4.1.1 Webサーバを別ホストに配置するには

Webサーバを別ホストに配置するシステムでは,HTMLファイルなどの静的なコンテンツを配置するホストと,業務アプリケーションを実行するホストを分けることで,パフォーマンスの向上が図れます。

Smart Composer機能の場合は,Webサーバを配置するホスト(http-tier)およびJ2EEサーバを配置するホスト(j2ee-tier)や論理サーバの環境設定を定義した簡易構築定義ファイルから,コマンドを使用して構築します。また,運用管理ポータルの場合は,[運用管理ポータル]画面の各画面で,それぞれのホストに論理サーバ(WebサーバやJ2EEサーバなど)を配置して,各論理サーバの設定情報をホストに配布して構築します。

●システム構成例

Webサーバを別ホストに配置するシステムのシステム構成例を次の図に示します。なお,このシステムでは,運用管理機能であるManagement Serverは,J2EEサーバを配置するホストに配置します。また,この構成例では,ネットワークは単一構成(業務LANと管理LANを分けない構成)とし,各ホストは物理NICを一つ使用するものとします。

図4-1 Webサーバを別ホストに配置するシステムのシステム構成例

[図データ]

例題で使用する設定内容を次の表に示します。

表4-1 例題で使用する設定内容(Webサーバを別ホストに配置するシステムの構築)

分類項目設定例
Webサーバを配置するホストホストの名称apsv1
IPアドレス(管理IPアドレス)※1192.168.100.11
論理Webサーバの名称MyWebSystem_HTTP01
論理パフォーマンストレーサの名称MyWebSystem_PRF01
J2EEサーバを配置するホスト※2ホストの名称apsv2
IPアドレス(管理IPアドレス)※1192.168.100.12
論理J2EEサーバの名称MyWebSystem_J2EE01
論理パフォーマンストレーサの名称MyWebSystem_PRF02
J2EEアプリケーションのファイル名MyApp.ear
J2EEアプリケーションの表示名MyApp
運用管理機能の管理ユーザIDadmin
運用管理機能の管理ユーザパスワードadmin

注※1 ネットワークが単一構成の場合,IPアドレスは,業務IPアドレスと管理IPアドレスの両方を兼ねます。

注※2 運用管理機能(Management Server)は,J2EEサーバを配置するホストに配置します。


●実施する作業と作業の要否

Webサーバを別ホストに配置するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否を,利用する構築ツールごとに次の表に示します。

表4-2 Webサーバを別ホストに配置するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否(運用管理ポータル利用時)

Webサーバを別ホストに配置するシステムの構築時に実施する作業作業の要否作業の実施条件参照先マニュアル参照個所
データベースの準備データベースに接続する場合このマニュアル2.1.1
データベースの環境の設定(Oracleの設定)データベース(Oracle)に接続する場合4.1.2
Component Container管理者の設定(UNIXの場合)OSがUNIXの場合で一般ユーザに操作権限を与えるとき4.1.3
Application Serverのインストール必ず実施(OSがWindowsの場合)2.2.2
必ず実施(OSがAIX,HP-UXの場合)2.2.3
必ず実施(OSがLinuxの場合)2.2.4
データベースに接続するための製品のインストールデータベースに接続する場合2.2.5
アプリケーションサーバでサポートしているシンボリックリンク(UNIXの場合)OSがUNIXの場合4.1.5
データベース接続環境の設定データベース(HiRDB)に接続する場合4.1.6
データベース(Oracle)に接続する場合4.1.7
データベース(SQL Server)に接続する場合4.1.8
システムの環境変数の設定必ず実施4.1.11
論理サーバの環境変数の設定インストール時の環境変数を変更する場合4.1.12
運用管理機能の構築必ず実施運用管理ポータル2.2
運用管理エージェントの起動必ず実施4.1.2
Management Serverの起動必ず実施4.1.2
システム環境の設定必ず実施3.2
システム環境のセットアップ必ず実施
システムの起動(論理サーバの起動)必ず実施4.1.2
リソースアダプタの設定リソースアダプタ(DB Connector)によるリソース接続をする場合3.3
リソースアダプタ(DB Connector以外)によるリソース接続をする場合
リソースアダプタの開始リソースアダプタによるリソース接続をする場合4.1.2
業務アプリケーションの設定と開始必ず実施3.4,4.1.2
システム環境定義の変更運用で必要な場合4.2
業務アプリケーションの設定変更運用で必要な場合4.2,4.3
リソースアダプタの設定変更運用で必要な場合4.2
システムの停止(論理サーバの停止)運用で必要な場合4.1.4
Management Serverの停止運用で必要な場合4.1.4
運用管理エージェントの停止運用で必要な場合4.1.4
システム環境の削除運用で必要な場合3.6
(凡例)
運用管理ポータル:マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を示します。
○:必ず実施する作業です。
△:作業の実施条件を満たす場合に実施する作業です。

表4-3 Webサーバを別ホストに配置するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否(Smart Composer機能利用時)

Webサーバを別ホストに配置するシステムの構築時に実施する作業作業の要否作業の実施条件参照個所
データベースの準備データベースに接続する場合2.1.1
データベースの環境の設定(Oracleの設定)データベース(Oracle)に接続する場合4.1.2
Component Container管理者の設定(UNIXの場合)OSがUNIXの場合で一般ユーザに操作権限を与えるとき4.1.3
Application Serverのインストール必ず実施(OSがWindowsの場合)2.2.2
必ず実施(OSがAIX,HP-UXの場合)2.2.3
必ず実施(OSがLinuxの場合)2.2.4
データベースに接続するための製品のインストールデータベースに接続する場合2.2.5
アプリケーションサーバでサポートしているシンボリックリンク(UNIXの場合)OSがUNIXの場合4.1.5
データベース接続環境の設定データベース(HiRDB)に接続する場合4.1.6
データベース(Oracle)に接続する場合4.1.7
データベース(SQL Server)に接続する場合4.1.8
システムの環境変数の設定必ず実施4.1.11
論理サーバの環境変数の設定インストール時の環境変数を変更する場合4.1.12
運用管理機能の構築必ず実施4.1.14
運用管理エージェントの起動必ず実施4.1.17
Management Serverの起動必ず実施4.1.18
システム環境の設定(簡易構築定義ファイルの設定)必ず実施4.1.20
システム環境の構築(セットアップ)必ず実施4.1.23
システムの起動必ず実施4.1.24
リソースアダプタの設定リソースアダプタ(DB Connector)によるリソース接続をする場合4.1.26
リソースアダプタ(DB Connector以外)によるリソース接続をする場合4.1.27
リソースアダプタの開始リソースアダプタによるリソース接続をする場合4.1.28
業務アプリケーションの設定と開始必ず実施4.1.29
システム環境定義の変更運用で必要な場合4.1.31
業務アプリケーションの設定変更運用で必要な場合4.1.32
リソースアダプタの設定変更運用で必要な場合4.1.33
システムの停止運用で必要な場合4.1.34
Management Serverの停止運用で必要な場合4.1.35
運用管理エージェントの停止運用で必要な場合4.1.36
システム環境の削除運用で必要な場合4.1.37
(凡例)
○:必ず実施する作業です。
△:作業の実施条件を満たす場合に実施する作業です。