付録D.2 09-50での主な機能変更

<この項の構成>
(1) 開発生産性の向上
(2) 導入・構築の容易性強化
(3) 標準機能・既存機能への対応
(4) 信頼性の維持・向上
(5) 運用性の維持・向上
(6) そのほかの目的

(1) 開発生産性の向上

開発生産性の向上を目的として変更した項目を次の表に示します。

表D-4 開発生産性の向上を目的とした変更

項目変更の概要参照先マニュアル参照個所
Eclipseセットアップの簡略化GUIを利用してEclipse環境をセットアップできるようになりました。アプリケーション開発ガイド1.1.5,2.4
ユーザ拡張性能解析トレースを使ったデバッグ支援ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルを開発環境で作成できるようになりました。アプリケーション開発ガイド1.1.3,6.5

(2) 導入・構築の容易性強化

導入・構築の容易性強化を目的として変更した項目を次の表に示します。

表D-5 導入・構築の容易性強化を目的とした変更

項目変更の概要参照先マニュアル参照個所
仮想化環境でのシステム構成パターンの拡充仮想化環境で使用できるティアの種類(http-tier,j2ee-tierおよびctm-tier)が増えました。これによって,次のシステム構成パターンが構築できるようになりました。
  • WebサーバとJ2EEサーバを別のホストに配置するパターン
  • フロントエンド(サーブレット,JSP)とバックエンド(EJB)を分けて配置するパターン
  • CTMを使用するパターン
仮想化システム構築・運用ガイド1.1.2

(3) 標準機能・既存機能への対応

標準機能・既存機能への対応を目的として変更した項目を次の表に示します。

表D-6 標準機能・既存機能への対応を目的とした変更

項目変更の概要参照先マニュアル参照個所
JDBC 4.0仕様への対応DB ConnectorでJDBC 4.0仕様のHiRDB Type4 JDBC Driver,およびSQL ServerのJDBCドライバに対応しました。機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)3.6.3
Portable Global JNDI名での命名規則の緩和Portable Global JNDI名に使用できる文字を追加しました。機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)2.4.3
Servlet 3.0仕様への対応Servlet 3.0のHTTP Cookieの名称,およびURLのパスパラメタ名の変更が,Servlet 2.5以前のバージョンでも使用できるようになりました。このマニュアル2.7
Bean Validationと連携できるアプリケーションの適用拡大CDIやユーザアプリケーションでもBean Validationを使って検証できるようになりました。機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)10章
JavaMailへの対応JavaMail 1.4に準拠したAPIを使用したメール送受信機能を利用できるようになりました。機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)8章
javacoreコマンドが使用できるOSの適用拡大javacoreコマンドを使って,Windowsのスレッドダンプを取得できるようになりました。リファレンス コマンド編javacore(スレッドダンプの取得/Windowsの場合)

(4) 信頼性の維持・向上

信頼性の維持・向上を目的として変更した項目を次の表に示します。

表D-7 信頼性の維持・向上を目的とした変更

項目変更の概要参照先マニュアル参照個所
コードキャッシュ領域の枯渇回避システムで使用しているコードキャッシュ領域のサイズを確認して,領域が枯渇する前にしきい値を変更して領域枯渇するのを回避できるようになりました。システム設計ガイド7.2.6
機能解説 保守/移行編5.7.2,5.7.3
リファレンス 定義編(サーバ定義)16.1,16.2,16.4
明示管理ヒープ機能の効率的な適用への対応自動解放処理時間を短縮し,明示管理ヒープ機能を効率的に適用するための機能として,Explicitヒープに移動するオブジェクトを制御できる機能を追加しました。
  • Explicitメモリブロックへのオブジェクト移動制御機能
  • 明示管理ヒープ機能適用除外クラス指定機能
  • Explicitヒープ情報へのオブジェクト解放率情報の出力
システム設計ガイド7.14.6
機能解説 拡張編8.2.2,8.6.5,8.10,8.13.1,8.13.3
機能解説 保守/移行編5.5
クラス別統計情報の出力範囲拡大クラス別統計情報を含んだ拡張スレッドダンプに,staticフィールドを基点とした参照関係を出力できるようになりました。機能解説 保守/移行編9.6

(5) 運用性の維持・向上

運用性の維持・向上を目的として変更した項目を次の表に示します。

表D-8 運用性の維持・向上を目的とした変更

項目変更の概要参照先マニュアル参照個所
EADsセッションフェイルオーバ機能のサポートEADsと連携してセッションフェイルオーバ機能を実現するEADsセッションフェイルオーバ機能をサポートしました。機能解説 拡張編5章,7章
WARによる運用WARファイルだけで構成されたWARアプリケーションをJ2EEサーバにデプロイできるようになりました。このマニュアル2.2.1
機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)13.9
リファレンス コマンド編cjimportwar(WARアプリケーションのインポート)
運用管理機能の同期実行による起動と停止運用管理機能(Management Serverおよび運用管理エージェント)の起動および停止を,同期実行するオプションを追加しました。機能解説 運用/監視/連携編2.6.1,2.6.2,2.6.3,2.6.4
リファレンス コマンド編adminagentctl(運用管理エージェントの起動と停止),mngautorun(自動起動および自動再起動の設定/設定解除),mngsvrctl(Management Serverの起動/停止/セットアップ)
明示管理ヒープ機能でのExplicitメモリブロックの強制解放javagcコマンドで,Explicitメモリブロックの解放処理を任意のタイミングで実行できるようになりました。機能解説 拡張編8.6.1,8.9
リファレンス コマンド編javagc(GCの強制発生)

(6) そのほかの目的

そのほかの目的で変更した項目を次の表に示します。

表D-9 そのほかの目的による変更

項目変更の概要参照先マニュアル参照個所
定義情報の取得snapshotlog(snapshotログの収集)コマンドで定義ファイルだけを収集できるようになりました。機能解説 保守/移行編2.3
リファレンス コマンド編snapshotlog(snapshotログの収集)
cjenvsetupコマンドのログ出力Component Container管理者のセットアップ(cjenvsetupコマンド)の実行情報がメッセージログに出力されるようになりました。システム構築・運用ガイド4.1.4
機能解説 保守/移行編4.20
リファレンス コマンド編cjenvsetup(Component Container管理者のセットアップ)
BIG-IP v11のサポート使用できる負荷分散機の種類にBIG-IP v11が追加になりました。システム構築・運用ガイド4.7.2
仮想化システム構築・運用ガイド2.1
明示管理ヒープ機能のイベントログへのCPU時間の出力Explicitメモリブロック解放処理に掛かったCPU時間が,明示管理ヒープ機能のイベントログに出力されるようになりました。機能解説 保守/移行編5.11.3
ユーザ拡張性能解析トレースの機能拡張ユーザ拡張性能解析トレースで,次の機能を追加しました。
  • トレース対象の指定方法を通常のメソッド単位の指定方法に加えて,パッケージ単位またはクラス単位で指定できるようになりました。
  • 使用できるイベントIDの範囲を拡張しました。
  • ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルに指定できる行数の制限を緩和しました。
  • ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルでトレース取得レベルを指定できるようになりました。
機能解説 保守/移行編7.5.2,7.5.3,8.28.1
Session Beanの非同期呼び出し使用時の情報解析向上PRFトレースのルートアプリケーション情報を使用して,呼び出し元と呼び出し先のリクエストを突き合わせることができるようになりました。機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)2.17.3