EJBのリモートインタフェースの呼び出しに関する注意事項について説明します。
システムプロパティのejbserver.container.rebindpolicyキーで"NO_RECONNECT"(再接続なし/再送なし)を選択した場合,通信障害によってコネクションが切断されると,再接続が抑止されているため該当するオブジェクトリファレンスは再利用できなくなります。このため,EJBクライアントでは,次回Enterprise Beanのメソッド呼び出しをする場合には,EJBホームオブジェクトのときはlookupメソッド,EJBオブジェクトのときはcreateメソッドを再実行したあと,メソッド呼び出しを実行してください。なお,Enterprise Beanのメソッド呼び出し中にコネクションが切断された場合,メソッドは次のどちらかの例外を送出します。
これらの例外をキャッチするクライアントのコーディング例を次に示します。
try { |
リモートインタフェースとして定義されたEJBメソッドを(一つのクライアントから)複数スレッドで呼び出す場合,サーバへのコネクションは一つだけで,複数スレッドでそのコネクションを共有します。一つのEJBの呼び出しでタイムアウトが発生してコネクションがクローズした場合,ほかのEJBの呼び出しは通信障害となります。クライアントの動作として「コネクションを再接続して,リクエストを再送信する」を選択している場合,再度EJBの呼び出しが実行されます。
タイムアウト発生時のコネクションクローズを抑止したい場合,EJBの呼び出し元(クライアント側)のusrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル,バッチサーバ用ユーザプロパティファイル,またはJavaアプリケーション用ユーザプロパティファイル)には,次の内容を設定してください。詳細については,マニュアル「TPBroker 運用ガイド」を参照してください。
vbroker.ce.iiop.ccm.htc.readerPerConnection=true
vbroker.ce.iiop.ccm.htc.threadStarter=true
上記の内容を設定した場合,起動するスレッドが追加されます。スレッド数の見積もりについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5.2.1 J2EEサーバが使用するリソースの見積もり」を参照してください。
ネーミング管理機能でのキャッシング機能を有効にしている場合,コネクション切断後にlookupメソッドを実行すると,キャッシュ上の無効なオブジェクトリファレンスが取得されます。この場合,取得したオブジェクトリファレンスを使用してjavax.rmi.PortableRemoteObject.narrowメソッドやcreateメソッドを実行したときに,CORBA例外(org.omg.CORBA.OBJECT_NOT_EXISTなど)が発生することがあります。
コネクション切断後の無効なキャッシュはクリアしてください。手順については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2.8.2 ネーミングで使用したキャッシュのクリア」を参照してください。