J2EEアプリケーションを実行するアプリケーションサーバは,次の図に示すプロセスで構成されます。
図2-1 J2EEアプリケーションを実行するアプリケーションサーバを構成するプロセス
それぞれのプロセスについて説明します。なお,図中の番号は,(1)~(6)に対応します。
J2EEサーバは,J2EEアプリケーションの実行基盤となるプロセスです。J2EEサーバは,J2EEアプリケーション,J2EEコンテナ,J2EEサービス,J2EEリソースなど,複数のプログラムモジュールで構成されます。また,J2EEコンテナは,提供する機能によって,EJBコンテナとWebコンテナに分けられます。J2EEサーバを構成するプログラムモジュールについては,「2.3.2 J2EEサーバの構成」で説明します。
Webサーバは,Webブラウザからのリクエスト受信,およびWebブラウザへのデータ送信に関連する処理を実行するプロセスです。J2EEサーバ上で動作するJ2EEアプリケーションにWebブラウザからアクセスするシステムの場合に,Webサーバを使用する必要があります※。なお,Webブラウザからアクセスできるのは,J2EEアプリケーションに含まれるサーブレット,JSP,または静的コンテンツです。
アプリケーションサーバでは,Webサーバとして,HTTP ServerまたはMicrosoft IISを使用できます。HTTP Serverは,アプリケーションサーバの構成ソフトウェアの一つです。HTTP Serverの機能については,マニュアル「HTTP Server」を参照してください。
CTMは,J2EEアプリケーション内のSession Beanに対するリクエストをスケジューリングするためのプロセス群です。CTMを使用することで,クライアントからのリクエストを適切に分散,スケジューリングできます。これによって,サーバの負荷を抑え,システムの可用性を高めて業務を滞りなく進めるようにできます。
CTMとしての機能は,CTMデーモン,CTMレギュレータ,CTMドメインマネジャなどの,複数のプロセスを使用して実現します。また,ネーミングサービスとして,CORBAネーミングサービスを使用します。
CTMの機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「3. CTMによるリクエストのスケジューリングと負荷分散」を参照してください。
アプリケーションサーバは,リクエストを処理するときに,トレース情報をバッファに出力します。また,アプリケーションサーバだけでなく,トレースの対象を拡張して,アプリケーションでもトレース情報をバッファに出力できます。PRFデーモン(パフォーマンストレーサ)は,バッファに出力されたトレース情報をファイルに出力するためのI/Oプロセスです。
PRFデーモンが出力するトレース情報ファイルは,システムのボトルネックを検証したり,トラブルシュートの効率向上を図ったりするために役立ちます。
PRFデーモンの機能の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。
運用管理者の代わりに,それぞれのホスト上の論理サーバを起動したり,設定ファイルを更新したりするエージェント機能を持つプロセスです。なお,論理サーバとは,Management Serverの運用管理の対象になる,サーバまたはクラスタです。
運用管理ドメイン内の各ホストに配置した運用管理エージェントに指示を出して,運用管理ドメイン全体の運用管理を実行するためのプロセスです。
(1)~(6)で示したプロセス以外に,機能に応じて使用するプロセスとして,次のプロセスがあります。