP1インバウンドアダプタを呼び出す場合,必ずこの機能を使用してください。
ユーザサービスネットワーク定義に複数のホストを記載することで,OpenTP1の機能によってランダムに決定されたノードにサービス要求を転送することができます。一度決定した転送先ノードは,基本的には固定されます。また,オプションの定義によって,ノード決定を定期間隔で再決定できるようにチューニングできます。
TP1インバウンドアダプタでは,OpenTP1のネームサービスを代替する機能は使用できません。このため,ネームサービスを使用したサービス情報の参照はできません。ユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクト機能を使用する設定がない場合,SUPでサービス情報を取得できないため,TP1インバウンドアダプタを呼び出せません。
なお,TP1インバウンドアダプタでは,ネームサービスの代替機能を使用できないため,ネームサービスの付加機能である次の機能も使用できません。
また,TP1インバウンドアダプタでは,OpenTP1のマルチスケジューラ機能を使用できません。マルチスケジューラ機能とは,複数のスケジューラを起動して複数のRPCを同時に受け付ける機能です。ただし,TP1インバウンドアダプタのスケジュール機能では,受け付けた要求をマルチスレッドで処理するため,すでに電文を処理している場合も,新たに受け付けた別のRPCを同時に処理できます。
TP1インバウンドアダプタでは,ユーザデータ電文圧縮機能を使用できません。
ユーザデータ電文圧縮機能とは,RPCによってネットワーク上に送信されたユーザ電文を圧縮することによって,パケット数を削減し,ネットワークの混雑を緩和するOpenTP1の機能です。
TP1インバウンドアダプタでは,ユーザデータが圧縮されていた場合,エラーを返却します。
RPC通信で,8メガバイトまでのユーザ電文を送受信できます。
TP1インバウンドアダプタでは,表4-2で「そのほか」に分類した機能のうち,コネクションの保持,および要求用TCP/IPコネクションの接続リトライを実行できます。コネクションの保持では,ノード間で確立したコネクションを保持できます。また,要求用TCP/IPコネクションの接続リトライは,RPC要求時にコネクションの確立に失敗した場合に,コネクションの確立をリトライするOpenTP1の機能です。
次の機能は使用できません。
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