4.7.1 運用管理機能から負荷分散機を制御するには

Smart Composer機能を使用したシステムで運用管理機能から負荷分散機を制御する場合,負荷分散機を準備する以外に,運用管理機能を配置するホストで負荷分散機へ接続する環境を設定する必要があります。

●システム構成例

運用管理機能から負荷分散機を制御するシステムの構成例を次の図に示します。ここでは,「4.1 Webサーバを別ホストに配置してマシン性能を向上するシステムの構築」で構築したシステムに負荷分散機を配置して運用管理機能から制御するように設定します。

図4-12 運用管理機能から負荷分散機を制御するシステムの構成例

[図データ]

例題で使用する設定内容を次の表に示します。

表4-37 例題で使用する設定内容(運用管理機能からの負荷分散機の制御)

分類項目設定例
システム全体簡易構築定義ファイルの名称MyWebSystemDef.xml
Webシステムの名称MyWebSystem
サービスユニットの名称unit1
負荷分散機負荷分散機の名称MyAX2000
負荷分散機の種類ACOS
負荷分散機の管理IPアドレス192.168.100.10
仮想サーバの名称www.sample.com
仮想サーバのIPアドレス192.168.1.10
仮想サーバのポート番号80
Webサーバを配置するホストホストの名称apsv1
IPアドレス(管理IPアドレス)192.168.100.11
J2EEサーバを配置するホストホストの名称apsv2
IPアドレス(管理IPアドレス)192.168.100.12

注※ ネットワークが単一構成の場合,IPアドレスは,業務IPアドレスと管理IPアドレスの両方を兼ねます。


●実施する作業と作業の要否

運用管理機能から負荷分散機を制御するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否を次の表に示します。運用管理機能からの負荷分散機の制御は,Smart Composer機能を使用して実施します。

表4-38 運用管理機能から負荷分散機を制御するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否(Smart Composer機能利用時)

運用管理機能から負荷分散機を制御するシステムの構築時に実施する作業作業の要否作業の実施条件参照個所
データベースの準備データベースに接続する場合2.1.1
データベースの環境の設定(Oracleの設定)データベース(Oracle)に接続する場合4.1.2
負荷分散機の準備必ず実施する4.7.3
Component Container管理者の設定(UNIXの場合)OSがUNIXの場合で一般ユーザに操作権限を与えるとき4.1.3
Application Serverのインストール必ず実施(OSがWindowsの場合)2.2.2
必ず実施(OSがAIX,HP-UXの場合)2.2.3
必ず実施(OSがLinuxの場合)2.2.4
データベースに接続するための製品のインストールデータベースに接続する場合2.2.5
アプリケーションサーバでサポートしているシンボリックリンク(UNIXの場合)OSがUNIXの場合4.1.5
データベース接続環境の設定データベース(HiRDB)に接続する場合4.1.6
データベース(Oracle)に接続する場合4.1.7
データベース(SQL Server)に接続する場合4.1.8
システムの環境変数の設定必ず実施4.1.11
論理サーバの環境変数の設定インストール時の環境変数を変更する場合4.1.12
運用管理機能の構築必ず実施4.1.14
運用管理エージェントの起動必ず実施4.1.17
Management Serverの起動必ず実施4.1.18
負荷分散機への接続の設定必ず実施4.7.5(1)
システム環境の設定(簡易構築定義ファイルの設定)必ず実施4.1.204.7.5(2)
システム環境の構築(セットアップ)必ず実施4.1.23
システムの起動必ず実施4.1.24
リソースアダプタの設定リソースアダプタ(DB Connector)によるリソース接続をする場合4.1.26
リソースアダプタ(DB Connector以外)によるリソース接続をする場合4.1.27
リソースアダプタの開始リソースアダプタによるリソース接続をする場合4.1.28
業務アプリケーションの設定と開始必ず実施4.1.29
(凡例)
○:必ず実施する作業です。
△:作業の実施条件を満たす場合に実施する作業です。
注 
運用管理機能からの負荷分散機制御時の注意事項については,「4.7.6 負荷分散機を制御するときの注意事項」を参照してください。