4.5.1 論理ユーザサーバを配置するには

論理ユーザサーバを使用すると,ユーザが定義する任意のプロセスをManagement Serverで運用管理できるようになります。

Smart Composer機能の場合は,論理ユーザサーバを簡易構築定義ファイルで定義します。また,運用管理ポータルでは論理ユーザサーバを定義できませんが,定義された論理ユーザサーバに対して起動,停止および運用監視の操作ができます。運用管理ポータルで論理ユーザサーバを使用する場合は,論理ユーザサーバをファイルで定義したあと,運用管理コマンドでそのファイルを基に論理ユーザサーバを設定します。

●システム構成例

論理ユーザサーバを配置するシステムの構成例を次の図に示します。ここでは,「4.1 Webサーバを別ホストに配置してマシン性能を向上するシステムの構築」で構築したシステムに論理ユーザサーバを配置します。

図4-9 論理ユーザサーバを配置するシステムの構成例

[図データ]

例題で使用する設定内容を次の表に示します。

表4-29 例題で使用する設定内容(論理ユーザサーバの配置)

分類項目設定例
システム全体簡易構築定義ファイルの名称MyWebSystemDef.xml
Webシステムの名称MyWebSystem
サービスユニットの名称unit1
Webサーバを配置するホストホストの名称apsv1
IPアドレス(管理IPアドレス)192.168.100.11
論理ユーザサーバの名称UserServer1
J2EEサーバを配置するホストホストの名称apsv2
IPアドレス(管理IPアドレス)192.168.100.12
論理ユーザサーバの名称UserServer2

注※ ネットワークが単一構成の場合,IPアドレスは,業務IPアドレスと管理IPアドレスの両方を兼ねます。


●実施する作業と作業の要否

論理ユーザサーバに配置するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否を,利用する構築ツールごとに次の表に示します。

表4-30 論理ユーザサーバを配置するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否(運用管理ポータル利用時)

論理ユーザサーバを配置するシステムの構築時に実施する作業作業の要否作業の実施条件参照先マニュアル参照個所
データベースの準備データベースに接続する場合このマニュアル2.1.1
データベースの環境の設定(Oracleの設定)データベース(Oracle)に接続する場合4.1.2
Component Container管理者の設定(UNIXの場合)OSがUNIXの場合で一般ユーザに操作権限を与えるとき4.1.3
Application Serverのインストール必ず実施(OSがWindowsの場合)2.2.2
必ず実施(OSがAIX,HP-UXの場合)2.2.3
必ず実施(OSがLinuxの場合)2.2.4
データベースに接続するための製品のインストールデータベースに接続する場合2.2.5
アプリケーションサーバでサポートしているシンボリックリンク(UNIXの場合)OSがUNIXの場合4.1.5
データベース接続環境の設定データベース(HiRDB)に接続する場合4.1.6
データベース(Oracle)に接続する場合4.1.7
データベース(SQL Server)に接続する場合4.1.8
システムの環境変数の設定必ず実施4.1.11
論理サーバの環境変数の設定インストール時の環境変数を変更する場合4.1.12
運用管理機能の構築必ず実施運用管理ポータル2.2
運用管理エージェントの起動必ず実施4.1.2
Management Serverの起動必ず実施4.1.2
システム環境の設定必ず実施3.2
システム環境のセットアップ必ず実施
論理ユーザサーバの設定必ず実施3.2.4
システムの起動(論理サーバの起動)必ず実施4.1.2
リソースアダプタの設定リソースアダプタ(DB Connector)によるリソース接続をする場合3.3
リソースアダプタ(DB Connector以外)によるリソース接続をする場合
リソースアダプタの開始リソースアダプタによるリソース接続をする場合4.1.2
業務アプリケーションの設定と開始必ず実施3.4,4.1.2
(凡例)
運用管理ポータル:マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を示します。
○:必ず実施する作業です。
△:作業の実施条件を満たす場合に実施する作業です。

表4-31 論理ユーザサーバを配置するシステムの構築時に実施する作業と作業の要否(Smart Composer機能利用時)

論理ユーザサーバを配置するシステムの構築時に実施する作業作業の要否作業の実施条件参照個所
データベースの準備データベースに接続する場合2.1.1
データベースの環境の設定(Oracleの設定)データベースがOracleの場合4.1.2
Component Container管理者の設定(UNIXの場合)OSがUNIXの場合で一般ユーザに操作権限を与えるとき4.1.3
Application Serverのインストール必ず実施(OSがWindowsの場合)2.2.2
必ず実施(OSがAIX,HP-UXの場合)2.2.3
必ず実施(OSがLinuxの場合)2.2.4
データベースに接続するための製品のインストールデータベースに接続する場合2.2.5
アプリケーションサーバでサポートしているシンボリックリンク(UNIXの場合)OSがUNIXの場合4.1.5
データベース接続環境の設定データベースがHiRDBの場合4.1.6
データベースがOracleの場合4.1.7
データベース(SQL Server)に接続する場合4.1.8
システムの環境変数の設定必ず実施4.1.11
論理サーバの環境変数の設定インストール時の環境変数を変更する場合4.1.12
運用管理機能の構築必ず実施4.1.14
運用管理エージェントの起動必ず実施4.1.17
Management Serverの起動必ず実施4.1.18
システム環境の設定(簡易構築定義ファイルの設定)必ず実施4.1.204.5.2
システム環境の構築(セットアップ)必ず実施4.1.23
システムの起動必ず実施4.1.24
リソースアダプタの設定DB Connectorによる接続の場合4.1.26
DB Connector以外による接続の場合4.1.27
リソースアダプタの開始リソースと接続する場合4.1.28
業務アプリケーションの設定と開始必ず実施4.1.29
(凡例)
○:必ず実施する作業です。
△:作業の実施条件を満たす場合に実施する作業です。