4.4.3 移行時に使用する構成・定義情報の内容

ここでは,cmx_export_modelコマンドを使用して構築済みのシステムの設定内容を出力した場合の出力内容について説明します。

<この項の構成>
(1) XMLスキーマのバージョン
(2) 物理ティアの構成
(3) 論理サーバのコンフィグレーションに設定しているパラメタ
(4) 出力例

(1) XMLスキーマのバージョン

XMLスキーマのバージョンは,最新のバージョンで出力されます。旧バージョンの簡易構築定義ファイルを使用して構築したシステムに対して設定内容を出力した場合,最新のXMLスキーマのバージョンに従って,タグ名称が最新の名称に変換されます。

(2) 物理ティアの構成

Smart Composer機能を使用して構築している場合は,簡易構築定義ファイルで定義した物理ティア(combined-tier,http-tier,j2ee-tier,sfo-tier,またはctm-tier)で出力されます。Smart Composer機能を使用しないで構築したシステムの場合は,free-tierで出力されます。例えば,運用管理ポータルを使用して構築したシステムはfree-tierで出力されます。free-tierでは,システムの構成に応じて,次に示す論理サーバが出力されます。

出力される論理サーバのパラメタについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.11.1 J2EEアプリケーションを実行するシステムを構築する場合」を参照してください。

(3) 論理サーバのコンフィグレーションに設定しているパラメタ

出力規則
  • 非推奨のパラメタは,推奨のパラメタに変換されます。
  • 値を指定しているパラメタは出力されます。値を省略しているパラメタは出力されません。
  • 簡易構築定義ファイルでパラメタにデフォルト値を設定している場合,または運用管理ポータルでキーにデフォルト値を設定している場合,そのパラメタは出力されます。
出力順序
論理サーバの種類ごとに,パラメタの種類によって出力順序があります。また,同じパラメタの種類の中でのパラメタの出力順序は,パラメタ名称の昇順です。パラメタの出力順序を,次の表に示します。

表4-27 パラメタの出力順序

パラメタを設定するサーバ出力順序パラメタの種類
J2EEサーバ1各論理サーバ共通で指定できるパラメタ
2J2EEサーバ用オプション定義のパラメタ
3J2EEサーバ用ユーザプロパティのパラメタ
Webサーバ1各論理サーバ共通で指定できるパラメタ
2HTTP Server定義のパラメタ
3HTTP Server用リダイレクタ動作定義のパラメタ
4ワーカ定義のパラメタ
そのほかの論理サーバ1各論理サーバ共通で指定できるパラメタ
2該当する論理サーバのパラメタ
設定先
構築済みのシステムの論理サーバによってパラメタの設定先が異なります。パラメタの設定先を,次の表に示します。なお,free-tierでは,物理ティアの定義にパラメタを設定できないため,サービスユニットの定義にすべてのパラメタが設定されます。

表4-28 パラメタの設定先

同じ種類の論理サーバの数パラメタに指定している値パラメタの設定先
1物理ティアの定義
2~nすべての論理サーバで同じ物理ティアの定義
論理サーバごとに異なるサービスユニットの定義

(凡例) -:なし

  • システムの中に同じ種類の論理サーバが一つしかない場合,すべてのパラメタが物理ティアの定義に設定されます。
  • システムの中に同じ種類の論理サーバが複数ある場合に,同じ種類の論理サーバで,同じパラメタに同じ値をそれぞれ指定していると,パラメタの値は,物理ティアの定義にそれぞれ設定されます。
  • システムの中に同じ種類の論理サーバが複数ある場合に,同じ種類の論理サーバで,同じパラメタに異なる値をそれぞれ指定していると,パラメタはサービスユニットの定義にそれぞれ設定されます。

(4) 出力例

簡易構築定義ファイルの出力例を次に示します。

ここでは,簡易構築定義ファイルを使用して構築したcombined-tier構成のシステムに,運用管理ポータルでホスト(host1),論理J2EEサーバ(j2ee01),および論理パフォーマンストレーサ(prf01)を追加したシステムの設定内容の出力例を示します。

簡易構築定義ファイルの出力例

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<model-definition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/ModelDefinition-2.5">
 <web-system>
   <name>sample-system</name>
   <tier>
     <tier-type>combined-tier</tier-type>
     <configuration>
       <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type>
       <param>
         <param-name>ejbserver.http.port</param-name>
         <param-value>8085</param-value>
       </param>
     </configuration>
   </tier>
   <unit>
     <name>unit1</name>
     <allocated-host>
       <host-ref>apsv1</host-ref>
       <hosts-for>combined-tier</hosts-for>
     </allocated-host>
   </unit>
 </web-system>
 <web-system>※1
   <tier>
     <tier-type>free-tier※2</tier-type>
   </tier>    
   <unit>※1
     <allocated-host>
       <host-ref>host1</host-ref>
       <hosts-for>free-tier</hosts-for>
       <define-server>
         <logical-server-name>prf01</logical-server-name>
         <logical-server-type>performance-tracer</logical-server-type>
       </define-server>
       <define-server>
         <logical-server-name>j2ee01</logical-server-name>
         <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type>
         <configuration>
           <param>※3
             <param-name>ejbserver.server.prf.PRFID</param-name>
             <param-value>PRF_ID</param-value>
           </param>
         </configuration>
       </define-server>
     </allocated-host>
   </unit>
 </web-system>
 <host>
   <host-name>apsv1</host-name>
 </host>
 <host>
   <host-name>host1</host-name>
 </host>
</model-definition>

注※1 
free-tierには,Webシステム名,およびサービスユニット名がありません。
注※2 
ほかのどの物理ティアの構成にも当てはまらない構成が含まれていると,その構成がfree-tierとして出力されます。
注※3 
free-tierでは,ティアの定義にパラメタを設定できないため,サービスユニットの定義にパラメタが設定されます。